「麻生追放運動」の怪 なぜ枝野代表に文句を言わないのか?
日刊ゲンダイというメディアに掲載される記事は、クオリティが非常に低く、正直、まともに相手をする必要はないという気もします。ただ、この手の三流ゴシップ紙の報道を眺めていると、ときどきは面白いネタを発見することができます。麻生太郎副総理兼財相に対し、市民団体が「追放運動」を始めたという、実に呆れた記事を発見したのですが、どうして日刊ゲンダイは「セクハラ議員」を大量に抱える立憲民主党の枝野代表に辞任を求めないのでしょうか?
目次
日刊ゲンダイ、吠える!
他人の身体的特徴を侮蔑する三流メディア
『日刊ゲンダイDIGITAL』に、なかなか威勢の良い記事がありました。
署名運動も始まった 麻生財務相の“追放運動”は拡大の一途(2018/10/10 14:51付 日刊ゲンダイDIGITALより)
なんと、日刊ゲンダイによると、麻生財相の「追放運動」(!)が「拡大の一途」をたどっているのだとか。記事の書き出しは、こうです。
「国民の怒りはもはや頂点に達した。安倍首相が辞めさせないなら、国民が引きずり降ろす以外にない。狙いはもちろん決まっている。第4次安倍改造内閣で留任した“ヒョットコ顔男”こと、麻生財務相のクビだ。」
なるほど。麻生太郎副総理兼財相のことを「ヒョットコ顔男」とは、凄い表現ですね。久しぶりに驚いてしまいました。
習近平(しゅう・きんぺい)国家主席の顔写真に墨を掛けただけで逮捕される中国と異なり、わが国では、公人(とくに政治権力者)に対する批判の自由はかなり広範囲に認められており、身体的特徴などを含めて侮辱しても、名誉棄損は成立しないとされています。
しかし、いくらなんでも「ヒョットコ顔男」という表現は、あんまりではないですか?他人の身体的特徴をバカにするような表現を平気で掲載するあたり、日刊ゲンダイは「三流メディアだね」と批判されても仕方がないかもしれません。
ただ、日刊ゲンダイが麻生氏を「ヒョットコ顔男」と表現した理由は、おそらく、「そこくらいしか批判するポイントがないから」でしょう。
日刊ゲンダイ「麻生氏留任に対する不信感」
その日刊ゲンダイは、内閣改造NHKや毎日新聞、共同通信などの世論調査結果を引用し、「麻生氏留任に対する国民の不信感は募る一方だ」としたうえで、次のように述べます。
「どの世論調査でも、国民の多くが“ノー”を突きつけているにもかかわらず、当の本人はシレッとしたもの。相変わらずの「べらんめぇ調」で、記者をにらみつけ、上から目線でエラソーなことばかり言っている。財務省の決裁文書改ざんを主導した佐川宣寿前国税庁長官についても、「極めて有能な行政官だった」と言い、自身の監督責任を棚に上げて居直ったまま。安倍首相の言う「丁寧」「謙虚」「真摯」のカケラもない。親の七光で飯を食い、税金をしゃぶり、ロクに漢字も読めない破廉恥人間のクセに、これまた一部の大マスコミや取り巻きから「親分肌」「麻生節」などと持ち上げられてカン違いしているから、どうしようもない。」
ずいぶんと思いが込められていますね(笑)
確かに、私自身も財務省の公文書偽造事件を巡っては「あるまじきことであり、許されない」と思いますが、もしそれを批判するならば、麻生氏の監督責任の前に、直接手を下した者たちや、公文書偽造をさせた財務省の組織風土を問題とすべきではないでしょうか?
そして、「ロクに漢字も読めない破廉恥人間」のくだりは、おそらく、2009年1月に、当時の石井一(いしい・はじめ)参議院議員(民主党)が予算委員会で、麻生総理に対して「漢字テスト」を仕掛けたことを指しているのだと思います。
私など、この石井一という男に対し、「リーマン・ショック直後のドタバタのなかで、よくぞこういう下らない質問をするものだ」と呆れた記憶があるのですが、10年も経ってそのネタを改めて出してきたあたり、日刊ゲンダイも、しょせんは「スキャンダルでしか政権攻撃できない三流メディア」なのかもしれませんね。
笑いものになるのは日刊ゲンダイの方では?
そして、日刊ゲンダイは、こう続けます。
「もはや、こんな大臣を放っておいたら日本は世界の笑いもの。そう考えた「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」は10日から、麻生氏辞任を求める署名を始めた。来月11日には、財務省前で“麻生追放”デモを行う予定だ。」
笑いものになるのは麻生総理ではなく日刊ゲンダイの方ではないでしょうか。
それはさておき、日刊ゲンダイによると、「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」という組織が、11月11日(日)に財務省前で抗議デモを行う予定だそうです。例によって、数百人しか集まらなかったのに「1万人が抗議の声をあげた」などと発表する怪しげな団体でしょうか?
日刊ゲンダイは同会の醍醐聰東大名誉教授の次の説明を紹介しています。
「麻生さんの辞任要求については、森友問題の徹底解明や佐川前長官の辞任要求と合わせて、すでに1万3719筆の署名を財務省に提出していますが、新たに麻生さんの辞任に的を絞った署名を集め、来月に提出しようと考えています。麻生さんは安倍政権のアキレス腱。文書改ざんが行われ、職員が自殺する事態になったのに、財務省の対応を『適正』などとトンチンカンなことを言っている。これは財務省のトップがガバナンスを踏みにじっている異常事態であり、徹底して辞任を求めていきます」(※下線部は引用者による加工)
トンチンカンなことを言っているのは、この場合、醍醐聰東大名誉教授の方でしょう。日刊ゲンダイは
「麻生氏が大臣を辞めるまで追放を求める運動は拡大するばかりだ」
と述べていますが、はて、運動が拡大するのかどうか、じっくり見させていただきましょうかね。
監督責任を問うならば?
財務省の公文書偽造問題、セクハラ問題
ただ、もちろん私自身も財務省という組織を擁護するつもりは毛頭ありません。財務省といえば、財政再建が必要ない日本において、「財政再建が必要だ」「消費税の税率は10%以上に引き上げなければならない」といったウソを堂々と広める「国民の敵」です。
なぜ日本に増税が必要ないのかについては『日本は財政危機ではない!数字で議論する日本経済と資金循環』でも議論しているので、ここでは繰り返しません(※ただし、コメント欄でも年金財政などについて勘違いしている人がいたようなので、これについては機会を見つけてまた議論したいと思います)。
そして、財務省は確かに大きな権力を握っています。というのも、国税庁を通じて歳入を握り、主計局が予算を通じて歳出を握っているからです。どんな社会においても、「カネの流れ」を完全に抑えた人間が、一番強い権力を持つことは当たり前の話です。
その意味で、「日本を支配する官庁」だという驕り、高ぶりがあるのかもしれません。
財務省による公文書偽造事件は、佐川宣寿理財局長(当時)の国会答弁に合わせる形で、近畿財務局が本省の指示に基づき、森友学園に対する国有地売却に関する資料を書き換えたというものであり、明らかに言語道断の事件です。
また、セクハラ疑惑は、福田淳一事務次官(当時)がマスコミの女性記者に対して卑猥な発言をしていたとされる事件です。
これについては雑誌『週刊新潮』が入手し、公表した音声データがその証拠とされていますが、その割に、福田氏が話しかけていると思しき相手の音声はカットされており、正直、証拠力自体がきわめて疑わしいものです。
ただ、福田氏は4月下旬に辞職するとともに、財務省は福田氏を「テレビ朝日が記者会見で明らかにした内容を覆すに足りる反論・反証を示していない」として減給処分にしています。財務省セクハラ事件とはこのように、非常に不自然な幕引きが行われた事件でもあります。
任命責任と監督責任?そりゃそうだな。
もちろん、福田淳一前事務次官がセクハラを行ったというのは事実なのかどうかよくわかりません。ただ、財務省の公式見解としては、確かに福田氏がテレビ朝日の女性記者に対してセクハラ行為を行ったと判断しているというものです。
また、基本的に、麻生氏は政治家であり、福田氏は行政官ですが、それと同時に事務次官は事務方のトップであるとともに、大臣の部下という立場にもあります。このように考えていけば、麻生太郎副総理兼財相と福田淳一前事務次官は「上司・部下」という関係にあるともいえます。
さらに、政治家と官僚では人事の仕組みがまったく異なり、実務的には官僚の人事に政治家が口を出すことはあまりありませんが、麻生副総理自身は6年近く財相を務めているわけですから、任命責任や監督責任がまったくないわけではない、という理屈は成り立つでしょう。
では、仮に「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」が主張する、「麻生(氏)は辞任せよ!」という要求が妥当なものだったとすれば、何がおかしいのでしょうか?
立憲民主党の枝野幸男代表が真っ先に辞任すべき
政界のセクハラ政党といえば、何といっても衆議院の最大野党・立憲民主党をおいてほかにありません。いや、「下半身不祥事系政党」とでも言えば良いでしょうか?(笑)以下、敬称略で「下半身系スキャンダル」を紹介しておきましょう。
- 初鹿明博…『週刊新潮』によると、2016年12月に舞台女優をラブホテルに連れ込もうとしたほか、『週刊文春』によれば、2017年11月にはタクシーの車内で知人女性に強制猥褻行為を働いたとされる
- 青山雅幸…自身が経営する法律事務所の元秘書からセクハラ被害を告発され、党員資格停止処分に。また、福山哲郎幹事長宛に女性地方議員らが議員辞職勧告要望書を提出した
- 山尾志桜里…地球を6周できるほど大量のガソリン代を支出していたとする、おそらくは虚偽の政治資金収支報告書を提出。9歳年下の男性弁護士と不倫関係に。
- 小川勝也…息子の小川遥資(22)が昨年から今年にかけて、小学生女児などに対する強制猥褻の疑いで何度も警察に逮捕されている。
いずれも、単独でも十分な不祥事ですが、こうも連続して発生すると、何か意図的なものを感じざるを得ません。
セクハラなどの不祥事で、いちいち部下の不始末の責任を取って辞任すべきと主張するならば、どうして東京大学の醍醐名誉教授は立憲民主党の枝野幸男代表に党代表辞任を求めないのでしょうか?
署名活動をするならば、枝野幸男氏に立憲民主党代表を辞任するよう求めるべきですし、また、初鹿明博、青山雅幸、山尾志桜里、小川勝也の各議員に議員辞職を要求するのが筋ではないでしょうか?
いずれにせよ、安倍政権が憎いという気持ちもわからないではありませんが、市民団体の皆さんや「三流紙」日刊ゲンダイの、こうしたダブル・スタンダードはもはや醜悪ですらあります。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ただ、私は別に、枝野氏の辞職を求めるつもりは一切ありません。
現在の立憲民主党に対する支持率は、主要メディアの調査では4~5%程度に留まっていますし、私たち有権者が賢ければ、選挙のたびに立憲民主党の議員どもを少しずつ落選させることができるからです。その意味で、「国民の敵」については、おちょくりながらも楽しく倒していきたいものですね。
『朝日新聞社説批判 国民の敵を楽しくやっつける方法とは?』でも申し上げましたが、支離滅裂な行動を取る国民の敵については、やはり矛盾点をねちねちと列挙しながら、楽しくやっつけたいものです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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[(日刊ゲンダイ)この回覧板は(魔住塵)マスゴミの廃液。]
ってこんな感じで彼のヘイト記事と釣り合いますか?
< 更新ありがとうございます。
< 「ひょっとこ顔」とか「漢字が読めない」で石井一(ピン、本当はハジメ)を出す辺り、この記者サンは相当お爺ですな(笑)。私に近いか?もっと上か?ハナシが合いそうだ(笑)。
< まず、「ひょっとこ」なんて、若い人には発想がない。石井ピンなんて、とっくに引退した過去のヒト。一二と言う弟も居たね。漢字が読めないと言うなら、学歴で言うのはなんだが、石井一はエスカレーターで上がった方。まともな学力があるとは思いません。
< これを書いたのは、ゲンダイぐらいしか書かして貰えないライターか、社員か。いずれにしても、書き手の風貌まで伝わって来るような下品さです。 *いまどきどんな奴、いや失礼、どんな人がゲンダイ買うんだろう?不思議。
< 醍醐聰とかいう教授も発言は真っ赤っ赤ですね。大した研究も無いのに歳だけ行って名誉教授とは、東大も迷惑だろな(笑)。『モリカケ〜許さない市民の会』これも完全にイカレた連中。1万人?100人の間違いでしょう。全員共産党とシンパだ。
< ナゼこの人達、三流メディアが安倍首相、麻生財務大臣を攻撃するか。 【売れるから】です。一言で言って、それだけです。
< 立憲民主党の謝や山尾など一面に持って来ても、読者は腹が立つだけ(笑)。『大阪弁で汚なく言いやがって。読みたくない!』か『ガソリーヌはツンと澄ましながら下半身スキャンダル、弁護士で金もある。誰が読むか!』となるわけです。
< その点安倍首相をおちょくるのは、天下人に対する『ヤッタ』感、麻生氏に対しては『麻生財閥に対する腹いせ』。 こんなしょうもない事でも買う人が居るんでしょう。もちろん、インターネットとは無縁の、紙面をめくる指にインクが付いたお爺ちゃん、左傾人でしょうね。
>> 東大名誉教授
肩書って本当に意味ないですね・・・