【速報】南北首脳会談、拉致もCVIDも「ゼロ回答」

異例ですが本日5本目の配信です。やはり南北首脳会談の結果は、日米両国にとっては失望の結果に終わりました。

韓国滅亡へのカウントダウン

南北首脳「板門店宣言」の概要

本日の南北首脳会談の結果、北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の両名は13項目からなる「板門店宣言」を採択しました。韓国メディアが報じた「板門店宣言」の概要は、次のとおりです。

  • ①(中略)南北は関係改善と発展の転換的局面を切り開く
  • ②南北は高官級会談など各分野の対話と交渉を早期に開催する
  • ③南北は当局間協議を緊密に行(中略)う目的で開城に連絡事務所を設置する
  • ④南北は各界各層の多面的な協力と交流と接触を活性化する
  • ⑤南北は早急に人道問題解決の努力を行う
  • ⑥南北は東海線、京義線などの鉄道や道路を連結する
  • ⑦南北は地上、海上、空中などすべての空間で一切の敵対行為を全面中止する
  • ⑧南北は西海の北方境界線一帯を平和水域とする
  • ⑨南北は相互協力と交流、往来と接触が活性化することによるさまざまな軍事的保障対策を取る
  • ⑩南北はいかなる形の武力も互いに使用しないという不可侵合意を再確認する
  • ⑪南北は軍事的緊張が解消され、対外の軍事的信頼が実質的に構築されることで段階的軍縮を実現する
  • ⑫南北は停戦協定65年になる今年、終戦を宣言し、停戦協定を平和協定に転換(中略)するために、米南北3者または米中南北4者の会談を積極的に推進する
  • ⑬南北は完全なる非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した

(【出所】ハンギョレ新聞日本語版の記事を著者の文責にてかなり要約。ただし、日本語の誤植と思われる部分については適宜修正している)

「板門店宣言」をどう見るか?

この「板門店宣言」、ヒトコトでいえば失望に尽きます。

まず、安倍晋三総理大臣が訪米した際に、ドナルド・トランプ米大統領と共同で宣言した2つの内容が、一切織り込まれていません。この内容とは「核・ミサイルのCVID(※)」と「拉致事件の完全解決」です。

(※CVIDとは、「完全、検証可能、不可逆的な方法による廃棄(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)」のこと)。

確かに⑬で「南北は完全なる非核化~を確認した」とありますが、その具体的な方策については一切触れられていません。いや、正確にいえば、「非核化」という文言で誤魔化しながら、この両名が、南北統一の暁には「核武装した統一朝鮮」を出現させようと望んでいるようにしか見えません。

日本と米国の両国は、北朝鮮がCVIDに応じない限り、いかなる援助も北朝鮮に与えないという方針で一致しています。また、拉致問題が「ゼロ回答」だったことを受け、今後は日本政府、米国政府ともに、本格的に北朝鮮と対決していく必要が出て来ました。

形を変えた韓国の北朝鮮への降伏宣言

一方、韓国にとってみれば、北朝鮮に対して一方的に「無抵抗宣言」をしたようなものです。もともと、韓国は2010年の「天安」撃沈事件や延坪島砲撃事件に際して、北朝鮮に一切、反撃をしていませんでしたが、今回の「板門店宣言」により、精神的にも、ほぼ完全に骨抜きにされた格好です。

それだけではありません。勝手に「朝鮮戦争の終戦」に合意してしまいましたが、これも大きな問題です。なぜなら、停戦合意の北側の当事者は北朝鮮ですが、南側の当事者は米国を主体とする国連軍であり、韓国ではないからです。

さらに、「米国と南北朝鮮の3ヵ国」または「米中と南北朝鮮の4ヵ国」の会談の開催を勝手に決めてしまいましたが、米国と中国との合意は取れているのでしょうか?本件について、中国はともかく、少なくとも韓国が米国と事前合意を取っているようには、私には思えません。

また、今回の宣言で日本とロシアは明確に除外されていますが、日本を除外した以上、今後韓国が窮地に陥ったとしても日本は絶対に韓国を助けないということにつながりかねませんし、ロシアを除外したことで、北朝鮮がロシアを敵に回した可能性が十分にあります。

よくぞここまで危険なことをやったものです。もうすぐ文在寅政権が発足して1年になりますが、わずか1年で、よくぞここまで急激に韓国を弱体化させるとは、実に興味深いところです。

北朝鮮への従属宣言

それだけではありません。今回の共同宣言の末尾には、次のような文言が確認できます。

南と北は、北朝鮮側が取っている主導的な措置が朝鮮半島の非核化に向けて非常に有意義で重大な措置であるという認識を共にし、今後それぞれ自分の責任と役割を果たすことにした。/南と北は、朝鮮半島の非核化に向けた国際社会の支持と協力に向けて積極的に努力することにした。/両首脳は定期的な会談と直通電話を通じて、民族の重大事を頻繁に真剣に議論し、信頼を強固にして、南北関係の持続的な発展と朝鮮半島の平和と繁栄、統一に向けた良い流れをさらに拡大していくために、共に努力することにした。/さしあたって、文在寅大統領は今年秋に平壌を訪問することにした。

何でしょうか、この「北朝鮮側が取っている主導的な措置が朝鮮半島の非核化に向けて非常に有意義で重大な措置」という文言は?これは明らかに、日米が求めていたCVIDとはまったく異なる、北朝鮮がこれまで主張してきた「核の段階的廃絶」です。

しかも、「北朝鮮が主導的に措置を取るから、韓国はそれを国民に伝えろよ」、と言っているわけです。これほどまでに韓国をバカにした文言はないでしょう。

共同宣言によれば、文在寅氏は今年秋に平壌(へいじょう)を訪問するつもりだそうですが、その時までに平壌が無事に存続しているとは思わない方が良いかもしれません。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 急報ありがとうございます。
    < 『北朝鮮が取っている主導的な措置が朝鮮半島に有意義〜』、、、南朝鮮は全面降伏、服従ですか。こんな宣言、よくもまあ図々しく発表できたもんだ。『秋にとりあえず平壌に文大統領が訪問』と言うことは、秋まで時間稼ぎさせたな。ま、ハナから大した期待はしてませんが、朝鮮民族らしい、どうとでもとれるような発言に終始しております。
    < これで敵の出方はわかった。米朝は無いかもしれない。日米の反応を早く見たいですね!
    < 失礼します。

  2. 匿名 より:

    何だかムンジェインは勝利宣言っぽいよね、南鮮消滅確定なのにねww

  3. 歴史好きの軍国主義者 より:

    記事の配信ご苦労様です。

    外に公開出来るクオリティで1日評論5回作成は当方には絶対できません(尊敬)。

    さて、当方には一つ疑問が有ります。

    果たして韓国を裏切った実績を持つ文大統領は朝鮮半島の指導者である黒電話将軍に「自分は決して裏切らない」と証明が出来るのだろうか?
    と言う事です。

    将来、粛正と言う名の喜劇を観る事が出来る予感がします(笑)。

    長文失礼しました。

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