インターネットは情報の切り取りを許さない

本日は週初ということもあり、普段とは少しだけ毛色を変えて、私の個人的体験とともに、マス・メディアの「そもそも論」について考えてみたいと思います。

連続でのマス・メディア論

当ウェブサイトでは、何日も連続して似たようなテーマを話題に選ぶことは避けたいと思っています。週末には『埼玉県民様から:「日本の広告費2017」を読む』、『田原総一朗氏の「火消し」も手遅れ』と、2日連続でマス・メディア論を掲載してしまいました。

ただ、本日ばかりは、どうしてもこのタイミングで執筆しておきたい論点があります。そこで、3日連続になってしまいますが、本日もマス・メディア論、それも

マス・メディアに騙されないためには何が必要なのか

――について議論していきたいと思います。

人間ドックでの雑誌体験

年1回の人間ドックならではの体験

私は土曜日に「人間ドック」を受けて来ました。私はここ7~8年、毎年かならず某病院で人間ドックを受けていて、自身の健康状態をチェックするようにしています。私はまだ40代ですが、両親がともに癌で他界しているため、親の遺言(?)を守って、健康チェックは怠らないようにしているつもりです。

とくに、この人間ドックでは胃カメラ(内視鏡)を飲むのですが、先生方の腕も良く、のど用の麻酔を飲んだうえで、意識をもうろうとさせる薬を使ってもらうため、まったく苦しまずに検査を受けることができます。昨日も、気が付いたら胃カメラの検査が終わっていたほどです。

そして、人間ドックをきっかけに、ピロリ菌の除菌や大腸ポリープの切除、高血圧の治療などを行っていることもあり、結果的には非常に役立っていると思います。読者の皆様も、どうか成人病にはくれぐれもご注意ください。

それはさておき、検査ではどうしても待ち時間が発生してしまいます。待合室にはスマートフォンの持ち込みができないので、必然的に待合室に置いてあるさまざまな雑誌を眺めて時間を過ごすことになります。そこで、普段は絶対に読まないような、紙メディアの雑誌類を読むことになるのです。

久しぶりに読んだ雑誌に幻滅する

さて、待合室には週刊ダイヤモンドだの、週刊東洋経済だの、プレジデントだの、ニューズウィークだの、経済誌や経営誌などが置いてあります。実は、私は10年以上、『週刊ダイヤモンド』と『週刊東洋経済』の購読を続けていたのですが、昨年、両誌の購読をやめてしまいました。

購読をやめた理由は、紙媒体がジャマになるという理由に加え、企業経営を始めて以来、これらのメディアに掲載されている情報に対し、あまり有益さを感じなくなったからです。さらに、たいていの情報はインターネットで閲覧することができ、「これらの雑誌でしか絶対に手に入らない情報」など、ほとんどありません。

ただ、購読をやめて以来、久しぶりにこれらの雑誌を手に取ってみたのですが、書いてある記事のレベルがあまりにも低すぎ、驚いてしまいました。私は新聞も一般誌も購読していないにもかかわらず、「初めて知る」という論点がほとんどないのです。

ためしに週刊ダイヤモンドに「会計特集」なる記事があったので読んでみたのですが、レベルが低すぎてまったく実務では使い物にならない代物であり、がっかりしてしまいました。もっとも、私の場合は専門性が高すぎるからなのかもしれませんが…(笑)

また、ニューズウィークに慰安婦問題や過去の戦争責任などに関する特集があったのですが、「慰安婦問題は朝日新聞の捏造である」という基本的な事実が一切無視されており、正直、読むに耐えられる代物ではありませんでした。

さらには、「国の借金をどうやって圧縮すべきか」、「森友問題で高まる安倍政権への不信感」といった、すでにネット上ではある程度の答えが出ている諸問題についても、明らかに周回遅れの議論がなされています。これだと「紙媒体メディアの凋落」を食い止めることなど不可能でしょう。

しかも、これらの記事を執筆しているのは、雑誌社の記者以外に、名の知れた一流大学の教授であったり、多くのマス・メディアでもてはやされているジャーナリストであったりするわけです(これらのジャーナリストの中には、『田原総一朗氏の「火消し」も手遅れ』でも触れた、田原総一朗氏のような人物も居ますが…)。

仮に彼らが「一般読者にもわかるよう、わざとレベルを下げて記事を執筆している」のだとすれば、それは一般読者をバカにし過ぎですし、「本気でそういう主張をしている」のであれば、私はその執筆者の知識水準や取材能力を疑います。

雑誌の長所

ただし、敢えて良い点を挙げるとすれば、紙媒体であるがために、美しい写真の入った誌面を作ることができます。たとえば、料理特集の雑誌やファッション雑誌などは、ウェブ・メディアに伍していける数少ない分野といえるかもしれません。

また、週刊誌の場合1つの号に1週間分のニュースが掲載されるため、少し前のニュースをまとめておさらいすることができる、という長所があります。某病院の待合室に置いてあった雑誌は、ここ1~2ヵ月のものですが、パラパラ読み返してみれば、「あぁ、そういえばそういうニュースがあったな」、と思えるのです。

この「少し前のニュースをダイジェストで振り返ることができる」という機能は、新聞やテレビにはないものなので、これが敢えて申し上げれば雑誌の長所といえるのかもしれません。

ただし、この「長所」は、ウェブ・メディアと比べたときには「長所」とはいえません。なぜなら、ウェブ・メディアの場合、その気になれば、いくらでも過去の報道を調べることができるからです(もっとも、古い記事の場合はウェブサイトから削除されている場合もありますが…)。

ちなみに当ウェブサイトの場合、当記事執筆時点において、過去の全記事(2016年7月にウェブサイトを開設して以来の記事)はすべて無料で読むことができますので、雑誌よりも検索機能は優れているかもしれませんね(笑)

フェイク・メディア

問題の本質を常に意識せよ!

さて、常日頃私が思っていることが、1つあります。それは、何をするにしても、常に「問題の本質」を意識することが重要である、という点です。

わが国では、ここ1年以上、森友学園問題、加計学園問題などの「学園物」が、朝日新聞を筆頭とする既存のオールド・マス・メディアの中心的な話題となっています。憲法改正、北朝鮮の核開発問題など、内外に課題が山積しているにも関わらず、です。

森友学園問題については、最初は「国有地を格安で学校法人に売却した疑惑」がスタートでした。つまり、

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営する学校法人に対し、国有地を不当に安く払い下げることを指示した

という問題です。これが事実ならば、安倍晋三氏が行ったことはれっきとした犯罪であり、内閣総理大臣を辞職するだけでなく、衆議院議員をも辞職すべきだ、という流れに繋がります。

しかし、選挙区も異なるうえに、安倍政権が発足する前から、豊中市の国有地の売却が進められていたという客観的事実を踏まえるならば、どうして安倍総理本人がわざわざ、たかが十数億円の国有地の売却で「口利き」をする必要があるのでしょうか?

こうした真っ当な疑問に対し、次第に「安倍昭恵氏(安倍総理の奥様)から100万円の寄付金を受け取った(と籠池氏が主張した)」だの、「決算書を複数作成していた」だの、本筋と関係のない情報が大量に出て来ました。

後になって振り返ってみると、「安倍晋三が国有地の格安での払下げに関わっていた」とする疑惑の立証ができないため、「もうとにかく安倍は怪しい!」「何か知らないけど絶対に安倍は悪さをしているに違いない」という印象を植え付けるために行われた情報操作であると見るべきでしょう。

さらに、加計学園問題についても同様に、最初報道されたときには、

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営する学校法人に対し、法律で新設が禁止されている獣医学部の設置を強制した

という問題だったはずです。

しかし、これについても、よくよく調べていくと、

  • 加計学園の獣医学部新設の申請は安倍政権が発足する以前から行われていたこと
  • 獣医学部の新設は法律で禁止されているわけではなく、むしろ獣医学部の新設を禁じた文科省の行政が法律に違反していたこと
  • 獣医師会と文部科学省、農水省などが癒着し、結託して獣医学部の新設を阻んでいたこと

――などの実態が明らかになりました。

それどころではありません。玉木雄一郎衆議院議員(現・希望の党代表)は、獣医師会の関連団体から巨額の寄付を受け、獣医師会に有利になるように国会質問を行いました。これは、いわば「受託斡旋収賄」という犯罪に該当する可能性があります。

実際、1990年代にゼネコン疑惑で中村喜四郎衆議院議員(当時:自民党、現在は無所属)が逮捕されたときとまったく同じ構図です。もし日本が法治国家を名乗るなら、疑惑の総本山は安倍総理ではなく、玉木雄一郎衆議院議員です。

検察は、大阪の森友学園問題や、民間企業であるJR東海のリニアの談合疑惑などを、無理やり捜査するくらいなら、今すぐ、玉木雄一郎議員を受託斡旋収賄の容疑で逮捕するのが筋でしょう。

本質を逸らすのがマスゴミの基本テクニック

ところで、最近の森友学園関連報道を見ていると、こうした

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営する学校法人に違法な便宜を供与した

という「問題の本質」が、意図的に無視されています。ここからわかることは、疑惑を最初に報じる時点では、読者・視聴者に対して「安倍晋三(氏)や夫人が不正を働いたに違いない」と強く印象付け読者・視聴者が安倍政権に対して不信感を抱くように誘導するのです。

しかし、肝心の「安倍晋三(氏)が不正を働いた」ということ自体、事実ではありません。というよりも、最初からでっち上げる目的で、ウソに近いことを書いているのですから、そのうち「証拠はいつ出て来るのか?」と、読者・視聴者が疑問に思い始めます。

そこで、マス・メディアは「あんな事件もあった!」「こんな事件もあった!」と、次々に論点をずらして行きます。つい最近だと、「財務省が『森友学園に対する国有地売却の決裁文書』という公文書を偽造していた!」というニュースをぶち上げ、「もうとにかく安倍晋三(氏)は信頼できない!」と印象付けるのです。

ひと昔前であれば、これで政権は間違いなく吹き飛んでいたでしょう。なぜなら、四六時中、新聞やテレビが「安倍は怪しい!」と言い続けていれば、人々の間でも何となく「安倍は悪いことをしているに違いない!」という印象を抱くからです。

しかし、現代は違います。もちろん、ひと昔前と同様、新聞とテレビに全幅の信頼を置いている人もいますが、最近だと、新聞やテレビではなく、インターネットから情報を取得しようとする人が増えてきているからです。

※ちなみに「マスゴミ」とは、前時代的な特権に守られながら、ゴミのような情報しか流さないマス・メディアに対する怒りを込めて、インターネットで自然発生的に広がったネット・スラングですが、いまやマス・メディア自身を除く多くの人々が、マス・メディに対する敬意も込めて(?)「マスゴミ」と呼んでいるようです。

インターネットは「論点ずらし」を許さない!

ここで重要な点が1つあります。それは、インターネットの世界では、こうした「論点ずらし」が許されない、という点です。

先ほども私は、「インターネットだとニュースを過去にさかのぼって検索することができる」と申し上げました。また、雑誌の購読をやめた理由は、「紙媒体だとかさばるから」です。世の中には、過去の雑誌をすべて保存しているという奇特な人は少数派です。

図書館に行けば、過去の新聞、雑誌などを調べることはできますが、時間がない忙しい社会人が、ふと疑問に思ってすぐに図書館に出掛ける、ということなどできません。結局、最新の新聞・テレビ・雑誌などの報道を鵜呑みにする人が多くなってしまうのです。

しかし、インターネットがここまで普及して来ると、一般人であっても、朝日新聞の報道に接して、「あれ?おかしいな?」と思った瞬間、インターネットで過去の経緯を調べてみることができるのです。

たとえば、一般人が、

あれ?新聞やテレビが大騒ぎしている森友問題って何だっけ?

と思ってインターネットで調べてみると、どうやら

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を利用して国有地を不当に値引きさせた事件のことだ

ということくらい、すぐにわかります。しかし、この例だと、安倍総理(あるいはご夫人の昭恵さん)が、近畿財務局に圧力を掛けて土地を値引きさせたという決定的証拠が出て来ていないのを見ると、普通の人は「ではなぜここまで大騒ぎしているのだろうか?」と疑問に思います。

それだけではありません。

「佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)前国税庁長官を証人喚問した」理由が、安倍総理夫妻が有罪かどうかを証言させるためではなく、「財務省の公文書偽造について」であるという時点で、まともな人であれば、「国会で森友問題などを追及することがそもそもおかしいのではないか?」と気付くのです。

マスゴミとは、騙される人がいて初めて成り立つ商売

すなわち、マス・メディア特有の「強い印象を植え付ける」「その後、少しずつ論点をずらして行く」という手法は、伝統的に日本共産党が得意とするプロパガンダ戦術です。つまり、読者や視聴者を強い印象操作によって騙し続ける論法だ、という言い方もできます。

しかし、この戦術には、大きな欠陥があります。それは、「騙される人がいて初めて成り立つ戦術である」、という点です。「騙される人」は、情報を瞬間で切り取る人たちです。かつて新聞、テレビなどが言論界を支配していた時代だと、騙される人が多かったのです。

新聞を定期購読している人で、1ヵ月以上前の新聞を大事に取っている人はまれだと思いますし、テレビ番組についてもすべての番組を録画している人はいないでしょう。つまり、新聞・テレビしか見ない人は、情報をアーカイブすることができず、それで騙されてしまうのです。

しかし、インターネットを活用している人であれば、情報を瞬間で切り取るようなことはしません。「点で見る」のではなく、連綿とした「線で見る」ことができれば、マス・メディアが得意とする「点だけを見せる手法」には騙されなくなるのです。

騙されない人を増やすのが当サイトの仕事

ただ、それだけでは不十分です。ニュースを時系列で、つまり「点ではなく線で」捉えることは当然必要ですが、それだけだと、深みがありません。そこで、関連する情報をつなげていく作業――「線を面にする作業」「面を立体にする作業」が必要になってくるのです。

現代社会のウェブ・メディアの付加価値は、まさに、ここにあります。当ウェブサイトは「現役ビジネスマン」である私が「新宿会計士」のペンネームを使って、さまざまなニュースを時系列で整理し、それに「ビジネスマン」としての視点から味付けをしていくサイトです。

そして、当ウェブサイトには「答え」はありません。「答え」は、当ウェブサイトを訪れた皆様が、「自分自身で見つける」からです。その意味で、私の仕事は「騙されない人を増やすこと」だと申し上げておくべきでしょう。

ついでに申し上げますと、私は「ビジネスマン」ではありますが「ジャーナリスト」ではありません。そして、世の中には優れたジャーナリストも多数存在しており、彼らのなかでも優秀な人たちは、マス・メディアではなく、インターネットを活用して情報発信を始めています。

当ウェブサイトも、世の中に数多くある評論サイトの1つとして見ていただけると嬉しいです。これこそが、インターネット時代の言論なのだと思います。

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

     < 毎日の更新ありがとうございます。
     < 雑誌媒体を見るのは、私の場合も通院の待合所、そして年1回の病院での人間ドックです。私もカラダが気になるので、通常の検査以外に、胃カメラ、PSAによる前立腺数値、大腸がんカメラ、ウィルス性肝炎、腹部エコーなどのオプションをしています。胃カメラは人にもよりますが、下剤バリウムが一番あとで苦しく、次いで喉からのチューブ(ファイバースコープ)がずっと楽で、更に鼻からのチューブが一番楽でした。最近はもっぱら鼻からです。ノドがオェッとなることがありません。会計士様も是非お試しを。大腸のポリープは一昨年2mmと3mmが一つずつあり、切除しました(幸い癌ではありませんでした)。家人に言わせると、私はいわゆる『検査オタク』かもしれません(笑)。
     < 実は内科の近所の40歳代のお医者様に半年前から主治医になって貰いました。そこの待合室には、『靖国』と題する刊行物(月1回刊)、『月刊正論』『HANADA』『WILL』歴史物、電車、旅行の本等珍しい刊行物が置かれています(笑)。先生になぜ置かれているのかを尋ねると、「私が読みたいと思う物だけ置いています」と答えられた。それからは診察よりもそちらの話で盛り上がります。昨年、初めて靖国神社に参拝したが、思っていたイメージと違うかった事などを伝えると、「それは良い事をされましたね」と喜んでいただきました(あの、先生も私も右翼活動家ではありません、念のため)。
     < 新宿会計士様の仰る通り、週刊東洋経済、プレジデント、ダイヤモンドだの、本当に読むに値しません。人間ドックで中をペラペラ見て、すぐガッカリします。やれ『伸びる大学はどこだ』『中高首都圏進学校実績』『大手100社の事業計画』『メガ銀、地方銀の次の一手』、、、どこかで他にも見たような二番煎じ、あるいは40~50歳代のサラリーマンが好みそうな(はたして好むだろうか)話題にだけ特化しています。深堀りもしていないしロクな取材してません。アレは手抜き雑誌、立ち読みも時間の無駄です。
     < さて問題の新聞、テレビなどのオールドマスゴミですが、加計学園は完全に鎮火、モリトモもあれだけ国会で朝日新聞中心に騒ぎまくって何も出ず、自衛隊イラク日誌も制服組の緩んだ体質のせい、大阪地検の特捜部長のリークも検察内部の不祥事、いずれも安倍政権の直接の責任ではない。但し頻発している状況は、決して看過できないし、綱紀粛正を首相から動いていただきたい。
     < さてマスゴミの次のアラ探しはないですね。また捏造するか?逆に野党の謝や山尾や江田や辻元氏らの闇の部分はどうなのか。マスゴミが知らんぷりしてても、いずれネット民が暴き出すことは可能性がある。そこん時は無視せず、『正確な』報道を無理とは承知だがお願いしたい。
     < 失礼します。

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