今週木曜日、中国が主導して設立された国際開発銀行「AIIB」に、カナダを含めた13か国・地域が新たに加わることが決まりました。これを受けて、さっそく、慰安婦問題を捏造したことでも知られる朝日新聞が、「AIIBの宣伝記事」を執筆しています。ただ、私たち国民は賢くあらねばなりません。私は金融規制の専門家という立場から、AIIBの実態について調査してきましたが、本日は改めて、「国際的な金融支援そのもの」をきちんと整理し、日本がAIIBと距離を置くべきであるとの持論を提示したいと思います。

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2017/03/26 7:30 追記

当初公表した当記事の「カテゴリー設定」のエラーにより、トップページ等に表示されないという事象が生じていたため、修正しました。また、末尾に少し記事を書きくわえています。

国際金融支援の基礎

発展途上国に対して先進国などが支援する仕組みには、大きくわけて2種類あります。

ひとつは「二国間支援」の仕組みで、代表的なものは「政府開発支援」(Official Development Assistance, ODA)です。ただ、ODAの場合は、支援を受ける国と支援を施す国が明らかになるため、支援を受ける方としては一種の「気後れ」を感じるという側面があります。

一方、もうひとつの仕組みは、「多国間支援」の仕組みです。国連などを通じて無償で資金を提供する仕組みもありますが、多くの国が参加するインフラ金融を専門に担う銀行を設立することもあります。こうした組織のことを、国際開発銀行(Multilateral Development Banks, MDBs)と呼びます。

図表1 発展途上国支援の仕組み
区分仕組の例具体例
二国間支援ODA無償資金協力
技術協力
有償資金協力(円借款)
その他の支援民間資金、非営利団体による贈与など
多国間支援国連などの組織無償資金協力など
国際開発銀行(MDB)ADBなど14の金融機関が有名

そして、日本はこれらの支援の仕組みで、二国間支援・多国間支援ともに、国際的にも非常に高い貢献を行っています。外務省のウェブサイトによると、ODAに関してはOECD加盟国中、支出総額ベースで2位、支出純額ベースで4位となっています。また、財務省のウェブサイトによると、日本は数多くの国際開発銀行に主要株主として参加しているだけでなく、融資業務や組織運営などでも深く関与しています。日本国内にも国際協力機構(JICA)や国際協力銀行(JBIC)などの組織がありますが、財務省や外務省などとも密接に協力しているようです。

余談ですが、日本はこれほどまでに高い貢献をしているはずなのに、なぜか非常に地味です。とくに、日本が筆頭株主であるアジア開発銀行(ADB)の融資案件を眺めてみても、日本企業が深く関わるチャンスがそれほどあるようには見えません。つまり、日本は出資国という優越的な立場にあるにも関わらず、自国企業を優遇しない、非常にフェアな国であるという証拠ですが、裏を返せば日本は「多額のカネを出している割に、経済的な利益を得ていない」という言い方もできるでしょう。

主な国際開発銀行(MDB)一覧

ところで、先述の通り、国際開発銀行(MDB)とは、いわば財政力の弱い国(発展途上国、新興市場諸国など)のインフラ整備にかかる、開発資金の融資を担う組織です。そして、代表的な国際開発銀行には、次の14の組織があります(図表2)。

図表2 国際開発銀行(MDB)一覧
銀行名英語名と略称設立年月日本の加盟
国際復興開発銀行International Bank for Reconstruction and Development, IBRD1945年12月1952年8月
国際金融公社International Finance Corporation, IFC1960年9月最初から
多数国間投資保証機関Multilateral Investment Guarantee Agency, MIGA1988年4月最初から
アジア開発銀行Asian Development Bank, ADB1968年8月最初から
アフリカ開発銀行African Development Bank, AfDB1964年9月1983年2月
欧州復興開発銀行European Bank for Reconstruction and Development, EBRD1991年3月最初から
米州開発銀行Inter-American Development Bank, IDB1959年12月1976年7月
欧州投資銀行European Investment Bank, EIB1957年3月未加盟
欧州投資基金European Investment Fund, EIF1992年12月未加盟
北欧投資銀行Nordic Investment Bank, NIB1976年12月未加盟
カリブ開発銀行Caribean Development Bank, CDB1970年1月未加盟
イスラム開発銀行Islamic Development Bank, IDB1973年12月未加盟
予防接種のための国際金融ファシリティInternational Finance Facility for Immunisation, IFFIm2006年6月未加盟
欧州評議会開発銀行Council of Europe Development Bank, CEB1956年4月未加盟

これらの国際開発銀行は、先進国などの加盟国政府から出資と人材を集め、融資ノウハウを集積し、多国間での融資の仕組みを通じて、発展途上国などの社会インフラの整備に貢献しているのです。

一番大事な「おカネ」の話

これらの銀行が融資を行う場合、重要な点が2つあります。ひとつは「資金源」、もうひとつは「ノウハウ」です。

このうち、「資金源」については、大きく分けて加盟国からの出資と、民間の金融機関・資本市場からの資金調達があります(図表3)。

図表3 MDBの資金源
区分概要備考
加盟国からの出資金加盟国の政府などから株式の払込金の形で現金等の拠出を受ける加盟国は出資だけでなく、高度な運営・業務ノウハウを持った人材を派遣するなど、人的な貢献をすることも期待される
民間からの借入金・債券民間の銀行や投資家から、借入金や債券の形態により資金を調達する一般に、格付会社の格付を取得していなければ債券の発行は困難である

そして、資本市場の常識ですが、たとえ国際開発銀行といえども、格付会社の格付を取得していないと、民間の投資家から資金を調達することは非常に困難(少なくとも日本の銀行等金融機関からお金を借りることは、ほぼ不可能)です。

さらに、日本の民間金融機関の場合、自己資本比率規制上、投資する債券には、投資金額に「リスク・ウェイト」を掛けることが必要です(厳密には国際統一基準行/国内基準行、内部格付手法採用行/標準的手法採用行により異なりますが、ここでは「国内基準・標準的手法採用行」を前提に議論します)。たとえば、100億円の債券を買った場合、その「リスク・ウェイト」が100%だった場合には、「リスク・アセット」が100億円増えてしまいます。この場合、この金融機関が自己資本比率を維持するためには、自己資本を4億円、新たに調達しなければなりません。

しかし、日本の場合、自己資本比率規制上の取扱いとして、図表2に示した14の国際開発銀行が発行した債券の「リスク・ウェイト」は0%とされるとする優遇措置が決められています。そして、これら14の銀行以外の国際開発銀行に投資する場合には、格付に応じて「リスク・ウェイト」が適用され、どんなに格付が高くても、少なくとも20%以上の「リスク・ウェイト」が適用されてしまうのです(図表4)。

図表4 国際開発銀行向けのリスク・ウェイト
区分リスク・ウェイト
図表2に示した14の国際開発銀行0%
上記以外の国際開発銀行の場合AAA~AA-20%
A+~A-50%
BBB+~B-100%
B-以下150%
無格付100%

多国間インフラ金融支援について議論する時には、少なくともこれらの点を知識として踏まえておく必要があります。

AIIBの本質

以上までの議論を踏まえて、改めて中国が主導して設立されたMDBである「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の話題を紹介しましょう。

加盟国、2年ぶりに増える

AIIBの署名式が行われたのは2015年6月29日のことです。当初は50か国が「創設メンバー」として署名に参加。2015年12月までに7か国が加わり、参加国数は57か国となりましたが(※批准が済んでいない国も含む)、その後は加盟国数が全く増えない、いわゆる「鳴かず飛ばず」の状況が続いていました。

しかし、AIIBによると、今月23日、新たに13カ国・地域の参加を承認したそうです。

AIIB Welcomes New Prospective Members(2017年3月23日付 AIIBウェブサイトより)

AIIBによると、今回加盟が承認されたのは、次の13か国・地域です(図表5)。

図表5 AIIBの参加国一覧
区分地域地域外
2015年12月31日までに署名した国36か国(中国、豪州、インド、インドネシア、ニュージーランド、ベトナム、フィリピン、韓国など)21か国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ブラジルなど)
2017年3月23日に加盟が承認された国5か国・地域(アフガニスタン、アルメニア、フィジー、香港、東ティモール)8か国(ベルギー、カナダ、エチオピア、ハンガリー、アイルランド、ペルー、スーダン、ベネズエラ)

AIIBが設立以来、新たに加盟国を受け入れるのは、約2年ぶりのことです。ただ、今回の参加国にカナダが含まれていたことで、「G7諸国のうち、AIIBに参加していない国は、もはや米国と日本だけになった」という報道も散見されます。さらに、酷いものになると、「加盟国数でアジア開発銀行(ADB)を上回った」とされるものもあります。慰安婦問題を捏造したことで知られる朝日新聞は、今回のAIIBのプレス・リリースを受けて、次のような記事を配信しています。

AIIB、13カ国・地域が新規加盟 ADB上回る(2017年3月23日19時24分付 慰安婦問題を捏造したことで知られる朝日新聞より)

朝日新聞によると、

  • 「先進国主導の世界銀行や国際通貨基金(IMF)、ADBなど既存の国際金融秩序に一石を投じる存在として注目を集めた」
  • 「昨年末までにアジア・中東でのエネルギー開発や交通インフラ整備など9件の融資を決めており、他の国際機関に頼らず自力で融資案件を開拓する例も出てきている」
  • 「中国を資金源とする建設プロジェクトに参加する期待もあり、加盟国が増えている」

としていますが、金融の素人に対して明らかに誤認を誘導する手法は相変わらずです。

AIIBの融資の実態

実は、このAIIB、融資実績も「鳴かず飛ばず」であるという点については、当ウェブサイトでも過去に何度か触れています(これらのうち、最新のものは、『AIIBと人民元―失敗しつつある中国の金融戦略』『鳴物入りのAIIB、どうなった?』あたりをご参照ください)が、改めてAIIBの「プロジェクト一覧表」を紹介しましょう(図表6図表7)。

図表6 AIIBの現時点での承認済みPT一覧(金額単位:百万ドル)
番号承認日PT名称和訳プロジェクト総額うち、AIIB比率
0000112016/12/21アゼルバイジャン:天然ガスパイプライン8,600.00600.006.98%
0000132016/12/08オマーン:港湾ターミナル・作業領域開発353.33265.0075.00%
0000142016/12/08オマーン:鉄道準備60.0036.0060.00%
0000072016/09/27ミャンマー:発電設備不明20.00不明
0000052016/09/27パキスタン:水力発電施設拡張814.50300.0036.83%
0000042016/06/24インドネシア:スラム地区改善1,743.00216.5012.42%
0000012016/06/24パキスタン:国道4号線273.00100.0036.63%
0000032016/06/24バングラデシュ:発電設備改良・拡張262.29165.0062.91%
0000022016/06/24タジキスタン:ウズベキスタンとの国境道路改善105.9027.5025.97%
合計12,212.021,730.00
図表7 AIIBが審査中の案件(金額単位:百万ドル)
番号PT名称和訳プロジェクト総額うち、AIIB比率
000019インド:都市再開発715.00200.0027.97%
000018タジキスタン:水力発電所再開発350.0060.0017.14%
000021ジョージア:バイパス道路建設315.00114.0036.19%
000020インド:生活道路建設502.00141.0028.09%
000009インド:発電設備?570.00160.0028.07%
000006インド:送電系統303.50100.0032.95%
000010インドネシア:ダム開発及び生活保障300.00125.0041.67%
000012インドネシア:地域インフラ基金406.00100.0024.63%
不明カザフスタン:中央南方回廊道路整備不明不明不明
000015バングラデシュ:天然ガスインフラ・効率改善453.0060.0013.25%
000017カザフスタン:発電設備69.11不明不明
3,983.611,060.00

(【出所】図表6、図表7ともにAIIBウェブサイトより著者作成)

AIIBの融資予定額は、現時点で決定されているプロジェクトが9件・17.3億米ドル(約2,000億円)、審査中の案件が11件・10億米ドル(約1,100億円)だそうです(ただし、一部の金額は不明)。しかも、ここに示した一覧表は、私自身がAIIBの開示をベースに手集計したものであり、AIIBが公表している他の資料との不整合も多数あります。このため、図表6、図表7ともに、正確性については全く保証できませんので、その点についてはご了解ください。

いずれにせよ、現時点までで決定済案件が9件、審査中案件が11件と、国際開発銀行の実態としては、非常にお寒い限りです。

案件は全て米ドル建て、3分の2は「協調融資案件」

しかも、これらの案件については全て米ドル建てです。中国が主導し、北京に本店を置いているくせに、です。

これについては、考えてみれば当たり前の話ですが、中国の通貨・人民元のうち、本土で流通している人民元は国際的な決済に使うことができません。また、オフショアで流通している人民元の金額も、せいぜい香港市場の5000億元程度に過ぎず、国際的なインフラ金融を担う通貨としては、人民元は明らかに不適格だからです。

そして、AIIBは現時点で、主要格付会社(ムーディーズ、S&P、フィッチ)からの格付を取得していません。このため、仮にAIIBが東京市場や香港市場で債券を発行しようと考えたとしても、少なくとも圧倒的な資金力を持つ日本の銀行等金融機関は、AIIBが発行する債券を購入することが極めて難しい、ということです。つまり、AIIBが融資を行う場合には、ADBと違って全額を出資金(1000億ドル弱)の範囲内で行わなければならない、ということです(図表8)。

図表8 AIIBとADBの比較
 銀行融資残高借入自己資本請求払い資本
ADB(2015年6月末)565億ドル660億ドル172億ドル1522億ドル
AIIB(2017年3月24日時点)17億ドル920億ドル

さらに、案件全体の、ざっと3分の2以上は、他の国際開発銀行(ADBや世銀など)との「協調融資案件」です。これも、AIIBに融資・事業推進ノウハウを持つ人材が決定的に不足している証拠でしょう。

――↓本文は以下に続きます↓――

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日本はAIIBとどう対処すべきか?

中国の常套手段は「既成事実化」

以上、AIIBは現状で判断する限り、極めて怪しい組織であり、日本としては深く関わるべきではありません。

ただ、中国の経済力が伸長するに従い、AIIBの融資実績も、今後は徐々に伸びてくるかもしれません。実際、「慰安婦問題を捏造した朝日新聞」の記事でも、「中国を資金源とする建設プロジェクトに参加する期待」があるとされています。

では、実際のところはどうなのでしょうか?「中国を資金源とする建設プロジェクト」は進むのでしょうか?

残念ながら、まずAIIB自体、現状では、「債券を発行する」という形で資金を調達することはできません。格付業者からの外部格付を取得していないことに加え、日本の場合は金融庁が定める「銀行自己資本比率告示」等でも、「ゼロ%リスク・ウェイトのMDB」としての指定を受けていないからです。

したがって、仮に資金を調達するとしたら、中国政府が保有する外貨準備や、中国の「国富ファンド」である中国投資公社(CIC)などからの資金に依存するしかありません。

しかし、その一方で中国の外貨準備はその内訳が極めて怪しく(詳しくは『中国の外貨準備統計は信頼に値するか』もご参照ください)、AIIBだけに多額の貸付を行うことは難しいのが実情でしょう。

そこで、中国の常套手段が出てきます。具体的には、「G7諸国の中で、日米両国以外のすべての国が参加した!」「五大陸の全ての国が参加した!」などと大声で喧伝し、「AIIBがうまく行っている」かのように「既成事実化」することです。そして、慰安婦問題を捏造した朝日新聞を始めとする日本国内のプロパガンダ紙などが、「AIIBに入らなければバスに乗り遅れる!」などと言い募る、という手法です。

ただ、中国政府にも一つの誤算があったようです。それは、慰安婦問題を捏造した朝日新聞を筆頭とするプロパガンダ紙を信頼するほど、日本人は愚かではない、ということです。

「インドネシア高速鉄道事件」に学ぶ

ここで興味深い事件を思い出しておきましょう。それは、「インドネシア高速鉄道事件」です。以前、『インドネシア高速鉄道案件とAIIBの現状』でも指摘したとおり、もともとインドネシアの首都・ジャカルタとジャワ島の大都市・バンドンを結ぶ高速鉄道については、日本が官民挙げてインドネシア政府に提案していたものです。しかし、インドネシア政府の高官は、日本が提案した建設計画を中国側に漏らし、中国側がそれを丸ごと剽窃して、格安で受注しました。激怒した日本政府は、訪日したインドネシアの大臣を徹底的に冷遇するなど、異例の対応を行ったことは記憶に新しい点です(詳しくは上記記事もご参照ください)。

しかし、中国側が「かっさらった」格好となったインドネシア高速鉄道の建設案件については、その後、全く進捗がないようです。当たり前ですね。インドネシアは資本主義国家であり、共産主義国家の中国と違って、「建設用地を収容する」という、非常に大きなハードルが残されているからです。

日本の場合は、「私有財産制度」が徹底し過ぎているため、高速道路にしても新幹線にしても、用地買収は難航するのが常です。これに対して中国は共産主義国家であるため、政府の命令で簡単に土地の収用ができてしまいます。土地の買収一つとっても、実務面でのノウハウで比べると、日本と中国では大人と赤子ほどの違いがあります。

土地収用が進まない日本のノウハウは貴重

東京など、日本の大都市圏に居住されている方であれば、幹線道路が途中で細くなってしまっていて、道路拡張工事が全く進んでいないという場所をご存知かもしれません。東京にはそのような場所がそこかしこにあり、慢性的な渋滞に悩まされています。さらに、海外旅行などに行く方からすれば、成田空港の滑走路が奇妙な形に曲がっていて、その途中に反対派の農地などがある、という姿を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。

これなども、日本で「土地収用」がいかに難しいかという証拠です。そして、日本はこうした困難を乗り越え、地味に地権者を説得し、頑張って道路・鉄道を通してきたのです。こうしたノウハウは、実は発展途上国での土地収用や環境アセスメント等でも、非常に役に立ちます。つまり、日本の財務省や国交省などには、インフラ金融において、世界で通用する人材が多数いる、ということです。

中国が主導するAIIBには、少なくとも日本政府から人材が派遣されているという話は聞きません。そして、日本政府は「インドネシア高速鉄道事件」の苦い思い出を、絶対に忘れないでしょう。少なくとも安倍政権が存在する間は、日本がAIIBに出資をすることはないと思います。

おカネだけ出してお終い、ではない!

いずれにせよ、国際開発銀行やODAについては、「おカネだけ出してお終い」、というものではありません。裏にはインフラ金融に伴う莫大な融資ノウハウが存在します。そして、AIIBが日本の出資を渇望している最大の理由は、まさにこの「融資ノウハウ」にあるのです。

逆にいえば、日本としては貴重な融資ノウハウを、絶対に中国に渡してはなりません。AIIBがこれから融資を伸ばすことはほぼ間違いないと思いますが、私は日本国民の一人として、日本政府に対し、少なくとも次の2点を守ってほしいと考えています。

  • AIIBに出資せず、かつ、財務省・国交省などから人材をAIIBに派遣しない。
  • 金融庁は自己資本比率告示上、ゼロ%リスク・ウェイトのMBDにAIIBを指定しない。

特に、財務省には「媚中派」も多く、また、「天下り先」が欲しいがために、AIIBに出資したいと考える不届き者も存在するようです。私たち日本国民としても、マス「ゴミ」にたぶらかされて日本政府がAIIBに出資したりしないように、賢明に判断すべきなのです。

速報:インドネシアが鉄道高速化事業を日本に要請へ(2017/03/26 7:15 追記)

本日、インドネシアで新たに建設される高速鉄道(ジャカルタ・バンドン間)の建設計画が中国に「かっさらわれた」話に触れました。ここでもう一つ、インドネシアの鉄道に関する最新の話題がありましたので一応紹介しておきます。

インドネシア既存路線 日本が高速鉄道受注へ 建設工事遅れで中国に不信感 ジョコ大統領要請(2017.3.25 01:04付 産経ニュースより)

今回の対象となる路線は、ジャワ島北部を通るジャカルタ・スラバヤ間の既存鉄道の高速化事業です。産経ニュースは「インドネシア側で中国への不信感が高まっている」と報じていますが、これに加えて、日本政府、さらには日本国民もインドネシアに対する不信感を強めているという事情を忘れてはなりません。

今回の事業を日本が受けるのであれば、少なくとも日本に非常に有利なプロジェクトとするのでなければならないでしょう。この話題については、別途、どこかで触れたいと思います。

※本文は以上です。

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    マトモな議員にとって、韓国の政治家と会うこと自体がリスク (24コメント)
  • 2019/06/17 06:00 【時事|韓国崩壊
    「仲裁委員任命期限」が近づく まずは観光ビザから始めよう (17コメント)
  • 2019/06/17 05:00 【時事|外交
    香港の自由を守るために、私たち日本には何ができるのか (15コメント)
  • 2019/06/16 17:00 【時事|韓国崩壊
    韓国、ファーウェイ問題で米中双方から脅される? (11コメント)
  • 2019/06/16 11:00 【時事|韓国崩壊
    韓国の経済の「空洞化現象」、そしてなぜか低い失業率の謎 (20コメント)
  • 2019/06/16 05:00 【時事|雑感オピニオン
    大学で何を学ぶか、どこで何を学ぶか 結局は自分次第 (60コメント)
  • 2019/06/15 17:00 【時事|韓国崩壊
    文在寅氏が日本の若者と直接会えば、いったい何が起きる? (35コメント)
  • 2019/06/15 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年6月15日版) (63コメント)
  • 2019/06/15 05:00 【時事|外交
    安倍総理のイラン訪問は成功?失敗? 長い目で見ることが必要 (23コメント)
  • 2019/06/14 12:00 【時事|韓国崩壊
    好きの反対は無関心 言論NPO調査に見る日本人の意識変化 (29コメント)
  • 2019/06/14 10:40 【時事|韓国崩壊|金融
    直接投資:そもそも日本にとって、韓国の重要性はとても低い (7コメント)
  • 2019/06/14 05:00 【マスメディア論
    ツイッターフォロワー1000人御礼と「議論拒否」の人たち (60コメント)
  • 2019/06/13 16:30 【時事|外交
    海外主要メディア、「イランと北朝鮮の関係」に触れず (28コメント)
  • 2019/06/13 14:30 【時事|韓国崩壊
    韓国の政治家、経営者に、もっと積極的に訪米して欲しい理由 (8コメント)
  • 2019/06/13 08:00 【時事|韓国崩壊
    「韓国政府は仲裁手続に応じない方針」、これをどう読むか (35コメント)
  • 2019/06/13 05:00 【時事
    安倍総理のイラン訪問:真の政治リスクとは「消費税」? (11コメント)
  • 2019/06/12 12:30 【時事|韓国崩壊
    韓国にとっては「資産」でも日本にとっては「負債」です (46コメント)
  • 2019/06/12 09:30 【時事|韓国崩壊
    手遅れと思うが、あえて韓国に「耳の痛い忠告」をしてみたい (27コメント)
  • 2019/06/12 05:00 【時事|外交
    鈴置高史氏の重要な指摘 イランと北朝鮮、点が線でつながる (21コメント)
  • 2019/06/11 15:00 【時事|韓国崩壊
    二股外交する国のメディアに「日本は二股外交だ」と言われる (47コメント)
  • 2019/06/11 11:00 【時事|国内政治
    ふるさと納税悪用したアマゾンギフトの泉佐野市の自業自得 (21コメント)
  • 2019/06/11 08:30 【日韓スワップ|韓国崩壊
    「G19」と日韓スワップ待望論 過去と戦い自滅する韓国 (27コメント)
  • 2019/06/11 05:00 【時事|外交
    香港で今、何が起きているのか (14コメント)
  • 2019/06/10 14:30 【時事|韓国崩壊
    自称元徴用工の支援団体、三菱重工の株主総会でピケ張りか? (34コメント)
  • 2019/06/10 11:00 【時事|韓国崩壊
    慰安婦問題の解決責任は100%、韓国政府のみにある (11コメント)
  • 2019/06/10 05:00 【時事|外交
    米国防総省がやっと台湾を国と認めた!今こそ台韓交換が必要 (70コメント)
  • 2019/06/09 11:30 【時事|韓国崩壊
    わが目を疑う文在寅の行動 G20を前に「平和宣言」とは? (31コメント)
  • 2019/06/09 05:00 【時事|外交|金融
    米中貿易戦争と日米同盟、そして日本が果たすべき役割 (32コメント)
  • 2019/06/08 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年6月8日版) (105コメント)
  • 2019/06/08 05:00 【時事|韓国崩壊
    放っておけば勝手に自滅 自称元徴用工代理人のホンネとは? (36コメント)
  • 2019/06/07 22:00 【時事|韓国崩壊
    鈴置氏「米国が北朝鮮を先行攻撃できる体制は整った」 (38コメント)
  • 2019/06/07 11:11 【時事|韓国崩壊
    日本の安全保障に対する本当の脅威は「韓国のコウモリ外交」 (67コメント)
  • 2019/06/07 05:00 【時事|国内政治
    朝日新聞が日韓首脳会談を要求したこと自体が答えになっている (51コメント)
  • 2019/06/06 11:30 【時事|韓国崩壊
    「日韓協力」「日韓首脳会談」 日本の世論が許さない状況に (54コメント)
  • 2019/06/06 10:00 【時事|韓国崩壊
    「習近平訪韓」報道は正しいのか、そして事実ならその狙いは? (37コメント)
  • 2019/06/06 05:00 【時事|韓国崩壊
    経常赤字の衝撃 韓国の「貿易危機」は続くのか (10コメント)
  • 2019/06/05 16:00 【時事|韓国崩壊
    「韓国の経常収支が7年ぶりに赤字」の意味を考えてみる (7コメント)
  • 2019/06/05 13:45 【時事|韓国崩壊|金融
    「為替変動」だけでは説明がつかない、韓国の外貨準備の減少 (9コメント)
  • 2019/06/05 12:00 【マスメディア論|時事
    マスコミが叩かれるのは「不寛容」のためではなく自業自得 (20コメント)
  • 2019/06/05 11:15 【時事|国内政治
    安倍晋三氏の総理大臣在任日数が歴代3位に (9コメント)
  • 2019/06/05 05:00 【時事|金融
    欧州発の金融危機?インチキ会計基準IFRSと欠陥通貨ユーロ (18コメント)
  • 2019/06/04 16:45 【時事|経済全般
    霞ヶ関はスーパーブラック企業もびっくりのブラック職場? (34コメント)
  • 2019/06/04 12:00 【時事|韓国崩壊
    米韓未来連合司令部の創設と「米韓同盟消滅」の足音 (24コメント)
  • 2019/06/04 06:00 【時事|韓国崩壊
    「ネットの岩屋叩き」、日韓首脳会談見送り要因の1つに? (69コメント)
  • 2019/06/04 05:00 【韓国崩壊
    経済制裁論は経済戦争なのか 何より大事なのは日本の国益 (22コメント)
  • 2019/06/03 16:45 【日韓スワップ|時事|韓国崩壊
    USDKRWの攻防続く?一時1180割れも再び売られる (18コメント)
  • 2019/06/03 15:00 【時事|金融
    髙橋洋一氏と朝日新聞論説委員の討論は「大人と子供の勝負」 (12コメント)
  • 2019/06/03 12:00 【時事|外交
    北朝鮮の強がりは想定内 相手を弱らせるのが敵対外交の鉄則 (10コメント)
  • 2019/06/03 06:00 【時事|国内政治
    ネット「無能な岩屋はさっさと辞めろ」 常軌逸した岩屋叩き (101コメント)
  • 2019/06/03 05:00 【時事|韓国崩壊
    週末の韓国メディア 何かと理解の範疇を超える記事の数々 (17コメント)
  • 2019/06/02 12:00 【時事|韓国崩壊|外交
    岩屋氏、シャングリラ会合で「開かれたインド太平洋」を強調 (45コメント)
  • 2019/06/02 05:00 【RMB|日韓スワップ|金融
    東アジア共通通貨に対抗し得る円の国際化と通貨スワップ拡大 (13コメント)
  • 2019/06/01 12:00 【読者のページ
    読者雑談専用記事(2019年6月1日版) (234コメント)
  • 2019/06/01 07:00 【時事|外交
    安倍総理のイラン訪問の「真の狙い」を考察する (33コメント)
  • 2019/06/01 05:00 【雑感オピニオン
    明らかに不合理な言語・英語 学習するなら目的に応じて (47コメント)
  • 2019/05/31 14:15 【時事|外交
    中国漁船?南シナ海で豪州ヘリに漁船がレーザー照射か (24コメント)
  • 2019/05/31 10:00 【時事|韓国崩壊
    LAの学校の壁画が修正へ 被害者でなく加害者としての韓国 (87コメント)
  • 2019/05/31 05:00 【韓国崩壊
    韓国への対抗手段は経済制裁ではなく、経済焦土化作戦なのか (45コメント)
  • 2019/05/30 12:45 【時事|韓国崩壊
    遅まきながら韓国産水産物の検査強化、ほかの分野にも及ぶのか (37コメント)
  • 2019/05/30 10:30 【時事|韓国崩壊
    中国が「一帯一路」で韓国に揺さぶり?自業自得の韓国外交 (35コメント)
  • 2019/05/30 06:00 【時事|外交
    外相・防衛相2+2会談の相手国が増えるのは良いことだが… (14コメント)
  • 2019/05/30 05:00 【マスメディア論|時事
    なぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか その取材手法の腐敗ぶり (15コメント)

  • 著者のコンタクト先:info@shinjukuacc.com

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