金正恩の「新年の辞」と、私たち日本国民に求められる覚悟
昨日は正月早々、北朝鮮の独裁者・金正恩がスーツ姿で偉そうに「新年の辞」を発表したようです。私自身、この姿に不快感と嫌悪感を抱いた人間の1人ですが、ただ、残念ながら今年も北朝鮮の無法が米軍の軍事攻撃という手段によって裁かれる可能性は非常に低いと見ています。その理由は、米国自身が中国との貿易戦争などで身動きが取りづらいという事情に加え、韓国が「日米韓3ヵ国連携」の内部から、連携を妨害しているという点にあります。では私たち日本国民は、今年はいったい何を意識しなければならないのでしょうか?
目次
金正恩の意図は?
金正恩の「新年の辞」
昨日、北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)は「新年の辞」を発表。そのなかで、米国に対しては「あらたな首脳会談」の実現を呼び掛ける一方、「忍耐は無限ではない」と述べ、経済制裁を緩和しない米国の姿勢にいらだちを示したそうです。
これに関して主要メディアのうち、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)と日本経済新聞電子版の記事から状況を抜粋しておきましょう。
まずはWSJの方からです。
Kim Jong Un Hopes for New Summit With Trump, but Issues Warning(米国時間2018/12/31(月) 22:01付=日本時間2019/01/01(火) 12:01付 WSJより)
WSJの記事は日付が昨年12月31日付ですが、日付が古いのは時差の関係であり、日本時間に直すと今年1月1日正午過ぎの記事です。これによると、金正恩は火曜日、黒いスーツにネクタイ姿で自身の執務室の革張りソファーに座り、次のように述べたとしています。
- 私はいつでもアメリカ合衆国の大統領の隣に座るつもりがある。
- しかし米国が我々の忍耐を読み誤るならば、我々は主権と最高の利益を守る以外に選択肢はなくなり、朝鮮半島の平和と安定を達成するための「新たな道」を探り始めるだろう。
WSJが報じている内容は、金正恩の談話の中でも、とくに米国との関係に焦点を当てたものですが、これを米メディアであるWSJがトップページで目立つように報じているという点に、米国の朝鮮半島に対する関心のありようが見て取れる気がします。
WSJはこの談話について、「(金正恩が「机の上に核発射ボタンがある」と述べた)昨年と比べて、トーンは非常に緩やかになっている」、「昨年醸成された対話のムードを維持したい気持ちの表れだ」としつつも、金正恩が米国の経済制裁の緩和を強く求めたものだと分析しています。
この視点に立てば、金正恩がトランプ大統領との2回目の首脳会談実施の条件として、経済制裁緩和を突きつけた格好だという言い方もできるでしょう。
また、金正恩はこの談話とは別に、韓国(WSJの原文では “South Korea”, つまり「南朝鮮」)の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領に対し、親書を送付したとしつつ、この日の談話でも南北朝鮮間の工業団地プロジェクトなどを「無条件に」再開することを求めたとしています。
日経「韓国に米韓合同軍事演習中止迫る」
一方、同じニュースでも日経の報道を読むと、焦点がもう少し韓国に対して向けられています。
金正恩氏、米朝首脳再会談へ意欲 新年の辞/韓国に米韓合同軍事演習中止迫る(2019/1/1 12:01付 日本経済新聞電子版より)
また、日経も金正恩の演説について、「朝鮮半島の非核化意思を強調する一方、米国が経済制裁による圧力を続ける場合は『新たな道を模索する』とも警告」したとしつつ、「韓国には米韓合同軍事演習や、米国による核兵器持ち込みを許容しないよう迫った」と報じています。
該当する下りは、次のとおりです。
「金正恩氏は米韓同盟のあり方にも注文をつけた。「外部勢力との合同軍事演習を許可してはならない。戦略資産など外部からの戦争装備の持ち込みも完全に中止すべきだ」などと韓国に対応を迫った。」
また、日経の記事では最近の米朝間の交渉についても触れており、「ポンペオ米国務長官が18年10月に訪朝して以来、高官協議は開かれていない」と指摘しつつ、「米朝の非核化交渉は暗礁に乗り上げたままだ」と述べています。
また、朝鮮半島の非核化を巡って金正恩は「これ以上、核兵器を作らず実験もしないと内外に宣言し、いくつかの実践措置を取ってきた」などと主張したとしつつも、「今後の具体的な措置には触れなかった」とも記載されています。
なお、この話題を取り上げた記事としては、WSJ、日経以外にも、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に掲載された次のものもありました。
金正恩氏 米朝会談に前向きな発言=完全な非核化意思表明も(2019.01.01 11:12付 聯合ニュースより)
ただ、残念ながら、聯合ニュースの方の記事では、金正恩が述べた内容が淡々と記載されているのみであり、ニュース記事としての有用性はそれほど高くありません。
不思議なことに、北朝鮮に関連する記事は、最近だと韓国メディアの報道を読むよりも、米国や日本のメディアのほうが示唆に富んでいることが多い気がします。
これをどう読むか?
それはさておき、金正恩のこの「新年の辞」を、どう読むべきでしょうか?
まことに失礼ながら、あまりにも予想通り過ぎて、新鮮味がまったく感じられないというのが正直な感想です。北朝鮮は長らく、非核化は経済制裁の緩和が条件だと言い続けて来ましたし、昨年6月12日の米朝共同宣言後も北朝鮮はこれをまったく守る気配すら見せていません。
ただ、それと同時に、ある意味では米国を「見透かしている」という金正恩なりの自信が見て取れるのも事実です。
だいいちに、米国は北朝鮮に対し、軍事的に攻め込んで強制的な非核化を達成する、ということが、実際には非常に困難です。一昨年(2017年)12月頃に、米国が北朝鮮に軍事攻撃を加える可能性が高まった時期がありましたが、それにしたって、やるとしたら「サージカル・アタック」だと言われていました。
(この「米国が北朝鮮にいかなる攻撃を加えられるか」という点については重要なので、のちほどもう1度、検討しておきたいと思います。)
また、米国は現在、中国に対する貿易戦争のまっただなかにあります。
昨年、アルゼンチンのG20の機会を利用して開かれた米中首脳会談では、いったん「休戦」したかにも見えますが、これは中国に対して90日間の関税引き上げ猶予期間が与えられたに過ぎません。猶予期間満了が近づけば、再び米中間の緊張が高まることは容易に想像が付きます。
つまり、現在、米国にはイラン、中国などを敵に回しておきながら、同時に北朝鮮をも相手にするだけの余裕がないとも考えられます。
言い換えれば、この金正恩という男は、米国が置かれた立場、中国やロシアの立場などを読み、世界の最貧国かつ弱小国である北朝鮮をうまく生存させているわけであり、なかなか狡猾であなどれない存在でもある、ということです。
米軍が北朝鮮を潰せない理由
「北朝鮮攻撃」の3パターン
さて、米軍は世界最強の軍隊であり、北朝鮮は世界の最貧国です。米国が本気で北朝鮮攻撃に踏み切れば、(中国やロシアなどの介入がなければ)ものの1日で北朝鮮を完全に制圧することができるはずです。では、なぜさっさと米国が北朝鮮攻撃に踏み切らないのでしょうか?
当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』では2年以上前から繰り返し述べている論点があります。それは、米国など国際社会が北朝鮮に対して何らかの攻撃を加えるとすれば、次の3つのパターンが考えられる、とするものです。
- ①「局所攻撃」(ミサイル基地などに対する限定的な攻撃。「サージカル・アタック」とも呼ぶ)
- ②「斬首作戦」(金正恩の除去を目的とした全面攻撃)
- ③「無血開城」(金正恩を海外に亡命させるなどして、戦争なしに金正恩体制を崩壊させること)
結論から先にいえば、②の選択肢はあり得ません。
韓国が北朝鮮を軍事攻撃するとすれば、せいぜい①の「局所攻撃」でお終いです。また、仮に日米中露の周辺国が「北朝鮮の現体制を除去する」という方針で決定した場合には、そもそも北朝鮮に対する軍事攻撃を行う必要がありません(これが③の「無血開城」です)。
軍事行動、言うほど簡単ではない
一昨年、日本や海外の論壇で、米国が北朝鮮を「CVID方式」で非核化させるために、軍事行動に出るのではないか、といった議論がささやかれていました。
この「CVID」とは、「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)のことを指しますが、確かに北朝鮮が自主的にCVIDに応じることは絶対にあり得ません。
まず、CVIDの前提として、北朝鮮が開発した核弾頭の数、核開発に関連する研究施設、実験場、個人の研究員などを特定し、網羅的かつ完全・正確にリスト化する必要がありますが、これは北朝鮮側の協力(あるいは何らかの強制力)がなければ不可能です。
しかし、少なくとも金正恩一味は、世界の最貧国でもある北朝鮮が世界最大の軍事大国である米国と対等に交渉するためには、核武装が最も適切だと考えていることは間違いありません。
そして、金正恩一味は間違いなく、イラクのフセインやリビアのカダフィなどの事例を研究し尽くしていて、みずから核放棄をすれば、それはみずからの体制の終焉を意味する、ということを、理解しているはずだからです。よって、北朝鮮がみずからCVIDに応じることはあり得ません。
そこで、米国が北朝鮮に軍事侵攻し、責任者を捕えて自白させ、北朝鮮全土に米軍部隊を展開させるという手段が、「軍事侵攻による非核化」です。
ただし、北朝鮮全土に米軍を展開するということにもなれば、それは同時に「金正恩体制」の崩壊を意味します。必然的に、「CVIDを強制するための軍事侵攻」は「金正恩体制の崩壊」をもたらす軍事侵攻でもあるのです。
もし太平洋が北朝鮮の北側にまで伸びていて、北朝鮮が地形的に完全に孤立していたら、とうの昔に米軍は北朝鮮に軍事侵攻していたはずです。
では、なぜ現在に至るまで、「CVIDを強制するための軍事侵攻」が行われていないのでしょうか?
結論は簡単で、中国とロシアが後ろに控えているからです。
中国とロシアの了解がないままで、米軍が何らかの形で北朝鮮に軍事侵攻すれば、必ず、中露の少なくとも片方(場合によっては双方)が米国に対する何らかの対抗措置を講じるはずです。
たとえば、北朝鮮は中国とは1000キロメートル以上にもわたって国境を接しています。当然、朝鮮戦争当時の「中国義勇軍」の例に見るまでもなく、非常時になれば、中国が北朝鮮に対して何らかの支援を行うことが可能です。
では、米国が中国に対して「軍事介入するな」と命じて(あるいは中国の了解を得て)北朝鮮に軍事侵攻すればよいのかといえば、そういうわけでもありません。というのも、北朝鮮はロシアとも国境を接しているからです(国境線自体はさほど長いわけではありませんが…)。
局所攻撃の意味
こうしたなか、一昨年の秋口から議論されていたのが、米軍による「局所攻撃(サージカル・アタック)」です。
これは、米軍が北朝鮮の核関連施設を特定し、ピンポイントで爆撃するという構想です。
とくに、金正恩政権の除去を目的としない攻撃であれば、中国側は中立を守るのではないかとの観測もあったようです。その参考となるのが、2017年8月に中国共産党の機関紙である環球時報の英語版(Global Times)とWSJのあいだで取り交わされた「往復書簡」です。
Reckless game over the Korean Peninsula runs risk of real war(2017/8/10 23:23:40付 環球時報英語版より)
環球時報の記事では、中国としては北朝鮮の体制変革を伴うような軍事攻撃は許さないものの、もし北朝鮮側が先に核開発問題などで挑発した場合には、条件次第では中国は中立を保ち、介入しないという方針を示したものと見て良いでしょう。
一方、これに対してレックス・ティラーソン米国務長官(当時)とジェームズ・マティス国防長官(当時)が連名でWSJに投稿したのが、次の記事です。
We’re Holding Pyongyang to Account(米国時間2017/08/13(日) 17:37付=日本時間2017/08/14(月) 06:37付 WSJオンラインより)
これは、米国の最終的な外交目的が「朝鮮半島の非核化」にあるのであり、北朝鮮の体制変革には「興味がない」と、はっきり断言するものです。
したがって、この「公開往復書簡」からは、少なくとも2017年夏以降、米国が北朝鮮の体制変革を伴わない軍事攻撃を行ったとしても、中国は中立を保つであろうという、米中両国の方針が確認された、と分析することもできます。
そして、北朝鮮は電力不足から、夜間に米軍の大群が空襲に訪れても、それを察知することが難しいと言われています。そして、熱源をレーダーで特定するという方法で地下の核関連施設などを特定すると考えれば、冬場の新月の時期こそが、その攻撃に最も適している、という仮説が成り立つのです。
さまざまな情報を総合すれば、2017年12月18日がその最大の候補日でした(『12月18日が晴天ならば北朝鮮奇襲か?』)。
ところが、結局米国は2017年12月18日に軍事攻撃に踏み切りませんでしたし、それどころか昨年は韓国の文在寅大統領自身が動いて、南北首脳会談、米朝首脳会談などを持ちかけ、米軍による軍事攻撃の可能性をなくしてしまったのです。
しかも、2018年を通じて米中貿易戦争が勃発し、米露関係も好転するには至らず、それどころか3月にはティラーソン国務長官が、年が明けて昨日(つまり2019年1月1日)にはマティス国防長官が、それぞれ自認してしまいました。
よって、「米国が局所攻撃を行っても中国が中立を保つ」という確約は、おそらく失効してしまっているものと考えて良いでしょう。
北朝鮮核問題は複雑化
米軍による今すぐの軍事行動は考え辛い
ところで、今年は米軍による軍事行動はあるのでしょうか?
これについては、非常に微妙な情勢だと思います。
まず、先ほど申し上げたとおり、米軍が北朝鮮を攻撃するにしても、中国やロシアの介入の可能性を考えるならば、「金正恩体制の除去自体を目的とした軍事攻撃」ではなく、「ピンポイントで核関連施設を爆破する」という攻撃形態とならざるを得ません。
また、現在は昨年6月12日の米朝合意を北朝鮮側が明示的に破ったわけではない状況にあるため、米国が下手に北朝鮮攻撃を実施すれば、むしろ米国の方が国際合意違反として批判されるリスクを抱えています。
さらに、米国は中国との間で貿易戦争などの問題を抱えており、北朝鮮に対する「実力行使」に出ることが難しい状況にあります。このことから、少なくとも米中貿易戦争がひと段落つくまでは、米軍による北朝鮮攻撃は考え辛いのです。
それどころか、「90日猶予」が切れる今年3月1日前後あたりから、米中貿易戦争が再燃する可能性もあります。そうなれば、ますます北朝鮮情勢はこのまま放置、となる可能性が大です。
急浮上した「韓国リスク」
それだけではありません。
北朝鮮の核問題を考える上で、昨年を通じて急浮上したのが「韓国リスク」です。
これは、韓国が「日米韓3ヵ国連携」の一角を占める立場でありながら、日米両国を公然と裏切り、北朝鮮に対し陰に陽に支援を与えている問題のことです。
ちなみに昨年12月20日に発生した、韓国海軍駆逐艦による海自P1哨戒機に対する火器管制レーダー照射事件も、私自身、当初は瀬取りとの関係を疑っていました(『韓国軍のレーダー照射は「瀬取り」と関連付ければ説明が付く』参照)。
その後、防衛省が公表した動画などを視聴すると、北朝鮮の船舶は非常に小さく、自衛隊機が旋回した海域が瀬取りの現場だったとは考え辛いのですが、それでも韓国が国を挙げて、北朝鮮に対する国連制裁逃れを行っているという可能性は非常に高いのではないかと私は考えています。
また、昨年の大みそか(つまり一昨日)には、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に、こんな記事が出ています。
安倍首相には東南アジアより低い韓国…安保協力5番目に(2018年12月31日08時21分付 中央日報日本語版より)
これは、日本政府が昨年12月18日に閣議決定した防衛大綱のなかで、安保協力の相手国として韓国が米国、豪州、インド、東南アジアに次いで5番目に「格下げ」された、とする話題です(※余談ですが、依然として韓国が日本の「安保協力相手国」とされていること自体、不思議ですね)。
ただ、日本は「順位5番目」とはいえ、いまだに韓国を安保協力相手国に位置付けています。
しかし、その「安保協力相手国」であるはずの韓国から、レーダー照射を受けたり、日韓基本協定違反の判決を受けたり、と、さまざまな非礼、約束破りを受けているのが現在の日本です。
日米から「韓国切り」を言わせたい韓国
そして、現在の韓国の文在寅政権は、むしろ米国や日本から断交を言わせようとしているふしがあります。
といっても、これは私のオリジナルの考え方ではありません。出所は、日本経済新聞社の元編集委員で日本を代表する「コリア・ウォッチャー」でもある鈴置高史氏が、昨年12月上旬に日経ビジネスオンライン上で発表した、次の論考で提示した仮説です。
「米韓同盟消滅」にようやく気づいた韓国人/文在寅は米国に「縁切り」を言わせたい(2018年12月7日付 日経ビジネスオンラインより)
「鈴置説」によれば、文在寅氏ら現在の政権幹部は米韓同盟の破棄を狙っているものの、現在の韓国国内には「米国に守ってもらいたい」と考えている人が(左派も含めて)非常に多く、文在寅氏自らが米韓同盟破棄を言い出すのは困難です。
そこで、韓国は積極的に米国側を苛立たせることで、米国側から同盟破棄を言わせるように仕向けているのだ、というのが、「鈴置説」の要諦です。私もこの考え方には非常に高い説得力があると思います。
そして、この考え方が成り立つのは米韓関係だけではありません。
日韓関係でもまったく同じ話だと思うのです。
危機をチャンスに
いずれにせよ、金正恩の「新年の辞」を読むと、本当にこの北朝鮮問題が厄介であるという点に加え、米国が「内向き」になっていることが、日本にとっても非常に困った問題をもたらしているという点を、改めて認識するきっかけになります。
こうしたなか、私たち日本国民としては、危機をチャンスに変えることを考える必要があります。
それは、米国が東アジアからの存在感を低下させる中で、日本が米国に代わって、東アジアにおける自由と民主主義を守る大黒柱になる、という意思表示です。
平和と自由と民主主義を愛する諸国(インド、東南アジア、台湾、オーストラリア、ニュージーランドなど)と連携し、アジアの無法国家である中国、ロシア、北朝鮮、韓国などと対決するうえで、日本がリーダーになる、ということです。
折しも昨年末に、TPP11(イレブン)が発足しました。
これは一種の経済同盟ですが、知的財産権保護、ルール重視といった、法治主義のグローバル・プラットフォームでもあります。そして、米国がTPPから離脱したがために、事実上、日本がこの「TPP11」のリーダーのようになっているのです。
経済面で日本が自由・民主主義社会のリーダーとしての存在感を高めていることは事実です。
そうであるならば、敗戦後の「日本国憲法」という枠組みに安住するのはもうやめて、安全保障面でも日本は自由・民主主義社会のリーダーを目指すべきではないでしょうか?
今年は、日本国民にその覚悟が問われる年になると私は考えています。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
現在はスイス在住ですが、以前はドイツに住んでいたこともあります。圧倒的な敗戦国であるドイツが、戦後いかに多くの縛りのもとで我慢し続けながら、「脱敗戦国化」を希求してきたかを、在ドイツ時代に肌で感じていました。敗戦国のラベルを脱いで「普通の国」になることが、(政治家等はさておき)一般のドイツ国民の悲願でした。
わかりやすい例を挙げれば、国家を歌うことや国旗を掲げること(ワールドカップ年を除いて、法律で禁止されていた)が普通に許される国になりたい。ドイツの経済力が、EUどころかワールドパワーの一角であることは誰もが認めざるを得ないのに、軍事・外交においては存在感を許されず、当然UNの常任理事国にもなれず、周辺諸国からはいつまでたっても仮想敵国扱い。
そんなドイツでも、近年ようやく「普通の国」になりつつあることを感じています。「普通の国」になったドイツが、ヨーロッパの単なる1国家として粛々と経済発展のみに勤しむのか、あるいはEUの代表国として軍事・外交でリーダーシップを発揮するのか(それをフランスなど旧戦争被害国たちが許すのか)、私は興味深く見守っています。
さて、敗戦国としての日本の罪などはドイツに比べれば微々たるものです。戦後の日本とドイツは、経済の優等生として同等レベルの発展を遂げ、中国が台頭する数年前までは、世界2位と3位の経済大国でした。しかしながら、「普通の国」になるという点において、日本はドイツに遅れをとっていると思います。
ドイツがいかにしてヨーロッパにおいて現在の地位を築いてきたか、失敗も含めて、日本はドイツに学ぶべきです。日本はドイツ以上の大国です。人口とGDPが現在の3分の1くらいになれば、アジアの1中堅国としてひっそり生きていく選択肢もあるかもしれませんが、現在の国力に基づくならば、アジアのリーダーとして、敗戦国のラベルも脱して、経済のみならず軍事・外交のリーダーシップをとるのが順当だと思います。
私の周りにいるヨーロッパ人たちは、ほぼ例外なく、日本にそのような役割を期待しています。日本人だけが日本を過小評価している気がしてなりません。
新年あけましておめでとうございます。会計士様の論評が、興味深く、昨年末から拝読させて頂いておりますm(_ _)m
覚悟が問われる年になりそうとのことですが、韓国かあっち側に行きそうな昨今、的を射ていると思います。ただ急に考えや行動を大きく変えるのも難しく、ひとつひとつの行動を積み重ねて、いったりきたりしながら、徐々に変わっていくのではないかと思います。
また、中国はともかくとして北は韓国の資金をそれなりにあてにしてるのでしょうから、蝙蝠は蝙蝠のままにしつつ、我が国としては先方との関係を普通のものに正常化させるなかでコツコツ削っていく方策を積み重ねていくことで、流れというか方向性みたいなものができてくるのではないものかと思う次第であります。
更新ありがとうございます。
北朝鮮の金が『新年の辞』で米国にメッセージを送っていますが、膠着したままの米朝関係を何とかしたいという、改善を求めるものですが、タダのポーズですね。
現状のままの方がいい。北は核廃棄をする気など、カケラもありません。中途半端な形(ICBMは未達等)でも、『あるぞ』と威嚇するだけで十分。核保持国、体制保証が認められると踏んでいる。まったく体制維持しか考えてません。
米国は中国との貿易戦争中で、中東やロシア等、またホワイトハウスも一枚岩ではありません。とても北東アジアの小国など、三番目四番目の扱いです。
韓国については日本は勿論、米国は諦めている。でも今、同盟断絶を言い出すのは金と文という『チンピラ悪党』を利することになるだけ。文の振る舞い次第だが、今年中に日本は、制裁を行なう可能性が高い。同時に米国もです。
あと、上の方が言われてますが、日本は『ドイツを目指す』必要はないと思います。ヨーロッパでの地位は認めますが、EUの中で唯一良い思いをし、しかし周りの先進国でないところには、絶望的です。大国として配慮が無いと思います。ヨーロッパで日本が一に友好国とするなら、英国。そして仏だと思います。 以上。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。
本日の記事一覧を見て、管理人様の見識の高さを改めて実感しました。
関心した理由は投稿するテーマの順序です。
管理人様のような形で運営する韓国専門サイト(笑)が100在れば99までが新年最初の半島関連記事は韓国を取り上げます。話題性がホットだからです。
とはいえ、今の日本を取り巻く問題は半島での核兵器の保有問題が起因で、レーダー照射問題はそういった問題に関連する従属的なモノに過ぎません。
日米が半島への対応を間違えれば韓国のカネと北朝鮮の核兵器が複合された形で対処が必要になります。
更に間違えると朝鮮の核兵器に日本の技術でアメリカに到達確率が格段に上がった兵器を持つ強大な敵国への対処がアメリカに必要となると思います。
其れを理解するならば、当方は新年の記事として半島での問題が南北有れば、まずは北から取り上げるべきと思います。
そのように考えながらこのサイトを覗くと…、
記事のテーマに関する並びがビンゴ!でした。
ということで当方の最初の感想に至ります。
新年のコメントでしたので、普段と異なり「管理人様の見識の高さ」についてコメントを差し上げました。
以上です。駄文失礼しました。
新年明けましておめでとうございます。
アメリカは当分北朝鮮を相手にせず、放っておくと思います。米朝会談もやらないでしょう。
アメリカは在韓米軍の経費の増額を迫っていますし、米韓の合同訓練も軒並み中止しています。
戦時作戦統制権も早ければ2019年にも返還し、トリップワイヤーを張った上で撤退を始めると思います。
こうした作戦はアメリカのお家芸で、北朝鮮がうまく引っかかって侵攻してくれば大手を振って参戦できます。
北朝鮮は黒鉛炉を止めてウラン濃縮に変えたようで爆縮型の核爆弾は完成せず、広島型の核爆弾の作成に切り替えたようです。ただ、ウラン濃縮には大量の遠心分離機と電力が必要で今の北朝鮮の工業力では不可能と考えられます。となると、後はブラフしかなく、レーダー照射の韓国と同じで言葉だけ達者でも証拠を示すことは出来ません。よく似ていること。
もとをただせば
昨年4月 アメリカがシリアにミサイル攻撃を仕掛けた・・これが発端であったような気がします
その後
北朝鮮があたふたとミサイルを実験し始めて
アメリカが対応せざるを得なくなっていった
またはわざと 暴発を始めるのを期待したのか?
畳み掛けるように 米中経済戦争
結果的に 特に、「中国による産業・軍事に関わる技術の盗用を阻止する 強い流れ」が生じているように思えるのです
そういった意味では
韓国は獅子身中の虫
流れの中で 排除されるのが 運命のように思えます
なんと、風が吹いて桶屋が儲かるような世界の展開
理屈は抜きにして
近い未来に 金正恩が訪中を再再度 行い得るかどうかが1つの鍵と思います
(訪中できなければ、北朝鮮はさらに追い詰められた立場に)
また 日本の「獅子心中の虫」達の排除や、不用意な 情報漏洩につながる韓国とのあらゆるレベルでの交流を制限することは、日本にとっても急務と考えます