【夕刊】意外と多い「国民民主党」――あるいは「残党」
ゴールデンウィークが明けて、衆議院と参議院の「会派別所属議員数」のデータが更新されました。ここでは客観的なデータとともに、野党の集合離散についての雑感を申し上げたいと思います。
衆参両院議員・最新状況
祝・民進党壊滅!
民進党と希望の党が合流して成立した「国民民主党」は、衆参合わせた所属議員数は63人で、立憲民主党に次ぐ第3党に浮上したようです。衆議院では立憲民主党に次ぎ第3会派で、参議院では立憲民主党を1議席上回り、公明党に次ぐ第3会派となっています(図表1)。
図表1 政党別所属議員数
政党 | 衆議院 | 参議院 | 合計 |
---|---|---|---|
自由民主党 | 283 | 124 | 407 |
立憲民主党 | 55 | 23 | 78 |
国民民主党 | 39 | 24 | 63 |
公明党 | 29 | 25 | 54 |
無所属の会 | 13 | 0 | 13 |
日本共産党 | 12 | 14 | 26 |
日本維新の会 | 11 | 11 | 22 |
自由党 | 2 | 4 | 6 |
社会民主党 | 2 | 2 | 4 |
希望の党 | 2 | 3 | 5 |
無所属クラブ | 0 | 2 | 2 |
沖縄の風 | 0 | 2 | 2 |
国民の声 | 0 | 2 | 2 |
日本のこころ | 0 | 1 | 1 |
無所属 | 17 | 5 | 22 |
合計 | 465 | 242 | 707 |
(【出所】2018年5月9日時点の衆議院『会派名及び会派別所属議員数』、参議院『会派別所属議員数一覧』を参考に著者作成。ただし、衆参の会派名は厳密には異なる場合がある)
以前、『【夕刊】合流前からボロボロ崩れる国民民主党』でも紹介したとおり、国民民主党は成立前から、民進党と旧・希望の党の所属議員109人のうち、4月21日の段階で、少なくとも23人が新党結成に参加しない見通しだと伝えられていました。
【民進・希望合流】/23人が新党不参加 衆院野党第一党は困難 参院も大幅な勢力縮小(2018.4.21 05:00付 産経ニュースより)
さらに、時事通信は4月27日の段階で、この「不参加者」がさらに拡大し、「衆参で60人の規模を確保することができるかどうかは微妙な情勢だ」と報じました。
国民民主、不参加が拡大=60人規模は微妙(2018/04/27-17:41付 時事通信より)
その後、結局新党に参加したのは63人で、この時事通信の観測よりも少しだけ上回った格好となっています。いずれにせよ、旧民主党の「政党名ロンダリング」の結果、2016年3月に誕生した民進党が、これで晴れて消滅した格好であり、まずは祝意を示したいと思います。
参加していない人にも注目を
ところで、衆議院では「無所属の会」所属議員が13人、無所属が17人います(図表2)。
図表2 「無所属の会」と無所属の30人
会派 | 人数 | 内訳 |
---|---|---|
「無所属の会」所属議員 | 13 | 中村喜四郎氏以外は全員、旧民主党・民進党・希望の党の出身者 |
無所属 | 17 | 大島衆院議長を除き、すべて旧民主党・民進党・希望の党・立憲民主党・みんなの党のいずれかの出身者 |
合計 | 30 |
(【出所】著者調べ)
「無所属の会」という会派名自体、きわめて紛らわしいのですが、要するにゼネコン疑獄で自民党を追放された中村喜四郎氏を除く12人の全員が、民主党、民進党、希望の党のいずれかの政党と関わった経歴を持っています。
また、無所属議員については、議長就任にともない会派離脱している自民党の大島理森(おおしま・ただもり)議長を除く16名の全員が、民主党、民進党、立憲民主党、希望の党、みんなの党などのいずれかの出身者です(なお、赤松広隆氏は副議長就任にともない立民から会派離脱しています)。
一方、参議院側にも、無所属議員が5人いますが、議長就任にともない会派離脱している自民党の伊達忠一議長を除く4人(郡司彰副議長を含む)も、いずれも民主党、民進党、みんなの党などの出身者です。
このように考えていくと、旧民主党、民進党系の議員は、潜在的には合計で173人(衆議院で122人、参議院で51人)にも達する計算です(図表3)。
図表3 意外と侮れない、旧民進党の残党
会派 | 衆議院 | 参議院 | 合計 |
---|---|---|---|
立憲民主党 | 55 | 23 | 78 |
国民民主党 | 39 | 24 | 63 |
無所属の会 | 12 | 0 | 12 |
無所属議員 | 16 | 4 | 20 |
合計 | 122 | 51 | 173 |
(【出所】著者調べ)
野党がいない方が「正常」では?
ところで、一昨日、国会が19日ぶりに「正常化」したと報じられています。
国会、19日ぶりに正常化 野党が午後の衆院本会議に出席(2018.5.8 08:17付 産経ニュースより)
これは、「野党6党」(※)が、審議拒否をやめて国会に出席する方針を固めた、というものです。
(※「野党6党」とは立憲民主党、希望の党、民進党、自由党、社会民主党、日本共産党のこと。ただし、「希望の党」は空中分解し、大多数の勢力が民進党と合流し、さらに合流できなかった人たちが無所属として散らばったことは、うえで見たとおりです。)
ただ、私に言わせれば、ここまで深刻な国難に直面しているわが国の国会において、「もりかけ・セクハラ・日報問題」に終始する野党が出て来たとしても、どうせ足を引っ張るだけですから、これを「正常化」と呼ぶのはいかがなものかと思います。
要するに、「野党がいない方が正常な国会運営ができるのではないか」、ということですが、いかがでしょうか?
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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実際、審議せずに喚いてるだけなので正常化ではなく妨害が再開された感じですね。与野党が揃ったから正常化なんてのはあまりに形式的な見方です。
< 更新ありがとうございます。
< 今の野党6党は全く政策能力の無い、『万年反対党』です。与党のすることだけ反対してれば良い。それと改竄報告や嘘を垂れ流すだけ。これでは健全な国会運営などできっこない。しかし、今の野党に何かを期待するのは無理。しいていえば、憲法改正に積極的な日本維新の会か。ここも教育の無償化(大学まで)や道州制、IRに積極的な点が私はマイナス。また自民党も大所帯はいいが、ひとつひとつ与党陣営として、発言にブレがある人がいる。この際、出て行って貰いたい。新党を立ち上げるならどうぞ(笑)。
< 例えば石破茂氏(石破派衆参20人)、二階俊博氏(二階派衆参44人)、同派で拉致問題で勝手な行動をした平沢勝栄氏、無派閥の言わずと知れたブラック企業オーナー渡辺美樹氏等。もし、出ていくとなると、派閥全員が付いていく訳ではない。当然自民の看板にしがみつく議員もいるだろう。だから減るのは腹心等20~30人。それぐらいなら次の選挙で野党のオトス分を拾えばいいだけです。 以上。
『国民民主党』が出来る前に1日だけ玉木氏が代表の『国民党』という名の政党ができていたそうです。希望の党を新『希望の党』と『国民党』に分党する手続きをとった後に、新しくできた『国民党』と『民進党』を合流させて『国民民主党』を結党するとの手続きを踏んだとのこと。このような手続きを取ることで、希望の党に支給された政党助成金を国民民主党に横流ししたのだそうです。本当にお金には汚く、国民をバカにしています。
通りすがり 様
いつもコメントありがとうございます。
>本当にお金には汚く、国民をバカにしています。
まったくそのとおりですね。本来ならば政党の集合離散のたびに、政党交付金は国庫に返納させるべきでしょう。まったくふざけています。
ところで、せっかく昨日の夕方、コメントをいただいていたのに、wordpressのミスにより、勝手に「自動承認されないコメント」に振り分けられていました。おそらくその原因は、IPアドレスの誤認識によるものと考えられますが、いずれにせよコメントの承認が著しく遅れましたことを、深くお詫び申し上げます。
中国からのスパム・コメントが激増したため、コメント判断プログラムを強化したのですが、ときどき、ごく普通のコメントが弾かれてしまうのです。これは非常に困った問題ですが、今のところは1つ1つ対処する以外に方法がありません。
どうか今後ともご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。