【夕刊】「膿を出す」のは財務省だ
報道によると、本日は国会で佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が行われるそうです。ただ、私はそれよりも、昨日の報道にあった安倍総理の発言に注目しています。そこで、「夕刊」というには少し早い時間ではありますが、「安倍発言」について考察してみたいと思います。
膿を出し切るのは財務省
証人喚問?だから何?
本日は佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)前国税庁長官に対する、衆参両院の予算委員会における証人喚問が予定されています。ただ、当ウェブサイトではこれについて、特段の「速報」を行うつもりはありません。というのも、この証人喚問自体で何か新たな情報が出てくる可能性は低いと考えるからです。
佐川氏が「安倍(総理)の指示で文書を改竄した」と述べるなど、よっぽどの「爆弾」が出てくれば話は別です。しかし、証人喚問では答弁に罰則が伴うため、財務官僚出身者である佐川氏が刑事責任というリスクを犯してまで、何らかの偽証を行う可能性は低いと見ています。
ところで、財務省の決裁文書改竄問題を巡り、安倍晋三内閣総理大臣が昨日の自民党の役員会で、「膿(うみ)を出し切ることが重要だ」と述べたそうです。
【森友文書】/安倍晋三首相 決裁文書改竄問題で「膿を出し切る」(2018.3.26 19:06付 産経ニュースより)
産経ニュースが報じた安倍総理の発言内容の要旨は、次のとおりです。
- (大阪)地検の捜査にも協力しながら、政府として徹底した調査を急がせたい
- 政府、国会、それぞれの立場でしっかりと全容を解明し、膿を出し切ることが重要だ
- 行政に対する国民の皆さまの信頼を揺るがす事態となっている責任を痛感している
- 真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように組織を根本から立て直し、首相として責任を必ず果たす
実は、この発言は、佐川元理財局長の証人喚問よりも、はるかに重要です。
ここでいう「膿を出し切る」が何を意味しているのかの解釈次第ですが、場合によってはこの問題に関与したすべての当事者に、然るべき罰が下るかもしれないからです。
この問題を巡っては、国会を空転させるために政治利用した立憲民主党などの野党、政権攻撃材料として利用してきた朝日新聞社やNHKなどの責任は重大です。しかし、最も罪深い組織といえば、情報を隠蔽し、公文書を改竄した、財務省にほかなりません。
「出し切る膿」とは何か、「膿を出し切る」べきは誰か?
ところで、この「膿を出し切る」という表現、非常に興味深いです。
日本語で「膿」と表現するときには、たいていの場合、長年、放置されていて腐敗し切っている状況を意味します。そして、「膿を出し切る」とは、まさに組織自体にメスを入れることを意味します。
たとえば、奇しくも第一次安倍政権を崩壊に追い込んだ「消えた年金事件」は、まさに自治労による集団サボタージュに染まり、腐敗しきった社会保険庁という役所を解体するきっかけになりました。ただ、社保庁の解体前に安倍政権が崩壊したため、腐敗した社保庁の元職員らは日本年金機構という組織にほぼそのまま横滑りし、個人情報の漏洩等の不祥事を、今でも散発させています。
日本年金機構における不正アクセスによる情報流出事案について(2017年10月13日付 日本年金機構HPより)
年金情報中国に流出で発覚…!IT公共事業の「ブラックな実態」(2018/03/26付 現代ビジネスより)
私自身、小規模ながら企業経営者になり、痛感したのですが、日本年金機構はありとあらゆる役所の中でも最もレベルが低く、最も信頼に値しない組織です。私自身、起業してから2年半という短い間に、同機構の事務ミスの被害に何度も遭いました。
(※余談ですが、日本年金機構は再度解体し、職員を全員解雇したうえで、年金保険料などの収受機能を国税庁に統合したうえで、内閣府の外局に「歳入庁」を創設するのが良いのではないかと思います。)
社保庁のケースは「膿を完全に出し切る」のに失敗した例ですが、それでも、社保庁を解体したことは、同庁をそのまま残しておくよりも、よっぽど良かったと思います。安倍総理は、社保庁との「因縁の対決」に決着をつけても良いのではないでしょうか?
虚偽の情報を垂れ流す財務省という巨悪
「消えた年金問題」のときに安倍晋三氏が内閣総理大臣として対決したのは、役所の中でも最も低レベルで最も腐敗していた社保庁でした。しかし、今回の局面は、社保庁ではありません。「官庁の中の官庁」・財務省です。「膿を出し切る」のも、一筋縄では行かないでしょう。
何をするにもカネが必要ですが、これについては国であれ個人であれ、まったく同じです。この点、財務省は外局である国税庁を使い、税収を一元的に集約しています。また、財務省主計局は事実上、予算編成権を握っています。
つまり、財務省としては、歳入と歳出を両方握っているのであり、必然的に、財務省に集まる権限は強大です。さらに、税務署は強制捜査権を持っており、また、予算の編成権ももっているため、政治家に対しても牽制機能を働かせています。
だからこそ、財務省が政治家を使い、「増税は絶対に必要」といったウソを垂れ流してきたのでしょう。実際、財務省はマス・メディアや御用学者らを通じて、こうしたウソを積極的にばら撒いて来ました。国際通貨基金(IMF)に職員を派遣し、IMF名義で「日本は増税が必要だ」と言わせることも、財務省にとってはお手の物です。
実は私自身も国家Ⅰ種試験合格者ですが、財務省職員のエリート意識の一端を、少しだけ知っています。私は、財務省が文書の改竄を日常的に行っていたと知っても、別に大して驚きませんでした。「そんなことをやっても、どうせバレない」とタカを括っていたとしても、まったく不思議ではないからです。
しかし、それと同時に、財務省が想定していなかった現象が、1つだけ発生しました。それは、インターネットの発達です。財務官僚は自分達のことを「頭が良い」とでも思っているのかもしれませんが、世の中には、財務省のウソを見破る人材はいくらでも存在します。
霞ヶ関の内輪のエリート理論は、実力主義のインターネット言論界では、まったく通用しません。だからこそ、マス・メディア(朝日新聞やNHKなど)と野党議員と霞ヶ関(官僚)という「腐敗した鉄のトライアングル」が「自爆」したのも、私たち日本国民にとっては好都合だったのです。
最低でも財務省解体と消費増税凍結
繰り返しですが、私は本日予定されている佐川氏の証人喚問には、それほど興味を持っていません。どうせ木で鼻をくくるような答弁に終始するとわかっているからです(といっても、何らかのあらたな材料が出てくる可能性は否定できませんが…)。
それよりも、北朝鮮情勢など、内外の課題待ったなしの状況で、1年以上も国会を空転させた「森友問題」「加計学園騒動」には、それなりの代償を払ってもらう必要があります。森友問題をめぐっては財務省解体と消費税増税の凍結、加計学園騒動をめぐっては獣医学部新設を禁じた告示の全廃と文部科学省の解体、といったところでしょうか?
そして、日本国をより良い国にしていくための「本丸」といえば、何といっても朝日新聞社とNHKの解体でしょう。ただし、ここに行きつくまでにはまだいくつか乗り越えるべきハードルがあります。
底に至るために、当ウェブサイトでは引き続き、客観的な事実をベースにした論評で、読んで下さったみなさまの知的好奇心の刺激に貢献していきたいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
私は財務省よりも文科省の方が立場的には近いのですが、文科省の解体を強く希望しています。私が思うには、文科省には初等教育、高等教育、科学技術研究の全てを統括出来るだけの能力は無いと感じています。
特に、大学を初めとする基礎研究分野の研究は、産業に繋がるかは分からないものも数多くあります。しかし、いざ繋がった時の効果は大きいのも事実です。企業ではリスクが大きすぎるので、産業への道が開けた後や、将来のビジョンがある程度見えている分野でないと出資しにくいので、基礎科学に関しては、将来の投資として国が支えないと立ちゆきません。資源の少ない日本では、このような研究に対する投資は必要だと私は思っています。
ただ、私が幾ら必要だと思っていても、世間が必要ないと言えば続けることができないことも充分理解はしています。ただ、その判断を下す世間は、決して文科省では無いのではないとも感じています。国立大学が法人化した後、名目では大学の自治を認めていますが、文科省の意向に逆らうと暗に運営交付金の減額をほのめかされ、現在の大学の自治権は無いも等しいです。日本の論文数が伸びないと言われていますが、論文数が伸びなくなったのは、運営交付金が減らされて、競争的資金へと移行され出してから顕著になっています。
競争的資金とは聞こえはいいですが、どこに予算を付けるかを判断するのは研究の中身を充分理解していない文科省の役人です。なので、研究者は内容をよく理解していない役人に分かるようなプレゼンのために多くの時間が費やされています。そして、一部の関係の深い研究者へは、それが内部の専門家から見れば荒唐無稽と思える内容でも資金が流れることが多いです。法人化後、文科省は大学へ多大の利権を得ました。大学も運営交付金の減額を避けるためだったり、競争的資金の獲得のためや、文科省から理事などの天下りの受け入れや、文科省と関係の深い研究者の受け入れに積極的にならなければならなくなっています。
一般の研究者は、運営交付金が減らされたことで諸雑用が増えていき、ますます研究に充てる時間が減らされています。山中教授ですら殆ど研究に時間を充てられず、資金集めに奔走しなければならない原因は、この辺りが強く影響しています。
今後の日本の科学技術の発展を考えると、私は文科省の解体を強く希望しています。そして、大学の自治の権限を強めないと、日本の学術分野での国際競争力は、益々衰退の一途を辿ると感じています。
森友文書問題は、安倍政権が財務省をどこまで処すことができるかが、本丸でしょうね。
官邸を守ろうとした佐川氏に「忖度」して、しれっと消費税増税強行・財務省組織はまるっと温存だったら、
そっちの方こそ、野党は攻めるべきでしょうに。
毎日の更新ありがとうございます。
本日佐川氏は国益のため頑張ってくれたと思います。
腐っても財務NO.2、さすが、ビーチ前川とは格が違ったようです。、
元々は関西の深い闇の問題で、松井・橋下・籠池Bチームと辻元・木村Zチームの産廃利権の
縄張り争いなのにそれには一切触れずに、幕引きとなるのでしょうか。
関西生コンのガさ入れするところを勘ぐると、検察・警察は本命は、ハンナンの浅田氏をしょっ引いた
蛮勇を振るって、関西の闇に手をつっこむのか楽しみです。 総連が弱っている今は絶好のチャンスです。
最近、松井・橋下の発言が挙動不審なので、何か弱みがあるのかと注目しています。
辻元公園こと野田中央公園の、売却決裁書もこの際、調書も含めて公開してもらいたいです。
こちらも、書き換え(改竄)があったら大笑いです。
今回は森友が問題になっているけど、案外、決裁文書の書き換えは省庁全体で恒常的にやられていたのではと思う。書き換え依頼を近畿財務局に出すなど、秘密裡に処理した形跡がない。検察も調べてみたら省庁全体及んでいて捕まえるにも財務省のほぼ全員を検挙することになりそうで困っているかも。うちの田舎でも捕まえる人が多すぎて警察が困ったことがあった。数十年前の地元は選挙が過熱して有名。選挙違反の酒食接待なんて普通。そこで一人を捕まえたら「あいつも一緒にいました。」と芋づる式にどんどん捕まる。まず留置場が足りなくなる。同じ犯罪の人は同じ留置場に入れないのが普通だけど、スペースがないのでまとめて留置。留置場の中で「おー、お前もか。ところであいつはいないな?卑怯だな。よし、警察に告げ口してやる。」ということで、どんどん捕まる。取調室は当然足りないので、お寺の本堂を借りてそこで取り調べ。やがて警察の予算が足りなくなってきた。捕まえておけば食事とかの費用が発生する。取り調べ警察官の残業手当もかかる。そこで取り調べにあたって警察官は「聞かれたこと以外には答えるな。」ということで逮捕者をなんとか抑えた。たぶん罪を犯していないのは公務員、学校の先生ぐらいでそれこそ地元民のほぼ全員が選挙違反の犯罪者。検察官もたまったものじゃない。田舎なのでそんなに検察官がいるわけではない。送検されれば取り調べて不起訴にするか、起訴するにしても略式にするかどうか書類を作らなければならない。今の時代と違ってワープロなんかない時代だから。ということで最期に警察署長が「この地域で選挙違反取締は当分やめよう。」となった次第。当時の地元はほとんどの人が農家だから捕まってもサラリーマンみたいにクビにならないから、罰金払って終わった。
森友学園問題を巡り、佐川前国税庁長官が証人喚問で、文書改竄等において、安倍総理夫妻の関与がまったくなかったことを証言した――。
おそらく、これが事実でしょう。
ところが、野党やマス・メディアは、こうした回答に納得せず、さらにごねて、安倍昭恵夫人の証人喚問が必要だ、といった論陣を張っていくという展開が予想できます。本当に日本のガンはゴミ野党とマスゴミだと思いますが、現在の日本国民は、こうしたゴミたちが展開する印象操作に騙されるほどバカではなくなった――と私は信じたいと思います。
さて、本日、『新宿会計士の政治経済評論』では、3本目の記事を配信しています。しかし、そのテーマは「森友学園」ではありません。「ロシアと西側諸国の対立と、日本の立ち位置について」、です。その理由は簡単で、本日の佐川氏の証人喚問について、当ウェブサイトに書くべき内容がないと判断したことと、議論すべきもっと大切なことがあると判断したからです。
私はこの記事のなかで、「特段の速報を行うつもりはない」と申し上げました。実際、それを行う必要はない、ということであり、従って、この問題についても、わざわざ記事を立てずに、読者コメント欄をお借りして補足説明を加えた次第です。
引き続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
あの文書は財務大臣が関与するわけはない。まして総理が関与はしないだろう。いちいち決裁文書なんか大臣が見ているわけはない。当然、それに対する支持もない。そんな細かい文書にかかわる時間は大臣にはない。たとえば免許とかに「××大臣」というハンコが押されていても、おそらく「××大臣」が直接決裁はしていない。大臣以下の官僚又は場合によれば担当者レベルでハンコを押しているはず。そんなこともわからない野党はだめだね。