【夕刊】安倍政権は今こそしっかり前を向くべき

「森友問題」で国会が空転するなかでも、着実に物事は進んでいます。本日の「夕刊」では、最近の報道などのなかで、私が注目している話題を簡単にまとめておきたいと思います。

人も噂も七十五日

決定的証拠なしに印象操作するマス・メディア

相変わらず、新聞・テレビでは、「森友学園文書改竄事件」が注目されているようです。

これは、大阪の学校法人「森友学園」に対する豊中市の国有地払い下げに関する決裁文書を、財務省が改竄していた問題ですが、いまや、野党議員とマス・メディア(とくに新聞とテレビ)が「安倍政権を倒す材料が出来た!」とばかりに、全力で利用している節があります。

最初に報じたのは朝日新聞ですが、3月12日(月)に財務省が文書改竄の事実を認めて、国会に報告を提出しました。そこから一気に火が付き、野党議員やマス・メディアは、「そら、見たことか」とばかりに、安倍政権攻撃に踏み切りました。

ただ、よく調べてみると、財務省が改竄した内容とは、森友学園の籠池理事長が近畿財務局理財局の人間に対して「こう言っていた」、といった内容ばかりであり、改竄内容自体は大したことがありません。何より、

安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、国有地を安価で売却することを財務省に対して指示した

という証拠が出て来たのなら話は別ですが、実際にはそのような証拠など、なにひとつとして出て来ていません。むしろ、佐川宣寿(さがわ・のぶひさ)理財局長(当時)の国会答弁に合わせるために、財務省の役人が後付で改竄したという方が、説明としては自然です。

ところで、明日は佐川氏本人の証人喚問が予定されているらしく、なかには「官邸側は佐川氏の逮捕を期待しているのではないか」「証人喚問での回答内容次第では衆院解散シナリオも」といった観測記事も出ています。

首相官邸、佐川氏逮捕を期待か…証人喚問で改ざん関与否定→衆院解散シナリオくすぶる(2018.03.24付 Bubiness Journalより)

しかし、私に言わせれば、ここまで国政の重要課題がめじろ押しとなっているのに、森友問題ごときで衆院解散などやっている場合ではありません。さすがに衆院解散総選挙はあり得ないと思います。

マス・メディアの焦りが感じられる!

ところで、これがひと昔前、マス・メディアが世論を牛耳っていたころであれば、おそらく内閣はひとたまりもなかったでしょう。少なくとも麻生太郎副総理兼財相は辞任に追い込まれ、場合によっては自民党内から「安倍おろし」の動きが生じ、安倍晋三総理大臣本人も辞任に追い込まれていたかもしれません。

たとえば、「疑惑を報道し、支持率急落を演出して、最終的に政権を倒す」というのは、わが国のマス・メディアによる常套手段です。今回の一連の「森友関連報道」も、このパターンに、見事に当てはまっているからです。

最近のマス・メディアによる世論調査で、政権支持率自体が急落しているという現象も、こうした文脈で理解すべきでしょう。ところが、『【緊急速報】安倍政権支持率、ニコ動調査でも下落!』で申し上げたとおり、マス・メディアによる調査結果は、明らかにインターネットの調査結果と不整合を起こしています。

実際、昨年7月に「加計学園騒動」で安倍政権の支持率が急落した局面がありましたが、それでも結局、安倍政権は退陣に追い込まれることはありませんでした。いや、むしろ10月22日に行われた衆議院議員総選挙の結果、自民党は現有勢力を維持し、事実上、勝利を収めたほどです。

とくに、前原誠司氏が代表を務めていた最大野党・民進党が、衆議院の解散詔書が読み上げられた9月28日の時点で、衆院選で候補を公認しないと発表したことも、非常に重要な出来事です。いわば、単なる「敵前逃亡」だったからです(『自爆スイッチを押した前原の「敵前逃亡」』参照)。

私に言わせれば、昨年7月の「加計学園騒動」自体も、現在の「森友関連報道」と同様、安倍政権を倒すためのマス・メディアによる印象操作です。ところが、現実には、マス・メディアによる印象操作は失敗に終わり、それどころか、当時の最大野党が「戦わずして敗北する」という結果をもたらしたのです。

普通に考えれば、一度何かの目的を達成するのに失敗したら、アプローチを変えるものです。しかし、失敗しても何度も同じことを繰り返すのは、やはり、マス・メディアの「中の人」たちが冷静な判断力を失っている証拠ではないでしょうか?

「人の噂も七十五日」はインターネットで通用しない

ところで、「人の噂も七十五日」ということわざがあります。

たとえば、当ウェブサイトの読者の皆様のなかにも、「今すぐ75日前のニュースをはっきりと思い出して見ろ」といわれても、すぐには思い出せない、という方が多いのではないでしょうか?いや、私など健忘症ですから、お恥ずかしながら、1週間前のニュースでも、よく覚えていません。

私の事例は極端かもしれませんが、たいていの人も、数週間も経てば、主だったニュースを忘れてしまうのではないでしょうか?印象操作が横行してきた背景にも、こうした「時間が経てば事件も忘れ去られる」という人間社会の性質をマス・メディアが悪用していたという面があるのでしょう。

しかし、インターネット時代の便利なところは、情報が長く残る、という点にあります。少なくとも私自身にかんしていえば、ウェブ評論活動を開始して以来、何か記事を執筆するときに、自分自身で情報を集め、それらをメモに残しています。

マス・メディアによる報道を見て、違和感を抱いたときは、すぐにこれらのメモを読み返せば、マス・メディア自身による報道の矛盾が見えてくるのです。実は、これこそが、マス・メディアによる偏向報道の影響力を低下させている大きな原因の1つではないでしょうか?

たとえば、最近、左翼勢力のみなさんが、森友学園の籠池理事長を応援し始めているようです。しかし、籠池氏自身、子供たちに教育勅語を教え込んでいたという「設定」を、これらの左翼の皆さんは忘れてしまっているようなのです。

しかし、インターネットで情報を集める層にとってはと、たとえば「加計学園騒動」で国会にも呼ばれた前川喜平・前文科省事務次官が、違法な天下りを斡旋していたこと、それについて左翼勢力のみなさんが批判していたこと、加計学園疑惑に注目が集まり始めてから彼らが急に手のひらを返したことなど、すべてお見通しなのです。

風評に負けるな!

安倍政権による規制緩和

いずれにせよ、インターネットの普及により、朝日新聞を初めとするマス・メディアの報道に虚報が多いという情報が拡散し始めていることは、非常に心強い話です。

当ウェブサイト自身も「独立系ウェブ評論サイト」と名乗っていますが、「独立の立場から政治・経済を論じる」という、当ウェブサイトと似たようなコンセプトのウェブ評論サイトは、それこそ「雨後の竹の子」のように、日々出現しています。

そうなってくれば、「マス・メディアによる情報支配」という体制が、ますます揺らぐ方向に進むことはあっても、逆に進むことはないと考えて良いでしょう。こうした中で、私は土曜日に、『通信と放送の融合・補足論点』という記事のなかで、安倍政権による放送規制の全廃という話題を紹介しました。

政治的公平の放送法条文撤廃/党派色強い局可能に(2018/3/15 09:40付 共同通信より)
放送の規制、全廃方針(2018/3/22 18:38付 共同通信より)

共同通信を初めとする各種メディアは、放送規制が撤廃されれば、「放送の政治的中立性が損なわれ、党派色の強い放送局が出現してしまう」と強く警戒する論陣を張り、全力でこれを阻止しようとしているようにも見えます。

しかし、わが国の地上波のテレビでは、政治的中立性が無視されています。その証拠は、「社団法人日本経済研究センター」が実施した次の有権者へのアンケート調査です。

経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターウェブサイトより)

2009年8月の衆議院議員総選挙での投票行動をテレビや新聞・雑誌の情報で決めたと答えた層の、民主党への投票率が、有意に高いというものです(ただし、詳細については『【緊急速報】放送法第4条撤廃を支持する』でも申し上げたとおりなので本稿では割愛します)。

憲法第9条第2項改正に意欲

こうしたなか、私が注目しているもう1つの話題は、憲法改正です。

国難が次々と舞い降りる中で、安倍総理は昨日、自民党の党大会で憲法第9条第2項などの改正に強い意欲を示したそうです。

【自民党大会】/安倍晋三首相、憲法改正に改めて強い決意 道筋は困難(2018.3.25 21:06付 産経ニュースより)

現在、安倍政権は森友問題などに忙殺されているようにも見えますが、それでも未来に向けて、着実に布石を打っている格好です(もちろん、憲法改正の道筋は困難ですが…)。

そして、私に言わせれば、森友問題も加計学園騒動も、最終的には野党、マス・メディアらが憲法改正を阻止しようとするための政治的な材料です。そして、安倍総理が森友問題による攻撃にもひるまず、憲法改正に改めて強い決意を示したことを、私は素直に評価したいと思います。

今回の「マス・メディア+野党」対「安倍政権」の戦いは、今でこそ「マス・メディア+野党」勢力が押しているようにも見えます。しかし、マス・メディアや野党のお得意の「瞬間を切り取った印象操作」という戦略は、「人のうわさは75日も経過すれば消えてしまう」という性質を前提としたものであり、インターネットの前には無力です。

私は、森友学園問題に負けず、安倍政権がしっかりと前を向いて、ひとつずつ取り組んで行ってほしいと思います。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

     <今日も夕刊の配信ありがとうございます。こういう目まぐるしい政局、森友学園デッチ上げなどがある中で「ひっそりと」前米国大統領オバマ氏が来日しました。今頃、何の用やろ?寿司屋で安倍首相と会食、シンガポールにも行く?どっかの団体さんは、まだネームバリューがあると思っているのでしょうか。日本人として一言、『貴方の優柔不断な政策のおかげで、北朝鮮問題が無駄に長引き、周辺国の迷惑となっている』とお伝えしたいもんです。
     < さて、安倍首相は昨日党大会で、憲法9条に自衛隊の存在を明記することを表明、「違憲論争に終止符を打とう」と呼びかけました。改憲4項目の中で、私は『自衛隊』の名を遺したことは残念、国軍にすべきであるとともに、2項を削除できなかったのも惜しまれます。しかし、与党内でもいろいろ意見はまとまらず、特に気になった『必要最小限度の実力組織』という文言が削除されたことは良かったと思います。必ずや反対勢力、野党が『最少限度』に拘り足を引っ張ってくるのは見え見えですから。
     < 新聞、テレビだけでなく、週刊誌も「森友問題」については酷いカラミようですね。改憲発議をさせない為に。野党もマスゴミも日本を貶めてどうする?国会を空転させる野党は、今もし、解散総選挙しても、地滑り的に議席失うよ。特に日本共産党、立憲民主党、希望の党、社民党。軽く見ている訳ではないが、官邸近くのデモなど何万人どころか、全然集まらない。改憲の住民投票辺りになると、盛り返して来るかもしれないが、所詮リベラル、左傾人、日共、労組員、ジャーナリスト、不健全な一部学生、マスゴミだけ。日本の大衆は分別がある。恥ずかしい行動はしない。
     < 失礼します。

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