もりかけ問題で倒れるのは、安倍政権でなく新聞業界か
森友学園に対する国有地売却の経緯を記した公文書を財務省が改竄していたとされる問題を巡って、朝日新聞が社説で、「政権に良心はあるか」と批判しています。ただ、個人的には「良心はあるのか」、「誠意を示せ」といった主張がメディアから出てきたこと自体、「もりかけ問題」を追及すること自体、私たち一般の日本国民には支持されていないという、間接的な証拠であるようにも思えてなりません。
目次
朝日新聞「政権に良心はあるか」
「まだ、やっていたのか」――。
一読して、そういう感想を抱いたのが、次の社説です。
(社説)「森友」国賠訴訟 政権に良心はあるか
組織の不正に加担させられて命を絶った元職員の訴えと、「真実を知りたい」という妻の思いにどう向き合うのか。<<…続きを読む>>
―――2020年7月16日 5時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
朝日新聞は16日の社説で、財務省・近畿財務局に勤めていた当時54歳の職員が自殺したことを受け、妻が国と当時の理財局長の佐川宣寿(のぶひさ)氏を相手取った損害賠償訴訟を起こした件で、「財務省と安倍政権の『良心』が問われている」としたうえで、次のように批判します。
「これまでのように真相を語ろうとしない姿勢を続けるのは、国民への重大な背信である。」
…。
いったい、どういう内容でしょうか。いや、それ以前に、そもそも「もりかけ問題」とは、いったい何のことをさしているのでしょうか。
当ウェブサイトなりに調べたところ、各報道機関などが安倍政権を糾弾している「もりかけ」問題とは、次のように定義することができます。
「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、個人的な友人が経営する学校法人に対し、何らかの違法な便宜を供与していた疑いのこと。」
もし、安倍総理が自身の地位を悪用して違法行為を行っていたのだとしたら、事態の重さによっては内閣総辞職により責任を取るべきですし、場合によっては安倍総理自身が衆議院議員を辞職し、司直の捜査を受けねばならないかもしれません。
ただ、少し待っていただきたいと思います。
はたして、安倍総理がそういう違法行為を働いたという確たる証拠はあるのでしょうか。
いや、それ以前に、安倍総理がいかなる違法行為を働いていたというのでしょうか。
結論からいえば、「もりかけ問題」に関しては、安倍総理が違法行為を働いていた証拠は、待てど暮らせど出てきません。というよりも、事態の真相は、マスメディア自身が「安倍総理がどういう違法行為を働いていたのか」という争点をぼやかしたまま、ただひたすら、「安倍が怪しい!」と叫び続けているだけなのです。
このことから、当ウェブサイトではこの「もりかけ問題」の本質とは、特定メディアや特定野党が冤罪を捏造することで安倍政権に対する印象を貶め、そのことによって最終的には安倍政権の打倒を目指す、一種の「メディアクーデター」だと考えている次第です。
安倍総理「安倍政権打倒は朝日の社是」
ここで思い出す必要があるのは、安倍総理自身がかつて国会答弁で、「安倍政権打倒は朝日新聞の社是」と述べていた、という事実です。
第186回国会 参議院 予算委員会 第2号 平成26年2月5日(国立国会図書館『国会会議録検索システム』より)
安倍総理は2014年2月の参議院予算委員会で、自民党所属の脇雅史参議院議員(当時)の質問に対し、次のように答えています。
「かつて評論家の三宅久之さんから聞いた話でありますが、朝日新聞の幹部が安倍政権打倒は朝日の社是であると。これは、社是であるのは私は全く結構だと思います。しかし、それはそういう新聞なんだなと思って私も読むわけでありますが、…」
つまり、少なくとも安倍総理の側は間違いなく、朝日新聞が自分を倒そうとしていると認識しているわけです。もちろん、国会という場を使い、ただの民間企業に過ぎない朝日新聞社を名指しして、こんな答弁をする安倍総理のことを「大人げない」と感じる人も、なかにはいるでしょう。
しかし、朝日新聞を含めたマスメディアが大々的に「もりかけ」問題の展開を開始したのは、この発言のちょうど3年後、2017年2~3月頃の話であり、とくに特定メディアの報道姿勢を眺めていれば、確かに「確たる証拠もなしに犯罪を捏造し、政権打倒を目指している」と思われても仕方がありません。
財務省の体質の批判を、どうして政権に向けるのか
もちろん、森友学園に対する財務局の国有地売却を巡る経緯について、財務省が公文書を改竄したことは間違いなく、その点において、財務省の隠蔽体質が批判されるべきであることは間違いありません。
もっといえば、財務省は国の財政の入口(国税庁)と出口(主計局)を一手に握り、予算という力を使って私たち有権者が選んだ国会議員をはるかに上回る権力を手にし、「増税原理主義」という誤った主張で日本を滅ぼそうとしている、まさに「国民の敵」でもあります。
朝日新聞が「報道機関の使命」(?)とやらを果たすなら、自分たちが消費税の軽減税率の優遇措置を率先して受けるのではなく、本来、こうした財務省の「増税原理主義」という腐敗体質を舌鋒鋭く批判するのが筋ではないかと思います。
しかし、残念ながら朝日新聞の社説では、「佐川氏を要職に起用し続けた麻生財務相をはじめ、財務省全体が問われている」としたうえで、次のとおり、安倍総理に対して批判の矛先が向けられています。
「そして安倍首相をめぐる問題である。森友学園が開設を目指した小学校の名誉校長に妻昭恵氏が就いていたことを受け、首相は17年の国会で『私や妻が関与していたら、首相も国会議員もやめる』と答弁した。これが一連の不正の引き金になったとの見方は根強い。」
安倍総理ら閣僚の答弁が、財務省における公文書改竄の引き金になった可能性がある、という点については、同意します。ただ、もしそうだとしても、安倍総理自身が公文書改竄を指示したわけではなく、その意味では安倍総理にはただ一点の責任もありません。
いや、自然に考えて、「財務省が安倍、麻生両総理らに説明していた内容に虚偽があって、安倍、麻生両総理の答弁内容に細かい齟齬が出て来たので、財務省自身の説明に整合するように、財務局に命じて文書改竄を行った」という可能性が高いでしょう。
いずれにせよ、森友学園に対する国有地売却問題に関連し、「安倍総理による何らかの不正」の動かぬ証拠も示しているわけではないくせに、次から次へとゴールポストを変えて、挙句の果てに「良心はあるのか」とは、往生際が悪すぎます。
新聞業界そのものに対する審判が下る
ただ、「もりかけ問題」を巡って、ひとつだけ希望が見えているとしたら、この「もりかけ問題」を一生懸命に追及し続けてきた新聞業界を、私たち日本国民が見放し始めている、という点ではないでしょうか。
先日の『新聞と新聞紙は別物:「インクなし新聞紙」の衝撃』などでも報告しましたが、新聞業界からは、けっして良い話は聞こえて来ません。
たとえば、朝日新聞に関していえば、有価証券報告書に開示されている「発行部数」は、手に入る最も古い2014年3月期のデータでは752.6万部でしたが、これが2020年3月期には537.3万部にまで減少しています。6年間で約30%減少した計算です。
一般社団法人日本新聞協会が発行する『新聞の発行部数と世帯数の推移』というデータでは、2000年と2019年を比べれば、「朝刊単独部数」は3370万部から2854万部へと約15%減っていることが示されているのですが、それだけではありません。
年初の『「新聞業界の部数水増し」を最新データで検証してみた』でも示したとおり、朝刊の部数の減少率が不自然なほど小さく、新聞各社が発表している「部数」は、下手をすると3~4割が押し紙(不正な水増し)ではないか、といった疑念は深まるばかり。
さらには、『チラシ減:コロナ騒動は新聞業界にとどめを刺すのか?』でも紹介したとおり、足元では新聞販売店の売上を支えていたはずの折込チラシがあまり入らなくなっている、といったうわさも、頻繁に耳にするようになりました。
この点、『朝日新聞ですらメディア部門が営業赤字に転落する時代』でも報告したとおり、株式会社朝日新聞社自体は経営にかなりの余裕があるので、今すぐに経営破綻する可能性はさほど高くありませんが、優良資産を持たない弱小新聞社の場合は、それなりに経営難にあると思われます。
安倍政権を倒そうとして、新聞各社が「もりかけ問題」を前面に押し出し、倒閣の論陣を張ったところ、倒産したのは自分たち自身だった、というオチが見えるのも、また一興かもしれませんね。
オマケ:グーグル検索してみてください
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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真相究明は良いですが、マスコミが作り出したストーリーが真相とはかぎりません。
政権を批判するのは筋違いという事もありますが、慰安婦を含めて数々の捏造をしてきた、たうその新聞が「良心」を語るな。
いや、むしろそのような体質だから騙っているのか。
他者を批判する前に、自らを省みるべし。
まずは、特技の総括でも身内でしとけと言いたい。
個人的な見解ですが、「良心」を振りかざす輩にマトモなのは殆どない。
(マトモな人がいたら申し訳ありません)
本質的に重要なのは、「違法」か「適法」かであるはずなのに、それには触れずに「良心」という尤もらしい言葉で問題をすり替えてくる。
国民を騙す時の、そっち系の常套手段だと判断している。
他にも、「正義」「人権」「環境」「市民」etcのキーワードを使う奴らも、かなり怪しい。
いわゆる「もりかけ問題」で明らかになったのは、官公庁の文書管理が驚くほど杜撰であるということだけでした。国会で1年半以上、他にも山積する諸問題を全部放り投げて大騒ぎした結果がこれです。
もちろん、官公庁の文書管理が杜撰だったというのは大変由々しき問題であり、可及的速やかに是正されなければなりません。しかし、言ってみれば単なる事務処理の問題であり、国会で延々と議論し続けねばならないような問題ではありません。「文書管理が杜撰なのはケシカラン。速やかに是正し、結果を国会に報告せよ」とでも言っておけば1日で済む話です。愚劣の極みと言わねばなりません。
朝日新聞前主筆の故若宮啓文氏は「安倍政権打倒は朝日新聞の社是である」旨、私的な席では公言していたという話があります。事実かどうかは確認できません。しかし、改憲を掲げる安倍首相は朝日的にはよほど目障りだったのでしょう。おそらく、彼らに自主憲法制定は自民党結党以来の方針であることを言っても聞く耳持たないでしょうが。
>安倍総理ら閣僚の答弁が、財務省における公文書改竄の引き金になった可能性がある、という点については、同意します。ただ、もしそうだとしても、安倍総理自身が公文書改竄を指示したわけではなく、その意味では安倍総理にはただ一点の責任もありません。
野党やマスコミが安倍首相が忖度させたからだとと強弁するなら
批判のための揚げ足取りや言葉尻を捉え、強引に批判にもっていく野党やマスコミにも責任はあります。
特に、私や妻が関与していたら、首相も国会議員もやめる、と答弁したことが引き金になり、首を取ろうとなりふり構わず追及したことの責任は重い。
朝日新聞「政権に良心はあるか」
韓国「韓国に対する愛は無いのか」
反社「誠意を形にして見せてもらおか」
理屈に詰まると形も無く論理も通用しないものを持ち出す。そういう連中の常套手段です。
籠池 息子 ツイッター
が熱いですね
更新ありがとうございます。
トホホな話ですネ(失笑)。朝日新聞社に良心は無いのか。そう返したいです。赤木氏は自死されたそうで、お気の毒で、いたたまれない気持ちです。
しかし民間企業でも、激しい労働に反比例する叱責と罵倒、第3者の前で吊るし上げ。うつ病になったり、精神的に追い詰められて電車に飛び込んだり、休職したり退職したりと言う例は数えきれない程存じています。
大概、真面目に勤めていた方にしわ寄せが来ます。チャランポランな仕事しか出来ない人は、そこまで思い詰めませんし、低能力ですから。それとターゲットになりやすい人もなんとなく分かります。私もそうでした(エ?)
私の場合、見た目は非常に大人しく見える(ホントです)事、何でも言う事は聞いて来ましたが、余りの扱われ方の酷さに堪忍袋の尾が切れて「死なば諸共」と打って出て、喧嘩両成敗つまり双方異動になりました(爆笑)。
それぐらいやらないと、サラリーマン生活、42年も続かないです。(私の思い込み)
あ、自分の話はそれぐらいにして、朝日新聞始めATMは安倍総理近辺の些細な事を追いかける。NHK、TBS、テレ朝も同じ。共同、地方紙も。
「もりかけ問題」に関しては、安倍総理が何か違法行為を働いていたのでしょうか?「怪しい」だけですか?証拠は?今どき、そんな記事を載せてるようじゃ、詰んでるよ。よっぽどネタ枯れか、取材能力無いかですね。あ、アホが作ってんのか(爆笑)。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(私は朝日新聞と違って、間違う存在であると自覚しているので)
「モリカケ問題で安倍総理が辞任した」という結末しか、受け入れるこ
とが出来なくなった朝日新聞としては、(お涙、頂戴の)感情論で、安倍
総理を責めてきたというところでしょうか。(前に「安倍総理が違法行為
をしたかは関係ない。安倍総理は辞めるべきだ」と呟いた弁護士がいたそ
うですが、もはや安倍総理が辞任しないこと自体が問題なのでしょう)
この後は、「社内で目的が正しいと決めたので、正しい目的のためには
手段は正当化される」として、下っ端に「ペンを使ったテロ」を実行させ
ることもあり得るでしょう。(「安倍総理が辞任すれば、新型コロナウィ
ルス感染は収束して、雇用も創設される」という予言者を、朝日新聞が持
ち上げるかもしれません。誰か試してみませんか)
蛇足ですが、今後、「新型コロナウィルス感染での雇用悪化で、支持率
が低下して」か、「自民党総裁任期」か、まさかの「モリカケ問題」かは
分かりませんが、いずれ、安倍総理も辞める日が来ます。そうなれば、理
由はどうあれ、朝日新聞社内では、「朝日新聞の追及で安倍総理が辞任し
た」ということに、なるのでしょう。
駄文にて失礼しました。
安倍首相が、任期を終えるか引き摺り下ろされるか分かりませんが退任した時、朝日新聞はどうなるのですか?大望を果たして社を解散?ひょっとして社屋を爆破して『完』だと、昔のアニメみたいで、ちょっと見直しますが。
安倍首相はコロナ対策失敗と経済悪化で引責辞任することになると思います。残念ながら。
いつも楽しみに拝読しています。
「うそのしんぶん」で検索すると
『次の検索結果を表示しています: 朝日新聞』
て出てくるんだ。
吃驚!!