新聞記者、JALに対し「御社の信頼に関わる」と糾弾

今年は新春早々、大災害に大事故と、何とも波乱の幕開けとなりました。改めまして、震災に遭われたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。さて、あれだけの事故で幼児8人を含む乗員乗客379人全員が無事に脱出することができたのは、JALの乗務員の皆さまによる、日ごろからの訓練のたまものではないでしょうか。ただ、事故原因については適切な機関が調査することとなります。一部メディアによる現段階での観測報道は、有害でこそあれ、社会に利益をもたらすものではありません。

重大事故を防ぐためには風通しの良い組織が必要

日勤教育が福知山線事故をもたらした

1件の重大事故が発生するときにはたいていの場合、背後に30件程度の中事故があり、1件の中事故の背景にはたいていの場合、30件の小事故がある――。

これは、昔から指摘されている法則のようなものでしょう。

こうした法則を踏まえると、重大事故を防ぐためには、組織の風通しを良くし、ちょっとしたミスであっても咎めたりせず、まず客観的に「何が発生したのか」の報告が上がるようにすることが鉄則です。

逆に、ちょっとしたミスが発生したときに、事故を起こした当事者(たとえば鉄道の運転手)などに厳罰を課すような体制を続けていると、組織が委縮し、事故報告が上がって来なくなってしまいかねません。その結果、現場レベルでミスの隠蔽が続出し、それが最悪の事故を誘発することもあり得るのです。

この法則が最悪のかたちで出たのが、JR西日本が2005年4月25日に発生させた、乗員・乗客あわせて107名が犠牲となった福知山線脱線事故です。というのも、この事故の直接の原因はスピードの出しすぎでしたが、発生原因のひとつはJR西日本による過酷な「日勤教育」にあったからです。

運輸安全委員会が2007年6月28日に公表した『鉄道事故調査報告書』【※PDF】によると、この「日勤教育」は、オーバーラン(停止位置超過)や点呼時刻遅刻などを発生させた乗務員に対し、顛末書や反省文を書かせたり、乗務員を乗務から外したりするなどの懲罰的なものです。

これについて委員会は、この日勤教育におけるレポート項目には「精神論的な項目が多くみられる一方で、運転中における注意の適切な配分の仕方のような項目は少なく、また、ブレーキ操作等に関する項目は見られない」と指摘しています(同P49)。

福知山線事故についても、事故を発生させた運転手が、直前の停車駅である伊丹駅で発生させていたオーバーランと定刻からの遅延で動揺していた可能性が指摘されており、定刻の遅れを取り戻すために、本来ならば減速すべきカーブ区間手前でも大幅に速度超過していた、などとされています。

すなわち、ミスをした乗務員に対する厳格過ぎる指導が福知山線事故という戦後4番目に犠牲者の多い事故につながった、というわけです。

事故の記憶を風化させないJR西日本の矜持

i以上より得られる教訓があるとしたら、重大事故が発生した際には、その直接の原因だけでなく、そうした事故につながるに至った背景や組織風土などについても、可能な限り、客観的に調査することの重要性です。

とりわけ、何らかの事故が発生したときには、まずは事故の調査については専門家の調査に委ねることが大事です。

もっといえば、マスメディアなどによる、あたかも「犯人探し」をするかのように加熱した報道は、事故原因の究明にとっては有害無益ですし、私たち一般人レベルでも、ああだ、こうだと論評したところであまり意味はない、ということです。

もっとも、この論点について深入りする前に、ひとつお断りをしておきたいと思います。

そもそも論としてJR西日本が非難に値する会社なのかといえば、そういうわけではありません。

現在でもJR西日本のウェブサイトのトップページを開いていただくとわかりますが、真っ先に出てくるのが「安全への取り組み」と称したバナーであり、その下にはこんなメッセージが表示されています。

私たちは、2005年4月25日に発生させた福知山線列車事故を決して忘れません。安全第一を積み重ね、安心、信頼していただける鉄道を築き上げます」。

たしかに未曽有の事故を発生させたことの原因がJR西日本の当時の社内体質にもあったことは間違いないにせよ、そのJR西日本は、当時の事故の記憶を風化させまいとして、いまでもこうやって自社のウェブサイトに事故のことを掲載し続けているのです。

ここに、交通安全に携わる企業としての矜持(きょうじ)のようなものがあるといえます。

杉江氏の提言

航空評論家の杉江氏による24年前の著書

さて、交通機関の安全と重大事故の防止についてじっくり考えるうえで、非常に良い材料があります。

著者自身の手元にあるのが、『機長の告白―生還へのマニュアル』と題した、かなり古い1冊の書籍です。これは当時、JALの機長だった杉江弘氏(現・航空評論家)が「空の安全」をテーマに執筆した、当時としては珍しい着眼点に基づく良著です。

奥付を見ると、第1刷発行が2000年8月5日とあります。これは2001年9月11日の同時多発テロ事件の前年です。このため、「テロリストがハイジャックしたジェット機を用いてビルを爆破する」という論点については、本書では触れられていません。

ただ、この点を除けば、当時までに発生していた重大な航空機事故に関する豊富な事例に加え、航空会社における安全訓練の様子などが、臨場感とともに描き出されています。

想像するに、出版年が出版年だけに、現時点で入手することは困難だとは思われます。しかし、お住まいの地域の公立図書館などのOPACで調べてみたら、もしかしたら収蔵しているケースもあるかもしれません。

もし見つかるようであれば、是非とも借りて読んでみていただきたいと思います。

「犯人探し報道」に終始する日本のマスコミ

さて、この『機長の告白』のなかで、現在でも通用する重要な論点のひとつが、「事故調査の客観性と改善勧告の独立性」に関するものです。

まずは、書籍の前文にある、こんな記述を紹介しておきましょう。

日本のマスコミは、これまで航空事故を断片的にしか伝えなかった。それも事故が起こったときの犯人探しのようなものが多く、そのたびに私たちパイロットは苛立ちを覚えている」。

この「犯人探し」とは、いったいどういうことでしょうか。

これについては本文の『第12章 アメリカの航空事故調査に学べ』の冒頭(P336)にある、こんな記述を読んでいただきたいと思います。

大きな航空事故が発生すると、『航空事故調査委員会』が活動を開始する。事故の原因を究明し、再発を防止することが目的だ。各国で同じような制度があるが、日本の場合は『犯人探し』が先行しやすく、調査体制が不十分で、中立性にも疑問が持たれている。抜本的な見直しを提言したい」。

この「航空事故調査委員会」とは、運輸省(当時)の一機関として設けられたものですが、杉江氏はこの委員会が「運輸省から独立していない」として批判。あわせて鉄道事故が(この書籍が出版された時点においては)警察などによる捜査に委ねられていた、という点を問題視しています。

現在の運輸安全委員会のミッションとは?

そして、章タイトルにある「アメリカに学べ」とは、米国では交通機関(航空機、鉄道、船舶など)の事故調査においては米国家安全運輸委員会(NTSB)が全面的な権限と責任を持っており、テロなどが疑われる場合などを除き、FBIなどの捜査機関は基本的に事故の調査に関与しない、という点をさしています。

当時の日本のように、調査委員会が行政機関の一機関として設けられている場合、その委員会自身が独立の立場から監督官庁による監督体制を含めた改善勧告を出すことは困難ですし、事故調査が警察などの捜査機関に委ねられた場合、客観的・中立な真相究明にも支障を来し、「再発防止」という観点からは望ましくありません。

JR西日本の日勤教育という厳罰システムが現場を委縮させ、ミスを隠蔽させ、運転手に無茶な行動をとらせたことを思い出しておくならば、なにか事故が発生した際には、社会全体でそれを糾弾したりせず、まずは何が発生したのかを客観的・公正に分析し、事故原因を特定することが必要です。

ちなみに杉江氏の提言が効いたのか、「航空事故調査委員会」は2008年、国土交通省の外局である運輸安全委員会に改組されました。

同委員会の『ミッション』は、次の通りです。

私たちは、適確な事故調査により事故及びその被害の原因究明を徹底して行い、勧告や意見の発出、事実情報の提供などの情報発信を通じて必要な施策又は措置の実施を求めることにより、運輸の安全に対する社会の認識を深めつつ事故の防止及び被害の軽減に寄与し、運輸の安全性を向上させ、人々の生命と暮らしを守ります」。

そのうえで、同委員会が同年1月に公表した『要望』【※PDF】によると、「真の原因究明、再発防止の徹底による安全運航の確保を目的とする事故調査と、科罰のための責任追及を目的とする刑事捜査では、その趣旨がまったく異なる」としたうえで、次のように指摘します。

真の事故原因の究明と再発防止のためには、刑事捜査が事故調査に影響を及ぼさないルールや体制の確立が望まれる」。

これは、杉江氏の著書にも出てきた、「国際民間航空条約」(第13付属書5.4条)でいうところの、「航空事故調査当局は、調査の実施に関し、独立性をもち、かつ、制限されない権限を有しなければならない」とする規定に沿った委員会の在り方です。

そのうえで、同委員会はこうも指摘します。

諸外国において、事故調査機関は航空行政や警察・検察当局に対する独立性と、現場の立入りなど調査に必要な一定の権限を有している。特に米国においては、原則として、事故調査機関が、捜査機関を始めとする他のあらゆる機関に対して、優先権を有している」。

つまり、事故調査は「犯人を捜して罰するための捜査」ではなく、あくまでも「原因究明と再発防止」を目的としたものである、という点に注意が必要でしょう。

そのことを、今から24年も前の時点で指摘していた杉江氏の慧眼には驚きます。

JAL機と海保機の衝突・炎上事故

航空専門家「JALの行動は賞賛に値する」

こうしたなかで取り上げておきたいのが、最新の航空機事故です。

1月2日夕方、JALの新千歳空港発の516便が羽田空港に着陸した際、海上保安庁の航空機と接触し、滑走路上で炎上。JAL機からは幼児8人を含む乗員乗客379人全員が無事に脱出することができたものの、海上保安庁側は乗員6人のうち5人が亡くなり、機長が負傷するという大参事となりました。

しかも、海保機は能登半島地震の支援物資を搭載したJA722Aは東日本大震災の際、仙台空港で津波被害に遭い、奇跡的に生還した機体としても知られており、それだけに多くの人々にも衝撃を与えた事故となってしまいました。

もっとも、JAL機からの脱出については、賞賛に値するものです。

これについては英メディア『BBC』が報じた次の記事が参考になるでしょう。

Japan Airlines: Hundreds survive after plane bursts into flames on Tokyo runway

―――2024/01/02付 BBC NEWSより

BBCはこれについて、こう述べます。

“Air safety experts have praised the crew for safely evacuating all the passengers”.

意訳すると、「航空安全の専門家の間では、JAL機からすべての乗客が安全に脱出したことが賞賛されている」、です。いったい何が賞賛されているのかといえば、乗員・乗客のうち少なくとも14人が軽傷を負ったものの、1人の死者を出すことなしに短時間で脱出させたことです。

BBCによると、英クランフィールド大で交通システムディレクターを務めるグラハム・ブレイスウェイト教授がこうコメントしたそうです。

“Their focus is on safety. They are the last people to evacuate the airplane and on face value, it looks like they have done an incredible job”.

この “incredible job” の部分に、教授の関心が凝縮されているといえます。

X(旧ツイッター)のポストの情報によると、機体が炎に包まれているなかで、使用できる脱出口が限られていたにもかかわらず、全員の脱出がだいたい20分以内に完了したようなのです。

これについては、いわゆる「90秒ルール」が功を奏した可能性が濃厚です。

JALのウェブサイトの説明によると、この90秒ルールとは、「非常用脱出口の半分以下を使って事故発生から90秒以内に乗客全員を脱出させなければならない」という世界基準のことだそうです。

想像するに、かつて1985年にジャンボジェット機墜落事故を発生させるなどしたことへの反省もあってか、JALは安全に対し、世界で最もこだわりを持っている航空会社のひとつなのでしょう。まさに日々、厳しい訓練をこなしているパイロット、CAの皆さんの努力のたまものといわざるを得ません。

そういえば、日航機事故が発生した8月12日にJAL機に搭乗すると、今でもたいていの場合、機内でこの日航機事故に関するアナウンスが流れます。JALの安全に対する意識の高さは、「もう絶対に航空機事故で乗客を死なせない」という強い意志を感じさせるものでもあります。

現時点で憶測による事故原因を語るな!

ただ、それ以上に驚くのが、本邦のマスメディアの進歩のなさであり、有害さです。

このJAL機の事故について調べていて、目を疑うような情報がザクザクと出てきたのです。

まずは軽いジャブから。

朝日新聞のポストですが、これについてはコミュニティノートが着弾している通り、現段階で事故原因について断定するかのような記事を掲載したこと自体が、なかなかに驚きます。運輸安全委員会による調査結果が出て来るまで、どうして結論を急ごうとするのかが謎です。

いや、もちろん、憶測めいたことであっても事故原因について知りたいと思うのが人情だと言われればそのとおりかもしれませんが、こうやって紙面に掲載すること自体、当事者らが批判を恐れて事故調査に協力しなくなるリスクがあることが懸念されるのです。

新聞記者「御社の信頼にも関わる」

ただ、それ以上に驚くのが、JALによる記者会見での記者の質問です。

記者会見の模様についてはいくつかのメディアが『YouTube』などにアップロードしていますのが(たとえば日テレNEWS LIVEのものなど)、どの社のものを見ていただいても良いと思います。

これについては記者からの最初の質問に、こんな趣旨のものがありました。

●●新聞の●●です。海保機と衝突したのは滑走路上ということで良いのかという認識がまず1点。あとこのJAL機に対しては管制からの着陸許可の指示が出ていたのかどうか、また、着陸許可の後も着陸をやり直すような指示が出ていたのかどうか確認させていください」。

(いちおう「武士の情け」ではありませんが、新聞社と記者の実名については伏字にしておきます。調べたらすぐにわかることですが…。)

これに対し、JAL側は「衝突があったのは滑走路上だと認識している」としつつも、管制官からの着陸許可が出ていたのかどうか、あるいは管制官との通信の具体的なやり取りについては「事故原因に関わる」ため「現時点では申し上げられない」と回答したのですが、驚くのがこの次の記者のこんな趣旨の発言です。

その着陸許が出てない場合に着陸するなんてことは、通常はないですよね?乗務員に対するヒアリングはいつする予定なのですか?御社の信頼にも関わることじゃないですか?

この記者は、いったい何様なのでしょうか。

JAL側は、「通常であれば着陸許可は出ていたと考えられるが、事故原因の究明については委員会での客観的な調査に委ねられる」とする当たり前の会頭を出したのですが、この無礼な記者は「今回の事故はJALの信頼にも関わる」などと断じたのです。

数々の誤報、捏造報道、偏向報道などを行い、有権者の意思決定を歪めまくって来た新聞社の分際で、いったいなにが「信頼に関わる」、なのでしょうか?

首をかしげます。

ちょっとお粗末すぎます。

ますます劣化する本邦メディア

さて、本稿で取り上げたJR西日本やJAL、あるいは本稿では取り上げていない雪印メグミルク株式会社、といった企業のことを調べていくと、自社が発生させた事故については自らきちんと記録し、少なくとも社外の第三者に対してわかりやすく公開している、という共通点があります。

鉄道の安全、空の安全、食の安全、と、分野こそ違えど、「安全」という観点からの意識の高さに関しては、いずれもまったく同じです。

しかし、JALに対し「御社の信頼にも関わる」などと高圧的かつ偉そうな質問を投げかけた無礼な記者が所属する新聞社を含め、オールドメディア業界に関していえば、少なくともこうした「過去に自分たちが発生させた不祥事」について記録する、という態度はほとんど見られません。

たとえば、日韓関係にトゲのように突き刺さったままの自称元慰安婦問題も、もともとは新聞社の捏造報道が火をつけたものですし、多くの日本人が読まないであろう英語版ウェブサイトで、とてつもなく下劣な内容を発信し続けた新聞社も、それにより多くの日本人を傷つけた責任を取らないままです。

あるいは日本の新聞記者が外国の空港でクラスター爆弾を爆発させた事件もありましたし、最近だと特定の新聞記者が官房長官記者会見の場などに出現し、自身の支離滅裂な主張を長時間演説することが、多くの国民の失笑を買っています。

杉江氏の「事故が発生したときの犯人探しをするかのような日本のマスコミ」という指摘が、24年経過してもまったく是正されていないばかりでなく、ますます劣化しているのは、それだけ新聞、テレビを中心とするオールドメディア業界が腐敗している証拠そのものでしょう。

今回の事故に関しても、一部のメディア産業関係者の間では、「事故原因の観測報道」が過熱しているかの感もありますが、こうした報道は社会にとって有害でこそあれ、利益はもたらしません。

いずれにせよ、新聞・テレビを含めたオールドメディアこそが、現在の日本にとって、最も有害な業界のひとつとなってしまっている可能性が高いことについては、改めて指摘しておく必要がありそうです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 神谷パパ より:

    この記者だけでなく、別の記事(朝日新聞デジタル)でもやらかしたような。ただし、「親の耳打ち」や「朝日関係者の子供」かどうかは、確認できなかったけど、JALへの悪意を感じる見出し、映像の編集に思える。https://twitter.com/asahicom/status/1742175239805808758

  2. sqsq より:

    杉江氏の本、アマゾンで新品1点、古本23点出てた。

  3. sey g より:

    JR西日本の福知山線事故の日勤教育について。
    労組の力が強く、的確な人事異動が出来ずに 運転手に不向きな人間を自主的に別の部署に異動させるために日勤教育があると聞いたことがあります。
    確か高山正之氏の著作です。

    ただ、これだけが原因かといえば、余裕のないダイヤもあります。

    日本のマスコミは再発防止のための原因究明よりも 犯人叩きがやりたいように思えます。

    1. 引きこもり中年 より:

      毎度、ばかばかしいお話しを。
      マスゴミ:「再発防止の原因究明は、難しく反論される危険性があるので数字にならない。犯人叩きは数字になる」
      sey gさま、これって笑い話である。

    2. 引きこもり中年 より:

      sey gさま
      >日本のマスコミは再発防止のための原因究明よりも 犯人叩きがやりたいように思えます。
       再発防止のための原因究明には、それを書くほうにも、読むほうにも、それを理解するための専門知識が必要です。

    3. より:

      記憶が少々朧気ですが、事故発生直後、JR西日本の労組は日勤教育がすべての問題の元凶であり、ただちに廃止せよと気勢を上げていましたが、しばらくして出た雑誌記事(文春だったかな)に書かれていた運転士のこれまでの勤務状況を読んだ限りでは、その運転士はそれまでにもいくつかのトラブルを起こしており、気の毒ではありますが、どうも運転士への適性に欠けていたと思わざるを得ませんでした。彼が運転士になることを熱望していたことは確かなようですが、どんな職業にも適性というものがあり、どれほどその職に就きたいと思っていても、向かない人はとことん向かないのです。

      その記事を受けてのことかどうかはわかりませんが、その後労組は騒がなくなり、一部メディアが報じていた「日勤教育こそ諸悪の根源」という論調は下火になったような記憶があります。

      1. sey g より:

        どんな仕事でも向き不向きがあります。
        皆が皆やりたい仕事につけるわけでもありません。
        が、労働者を護るためには適性を無視するのはどうかなとその記事をみて思ったものです。
        左翼の自分が絶対正義という無謬性が原因にあるのかも。

  4. 同業者 より:

    緊急脱出の定期訓練は年1回だそうですから、事故発生からの時間的余裕がない中で、その練度の高さには驚きます。
    機長が様々な事故のシナリオを作成して、地上で実機を使用した訓練も実施されると聞いたことがあります。

    それにしても、「答えなきゃ悪評を流布するぞ」と言わんばかりの恫喝ですか。
    新聞やテレビの記者は特別な偉い人間だと勘違いしてるんでしょうね。

  5. はにわファクトリー より:

    ATC (管制管制交信)を記録している市井のマニアさんたちが会話を文字起こしして Youtube へどんどん投稿もしているようですから、事故調はうかうかしていられないという現代的な事情があると思います。

  6. 元雑用係 より:

    各社とも「原因は調査中」的な報道姿勢だったんですが、一昨日だかにNHKが「独自」と打って「国交省と海保で主張に食い違いがある」と報じてから、各社詮索モードに切り替わったように見えました。
    彼ら、その状態が居心地がいいんじゃないかと思います。
    ダメ集団なんでしょう。

    独立性の高い原因究明組織の必要性の議論があった記憶はなんとなくありました。設置の経過はこうだそうです。

    1974年 航空事故調査委員会
    2001年 航空・鉄道事故調査委員会
    2008年 運輸安全委員会 

    2001年改組では、日比谷線事故、信楽高原鉄道事故の遺族とその弁護士による民間組織が海外の事例などを調査し、体制整備の提言を続けていたことの影響もあるようです。
    2008年運輸安全委員会は直接的には、2006年の運輸安全一括法審議の委員会の付帯決議に基づいて設置されたそうです。このときに独立性の高い三条委員会になったようです。
    元々の航空事故調からして、真の原因究明のための独立性の高い機関として設置されたものだそうで、その必要性は長らく認識されてきたということなのでしょう。その後の事故の経験や多くの識者の提言に基づいて今の形に進化してきた、ということのようです。
    (その間、マスコミは全く、全然、1mmも進化していないように見えますが)

    運輸安全委員会 10 年の歩み
    https://www.mlit.go.jp/jtsb/symposium/symposium_4.pdf

    日本の運輸安全委員会の活動に関する一考察
    https://www.kansai-u.ac.jp/Fc_ss/center/study/pdf/bulletin013/bulletin013_06.pdf

  7. CRUSH より:

    雑談の方で「イジワル引っ掛け問題」のネタがありましたが、要素が似てますね。

    引っ掛け問題も、マヌケなイジワル新聞記者も、
    「誰かのせいにする」
    「ミスを詰問する」

    事故調査委員会や再発防止の考え方は、
    「正しい証言を引き出す」
    「責任は二の次」

    イジワル引っ掛け問題で言えば、まんまと引っ掛かった受験生を笑うところじゃなくて、紛らわしい設問を作った出題者を笑う視点です。

    日本のマスメディアは、心得違いしておる。
    君らは、警察官でも裁判官でもないよ。

    この正月は、実家で母と二人で動画を見てます。
    ファイヤTVをセットしてあげたのにいつも地上波のつまらんバラエティ番組を見ているので、大人げなくケンカになるのですが、安芸高田市の石丸市長と中国新聞胡子ヱビス記者とのヤリトリは、キャッキャと喜んで見ています。
    水戸黄門や遠山の金さんを見てるかのような。

    「新聞記者がこんなにバカだと思わなかった」
    とのこと。

    『スミス都へ行く』のリアルリメイクですもんね。
    50過ぎた息子が言っても聞く耳を持たなかったのに、イチコロ。

    いやホンマびっくりしました。

  8. カズ より:

    再発防止の最たる行為は、”自身のやらかし” を風化させないことです。
    大切なのは、『ジャーナリズムの ”非” を消すな!』ってことなのかと。

    本邦メディアの実態は、後始末がキチンとできない「奔放メディア」ですね。
    見えないとこでの謝罪は、聞こえない挨拶と同じくらい意味がないのです。

  9. ラスカルパパ より:

    今年も拝読させて頂きますので宜しくお願いします。さてマスコミの質劣化のお話しですが、私も同様に感じます。私自身は新聞社については同人紙レベルなので何を報道しても構わないと思ってます。勿論、記者クラブの運営など特権は廃止、放送局への出資などは禁止すべきです。問題は放送利権だと思います。よって電力会社改革で行われた上下分離方式を放送局にすべきだと思います。若干違いますが、放送設備などのインフラは国が管理し放送コンテンツなどは入札制度により時間枠を購入することでさまざまな意見を流せるようにすべきだと思います。

  10. 世相マンボウ、 より:

    ネットの発達で記者の取材過程の
    狼藉振りが顕わにされています

    職業に貴賤はないのですが
    種類分けとしては
    記者と言う職業の位置付は
    御自分たちの自惚れる
    一般人より上位どころか
    山賊追い剥ぎさんたちに
    ドンドン近づいているかに
    感じます

  11. KN より:

    >独立の立場から監督官庁による監督体制を含めた改善勧告を出す

    放送事故調査委員会(仮)の設立が待たれますね。
    勧告だけではヌルいような気もしますが。

    1. 新宿会計士 より:

      停波処分権限を持っていることが必要ですな。

  12. 通りすがり より:

    「不祥事の再発防止」という概念から最も遠いのは世界中に数多の業界あれど、やはり一番目も当てられない酷さを誇るのはオールドメディアですな。

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