広告費激減のテレビ業界でこれから始まる「冬の時代」

オールドメディア、とりわけテレビ局の苦境は、これから本格化します。すでに先日から取り上げている通り、テレビ業界は現在、どうやら広告収入が急減し始めているようだからです。こうしたなかで思い出すのが、数年前、米系ファンドがテレビ朝日に対して提案した、「地上波テレビ事業からの撤退」という話題です。テレビ局はコンテンツビジネスを目指すべきというものでした。現実にこの提案が受け入れられることはありませんでしたが、今になって提案を読み返すと、非常に合理的です。

テレビ局に「テレビ免許返上」迫ったアクティビスト

米系投資ファンド、テレ朝に「地上波テレビ返上」を提案

はじめに、少し古い話題を紹介しておきます。

今から約3年半前の『米系投資ファンド「日本の地上波テレビに将来性なし」』では、米国のアクティビスト系ファンドが株式会社テレビ朝日ホールディングスに対し、「地上波放送の電波返上を含めた経営改善策」を提案した」、などとする話題を取り上げました。

テレビ局、しかも日本を代表する在京民放キー局のひとつであるテレビ朝日の持株会社に対し、「地上波テレビ放送をやめてしまえ」、などと提案したわけですから、これはなかなかに驚きます。

アクティビストの4つの提案

ただ、提案内容を冷静に読んでいくと、べつにおかしなことは言っていません。

提案ではテレビ朝日が「朝日新聞、東映グループとの関係を活用し、ニューズやスポーツイベント、エンターテインメントを含めた、ウォルト・ディズニーのような総合メディアコングロマリットを目指すだけの潜在能力を有している」としつつも、次のような問題点を指摘します。

  • テレビ朝日の株価は近年、本源的な価値と比べて低迷している
  • ROEは何年も5%を下回っている
  • 日本における広告費は、テレビとインターネットの逆転が生じている

(ほかにコロナ禍に関する指摘もあったのですが、この点については本稿では割愛します。)

そのうえで、同社はテレビ朝日に対し、次の4点を提案したのです。

①地上波の無料番組に依存したビジネスモデルを改める

地上波テレビ広告市場は縮小しているのに、その地上波テレビ事業を続けるためには今後、4K設備負担などの巨額投資が発生する。よって、経営環境の変化に応じ、たとえば電波利用権を政府に返上するなどして、経営を抜本的に転換すべきである

②系列局の再編

大阪にある朝日放送を含めた系列局を再編し、地上波放送の設備投資を抑制すべきである

③映画、アニメ、テーマパーク事業

持分法適用関連会社である東映グループとの関係を強化し、同社が持つ映画、アニメ、テーマパーク(東映太秦映画村のことでしょうか?)事業などをテレビ朝日グループの中核事業に据える戦略に転換すべきである

④株主還元強化

自社株の買入を含めた株主還元を強化し、その一環として東映との相互持合いに基づく15%相当の自社株買入により持合関係を解消すべきである

…。

テレ朝・ABCの映像コンテンツを「有効活用すべき」

正直、アクティビストファンドが本当に言いたいのは④の部分に尽きるのだと思いますが、ただ、①~③については、たしかに一理あります。

テレビ朝日といえば、男の子が大好きな戦隊モノで多くのシリーズを持っていますし、系列の朝日放送(ABC)も女の子が大好きな『プリキュア』シリーズを2004年以来継続しています。そういえば、例の「東京都練馬区の青狸」も、埼玉県春日部市の「嵐を呼ぶ幼稚園児」も、現在はテレビ朝日グループのコンテンツです。

もしも東京や大阪の近郊にそこそこの広さの敷地を確保し、「戦隊モノ」コーナー、「プリキュア」コーナー、「青狸」コーナー、「幼稚園児」コーナー、「乱暴な将軍」コーナーなどを設ければ、たしかに千葉県浦安市にある世界的に有名な遊園地に勝るとも劣らない、そこそこのコンテンツビジネスが展開できるかもしれません。

個人的にテレ朝・ABCが準親会社である「あの新聞社」との関係を維持すべきとも思えませんが、ただ、資本関係を整理して「東映朝日グループ」などに企業再編し、地上波テレビ放送事業からもいっそのこと撤退し、報道部門も売却・閉鎖したうえで、コンテンツビジネスに特化するのも、ひとつの戦略です。

下手をすると100年後、200年後にも生き延びている可能性がありますし、世界中に「東映朝日ランド(?)」ができあがり、プリキュアの100作目、戦隊モノの1000作目などができるかもしれませんし、「22世紀の未来からやって来たロボットのアニメ」は、23世紀以降も続くかもしれません。

しかし、もしもこのまま地上波テレビに軸足を置いた経営を続けていたら…?

地上波テレビはすでに4Kでネットに先を越された

このアクティビストファンドが指摘する通り、今後、地上波ではますます広告市場が細り、その反面、コストは増えていくばかりです。

これもかなり以前の『日本のテレビ、「五輪に始まり五輪に終わる」』などで取り上げましたが、現在の地上デジタル放送は基本的に「2K」、つまり画素数が1920×1080(=2,073,600画素)です。これはかつての「ハイビジョン」を超える高品質なものですが、残念ながら、現在は2Kだと物足りないと感じる人が多いです。

最近、インターネットで配信される動画は、「4K」、つまり画素数が3840×2160(=8,294,400画素)のものが増えてきました。つまり、ネット動画の方が、地上波のテレビ放送よりも、画素数が4倍も上回っているのです。

そして、現在のPCやネット環境のスペック的にやや難があるとされつつも、YouTubeなどでも試験的に配信されているのが「8K」、つまり画素数が7680×4320(=33,177,600画素)の動画です。たしかにこの「8K」は重たいけれども高画質で非常に鮮明です。

かつて、インターネット動画といえば「粗くてカクカクしている」というのが定番であり、やはり鮮明な映像は地上波テレビでなければ映せなかったのですが、現在は完全にネットとテレビが逆転してしまっているのです。

とりあえず地上波放送局は頑張って映像を4K化するための投資をする必要がありますが、肝心の投資を回収するための手段は無料番組を広告収入で回収するというものしかなく、しかもそのテレビ広告自体が現在、猛烈な勢いで縮小し始めているのです。

未来がないテレビ広告

実際、テレビ事業の広告収入は激減し始めている

これに関連し、先日の『民放テレビ局中間決算、スポンサー離れの影響が鮮明に』では、民放6局(在京キー局5局、在阪準キー局1局)の親会社(ホールディングCo)のセグメント開示をもとに、どうやらテレビ広告費が急速に落ち込んでいるらしい、とする話題を取り上げました。

改めて指摘しておくと、民放親会社の「テレビ事業」、あるいは「メディア・コンテンツ事業」などと称される事業は、いずれも軒並み減益となっていることが確認できます(図表1)。

図表1 民放親会社のメディア・コンテンツ事業等の中間決算(2023年9月期、カッコ内は前年同期比)
会社略称外部顧客売上高セグメント利益
フジ2122億円(+132億円)41.6億円(▲20.5億円)
日テレ1807億円(▲39億円)150.4億円(▲31.1億円)
テレ朝1102億円(▲8億円)11.7億円(▲37.4億円)
TBS1416億円(+31億円)18.6億円(▲24.8億円)
テレ東457億円(▲23億円)5.8億円(▲18.8億円)
ABC358億円(+11億円)▲7.3億円(▲11.4億円)

(【出所】各社決算短信。なお、会社略称に対応する各社の正式名称とセグメント名称は『民放テレビ局中間決算、スポンサー離れの影響が鮮明に』の『図表2 会社略称と各社セグメント名称の対応表』参照)

なかなかに、深刻な状況です。

TBSはすでに「不動産賃貸業」

もちろん、これらの社のすべてが減益だったわけではなく、社によってはテレビ以外の事業が好調である、というケースもあります。たとえば株式会社TBSホールディングスの場合、セグメント利益では「不動産・その他事業」が「メディア・コンテンツ事業」の倍以上に達していたりします(図表2)。

図表2 TBSのセグメント情報(2023年9月)
事業名外部顧客売上高セグメント利益
メディア・コンテンツ事業1414億円18.6億円
ライフスタイル事業411億円27.1億円
不動産・その他事業83億円41.7億円
合計1908億円87.4億円

(【出所】株式会社TBSホールディングス『2024年3月期・第2四半期決算短信【日本基準・連結〕】』P10より作成)

つまり、直近中間決算で見る限り、株式会社TBSホールディングスの利益の半数近くは不動産事業などが、3割はライフスタイル事業が、それぞれ叩き出しており、テレビなどの「メディア・コンテンツ事業」は会社全体の利益に20%少々しか貢献していないのです。

TBSの「メディア・コンテンツ事業」、売上高は1414億円とやたら大きいですが、セグメント利益はわずか18.6億円、利益率で見たら1%少々に過ぎません。つまり、売上の99%近くが経費に消えている計算であり、通常、これは「儲かっている事業」であるとは呼び辛いところでしょう。

TBSの収益の柱は間違いなく「不動産賃貸業」であり、その意味で、TBSは「不動産業」と呼ぶのが正しいのです。

ネット広告費は20余年で50倍以上に!

テレビ広告費の苦境を示すデータは、それだけではありません。株式会社電通が毎年公表している『日本の広告費』というレポートで見ても、こうした傾向は明らかでしょう(図表3)。

図表3 広告費・2000年vs2022年
媒体2000年→2022年増減
新聞1兆2474億円→3697億円29.6%に縮小
雑誌4369億円→1140億円26.1%に縮小
テレビ2兆0793億円→1兆8019億円13.3%の減少
ラジオ2071億円→1129億円45.5%の減少
ネット590億円→3兆0912億円52.4倍に拡大

(【出所】株式会社電通『日本の広告費』データをもとに作成)

これによると、2000年に2兆0793億円だったテレビ広告費は、2022年では1兆8019億円と、13%ほど減少していますが、これに対し2000年に590億円に過ぎなかったネット広告費は、2022年においてはじつに3兆0912億円と、市場規模は50倍以上に伸びました。

新聞広告、雑誌広告に至っては、この20年あまりで市場規模はそれぞれ3分の1、4分の1へと激減しています(ラジオ広告についても46%ほど減少していますが、それでも新聞、雑誌と比べたら検討している方と言えるでしょう)。

いずれにせよ、現在、テレビは広告媒体として見捨てられ始めています。

要するに、「未来がない」、ということなのです。

テレビはシニア層が見る

ただ、テレビは依然として高齢層からは一定の支持があることも事実でしょう。

総務省『情報通信白書』などに掲載されているメディアの利用時間によると、10代や20代などの若年層のみならず、最近では30代や40代の中堅層においても、ネット利用時間がテレビ(リアルタイム、録画)、新聞、雑誌の視聴・購読・聴取時間を上回っています。

しかし、60代以上になると、やはりテレビの視聴時間が圧倒的に長いのです(図表4)。

図表4 2022年における年代別・メディアの平均利用時間(平日、単位:分)

(【出所】総務省『情報通信白書』データをもとに作成)

このように考えると、テレビには2つの選択肢があります。

ひとつは努力して若年層に番組を見てもらえるように努力すること、もうひとつは若年層の開拓を諦め、徹底的に高齢層をターゲットにすることです。

前者の場合は即効性があるものでもなく、効果が上がるまでに何年かかるかわからないだけでなく、確実に効果が上がるといえるものでもありません。これに対し後者の場合、いま確実にテレビを視聴してくれている層に訴えかけるものであるため、ターゲットを絞り込めば、広告収入的には即効性があります。

ただし、後者の道を進む場合、若年層を切り捨てていくことになりかねません。いわば、「未来を潰す」戦略です。現在のテレビ業界がどちらの道を進んでいるのか――。

それはわざわざ指摘するまでもないでしょう。

シニア向けにはテレビCMが効果的!

こうしたなかで、『シニアド』というウェブサイトに、ちょうど1年前の本日、こんな記事が掲載されていました。

シニアはテレビCMが効果あり!おすすめの理由をご紹介

―――2022.12.01付 シニアドより

この記事は「テレビCMをやるかどうか悩んでいるマーケティング担当」の方に向けて、テレビCMの特徴や、それに適しているサービスなどを解説する、という構成ですが、とりわけ興味深いのが『テレビCMのメリットとデメリット』という節です。

これによるとメリットは「不特定多数へのリーチが可能」、「ブランドイメージ向上」などが挙げられるのだそうですが、デメリットとしては①コストが高い、②ターゲティングの精度が低い、③効果測定が難しい、といった項目が指摘されています。

このうちの「デメリット」部分、じつはインターネット広告の利点の裏返しでもあります。

CM作成自体にもカネがかかるだけでなく、CM枠を購入するのにも多額のコストが必要です。しかし、そのわりに自社のCMがどの層にどれだけ届いたかを測定するのは難しく、また、ターゲット層に確実に届いているという保証はありません。

これに対し、ネット動画などの場合だと、動画サイト側で自動的に最適な広告を表示する仕組みが用いられているため、視聴者属性にあわせて表示する広告を変えることができます。たとえば成人男性が視聴している動画に髭剃りの広告を出す、といった具合です。

こうした特性を踏まえつつも、やはりテレビCMはシニア向けの広告に適している、というのがリンク先記事の主張です。記事によると、『シニアにテレビCMがおすすめな理由と相性の良い商材』と題した節に、こんな趣旨の記述が出てきます。

NHK放送文化研究所が報告した『2020年国民生活時間調査』によると、60歳を過ぎた頃からテレビの視聴時間が増えていき、70代以上は1日の3分の1がテレビ視聴の時間であるとされています。ですから、シニア向けの商品やサービスの広告手法としてはテレビCMがおすすめです」。

記事で引用されている同調査によれば、テレビ視聴時間は高齢者ほど長いとされており、これは先ほど紹介した総務省調査とも整合しています。具体的には医療保険や介護サービス、ウィッグなど「シニア向けの商材」は、「テレビCMが効果的」、などと結論付けられているのです。

『定年退職を迎えて自宅で過ごすことが増えた』『体の衰えにより外で過ごすことが減ってきた』など、さまざまな要因で、高齢者はテレビの前にいる時間が増えています。少子高齢化が進む今の日本では、今後も高齢の視聴者は増えていくと想定されるので、シニアをターゲットにした商品・サービスのテレビCMは今後も拡がりをみせていくでしょう」。

テレビ業界も冬の時代へ

ただし、この記事の凄いところは、そのありきたりな結論で終わらないことです。

そんなシニア向け商材の世界でも、やはりSNSを併用した広告戦略が求められる、とする記述がこれに続くからです。

というのも、記事が引用する総務省・2021年『通信利用動向調査』によれば、インターネットを利用する60歳代、70歳代の割合が、それぞれ前年比10ポイント以上の大幅増となっているからです。裏を返せば、テレビがこれまで頼って来た「シニア向け広告」ですら、すでに干上がり始めている、というわけです。

案外、テレビ業界が苦境に陥るまでに、さほど時間はかからないのかもしれません。

新聞業界では、あと10年前後で主要紙が絶滅し始めるであろうことは容易に想像できるのですが、これに地上波テレビも追随する、ということです。

ただ、2009年、偏向報道の末に民主党政権を誕生させる原動力となったのが地上波テレビ、主要新聞だったという事実を思い起こしてみれば、オールドメディアに対して同情する気は起きません。

オールドメディアは、口が悪い人からは「マスゴミ」などと呼ばれていますが、オールドメディアがこれまでに報じてきた内容を振り返ると、まさに「マスゴミ」の名に値するような、本当に下劣なものが多かったからです。

そもそもネット、テレビ、新聞、雑誌などはただの「媒体」であって、重要なのはその「媒体」が「何を伝えるか」、だったはず。

しかし、オールドメディア産業は長年の情報独占、記者クラブ制度、「報道しない自由」、ダブルスタンダードを駆使し、私たち一般国民の「知る権利」を奪ってきました。ネットの普及でオールドメディアのウソがばれ、猛烈な勢いで拡散するようになったというのが、現在のオールドメディアの苦境の正体でしょう。

そして、オールドメディア業界は徹底的に反省をしません。

2009年の政権交代をもたらしたのが自分たちの偏向報道だったという点を自省的に報じたメディアがほとんどないこと、シャレにならないほどの誤報、捏造報道事件を発生させたメディアが、いまだにのうのうと新聞刊行を続けていることなどは、指摘するまでもないでしょう。

そういえば最近だと、広告主の間では、放送法を守らない番組に広告を出稿していた際に、株主総会で質問が出ることが認識され始めているようです(『放送法を守らない番組からスポンサーが逃げ始めたのか』等参照)。

企業もコンプライアンスを重んじなければならない時代ですから、公然と放送法を破るテレビ番組に広告を出していれば、そのこと自体、その企業がその番組の放送法破りという「違法行為」に加担しているのと同じ、とみなされる可能性が出てきたのです。

これに加え、「かの有名な」チャリティ番組で、テレビ局の幹部が募金を着服していたという話題も、一般視聴者の怒りを買っているようです(『寄付金着服事件に対し「ダンマリ」決め込む日本テレビ』等参照)。

まさにテレビを筆頭とするオールドメディアの苦境は、これから始まるのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 雪だんご より:

    今後もオールドメディアは反省などせず、むしろますます頑なになっていくでしょうね。
    避けられない滅亡が年単位で目に見えてきたからこそ、今更危険な改革などしたがらない。
    上の連中程「自分が引退するまで持てば良い」としか考えないでしょうね。

    一方で「自分の罪や前科を認める事」はないが、「これ以上罪を重ねない様にしている」感も
    あります。たぶん、末期になって社会的影響力がガタ落ちした頃に過去の所業を
    責められても「当時の人はもういないんですよ!私は何も知らないんです!」と
    言い張る為の工夫なんでしょうけど。

  2. さより より:

    外資系アクティビストの提案は、欲と怠惰に塗れたTV局には理解出来ないかもしれないが、普通の冷静な頭で物事を見れる者であれば、誰でも思うことだろう。
    その事業がこの先見込みがあるか?を見る時は、その提供する商品の中身を見れば良い。今、TV界が提供しているものは、芸人とアイドルによる馬鹿騒ぎバラエティ、ストーリーの型が定型化した安物陳腐ドラマ、碌な取材をせず論調が左系の偏向報道、である。電波権に怠惰に安住して惰性で流されているものばかりだ。当人達は気付かずとも、周りが潮が引くように離れて行く。周りとは視聴者と広告主のことだ。
    そもそも、日本のTV局のトップは、社内の年功序列の順送りで上がって来た者達だろう。彼らは、メディアやそのコンテンツのプロでは無く、コンテンツ事業というものに興味も関心もない単なるサラリーマンではないのか?
    つまり、TV局の本質は、放送事業ではなく、コンテンツ事業だと認識している者達なのか?
    売れるコンテンツを探し、或いは、発掘し育成するということに関心興味があり、その事業のプロであるか?ということだ。
    嘗て、日産が潰れかけた時に言われたことは、日産の役員に車好きはおらず、自分で車を運転せず、いつも運転手付きの社有車で移動する者ばかりで、しかもその状態に対する疑問も持っていなかった、と。彼らにとっては、役員であることはサラリーマン人生の上りの状態であってそれ以上何をする必要も無い場所だったらしい。車に興味も無ければ、車の事も知らない者達が、車会社の経営を担うべき役員であるとは、ブラックジョークだろう。日本のTV会社もそんな感じのように見える。
    日産に関して言えば、かのカルロスゴーンは、車好きで、全て自分で何度も試走を繰り返し、それを技術者に伝えていたという。そして、役員達にも、自分で運転して自社の車を身体で知るように義務付けたという。ゴーンは、コストカッターだけであった訳では無く、車という商品にも興味関心があり、又、車に詳しかったらしい。日産の再生は、コストカットだけでは無く、コストをカットして身軽になった先の未来を創るべき商品もユーザーオリエンテッドなものを開発したからだろう。ただ、ゴーンは車以上に、上流階層・セレブの仲間入りをすることが好きであったことが問題だった。所詮サラリーマンが会社の金でセレブになろうとしてはいけない。
    しかし、TV会社は、ゴーンの事をとやかく言えないはずだ。TV会社員は、コンテンツには、興味関心が無くても金にだけは、興味があるようで、セコク会社の金をネコババする事には、あれこれ心血を注ぐらしい。
    彼らにとってのコンテンツとは、目先の泡銭を稼ぐための道具手段に過ぎ無いようだ。
    ここまで書いて来て、日本のTV界には、全く未来が無いように見えて来た。

  3. 引きこもり中年 より:

    毎度、ばかばかしいお話しを。
    テレビ局:「シニアがテレビを視ているのだから、政党はシニアのためにスポンサーになるべきだ」
    まあ、政府系CMが増えそうな気もしますが。

  4. sqsq より:

    去年ネット検索時に「空港へのハイヤーサービス」の広告がよく出てくるようになった。3か月ほど先に沖縄への航空便を予約していたのだ。しかも朝6時台の便で車が必要かもしれないと思っていた。予約はネットでしたのだが、その情報、特に早朝便の客にターゲットを絞って広告を送っているらしい。この推論が正しければすごいターゲッティングだ。
    ちなみに結局このハイヤーサービスを利用した。

    1. さより より:

      >この推論が正しければすごいターゲッティングだ。

      これは、別にそれ程凄いことではなく、インターネットが始まった時から、同じことが行われています。cookieという小さな文字ファイルを、そのサイトを訪れた人のPCに置いておくだけのことです。
      cookieを受け入れない設定にして置いたり、PCの電源を落とすごとに削除したりする設定にしておけば、そのような広告が表示されることはありません。
      又、googleは、cookie以外にも、IPアドレスで、個人(PC)を特定しているので、それを連動広告に利用しています。
      その他、個人を特定する方法はいろいろあるようです。

  5. 引きこもり中年 より:

    毎度、ばかばかしいお話しを。
    テレビ局:「立憲はワイドショーからネタを探しているのだから、立憲がワイドショーのスポンサーになるべきだ」
    ありそうだな。

  6. sqsq より:

    テレビの力が落ち、ネットが力をつけている象徴的な出来事はカタールワールドカップの放映権をABEMAが全試合買ったことかもしれない。

  7. やるお より:

    70代以上がテレビ好きすぎて笑う
    変化出来なければ滅びるだけ

    1. 匿名 より:

      あ、60代もでした。失礼。

      1. やるお より:


        やるおです。

    2. 匿名 より:

      あなたが70代や60代にレッテル貼りして「笑う」とか「滅びるだけ」とか、そんな何の意味もないコメントは他の多くの人の迷惑だからやめなさいと皆言っているのがまだ分からないのですか? 

      1. やるお より:

        レッテル貼りも何もデータで出てるじゃん。
        テレビ見なくなった60.70代はむしろ尊敬してます。
        自分を変えられる人だけが生き残るのが世の常です。
        意図も碌に理解せずに突っかかるのやめたら?質問しなさい、まずは。

  8. sqsq より:

    すみません高齢者です。
    株とFXをやるのでテレビの経済番組はよく見る。
    早朝の「モーサテ」「日経モーニングFT」夜の「WBS」は録画で。
    取引時間中の「ストックボイス」
    知的好奇心をくすぐる番組は「放送大学」
    楽しみで見るのはスポーツ中継かな。

    1. 引きこもり中年 より:

      sqsqさま
      たまたま、目的にあう番組をテレビでやっていただけで、それ以上の番組をYouTubeでやっていたら、そちらに移るのではないでしょうか。

      1. sqsq より:

        そうでしょうね。
        ラジオなど床屋以外では聞かないがNHKラジオの語学講座はストリーミングで聴いている。

  9. 元雑用係 より:

    >地上波の無料番組に依存したビジネスモデルを改める

    提案したファンドも、地上波が設備投資がかかる割には先が無いことをよくわかってるんですよね。
    テレ朝の内部の人達にそれができるならとっくにやってるような気も・・・

    そこまでわかってるのに、なんでそんな株を持ってるんでしょう。ファンドの組み入れ基準に日本の放送って基準があるのかどうかわかりませんけど、見直した方がよくない?
    基準を見直すためのアリバイ作り?
    ファンドの人達って普段どんな仕事してんでしょうね。

  10. 通りすがり より:

    >2009年の政権交代をもたらしたのが自分たちの偏向報道だったという点を自省的に報じたメディアがほとんどないこと

    え?あることないこと言いたい放題やりたい放題やらかした結果の政権交代は奴らにとっては今でも「忘れえぬ成功体験」なのではないですかね?
    付け加えて言うなら安倍さんの暗殺事件さえもそのように考えている節すらある。

    1. 雪だんご より:

      政権交代に関しては確かに「成功体験」と認識していそうですね。
      「あそこで最後の力を使い切ってしまった」とも解釈できますが。

      安部元首相の暗殺事件に関してはむしろ「死んだ英雄ほど厄介な物はない」と
      嘆いた側ではないかと思います。外国の政府レベルでは安部元首相の影響が
      なくなったのを喜んだかも知れませんが、オールドメディアにとっては
      もはや二度と引きずりおろせず「勝ち逃げ」された形ですから。

  11. 普通の日本人 より:

    NHKはどうするのだろう?
    民法が撤退してもTVのキングとして生き残るのだろうか?
    今の総務省を見てると何もしないでこのままと思うのだが。
    世の中の変化が早すぎて考えがついて行けていないように思える。
    老人の話が時々出ていますが「ネットは怖い」のも理由に有るかも。
    たしかに個人情報漏洩とかネット課金とか見えない所で知らないうちに財産が取られる。
    確かに怖いですよ。もう財産は有るだけなんですから。
    インチキテレビで我慢するしか亡くなる。
    NHKもネット耐性の無い老人と共に運命を無くすのかな。

  12. Masuo より:

    テレビ業界の冬の時代はもう始まっていると思いますが、寒さが厳しくなるとどうなるか。
    恐らく政府に泣きつくんじゃないですかね。
    民放の設備投資の部分はNHKが負担すると思います。で、反日を繰り返しながらくだらない番組を細く長く続けそうな気がします。さっさと潰れろ、と本当に思います。。。(特にTBS)

  13. はるちゃん より:

    市場が縮小しているのですから、一般的には、他社と差別化するか事業の組み換えを行うなどが適切な対応になると思いますが、今のところそのような動きは無いようです。
    そして、電波利権という捨てがたい資産を持っていますので、放送事業をやめるという損切は難しいですね。
    このまま各局生き残りをかけた我慢比べ、チキンレースに入っていくのでしょうか?
    多分、どこかが行き詰まりそうになった時点で、政府主導の放送局再編という方向になると予想しますが。

  14. 7shi より:

    この 「モノ言う株主」 による極めて合理的な提案を、日本の地上波テレビが簡単に受け入れられない理由に 「ホントは番組を作っていないから」 というのがあると思いますね。

    地上波のテレビ局は 「電波の送信」 という蛇口の部分を握っているのをいいことに、ほとんどの番組の制作を、実際には下請けの制作会社に丸投げしていて、その上前をはねているだけですから。
    YouTubeでは、そんな下請け制作会社のスタッフだった人がユーチューバーになって、怒りの告発をしていたりしますよね。

    もしテレビ局が放送免許を返上して、活動の場をネットに移したら、今までアゴで使っていた番組制作会社と対等な競争をしなくてはならなくなります。
    すでに持っているコンテンツや知的財産が膨大にあるから、有利ではあるけど、果たしてそれがいつまで続くか・・・。

    ただ、「系列局の再編」 だけは、キー局も本音ではやりたいでしょうね。地方の系列局は、キー局の番組を再送信するだけで広告料のおこぼれがもらえるという濡れ手に粟な商売。
    今のキー局は、BS・CS・ネット配信など、はじめから全国に番組を配信する手段を持っているので、地方の系列局などはお荷物でしかないですから。

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