カネ持ちNHK、1人あたり人件費は1550万円以上

NHKが保有する金融資産の額は1.3兆円を突破。相変わらず、職員1人あたりの人件費水準は1550万円を超過。これがNHKの現状です。果たしてこんな組織、日本に必要なのか――。NHKの経営実態については、なぜか新聞、テレビはほとんど報じませんが、NHKが公表した財務諸表、連結財務諸表などをじっくり読みこんでいけば、いろいろとツッコミどころだらけでもあります。

NHKの金融資産の額は1.3兆円を突破

NHKは28日までに、『経営に関する情報』のページで、2023年3月期の連結財務諸表単体財務諸表などを公表しました。

さっそくですが、本稿では「速報」的に、内容を簡単に確認しておきましょう。

これによると、NHKは相変わらず、巨額の金融資産を保有しています。明らかに換金性が高いとみられる金融資産に限定しても、その金額は連結ベースで1.3兆円を超えました(※年金資産も含めた場合)。その内訳は図表1のとおりです。

図表1 NHKが保有する金融資産(2023年3月末時点)
項目金額前期比増減
現金及び預金1305億円+37億円
有価証券4696億円+405億円
長期保有有価証券1206億円+10億円
建設積立資産1693億円±0億円
年金資産4348億円▲201億円
合計1兆3248億円+251億円

(【出所】NHK・2023年3月期連結財務諸表)

ちなみにここに記載されている項目は「金融資産」だけであり、それ以外の資産(たとえば渋谷など都心の一等地にある優良不動産物件)についてはいっさい含めていません。いまや実質債務超過が疑われる某新聞社からは、羨望の眼差しで見つめられそうです。

人件費は引き続き1人あたり1550万円以上

ではなぜ、NHKはここまで潤沢に巨額の資産を持っているのでしょうか。

それにはいくつか理由が考えられるのですが、やはりもっとも大きなものは、「寝ていてもおカネが入ってくる」という、特権的な国の制度に守られているからでしょう(『違法行為に手を染めるNHKを冷ややかに見る一般国民』等参照)。

しかも、NHKを含めたテレビ局の場合、放送内容自体に違法性が極めて高かったとしても、基本的に放送法に基づく罰を受けることはありません。政治家はメディアに叩かれるのが怖いからでしょうか、放送局に対する罰則を言い出しづらい状況にあるからです。

当然、NHKは暴利をむさぼっているわけですが、その証拠がもうひとつあるとしたら、その矛盾はやはり人件費に出て来るようです(図表2)。

図表2 NHKの人件費と職員数
項目金額前期比増減
職員給与(①)1108億3437万円▲1億8644万円
役員報酬(②)4億0127万円+1284万円
退職手当(③)280億7908万円▲21億7165万円
厚生保健費(④)214億3797万円▲1903万円
①~④合計1607億5271万円▲23億6428万円
①、③、④合計(⑤)1603億5143万円▲23億7712万円
職員数(⑥)10,303人
①÷⑥10,715,883円▲18,026円
⑤÷⑥15,503,377円▲229,829円

(【出所】NHK・2023年3月期財務諸表および『NHKの概要』2022年度職員数をもとに著者作成)

相変わらず、なかなかに非常識な金額です。

狭い意味の給与(職員給与、図表中の①)をNHKの職員数で割ると1072万円であり、広い意味での人件費(いわゆる福利厚生費や退職給付費用など)をカウントすれば、その金額は1550万円にまで跳ね上がります。

なお、上記計算式で「⑤」欄から②を差し引いている理由は、役員報酬は職員に対して支払われたものではないからです(※厳密にいえば、④の「厚生保健費」は役員に対して計上されているものも含まれているはずですが、NHKは内訳を開示していないため、便宜上、④に関しては役員分の調整をしていません)。

また、NHK職員に対する人件費水準は前期比で減少していますが、これは③の「退職手当」、つまり会計上の用語でいう「退職給付費用」が減少したことによるものであるため、NHK職員に対する給与水準が劇的に減ったわけではありません。

果たしてこんな組織、日本に必要なのか――。

経常事業収入も受信料も7000億円の大台を割り込んだ

ただ、NHKの乱脈経営にも、少し変化の兆しが出ていることは間違いありません。ながらく7000億円を超えていた受信料収入は、昨年、つまり2022年3月期において7000億円の大台を割り込んだのですが、その傾向は今年も続いているからです。

NHKの経常事業収入(単体)は6972億7699万円であり、このうち受信料収入は6816億4561万円で、前期比80億3011万円の減少となりました。

図表3は、NHKの損益計算書項目の抜粋です。

図表3 NHKの損益計算書項目抜粋
項目金額前期比増減
経常事業収入6972億7699万円▲29億0603万円
 うち、受信料6816億4561万円▲80億3011万円
国内放送費3193億8526万円+226億6433万円
国際放送費207億6964万円+2億3889万円
契約収納費417億1541万円▲68億9362万円
給与1113億1131万円▲9794万円
退職手当・厚生費495億5535万円▲21億5239万円

(【出所】NHK・2023年3月期財務諸表をもとに著者作成)

チューナーレステレビの普及がNHKに与える影響

民間企業でいう「売上高」に相当する経常事業収入が減少している理由については、さまざまなものが考えられます。とくに受信料の引き下げもそうですが、個人的に注目したいのが、チューナーレステレビの普及に伴い、NHKとそもそも契約しない世帯が今後、どれだけ増えていくか、という論点です。

もちろん、現時点でチューナーレステレビは薄型テレビ市場において無視し得るほど小さいのが実情でしょう。

チューナーレステレビ爆発的普及のカギを握る中国企業』などでも指摘したとおり、現時点でチューナーレステレビを発売しているのは独立系メーカーなどに限られ、大手メーカーは現在のところ、ブランドテレビのチューナーレス対応を行っていないからです。

しかし、一部では、「グーグルやアップルあたりがメーカーがVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスなどに特化したスマートテレビを大手メーカーとのタイアップなどで発売するのではないか」、といった観測は絶えませんし、実際、そうした噂を目にすることもあります。

そうなってくると、NHKの受信契約にも何らかの影響は生じてくるかもしれません。とくに「NHKと受信契約を締結する必要のないチューナーレス型の高級テレビ」には、日本ではそこそこの強い需要があるとも考えられるからです。

いずれにせよ、NHKは数年単位という短期間で見れば、経営は盤石です。

しかし、たとえば先日の『【滅びゆくメディア】テレビ局の「無礼な取材」の原因』でも取り上げたとおり、より多くの人々が地上波・衛星放送を視聴しなくなり、より多くの人々がインターネットにシフトしていく流れが定着していくことはほぼ確実です。

こうした流れに照らすなら、NHKの受信料の減少に関しては、総務省から今後公表されるであろうNHK受信契約のデータが出揃ったところで、もう少し詳細に分析してみてもおもしろいかもしれない、などと思う次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    「ワレワレハ公共放送デアル
     なんびとたりとて公平徴収を逃れることはできない
     なぜならワレワレハ公共放送デアルカラダ」

    という二番煎じはおいといて
    英国 BBC を相手に険悪な関係を続けていたジョンソン元首相、在任期間中に BBC 名物アンカー氏がホストする著名番組への出演依頼に一度も応じなかった最初の首相だったと聞いています。

    打ち倒すべきラスボス組織のひとつは間違いなく NHK でしょう。

  2. M.W より:

    これは私の推定であり妄想ですが、NHKのこの先は
    高すぎる固定費を削減出来ず、お金は先細りこの先増々おかしなことをして反発をかいの悪循環に陥ることになるのではないかと。
    話は変わりますが、ゲーム理論ではナッシュ均衡としつぺ返し作戦が重要と考えています。昨日の発表ではこの一文があるようです、(第三国への適切でない輸出があった場合その是正を求めるという内容の覚書も締結した)も締結したこれは毒薬条項、毒まんじゅうとも言われているものとかんがえます、ゲーム理論ではまず協調、でも裏切れば即裏切り返すことを、
    しっぺ返し戦略といいます、経験則から彼らは必ず大陸に流します
    それ待ってから肩をすぼめて残念だと他国の大使に言えばいいのではないかとおもいますが、他の通貨何とかも同じ作戦と推定します。
    それで元の状態に、そちらの責任で(行為で)こうなりました、故人の作戦を引き継いで実行してますね。

  3. がみ より:

    また官僚の賃金が上がりました。

    おそらくNHKも官僚・公務員・外郭団体ってのも、昇給についてひとつも何が問題なのか理解出来ないと思います。
    せいぜい「平民の嫉妬」とか韓国チックな事しか思い浮かべられない。

    評価基準も成果の換算も皆無ですから税金だろうが視聴料金だろうがいくらに設定するのも思いつき。

    彼らに給与面で争っても無駄です。
    貴族や王族の報酬に文句つけるなど貧民くらいに思ってますし、民間の考えかた自体を持っていません。
    「なぜ我々には『交際費』が認められない?」とか真顔で言う奴らですから。
    最大の責任の取り方が「辞めること」ですし。
    説得は無理です。

  4. Masuo より:

    NHKは間違いなく反日プロパガンダ情報機関です。

    外国人犯罪を美化、奨励し、まじめに働いている日本の入管管理局の人を悪人に仕立て上げる放送をしておいて、公共の福祉と文化向上に寄与とはとても許されるものじゃありません。
    (私はテレビを持ってないので見てません。聞いた話で恐縮です)

    ただ、権力が大きすぎるので、対抗するにはテレビを捨てるしかなさそうです。

  5. Sky より:

    収入金額に直結する契約者数。人数の多い団塊時代世帯が今後単身化、次いで消滅するであろう2035年間までは、インターネットという大隕石の影響は少々あれど、ほぼほぼ安泰なのでしょう。
    ただし、それに油断して、先ほど放送されたような親赤作家のドラマなんか流していい気になっていると足元すくわれるのでは?
    と期待しています。

  6. 雪だんご より:

    少なくとも現時点では最大の対抗策が「テレビを持たない」だけなのが歯がゆいですね。
    私はパソコンとゲーム用のモニターしか持っていませんから
    テレビなんて一切見ていませんが、たまに不便に感じる事はあります。

    NHKに限らずマスコミは全てお先真っ暗だけれど、今の50代以上はそれでも
    なんとか裕福なまま逃げきれてしまいそうなのが悔しいな……

  7. 匿名 より:

    10年以上使って調子の悪いテレビをいよいよチューナーレスに買い換える事に決まったのですが、4K・スペースの関係で43インチまで・外付けスピーカーを付けたいのでARC対応HDMIと絞っていくと買うのに戸惑う物しか残らないんですね。泣

    https://kakaku.com/kaden/lcd-tv/itemlist.aspx?pdf_Spec026=1&pdf_Spec027=1&pdf_Spec118=7&pdf_Spec301=43

  8. 普通の日本人 より:

    NHKの設備を民放にも解放? などの記事をみたのですが
    これは我々の受信料を勝手に民放に使わせることでNHK業務の範囲を超えてしまうのでは?
    説明が前々無い。
    それに民放にとってもこれからNHKに気を遣わなければならなくなりメデア業界として危険では
    民放が衰退縮小する中 巨大NHK誕生は日本のメデアが衰退する前兆になると思います

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告