新聞記者の議事妨害巡り当事者の東京新聞はダンマリ?

東京新聞の新聞記者が国会における静粛な委員会進行を妨害したらしい、とする話題に、いくつかの続報が出ています。日本維新の会の鈴木宗男議員らの伝聞という形であるとはいえ、複数のメディアがこれについて大きく取り上げているのです。ただ、理解に苦しむのは、当の東京新聞自身が本件について触れている形跡がないことです。

東京新聞の記者の議事進行妨害事件

東京新聞の記者が国会で静粛な委員会進行を妨害したらしい」――。

こんな話題を、昨日の『民主主義に対する挑戦:新聞記者が国会議事進行妨害か』で、速報的に取り上げました。

これについてはすでにいくつかのメディアが(日本維新の会の鈴木宗男議員らの伝聞という形であるとはいえ)大きく取り上げており、とりわけ一部のメディアは記者の実名も報じていますので、おそらくは事実と考えておいて差し支えないでしょう。

東京新聞・望月記者が「秩序を乱した」 維新・鈴木宗男氏が批判

―――2023/06/08 16:39付 産経ニュースより

望月衣塑子記者の「国会不規則発言」 鈴木宗男議員は「東京新聞の取材パスを全て取り上げるべきだ」 社内でも「上層部の責任」と批判噴出

―――2023年06月09日付 デイリー新潮より

自民幹部、記者の「議事妨害」批判

―――2023/06/09 11:49付 Yahoo!ニュースより【時事通信配信】

「問題の記者から記章没収すべき」主張も…当の東京新聞はダンマリ

ちなみにここに列挙したなかの産経の記事では、鈴木氏は「傍聴に来た国会議員は発言してはいけない」はずなのに、「『良識の府』の参院とは思えないほど、立民や共産の人たちが声を出していた」としたうえで、問題の記者が「何回も発言していた」ことを「許せない」と述べた、などと記載されています。

また、デイリー新潮の記事では、鈴木議員が9日、議員会館でデイリー新潮の取材に応じ、当日の様子を詳しく説明するとともに、れいわ新選組の山本太郎氏が採決の瞬間、委員長にとびかかろうと「ダイブ」している様子も紹介されています。

さらに、最後の時事通信の記事では、自民党の世耕弘成参院幹事長が9日の党会合で、該当する記者のことを「もうジャーナリストではなく活動家だ」としたうえで、「(取材用の)記者記章を取り上げる必要がある」と批判した、などと伝えられています。

ただ、非常に不思議なことに、騒ぎを起こした記者が所属しているはずの東京新聞のウェブ版を確認してみると、少なくとも8日の参院法務委員会について書かれた次の2つの記事を読んでみても、この記者の騒動には触れられている形跡がまったくありません。

入管法改正案、参院法務委で可決 9日成立へ、野党は強く抗議

―――2023年6月8日 13時46分付 東京新聞TOKYO WEBより【共同通信配信】

れいわ山本代表の懲罰動議提出へ 入管難民法採決時に「暴力」

―――2023年6月8日 18時37分付 東京新聞TOKYO WEBより【共同通信配信】

少し検索した限り、東京新聞に掲載されているらしい8日の参院法務委員会に関する話題は、この2本しか見当たりませんでした(ほかにもnoindexタグで検索除けしている記事でもあるのかもしれませんが…)。しかも呆れることに、どちらの記事も東京新聞がみずから配信した記事ではなく、共同通信の配信記事です。

まさかとは思いますが、これだけ多くのメディアに報じられているにもかかわらず、まさか東京新聞はこれを「なかったこと」にするつもりでしょうか?あるいは「なかったこと」にできると思っているのでしょうか?

報じられていることが事実であるならば、少なくとも東京新聞として、あるいは東京新聞を発行している株式会社中日新聞社として、なにか言うべきことがあるのではないでしょうか?

記者の不祥事は今に始まった話ではない

もっとも、東京新聞といえば、かつては厚生労働省の職員に対し、取材の過程で暴行を働いたという「前科」があるメディアでもあります(『東京新聞記者による厚労省職員への暴行は氷山の一角か』)。

また、東京新聞に限らず、新聞業界・ジャーナリストらは過去からさまざまな不祥事を発生させているようです。

しかし、先日の『新聞記者の皆さま、会社に不満があるなら独立しては?』でも取り上げたとおり、現代においてジャーナリストらが申し立てる不満の多くは、結局のところ、インターネットが出現したことで、大手メディアが「報道しない自由」を駆使しても、オールドメディアの不祥事を隠し切れなくなった点にあるのではないでしょうか。

いずれにせよ、くどいようですが、この民主主義国家において「国民の代表」とは、私たち日本国民が選んだ国会議員であり、新聞記者は「国民の代表」ではありません。新聞記者は私たち日本国民から選挙で選ばれたわけではないからです。

そして、国民から選ばれた国会議員が国民の代表者として行動すべき厳粛な国会の場において、国民から選ばれたわけでもない新聞記者ふぜいが議事を妨害したとする報道が事実ならば、これはまさに民主主義への挑戦そのものでもあります。

もっとも、紙媒体の新聞自体が早ければあと数年のうちに絶滅すると考えられるなかで、国民の代表でもない新聞記者が国民の代表者であるかのごとき異常なふるまいをすることが許される時代は、もう終焉を迎えつつあることだけは間違いないといえるでしょう。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 引っ掛かったオタク@毒電波にヤラレタ… より:

    まー事態がどーコロンでも”借りパク?”氏は「(映画)続編のネタげっと!」くらいのマインドで被害者コスプレの準備にイソシンドルんじゃねーですかね??

  2. カズ より:

    (再コメントさせていただきます。)

    ”言論の自由”を振りかざせば、「何を言っても(しても)いい!」って訳ではないのです。
    それが許されるのなら”無法”と同じこと。『公務執行妨害』相当が妥当なのでは・・?

    *プレスパスは、フリーパス(無制約許可証?)に非ずです。

    1. CRUSH より:

      威力業務妨害では?

      報道の自由は、持ち帰って
      「こんなバカな事が進行中だよ」
      と広く伝えるところまで。

      議事進行(業務)を妨害してよいとは、勘違いも甚だしいっすね。

      他の人が書いておられますが、議事進行に干渉したいならば立候補すればよいだけなので、とことん勘違いしてますよね。

      イソコも東京新聞社も、アホ丸出し。
      なりふり構わなくなってるのはなんでかな。

      1. カズ より:

        >なりふり構わなくなってるのはなんでかな。

        A:タガが外れて自意識が神の領域に昇華したから。
        B:被害者ビジネスからのスポンサードを失うから。

        くらいでしょうか?

      2. おっさん より:

        いそこさんは、根っからの活動家なんですよ。誰が何と言おうが、知ったこちゃねえー、なのでしょう。

        1. おっさん より:

          追伸:記者は仮の姿で、正体は革命家とみました。

        2. はにわファクトリー より:

          おっさん さま

          革命闘士、しびれますね、アナクロイズム満開

           そうはさせるか(ライダーキィック☆彡)

          という TV CM を想起しました。

        3. 匿名 より:

          弟の望月龍平も自称舞台俳優の活動家だし、Wikiによると両親も業界紙記者と演劇関係者。
          きっと活動家の一家で、幼い頃から活動家になるべく教育されていたんでしょうな。

        4. はにわファクトリー より:

          演劇でしたか。ひとり合点が行きます。自己陶酔できないと演劇人にはなれない。
          叔父は東大政治に入学できたのですが、大学生時代は演劇に入れ込み過ぎて成績不振に。女学院の古典教師だった祖母は自慢の息子の最終学歴に不満だったと聞いています。

  3. 恋ダウド より:

    また報道しない自由の発動か?
    これだからマスゴミと揶揄されることが判らんのかね。
    あっ、判らんからマスゴミなのか、これは失礼w

  4. サムライアベンジャー(「匿名」というHNを使うことは在日の通名を使うのと同じ行為) より:

     前の会社にいたときに、教材関係の商材の広告をどの新聞社に出すか検討しているとき、「東京新聞はレベルが低いので東京新聞には出さない」という話になりました。

     東京新聞ってその程度の認識です、まともに「新聞社」として議題に挙げること自体、不毛かと思います。

  5. はにわファクトリー より:

    【特報】今年夏の話題映画「TOKYO November」トレイラーより

    「時は西暦203X年、新聞記者職は産業遺産化し博物館入りしていた。
     生成 AI の登場は報道産業界にクオリティー(報道品質)革命をもたらした。報道産業経営陣は生産性向上を一様に喜んだ。そしてオンラインサービス AI をツールとして駆使する新規スキル職「プロンプター」を養成し、記事の精度・有用性・報道価値を高めることに成功した。プロンプターは別名レプリカントと呼ばれた。
    不要とされた人間記者の多くは系列関連子会社への片道出向を命ぜられたが、社命を拒否し職場逃亡する社員が続発、地下出版地下文明に参加して行った。野に放たれた社会暴力性の高い元言論記者たちは非合法とされた。彼らを取り締り摘発するため退役刑事を中心に特別チームが編成された。摘発逮捕は法執行(execution)ではなく肩叩き(retirement)と呼ばれた」
    (画面いっぱいに広がる文字)
     TOKYO OOTEMACHI
     NOVEMBER 2033

  6. 青い鳥 より:

    常日頃他者を批判する者がその行為主張を認められようとするならば、何より自らや同志にそれを向け自制ないし嗜めないとそれ以外の人間から支持されることは無い
    これは政治や思想関係なく知性ある人としての矜持だと思うが、自称リベラルはこれを蔑ろにする傾向があり過ぎる

    1. 匿名 より:

      パヨク・リベラルと一括りにされる人達特徴って
      他人に対して誰よりも厳しい一方、自分や身内に無茶苦茶甘い対応を取りますね。
      ピエロだと思ってます。

      これをちゃんとプロレスやピエロだと思えればいいのですが
      ガチに信じる人がいると危険です

      最近はマスコミを鵜呑みにしない ちゃんとプロレスだと分かってる人が
      増えてきているのは良い傾向ではないでしょうか? 

  7. 攻撃型原潜#$%〇X より:

    もはや、中国文革時の革命無罪、韓国の反日無罪を叫ぶ分子と同レベルですねん。
    この先、多分まっとうなジャーナリストとしての道は断たれるであろうから、会社という看板なし、肩書なしのきびしーい渡世を余儀なくされるでしょう(活動家としてお節介な支援者が集まる程度かな)。
    せめて刑務所に入れてハクをつけてあげたら。

  8. 元一般市民 より:

    クイズです。望月イソコ、山尾(旧姓)シオリ、香山リカ、茂木健一郎、オリラジ中田、などには共通項があるのです。何だか分かります?

    1. 匿名 より:

      適当に書きますが、
      本を出したことがあるとか?。

    2. 匿名 より:

      東京学芸大学附属高等学校

  9. 雪だんご より:

    「遺書借りパク」でケチがついて以来、望月記者は開き直ってますます
    「活動家っぷり」があからさまになりましたからね。
    ツイッターはずっと「身内以外のリプ禁止」状態ですし。

    今回も東京新聞は恐らく何もしないでしょう。滅びゆくメディアなのだからこそ、
    今居る「ハードコア支持層」を逃す訳にはいかない。

    1. KY より:

       他のマスゴミがイソコの暴挙を取り上げたのは、東京新聞は同業者から梯子を外されかかってる、って事なのでしょうか。

      1. 名無ち より:

        望月記者があれなのはネットではみんなが知るところです。それよりも新聞記事を読んで、政界の坂田利男師匠こと鈴木宗男議員が彼女を全く知らなかったことに驚きました。国会議員なのに官房長官の会見を全くチェックしないのでしょうか?
        さらに、今回は宗男師匠が声を上げましたが、これまで国会議員が誰も望月記者の蛮行を今まで正面から指摘せず、いまさらなことがニュースになるのも不思議なことです。

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