自称元徴用工側が韓国政府に「3ヵ月連絡なし」と不満
自称元徴用工問題を巡って、自称元被害者側が「韓国政府から3ヵ月連絡がない」としたうえで、韓国政府内で「有力」とされている「並存的債務引受」なる方式に対する抗議の声が上がっているようです。自称元徴用工側が騒げば騒ぐほど、日本が韓国側に対しふざけた譲歩を行うことが困難になるのだとしたら、これはこれで皮肉と言えるかもしれません。
自称元徴用工問題と二重の不法行為
自称元徴用工問題、すなわち「朝鮮半島で戦時中、日帝により強制連行され、違法な強制労働をさせられたと」自称する者たちが日本企業を訴えている問題を巡っては、国際法違反判決という異常性もさることながら、ありもしないウソで韓国が日本を貶めているという意味で、日本としては到底承服できない問題です。
実際、自称元徴用工問題の本質は①ウソ・捏造に基づく日本に対する名誉棄損、②法的根拠もない謝罪や賠償の要求、という「二重の不法行為」にあるのであり、この問題で日本が韓国に対し、1ミリたりとも譲歩することは、絶対に容認できないというのが著者自身の立場です。
日韓諸懸案に関する韓国の「二重の不法行為」の問題点とは:
- ①韓国側が主張する「被害」の多くが韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである、という問題点
- ②韓国側が日本に対して要求している謝罪や賠償の多くは法的根拠がないか、何らかの国際法違反・条約違反・合意違反などを伴っている、という問題点
(【出所】『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』等参照)
「関係改善」「シャトル外交復活」というたわごと
ただ、韓国側から自称元徴用工問題を含めた日韓諸懸案で進展がほとんどないなかで、韓国側の外交責任者、外交関係者などからは、最近、やたらと「韓日関係正常化」というたわごとが聞こえてきますが、これも奇妙な話です。
たとえば、尹徳敏(いん・とくびん)駐日韓国大使は日本のメディアのインタビューに応じ、「韓日シャトル外交の早期再開」に言及しています(ちなみにこの人物の主張のおかしさについては『関係悪化の責任を日本に転嫁する韓国大使のテクニック』などでも触れたとおりですので、本稿では繰り返しません)。
ではなぜ、この手の「韓日関係『改善』を急げ」とする趣旨の発言が、韓国側の当局者や「保守論客」などから相次いで出てくるのでしょうか。
これについてある人物からは、「韓国の大使がシャトル外交という功を焦っている理由は、岸田文雄政権がもう長く持たないとの判断から、騙しやすい岸田政権のうちに日本からの譲歩を引き出す魂胆でもあるのではないか」、といった可能性を教えていただきました。
実際、岸田文雄首相の所信表明演説などを通じた日韓関係に関する発言は、安倍晋三総理、あるいは菅義偉総理の時代と比べ、明らかに後退しています(『騙せなくなる日本:「自称徴用工」年内妥結は困難に?』等参照)。
(※なお、世の中にはファクトやロジックを無視し、何度論破されても「岸田首相の対韓外交姿勢は何ら変わっていない」などと強弁する人がいますが、そのような人は、日本語が読めないのか、それとも外務省あたりの工作員なのか、そのどちらかなのでしょうか。)
日本で崩壊が始まる「腐敗トライアイングル」、韓国でも…
ただ、韓国による(あるいは日本の外務省による)「日本が譲歩する」式の日韓関係「正常化」の試みは、うまく進んでいないようにも見えます。
現在の日本では、インターネットの発展にともない新聞、テレビを中心としたオールドメディアの情報支配力が急低下しており、これにより「官僚・メディア・野党議員」の「腐敗トライアングル」が音を立てて崩壊し始めているからです(『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』参照)。
そして、日本の側での世論工作が難航している一方で、韓国の側でもこんな話題が出てきました。
強制動員被害者には3カ月間連絡もなく、韓日関係だけに集中する韓国政府
―――2022-11-29 07:28付 ハンギョレ新聞日本語版より
韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝掲載された記事によれば、自称元徴用工の間で、尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権に対する批判が高まっているというのです。
「被害者たちは韓日政府間で議論されている賠償問題の解決策について韓国政府から直接聞いたことがないと語った」。
つまり、韓国社会でありがちな、「被害者を置き去りにした問題解決」に対する批判、ということです。
自称元徴用工が阻む「ふざけた譲歩」
これについてハンギョレ新聞は、例の自称元徴用工問題を巡る「解決策が1つか2つに絞られている」とする話題や日韓シャトル外交の話題を例に挙げながら、「関係『改善』」に前のめりな韓国政府の姿勢を、次の通り批判します。
「しかし、この過程で当事者である強制動員被害者たちは後回しにされた」。
ハンギョレ新聞の28日の取材によれば、韓国政府・外交部は「強制動員被害者支援団体」に来月7日の面会を要請したのだそうですが、これは朴振(ぼく・しん)外交部長官が今年9月に自称元徴用工2人と会って以来、3ヵ月ぶりのことだそうです。
こうしたコミュニケーションの不足に加え、韓国政府が現在検討している「並存的債務引受」案だと、自称元徴用工側が要求してきた「戦犯企業の謝罪と賠償」を充足することができない、という点も、自称元徴用工側の不満のポイントなのだとか。
こうした報道を見ていると、万が一、日韓の外交当局が「並存的債務引受」とやらで合意できたとしても、韓国側から必ず蒸し返されるという未来が最初から見えている、ということになりそうです。
あるいは、韓国側の自称元徴用工側が大騒ぎすればするほど、結果として日本が韓国側に対してふざけた譲歩をすることを防ぐことになるのだとしたら、これも皮肉な結果といえるのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
> 「3ヵ月連絡なし」と不満
さっさと現金化しろ
毎日の更新お疲れ様です。(皮肉です)韓国では三権分立が前提なので、司法判断には行政が関与出来ないので連絡がなくて当然ですね。
このハンギョレ(naver)の記事「強制動員被害者には3カ月間・・・」(朝鮮語版)の韓国人のコメントは全部でたった4個。今やハンギョレの記事はググポン以外は興味がないようです、これらの極左メディアハンギョレの記事は如何程のものかと。天下の政治経済評論家新宿会計士先生が取り上げる程の・・・・・
(韓国人のコメント)
●ハンギョレがハンギョレのような記事を書いてズッコケタね!! 日本がいくら謝罪をして賠償をしても真実ではないと言い張って憎悪扇動し続けるハンギョレ君達、これは人のすることなのか。
●あんなに無能な人間が長官をしているから、大韓民国が逆に行く…。 一瞬で後進国になったよTT。
●数十年前、強制動員された方々···。子孫たちの為にもうやめて下さい。未来の大韓民国の責任を負わなければならない若者達が世界の人々と共に出来るように未来の道を開いて下さい。…
●当事者の同意なしの交渉はしてはいけません!
https://n.news.naver.com/mnews/article/028/0002616862?sid=100
「この過程で詐欺者である自称強制動員者たちは、国の決断には関係ないので後回しにされた。」というなら、ほんの少しROK政府のやる気を感じるんですが、まあ自己解決能力は皆無でしょう。
この徴用工問題は、韓国人の習性のオンパレードです。
逃げる
責任転嫁
嘘をつく
解決策は思い切り突っ走るか思い切り退くかしかないのに、誰も責任を取らず 日本の方を見て何とかしてくれないかなーと思ってる。
日本と世界を切って 企業資産を売却して配る。
若しくは、被害者なるものの身辺調査をし、嘘なら詐欺罪でひっとらえ 本当なら韓国政府の責任で金を出す。
裁判所には、勝手に行政に介入したと判決無効と裁判官の失格。
騒ぐメディアには強権で黙らせる。
これくらい思い切りを出さないと解決不可能です。
が、誰も責任を取ろうとしないので ニセ被害者は騒ぐだけ。韓国政府は見てるだけ。日本は高みの見物。
これが延々と続くのでしょうね。
ユンソンニョル政権としては、いわゆる徴用工問題につき棚上げして、経済界から要望の強い日韓関係の改善を図りたい、ということでしょう。それがユンソンニョル政権の功績となり、左派政権との差別化につながるからです。ハンギョレとしては、それでは面白くないので、”被害者の声を聴いていない”と足を引っ張ろうとしているのだと思います。
日本から見れば、「問題を一方的に起こした韓国が、日本が検討可能な対案を提示しない」限り、韓国と新たな関係を構築することはありません。従って、この種の雑音は無視すれば良い、と考えます。また岸田政権は、これまでの交渉経緯を見る限りでは、「騙されやすい」とは思えません。ハト派政権への潜在的不安は理解しますが、杞憂ではないでしょうか。
日韓の折衝は、”歴史問題”を棚上げして、関係を強化したい韓国と、宿題を解決しない限り先には進めないとする日本との間で、膠着状態が続くものと予想します。
この問題を単純化すると、戦時中の日本製鉄と三菱重工業の国内工場において、朝鮮半島住民が労働に従事したことについて、戦後、「自称元徴用工(複数)」が日本製鉄と三菱重工業を相手取り、
➀まず、日本の裁判所で「強制連行と強制労働に対する損害賠償請求訴訟」を提起し、最終的に日本国最高裁判所で「日韓請求権協定により完全かつ最終的に解決している」という理由で請求を棄却され、判決は確定した。
➁次に、韓国の裁判所で「強制連行と強制労働に対する損害賠償請求訴訟」を提起し、最終的に韓国大法院で「大日本帝国による朝鮮併合は違法・無効であり、違法な植民地支配に基づく朝鮮半島住民の労働への動員は精神的苦痛を伴うものであり、慰謝料を認めることが相当である。また、慰謝料は日韓請求権協定に含まれていない。」という理由で請求を認容され、判決は確定した。
つまり、全く同じ案件を審理した日本国最高裁判所と韓国大法院が正反対の結論を出した訳です。
この状態で、日本政府が日本製鉄と三菱重工業に対して「自称元徴用工への謝罪と賠償金相当額を韓国の財団に寄付すること」を依頼または強制することは、「日本国最高裁判所の判決よりも韓国大法院判決に従え」というのと同じことなのですが、さすがの外務省でも、出来る訳が無いと思います。
また、韓国内の裁判所で係争中の原告数は延べ1000人超、被告企業は計115社ということですから、日本製鉄と三菱重工業に止まる話ではないのです。
本当にそんなことをすれば、首相・外務大臣や外務省幹部職員は、未来永劫、「A級国賊」としてその名を歴史に刻むことになると思いますけどね。