「韓日葛藤解消案は出ている。あとは実行だ」=韓国紙
「韓日関係改善の期待感の中で尹錫悦政権が発足したが、実質的な進展のきっかけをつかむのは容易でない」。またしても、こんな記事が韓国メディアに掲載されていました。ただ、現在の日韓諸懸案については、そもそも韓国が「ウソをついていること」、「約束を破っていること」がすべての原因なのであり、そのことを踏まえるならば、日本が譲歩する形での関係「改善」がありえないことは、いまさら指摘するまでもありません。
目次
「基本的価値」=「日本人としてのあたりまえの生き方」のこと
普段から当ウェブサイトでは、「基本的価値」だ、「自由・民主主義」だ、「法の支配」だ、「人権」だといった、非常に難しい単語を多用していることについては、著者自身も自覚している点です。
ただ、これらの用語は、見た目ほどは難しいものではありません。
「この社会は自立した個人の集合体によって成立しており、各個人は自分自身の判断と責任において行動し、法律やルールや社会常識、さらには自分が約束したことはちゃんと守り、他人のことを独立した人間として尊重する」という、人間社会としてごく当たり前の考え方のことを意味しています。
そして、日本が大切にしているこれらの「基本的価値」とは、べつに「西洋から押し付けられたもの」ではありません。「約束を守る」、「個人を尊重する」、「自分の責任で判断する」というのは、私たち現代に生きる日本人にとってはごく当たり前の行動です。
こうした点を踏まえるならば、じつは私たち日本人が運営する日本社会というものは、べつにお世辞でもなんでもなく、欧米諸国とは非常に親和性が高いものなのかもしれません。そして、こうした日本社会の在り方は、私たち日本人にとっても知らず知らずのうちに「常識」となっている、ということなのでしょう。
韓国の対日「二重の不法行為」
こうした常識を踏まえるならば、現在の日韓関係については、私たち一般日本人にとっては、本当に理解に苦しむものです。
日韓関係がギクシャクしていることは今さら指摘する話ではありませんが、『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』でも取りまとめたとおり、日韓関係をギクシャクさせている日韓諸懸案については、基本的に韓国による日本に対する一方的な「二重の不法行為」だからです。
それなのに、韓国側から聞こえてくる「韓日関係改善論」を眺めていると、本当に驚くことに、その圧倒的多数が「日本の譲歩」を前提としています。
ちなみに「二重の不法行為」とは、「①韓国側がウソや捏造、歪曲、誇張などを行っていること」、「②韓国が法的にまったく根拠がない要求を行っている」、という2つの特徴のいずれか片方(あるいは両方)の条件を満たしている、ということを意味しています。
【参考】日韓諸懸案巡る韓国の「二重の不法行為」とは?
- ①韓国側が主張する「被害」の多くは、(おそらくは)韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
- ②韓国側が日本に対して要求している「謝罪」「賠償」などには多くの場合、法的根拠がなく、何らかの国際法違反・条約違反・約束違反を伴っている
(【出所】著者作成)
ということは、「日本が韓国に譲歩する」ということは、日本が「①韓国側のウソ・捏造をあたかも事実であるかのごとく認める」、「②国際法の原理・原則をかなぐり捨て、韓国に対して一方的に譲歩する」、という2点を意味しているのです。
日本自身が国際法を破ることは許されない
このうち①については、国として絶対にやってはならない行為です。
過去に宏池会出身の宮澤喜一が首相を務めていたころ、官房長官だった河野洋平が、一種の政治的判断として自称元慰安婦問題があたかも事実であるかのごとく認める談話を発表し、韓国に謝罪したことがありました(いわゆる『河野談話』)。
この『河野談話』を奇貨として、韓国側は自称元慰安婦問題をめぐって、いまだに「日本政府が公式に事実と認めた動かぬ証拠」として、現在でも利用し続けています。これが「ウソや捏造」という、「二重の不法行為」の特徴そのものです。
また、②についてはさらにタチが悪い話です。
現在の日本は安倍晋三総理らが提唱した「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を世界に唱道する立場にありますが、この「FOIP」自体、「自由、民主主義、法の支配、人権尊重」といった基本的価値の重要性を説くというものでもあります。
したがって、日本自身がこの基本的価値に背く行為をすることは、日韓関係だけでなく、日本の外交全体に対し、取り返しがつかない打撃を与えかねないものなのです。日本はまかり間違っても、自ら国際法を破る行為をしてはなりません。
このように考えていくと、韓国が述べる「日本の対韓譲歩を前提とした韓日関係の改善」というものが、基本的にはあり得ない話であるということは、私たちとしてしっかりと認識しておく必要があります。
中央日報『危機の韓日関係、連続診断』
ただ、それと同時にこうした私たちの側の立場が、韓国側とはまったく共有されていないことについては、韓国メディアから出てくるさまざまな記事からも明らかでしょう。そう痛感せざるを得ない記事が韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、掲載されていました。
<危機の韓日関係、連続診断26>韓日和解はアジア恒久的秩序をつくる出発点(1)
―――2022.06.20 08:52付 中央日報日本語版より
<危機の韓日関係、連続診断26>韓日和解はアジア恒久的秩序をつくる出発点(2)
―――2022.06.20 08:53付 中央日報日本語版より
この『危機の韓日関係・連続診断』と称するシリーズ、当ウェブサイトではこれまでに何度となく取り上げてきたものでもあるのですが、「各界の専門家が集まる韓日ビジョンフォーラム」なる会合の様子を取り上げるものです。
ただ、「専門家」というわりには、日本側の専門家のお名前を見かけたことはありません。
(「専門家を集めている」と自称するならば、せめて、先週『韓国民主政治の自壊』という書籍を上梓された、日本を代表する韓国観察者である鈴置高史氏くらいは招いてほしいものですが…。)
冒頭からさまざまな疑問が…
中央日報の記事では冒頭、こう述べます。
「韓日関係改善の期待感の中で尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足したが、実質的な進展のきっかけをつかむのは容易でない。過去の問題に対する両国の立場が依然として平行線をたどる中、日本強制徴用企業の国内資産現金化問題が時限爆弾のように存在している」。
この点、「日韓関係『改善』」の期待感が韓国国内で一方的に高まっていることは否定しませんが、少なくとも日本側では、この手の「期待感」はそれほど一般的ではありません。
(※余談ですが、日本側の「期待感」については『「尹錫悦新大統領で日韓関係が改善へ」、本当ですか?』や『韓国の約束破り無視する「関係改善論」=日経編集委員』などでも取り上げたことがありましたが、後続の「日韓関係改善論」は、日本側ではほとんど見かけません。)
こうしたなか、中央日報はこの「フォーラム出席者」らが、「両国の葛藤を解消する案はすでに十分に出ている」、「重要なのは実行だ」、などと強調したのだそうですが、はて。「韓国の日本に対する二重の不法行為」を解消するための具体的な案、ありましたっけ?
さまざまな疑問を感じつつも、我慢して記事を読んでみましょう。韓国国会副議長の鄭鎮碩(てい・ちんせき)氏の発言の要約は、こんな具合です。
鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長の提案の要約
4月に韓日政策協議代表団長として4泊5日の日程で訪日した。政界・財界、学界、メディアの関係者およそ50人と面談したが、すべて韓国側の面談要請を快く受諾した。その間の対話の断絶のため、日本側にも相当な意思が感じられた。「韓日両国が共に努力すべき」という我々の意見に反論しなかった。
鄭鎮碩(てい・ちんせき)氏といえば、尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領が就任する直前の4月下旬に「対日協議団」を率いて来日した人物ですが、たしかに岸田文雄首相自身を含めて、閣僚や有力政治家らと面会したことは事実でしょう。
ただ、『岸田首相「言葉足らず」を安倍総理が補う=韓国協議団』でも確認したとおり、代表団と面会した岸信夫防衛相、萩生田光一経産相などの閣僚、さらには今や一介の衆議院議員となった安倍晋三総理らから、相次いで「懸案を解決せよ」「約束を守れ」と牽制されていたはずです。
それなのに、「『韓日両国がともに努力すべき』との我々の意見に反論しなかった」と言い張るのは、少し無理があるのではないでしょうか。
ちなみに鄭鎮碩氏は長々と発言したすえに、こんなことを言い放ちます。
「来月の日本の参議院選挙が終われば、両国ともに今後2、3年間は選挙日程がなく、課題の解決に向けた環境が整う」。
なぜここで「日本で選挙がなければ課題の解決に向けた環境が整う」のでしょうか?
それは、鄭鎮碩氏自身が、日韓諸懸案の解決については「日本の譲歩」を勝手な前提に置いているからではないかと思わざるを得ません。
日本としては静観が正解
ちなみにこのフォーラム出席者から出てきた発言も、なにかと噴飯ものです。
「李祥ミン(イ・サンミン)共に民主党国会議員=政府が被害者に賠償して日本に求償権を行使する代位弁済方式を通じてひとまず現金化を避けなければいけない。代位弁済を骨子とする『文喜相(ムン・ヒサン)案』が文在寅(ムン・ジェイン)政権で不発になったが、民主党内でも代位弁済の趣旨に共感する意見が多かった。積極的な問題解決を先送りするために被害者中心主義を言い訳にしてはいけない」。
この「文喜相案」というものは、文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代に当時の文喜相(ぶん・きそう)国会議長が提示したもので、日本側から「話にならない」として却下されたものだったはずです。
自称元徴用工問題で日本政府が求めているのは、そもそも2018年10月と11月の大法院(※最高裁に相当)の判決自体が国際法違反であるという状態の是正であり、この点に踏み込まない時点で「日韓関係『改善』」もなにもありません。
いちおう、イタリア最高裁がドイツ政府に損害賠償を命じた件で、イタリアが国際司法裁判所(ICJ)に敗訴し、イタリアが立法措置を講じたとする事例も紹介はされているのですが、果たして韓国側にそれができるのかどうか。
私たち日本人としては、それをじっくり眺めるというスタンスでよいと思います。
いずれにせよ、日韓諸懸案のことを韓国側が「歴史問題」、「日本の反省と謝罪」などと述べている限りにおいては、日韓諸懸案の解決はあり得ないと考えておいて良いでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
文喜相案が何度も息を吹き返しますね。しつこい。w
日本側から「これでいける」なんて言ってるやつがいるんじゃないですかね。
元ジェネラリスト様
きっと文喜相案が彼らの考える元々の落としどころなんでしょうね。
(出涸らしネタです)”現金化遅延の真髄は義援金化にあり!”ですね。
たぶん我も我もと雨後の筍のような盛り上がりも、日本の司法が中国人労働者に対し法的責任を否認しつつも自主的な人道的措置を勧告した三菱マテリアルや西松建設の一件に”言う気”を得てのことなのかと。
戦争賠償請求権を放棄した中国との違いも理解せずにですね・・。
>日本側から「これでいける」なんて言ってるやつがいるんじゃないですかね。
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-09-04/2019090402_03_1.html
↑こんな人たち(赤旗)でしょうか?
読んでいてふと思ったんですが、文喜相案がいつでも復活する理由。
相手の事を考えないで自分の都合だけで議論するのはいつものことですが・・・
韓国内で日韓関係改善の相談をすると、なぜか新たな利権の話で盛り上がり、俺も俺もと湧いてくる、単にそれだけなのかと思いました。
「日韓関係改善=美味しい」つまり「美味しい思いをするための相談」。
「美味しい話に繋がらない改善には興味がない」
赤旗はリンク切れでした。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、韓国と同じく、自分は間違えない存在と自惚れるので)
結局、韓国の言いたいことは、「韓国が習近平国家主席様の気持ちを忖度しているように、日本は韓国の事情を忖度しろ」ということでしょう。
蛇足ですが、日本マスゴミ村は、視聴率次第では、韓国批判を繰り返すのではないでしょうか。(まあ、韓国のメディアも同じかもしれませんが)
駄文にて失礼しました。
韓日葛藤???
まあ、
向こうからしたら
嘘捏造のインネンで
金と謝罪引き出し放題
できなくなったのですから
そりゃあ、身勝手な葛藤は
あるのでしょうが
それってよいことですわなあ。
攻略手法である
『戦犯国?』だのの
けったいなレッテル貼りや
『道徳的優位性』(笑)や
『偉大なる韓民族の歴史』(笑)や
整形ヘソ出し踊りKpop
ゴリ押しなどお得意の
モロモロ韓流手口は
見透かされて嘲笑の対象の
ありさまですからねえ。
今はweb論説『デイリー新潮』に不定期に連載されてる鈴置高史氏の『半島を読む』シリーズ。その前身である連載コラムが『日経オンライン』にアップされていた頃に見た表現ですが、韓国人特有の思考のくせが「天動説」とでも言うべきものだという指摘があって、「ああなるほど」と妙に腑に落ちたことを覚えています。
「アジア的恒久秩序」なんて、「自分たちの思い描く世界観に、日本も合わせてよ」と言わんばかり。まさに「天動説」そのものですね。「阿呆らしい」と切り捨ててしまえば、それまでのはなしですが、ちょっと脱線。
地動説を自明と考える日本人は、われわれは、地球の自転に合わせて、昼の世界、夜の世界を経巡ってると考える。天動説の韓国人にとっては、座り込んでるうちに、昼が来て夜になる。
ものごとの捉え方は正反対でも、一日の半分、昼間の時間帯にお互い顔をつきあわすことになるんですが、これに、公転周期まで考慮に入れると・・・。
韓国人が棲息するホシ(太陽)の周りを、日本人が暮らすホシ(地球)が回っている。年に一度、冬至の頃に相対距離が最も近づく(近日点)と言ったところで、一衣帯水どころじゃない遙か彼方。しかも、自転に合わせて動いている日本は、あっという間に韓国の目の前を通り過ぎていく。
とても、「アジア的恒久秩序」とやらを、じっくり擦り合わせる時間的余裕なんて、なさそうですね。
同じ星(クニ)に生まれたの
ミラクルロマンス ♡ ♪
どころじゃない。
七夕様の逢瀬の暇ほどもなく、
永遠のすれ違いを重ねる宿命、ですね(笑)。
なぜか知らんが尹錫悦は日韓関係改善にやたら楽観的。
・例の李バーサンに慰安婦問題で必ず日本に謝罪させると約束
・小渕ー金大中方式で関係改善する
・日韓の諸懸案はすべて一括で解決する
どうやって実現するのか知らんが大統領になる前からこう繰り返していたw
「日本は右翼化したのでかつてのようにはいかない」
反日原理主義者の李在明が珍しくまともにこう反論していた。
韓国は二階、林をテコにして関係気全を迫る。
それを何とか岸田に飲ませようとする魂胆だろう。
国民による厳しい監視が必要だ。
文前大統領が言っていた”取りあえずやって、ダメだったら戻せば良い。”
これ、北との終戦宣言でしたよね。
韓国政府が代理弁済をやり日本政府(企業含む)に後で請求する案もこれでするのでは。
次の政権に爆弾渡しをすれば良い。
昔のあることないこと悪口を言いふらされ、
心当たり全くないわけではないから、町会長さんの仲介で仕方なく先方の言うように何度も謝ってお金まで払い、
なのに「謝って金払ったから終わったと思うなよ、こっちは納得してないんだ」と言われ、
家の敷地に誰かいると思って見に行ったらいきなりホースで水をかけてきて晴れてたのに「天気が悪くて見えなかっただけ」とか言い訳し、
しまいには「そっちから先に威嚇してきたから水かけた」とかまた近所に言いふらし、
うちの畑で採れた野菜を分けてあげたらあろうことか暴力団事務所に売り渡すので、
抗議したら「自治会を抜けてやる!」と言い出して町会長を困らせる。
「でもさ、それはそれ、これはこれ。分けてかんがえようよ。これからも隣同士仲良くお付き合いしてさ、困った時にはお金の貸し借りしようね。」
野菜レベルならただ止めれば今後はないんですけど、戦略物質で核兵器や化学兵器が作られちゃってるんですよねえ。それを使った貿易はもうできなくなりましたが・・・。