中露の反応を見ればクアッドが成功だったことは明らか

日米豪印クアッド首脳会合が対中・対露牽制の観点から成功だったか失敗だったかについては、相手国の反応を見るのが手っ取り早いでしょう。昨日はクアッドを巡って中国が日本に対し「強烈な不満」を表明した、とする話題を取り上げましたが、ほかにも興味深い話題がありました。ロシアのメディア『イズベスチヤ』が、「インドを反ロシアに引き入れる米国の試みは終わった」などとする論評を掲載していたのです。

中露牽制という視点では物足りなかったクアッド

昨日の『「できるところから協力する」クアッド会合のスタイル』でも取り上げたとおり、東京で24日に行われた日米豪印4ヵ国(クアッド)の首脳会合を巡っては、正直、「対中牽制」「対露牽制」という面では、どうも「物足りなさ」を感じざるを得ません。

たしかにウクライナ情勢に関しては、「法の支配や主権及び領土一体性等の諸原則はいかなる地域でも守られなければならない」などと述べてはいますが、ロシアに対する非難のトーンは控え目であり、「4ヵ国首脳はロシアによるウクライナへの侵略を批判する」などと明確に述べるくだりは出てきません。

さらに、中国に至っては、共同声明では「シナ海及び南シナ海におけるものを含む、ルールに基づく海洋秩序に対する挑戦に対抗する」などの文言は出てきましたが、その「ルールに基づく海洋秩序に挑戦している国」である中国を、名指しすらしませんでした。

もちろん、中国を名指ししないのは、クアッド首脳会合の伝統(?)のようなものであり、今に始まったことではありません。ただ、日米豪印4ヵ国が集まって、強いメッセージを発することができなかったというのは、強硬な保守派の方からすれば、もしかしたら不満を抱く材料かもしれません。

合意できるところ・協力できるところを優先するのは当然

この点、当ウェブサイトとしての見解を先に述べておくならば、クアッドのようにさまざまな国が集まった協議体の場合、「合意できるところ」から合意し、「協力できるところ」から協力するのが鉄則です。そして、今回のクアッドでは、非常に多くの事項が共同声明に盛り込まれ、主要なものだけでも10項目前後に達しています。

  • 債務管理
  • 気候変動
  • 重要技術・サプライチェーン
  • サイバーセキュリティ
  • 日米豪印フェローシップ
  • 宇宙分野
  • 海洋状況把握
  • 日米豪印人道支援・災害救援

ロシアのイズベスチヤ「インドはクアッドから距離を置く」

そして、こうした日米豪印4ヵ国の結束が、中露牽制という視点で、本当にまったく意味がなかったのかについて検証したければ、相手国の反応を見るのが手っ取り早いでしょう。

このうち中国に関しては、さっそく「強烈な不満」を日本にぶつけてきましたが(『「クアッド」巡り中国が日本に対し「強烈な不満」表明』等参照)、こうした動き自体、中国がクアッドを「対中牽制の仕組み」として警戒している証拠でしょう。

そして、クアッドを警戒しているのは、中国だけではないようです。

ロシアのメディア『イズベスチヤ』に、24日付でこんな記事が掲載されていたのです。

Сообразили про двоих: КНР и Россия стали главными темами саммита QUAD

―――2022/05/24 15:00付 イズベスチヤより

記事の内容を要約すると、「インドはクアッドの対露牽制姿勢からは距離を置いている」、といったものです。

具体的には、「今回のクアッドでは中国とロシアがメインのトピックになった」としつつも、「ウクライナの状況を巡り、インドのナレンドラ・モディ首相だけは立場を明確にしていない」、「米国の説得にも関わらず、こうした状況は変わらなかった」、などと指摘しています。

イズベスチヤは、「日米豪印4ヵ国の非公式同盟」が「伝統的に公然と中国に対抗する数多くのイニシアティブを推進してきた」などと主張。そのうえで、「ジョー・バイデン(米大統領)はインド政府に対し、ロシアから分離するよう説得しようとした」ものの、「インドに対する米国の圧力は機能しなかった」、などとしているのです。

むしろロシアが「クアッド」を警戒している証拠

このあたり、私たち日本人はクアッド首脳会合の結果について、共同声明の仮訳を日本語で読むことができるため、べつにイズベスチヤに指摘されなくても、インドがロシア牽制に及び腰だったことは明らかではあります。

しかし、こうやってわざわざ大々的に報じること自体、むしろロシアが「クアッド」を気にしている証拠ではないでしょうか。

こうしたなか、イズベスチヤはジャワハルラール・ネルー大学の国際学部ロシア・中央アジア研究センターのラジャン・クマール准教授のコメントとして、次のように指摘します。

西側のメディアや専門家は、インドはロシアの兵器や兵器に依存しているため、西側を支持していない、などと考えている。これは部分的には正しいが、本質的なものではない。インドはロシアを歴史的および地政学的観点から重要なプレイヤーとみなしている」。

その上でクマール准教授は、インドがウクライナの状況を「米国流の民主主義と権威主義の間の対立とは見なしておらず、NATOがこの危機に対して重大な責任を負っていると考える傾向がある」、などと述べたのだそうです。

これに加えてインドは「この地域に関係がない欧州の紛争(=ウクライナ戦争)」よりも、どちらかといえばインド大併用地域の問題に焦点を当てたいと考えており、したがって、「インドとロシアを分離させようとする米国政府の試みは成功しない」、というのがこの准教授の結論なのだとか。

もっとも、こうした分析が正しいかどうかよりも、もっと重要な点があるとしたら、やはりロシアを代表する主要メディアの一角を占めるイズベスチヤがクアッドを大々的に取り上げたことではないでしょうか。

中露爆撃機飛行などの反応は日本国民の目を覚まさせるのに好適

いずれにせよ、中露両国がクアッドに敏感に反応を見せたということは、やはり、「西のNATO」、「東のクアッド」を両国が警戒している証拠であり、その意味では、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」路線を敷いた安倍晋三、菅義偉両総理の功績は大変に偉大なものだったと言わざるを得ません。

【参考】FOIP

(【出所】防衛省HP。日本が考えるFOIPには、中国、ロシア、韓国、北朝鮮などが明示的に除外されていることがよくわかる)

これに加えて、クアッド首脳会合などに合わせるかのように、中露両国の爆撃機6機が24日、日本海から太平洋へと長距離にわたって共同飛行するという事態も生じています。

中露爆撃機飛行は「わが国への示威行動」防衛相、懸念伝達

―――2022/5/24 22:20付 産経ニュースより

日本国内でも某リベラル系のメディアが「中露を刺激するな」などと主張する社説を執筆したやに聞いていますが、現実の中露の行動は、これらのリベラル系メディアの社会的信頼を失墜させ、私たち日本人の平和ボケを覚ます程度には、日本社会にも影響を与えていることは間違いありません。

いずれにせよ、クアッドは中露両国を表立って露骨に牽制・批判したわけでもないにも関わらず、中露両国がここまで反応したこと自体、クアッド首脳会合が中露牽制という視点でも大成功だったと見て間違いないでしょう。

読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    朝日新聞が噛みつくならそれが正解だ

    通俗教養の告げるところはこれからも(しばらくは)真であり続けるようです。

  2. カズ より:

    >中国を名指ししないのは、クアッド首脳会合の伝統(?)のようなものであり

    組織の存在意義が ”共通理念の実現” である以上、必ずしも名指しの必要は無いのかもですね。

  3. たか より:

    [中露両国の爆撃機6機が24日、日本海から太平洋へと長距離にわたって共同飛行]

    某リベラル系のメディアは、これはクアッドが中露を刺激したからだ! などと主張するのでしょう、知らんけど。

  4. 犬HK より:

    効いてる効いてるwww

    ってことでいいですね。

  5. taku より:

    クアッドは、本来、対中国のもので、だからこそインドも参加したのでしょうから、対ロシアは二の次で良いのではないでしょうか。足並みが乱れるのは当然です。
    中国は、ロシアとの連携・連帯をどうすべきか、悩ましいでしょうね。国際社会でこれだけ悪評の高いロシアと手をつなぎ続けるのか、じゃあ米国を中心とする”西側”とどうやって対抗するのか、良い解決策は思い浮かびません。そしてIPEFが機能し、半導体をはじめとする先端分野での事実上の”中国締め出し”が実現したら、成長は止まるでしょうからね。
    結局、専制国家というものは、内部での権力闘争に多大なエネルギーを要し、国益・成長といった要素は二の次となり、その結果として、衰退していくのではないでしょうか。

    1. より:

      元来、QUADは対中国を意識したものであって、ロシアは二の次、三の次だったという見方を支持します。もしかするとアメリカは当初からそういった思惑を隠し持っていた可能性はありますが、最初から対ロシアもということだったら、インドは参加しなかったでしょう。
      その一方で、ロシアがQUADを対ロシアにも向けられているのではないかという疑念を持ち続けていたことも事実です。ことあるごとに、QUADを腐すような発言をしてましたから。しかし、インドはもとより、オーストラリアにとっても、当面ロシアは直接的な脅威ではありません。そう考えれば、ロシアがQUADについてごちゃごちゃ言うのは、ある種の過剰反応であると言えると思います。

      今回のQUAD首脳会談は元々予定されていたものであり、ロシアのウクライナ侵攻を受けて急遽開催されたというわけではありません。安全保障全般に関わりかねない事態が現在進行中である以上、まったく話題に上らないというのも不自然ですが、共同声明などにおいて、本来主眼としていない点についての扱いが薄くなるのは、むしろ当然とも言えます。その意味では、中国の反応は想定内であるし、ロシアの反応はどうでも良いと言えるでしょう。
      あくまでもQUADの視点では、ロシアと中国とがガッチリ結束するというのが、一番望ましくないシナリオなのですが、今回のロシアによるウクライナ侵攻で、状況は一層複雑化しました。少なくとも当面は、露中間に楔を打ち込むような工作をロシアに対して仕掛けるのは難しそうです。

  6. Sky より:

    インド自身がFOIPや中国ロシアなどをどうとらえているかは、インド政府の公式発表やインドメディアの記事をみるのがよいですね。まだみたことないのですけど。

    1. より:

      英語版ですが、以下のようなサイトがあります。
      https://www.indiatoday.in/

      時々覗くと参考になるかも。

  7. 匿名 より:

    簡潔に、クワッドは失敗です
    インドが弱い鎖になっている事が致命的です

    安全保障に関して、弱い鎖は 無い方がマシです
    韓国が弱い鎖だから、韓国は排除する理論があるのに
    インドの事になれば、 最初の一歩とか、大国を加入させただけでも成果とか
    言ってることが違いすぎます

    1. りょうちん より:

      >安全保障に関して、弱い鎖は 無い方がマシです

      出典はウォルター・リップマンですか?
      しかし、それは主観的で証明されていないと思うのですが。

    2. 引っ掛かったオタク より:

      スタンドアローンだったインドを枠組み参加させたことと、
      元々陣営内に居た韓国が弱い環になることを選んでパージされつつあることを、
      同列にはできまへんわな

  8. 元ジェネラリスト より:

    NATO加盟しそうだからという理由で戦争起こすビビリ国家が、クアッドを気にしないはずがないと思います。(笑)
    先日フィンランド首相が来日した際、首脳会談冒頭でいきなり名指しでロシアと中国の脅威を口にしました。NATOの外相会議にも日本は参加しました。ストルテンベルグも日本歓迎です。
    西側諸国が中露をくっつけて敵扱いし始めた昨今です。

    ロシアの電撃戦が成功してウクライナが降伏し戦闘が短期間で終結していたら、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟は無かっただろう、という誰かの説を見かけて、そうだろうなと思いました。
    ウクライナの抵抗が、中露を世界の敵にすることにつながったと思います。彼らの犠牲を無駄にすべきではないと思いました。

    1. はにわファクトリー より:

      なぜ欧州諸国は続々と NATO 入りを望むのか。
      ロシアがああいう国だから。

      ロシアの「暴発」を、NATOの東方展開やアメリカの失敗に帰着させるのは、事実認知の歪み、論理導出の誤り=いわゆる本末転倒とよく分かります。

  9. 農民 より:

     インドがクアッドとしてイマイチ信頼できず、ロシア製兵器を多く採用しているのは事実ですが。採用兵器の開発国だけ見てどこに与しているかなんてわかるものではありません。そんなこと言ったら、イラン空軍はトム クルーズのファンで、韓国は米国の血盟になってしまいます。あれ、自称はそうだっけ?
     特にインド軍のカオスっぷりはあまり例がないほどと言えるのではないでしょうか。フランス製でもアメリカ製でもイスラエル製でもなんでもござれ。補給整備はどうしてんのかと心配になるほど。
     あと、ロシア兵器に依存しているために困った事態になっているのは、どちらかというと人民解放軍のようですが……中国はステルス戦闘機(笑)をはじめ、名目上は国産兵器の配備に励んでいますが、航空エンジンなどの技術はいまだにぱっとせず、ロシアからの輸入が多いようです。んでロシアは、外にエンジン供給などしていられなくなってしまいましたから。

    1. 匿名 より:

       アメリカがイランにF-14を供与したのはイラン革命前の親米国家だった時代のこと。ソ連は友好国としてインド軍の近代化を支援してきていて、この関係はソ連崩壊後のロシアが引き継いでいる。インド軍の装備がほぼロシア製なのはこのため。
       近年、アメリカやイスラエル製装備などを導入しているのは、インドが対中国で必要と考える装備をすべてロシアから賄うことができなくなったからとされている(インドをロシアから引き離したいアメリカにとっては中国の脅威が好機になっている)。

  10. 迷王星 より:

    >ロシアに対する非難のトーンは控え目であり、「4ヵ国首脳はロシアによるウクライナへの侵略を批判する」などと明確に述べるくだりは出てきません。

    インドは以前から「非同盟諸国の雄」といった類の呼び方をされて来ましたが,実際には現在の大きな経済力(どんなに遅くとも10年後にはGDP規模で日本を上回っていることでしょう)を有したインドでさえ今回クァッドへの参加を承知したことで分かる通り,インド単独では国防は成り立たない危険性が大きいとモディ政権は考えている訳です.

    ましてや過去の経済的に力が乏しかったインドならば猶更どことも同盟せずに国防を成立させることは不可能だった訳で,その時に準同盟関係を結んで国防に必要な各種兵器を導入していたのがソ連/ロシアであり続けた訳で,言ってみれば日本にとってのアメリカに相当するのがインドにとってはソ連/ロシアだということです.

    そしてその印露の準同盟関係の状況は今も続いている訳です.実際,軍の装備提供に関して言えば,インドに対するロシアは日本に対するアメリカよりも更に上等な優遇サービスを提供しています.この点に関して少し振り返ってみましょう.

    例えば,日本の場合,専守防衛を国是とる以上は最初は敵からの先制第一撃を受けて立ち撃退出来ねば国防が成立しない宿命にあるので,日本の国防に求められる戦闘機の特性を考えると,敵策源地を叩ける攻撃機よりも何よりも先ずは敵からの先制航空攻撃を確実に撃退できるだけの極めて優秀な迎撃・制空戦闘機(つまり空対空戦闘のスペシャリスト)が不可欠な訳で,そのために前回のF-Xでは空対空のスペシャリストであるF-22を空自は熱望した訳です.

    しかしながら,アメリカは政府も議会もこぞってF-22を日本に提供することに反対して日本のF-22(当然ながら劣化バージョン=通称モンキー・モデル)導入を許さず(米議会はF-22の輸出を禁じる法律を成立させオバマ政権に至っては日本への販売が原理的に不可能にする為にF-22の価格を理由にその生産ラインを早々と閉鎖させた),同じステルス戦闘機ではあっても日本の国防には今一つ特性がマッチしない攻撃機的性格が非常に強いF-35を日本に押し付けた(と言っても日本にとってもF-22導入が不可能となった時点でF-35以外に現実的な選択肢は残されていなかったのも事実)訳です.

    またその前のF-Xでは戦闘機用エンジン単独での日本への販売をアメリカは許さないことで,F-Xの日本単独開発を許さずアメリカの戦闘機をベースに開発し生産もアメリカ企業に分担させ(その為に只でさえ少数生産で打ち切られた為に機数がギリギリだったのが東日本大震災での松島基地の津波被災で貴重なF-2が何機も失われた時に追加生産で穴を埋めることが不可能だった),その結果,出来上がったF-2戦闘機は性能の割に非常に高価格で日本は導入数を大幅に削減せざるを得なくなった(ので松島基地の被災でのF-2喪失は日本の国防にとって相当なダメージとなった)という仕打ちもアメリカは日本に対して行って来た訳です.(しかもF-2開発の際にはベースのF-16戦闘機の飛行制御システムのソースコードの提供を約束しながら,いざとなると拒否して,結局,日本は自力で飛行制御ソフトを開発する羽目になり,F-2の開発期間は更に伸びて開発費用も更に嵩み機体単価が更に割高になる原因となった)

    それに対して,ロシアのインドに対する態度は上のアメリカの日本に対する態度とは対照的です.ロシアが単独で開発して来た最新鋭のステルス戦闘機(アメリカのF-22に相当する立場の)Su-57の更なる開発をインドに提案したり(アメリカは劣化バージョンの日本への販売も拒否と対照的),あるいは最新鋭の超音速・長射程の地対艦・空対艦・艦対艦ミサイルのブラモスはインドと共同開発しインドでの生産も認めるという大サービスぶりです.

    最新鋭兵器の共同開発をロシアがインドに持ち掛けた背景には,もちろんインドに開発コストの一部を負担して貰おうという目論見があるのは明らかですが,インド国内での生産や共同開発を許せばそれら最新鋭兵器の技術がインドに渡ってしまう(但し,Su-57の発展形の共同開発はインド側が断った)ことは認める訳で,アメリカの日本に対するような仕打ち(特にF-2開発の件での「やらずぶったくり」)に比べればロシアのインドに対する扱い遥かにフェアと言えます.

    という訳で,インドは今までの(多分,半世紀以上の)ソ連/ロシアによる兵器の販売だけでなく兵器の開発・生産技術も供与して貰って来たことの恩義を考えれば,今回のロシアの暴挙があろうとロシアをそう簡単には非難することなど道義的にも今後の国防装備の観点からも不可能なのですよ.

    それは明らかに筋の通らなかったのに強引に因縁を付けてアメリカが仕掛けたイラク戦争の件でブッシュ大統領やアメリカ政府を日本の首相が非難出来ないのと同じことです.

    クァッドでのロシアやウクライナ戦争への言及に関して言えば,私は寧ろもう少しインドの微妙な立場にアメリカ(日本やオーストラリアもですが,恐らくウクライナ戦争の件に言及させたのはバイデン政権の意向でしょう)は配慮すべきだったと思いますね.そもそもクァッドで
    言及しようがしまいがウクライナ戦争の戦況には何の影響も与えられない訳で,ウクライナ戦争でロシアを弾き返すには優秀な兵器を西側諸国からどんどんウクライナに送り込む以外に術はないのですから.

    インドがクァッドから抜ければ日米豪3ヵ国ではインド洋とくにペルシャ湾や紅海・スエズ運河に繋がるインド洋の北半球部分の航行の自由を担保することは実質的に不可能となり,折角の優れた構想であるFOIPは全くの画餅と化すのですから.

    蛇足:
    極めて強力でウクライナが供与を切望している多連装ロケット装置は戦争を激化しロシアを刺激しかねないからとバイデン政権はウクライナへの供与を拒否していますが,それほどアメリカ自身がロシアに腰が引けているのなら,クァッド首脳会合でインドの立場を無視して口先だけで正義面してウクライナ戦争に言及するのは論外だったと私は考えています.

    こういう幼稚で身勝手なことを平気でやってしまうところが,アメリカ外交は馬鹿で無能だと私が以前から思っている理由です.口先でウクライナ戦争に言及したりロシアやプーチン批判をしたいのならば,ロシアを準同盟国としているインドが絡まない場…例えば米韓・日韓の首脳会談の場など…でどんどん言えば良いだけの話ですよ.それならばインドも困らない.

    インドがいるクァッド首脳会合の場では,クァッドという国家連携が必要となった根本原因つまりFOIPなどという構想を改めてブチ上げねばならなくなった理由である共産チャイナのインド太平洋での傍若無人な海洋活動にもっと具体的に言及し,インドも同調できる対中批判・非難をもっと明確に打ち出すべきでした.

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