ロシア「5月9日までの勝利宣言」に合わせ目標修正か

ロシアがウクライナ戦争を巡り、5月9日の対ナチ戦勝利記念式典までに「勝利宣言」を考えているのではないか、とする報道が出て来ました。CNNは米政府情報当局者の発言を引用し、「ロシアがキーウ制圧からウクライナ東部制圧に目標を修正した」と報じています。ただ、英国のトラス外相は「ロシアの戦争犯罪を捜査する活動を英国が全面支援する」と述べるなど、さながら西側諸国とロシアの「持久戦」の様相も呈してきました。

当てが外れたロシア

ウクライナ侵攻からもうすぐ40日

ロシアのウラジミル・プーチン大統領が「特殊な軍事作戦」と呼ぶ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから、もうすぐ40日が経過します。

ロシアのキーウやその周辺部は、ロシア軍の激しい攻撃が加えられているとみられるものの、ロシアは48時間以内どころか、1ヵ月以上経過してもキーウ中心部を制圧することができていません。

この軍事侵攻に関しては、以前の『ロシアのウクライナ侵攻の目的は「キエフ公国回復」?』などでも取り上げたとおり、ロシア側が当初、48時間以内にウクライナの首都・キーウを制圧し、ウォロディミル・ゼレンスキー政権を排除するつもりだったのではないか、などと推測する状況証拠が存在しています。

その状況証拠のひとつは、ロシアの国営RIAノボースチ通信が2月26日午前8時時点でウェブ上に誤配信した『ロシアと新たな世界の到来』とする署名記事だそうで、その記事に書かれていた「キエフ公国復活」を示唆する内容もさることながら、誤配信した日時が大きなポイントでしょう。

というのも、その記事自体、おそらくはウクライナ侵攻に先立って執筆されたものであり、「特殊軍事作戦」開始からちょうど48時間後に公開されるよう、予定投稿されていたものだ、といった可能性があるからです。

これに加え、英国防衛省が発信する『インテリジェンス・アップデート』などでも繰り返し指摘されている「ロシア軍の補給が非常に貧弱である」という情報が事実だとすれば、これなども、最初から今回の「特殊な軍事作戦」が「短期決戦」を前提としていたことを裏付ける有力な状況証拠でもあります。

短期決戦に失敗したロシアの「転進」

ちなみに、この「ロシアがキーウ制圧に失敗している」というのは、西側諸国の報道だけでなく、当のロシア自身、国営の『タス通信』などが発している情報からも明らかです。

そして、先日の『タス通信「キエフ方面などの軍事活動を大幅に削減へ」』でも紹介したとおり、ロシアの防衛省は3月29日に「キエフ(キーウ)、チェルニゴフ(チェルニヒウ)方面での軍事活動を大幅に削減する」とする声明を発しています。

これ自体、「ロシア側の当初の『真の目的』がキーウ制圧にあったものの、短期決戦に失敗して「転進」することを決断せざるを得なくなったものだ」、といった説明に、説得力を付与する情報でもある、というわけです。

こうしたなか、米メディア『CNN』は昨日、「米政府高官の話」として、ロシアが「5月初頭の『勝利』を目指し、その軍事目標をウクライナ東部制圧に変更した」とする話題を報じました。

Russia shifting focus to show a victory by early May in eastern Ukraine, US officials say

―――2022/04/03 10:02HKT付 CNNより

記事タイトルを直訳すれば、「ロシアがウクライナ東部で5月初旬までに勝利を示すために目的を変更していると米当局者が明らかにした」、といったところであり、同記事の日本語版では『プーチン氏が「目標修正」、ウクライナ東部で5月に勝利宣言か 米情報当局』とあります。

目標は「5月9日」?

この「5月初旬」でピンと来た方もいらっしゃるかもしれません。ロシアにとって5月9日といえば、ロシアがナチス・ドイツに勝利したとされる「戦勝記念日」だからです。

すなわち、ロシアがドンバス地域(ドネツク、ルガンスク両州)を含めたウクライナ東部をロシアの支配下に収めることを「勝利」の条件に変更したうえで、この「戦勝記念日」にあわせて実質的な「勝利宣言」を行うことを目標にしている、という可能性です。

CNNによると、例年5月9日には、「クレムリン前にある赤の広場で軍隊や兵器を誇示する大規模なパレードが行われている」としつつ、プーチン氏自身がこの5月9日にウクライナ戦争の勝利を合わせて祝うことができることを望んでいる、とする見解を米政府高官が示したのだそうです。

これに加えて、例年、冬季が過ぎて春季が到来すると、凍結していた地面が柔らかくなり、ロシア軍の地上部隊の装備を動かすのが難しくなる、といった事情もあり、「5月までに戦争を終わらせたい」という思惑があるようだ、ともしています。

ただし、CNNは同時に、ほかの当局者による「ロシアが5月9日に合わせて勝利宣言を行ったとしても、実質的な勝利は難しいのではないか」とする分析を紹介したうえで、欧米各国の当局者の間でも「ロシアがこのウクライナ戦争の長期化を視野に入れている」、「現実を変えることはできない」とも報じています。

西側vsロシア

ロシアの主張は信頼に値するのか?

この点、「米国メディアの報道をそのまま信頼して良いのか」と疑問を呈する方もいらっしゃるのですが、これについても簡単にコメントしておく必要はあるでしょう。

たしかに、米国や英国などのメディアの報道を眺めていると、「ロシア憎し」のあまり、ややもすればロシアに不利になるような情報を積極的に選択して報じているようなフシもあります(その典型例が、ウクライナ政府の発表内容をロシア政府の発表内容よりも重視している場合がある、という点でしょう)。

その意味では、せっかくのインターネット時代なのですから、私たち一般人であっても簡単に確認できる情報源(たとえばロシアの『タス通信』など)の報道内容については、最低限、ざっと目を通しておく価値はあるかもしれません。

しかし、『相手国のメディアで相手国のウソを見抜けることもある』でも指摘したとおり、ロシアのメディアをチェックし、情報を時系列・客観的に整理すると、むしろロシア側政府の主張内容が途中で二転三転するなど、矛盾点が次々と出てきたりすることもあります。

このあたり、普段から「とあるウソツキ国家」のウォッチングを続けていると、その国のメディアの報道を丹念に追いかけることで、却ってその国の稚拙なウソを暴き出すことができるという経験が、ロシアに対してもそのまま適用できて、面白いと感じる次第です。

なにより、「英米欧などの言い分を無批判に信じるべきではない」、という主張はそのとおりかもしれませんが、だからといって、「普段からウソばかりついている国」の言い分の方が、英米欧各国の言い分よりも正しいと考える論拠はありません。

CNNが報じた「5月9日までに勝利宣言」とする報道に関しても、無批判に盲信すべきではありませんが、それと同時にロシアが軍事目標をキーウ制圧から東部制圧に変更したことは、タス通信の報道からも明らかであるという点についても無視すべきではありません。

おそらく最も可能性が高いのは、プーチン大統領の頭のなかで「5月9日の対ナチ戦勝利記念パレード」が今回のウクライナ戦争を巡る焦りとつながっている、ということではないでしょうか。

キーウ近郊のブチャの惨状

その一方で、英米などのメディアは週末、ウクライナ戦争を巡って、ロシア軍が撤退したキーウ近郊の村落などの悲惨な状況を相次いで報じました。

Ukraine war: Bucha street littered with burned-out tanks and corpses

―――2022/04/03付 BBC NEWSより

Russian retreat leaves trail of dead civilians in Bucha, a town near Kyiv

―――2022/04/03 07:06 GMT+9付 ロイターより

キーウ北西部にあるブチャという街で、民間人と思しき遺体が大量に発見されたとする記事であり、これについてはリンク先記事にも写真が掲載されているほか、インターネット検索が得意な方であれば、もっと直截的な写真などについても見ることができます。

なかには、複数の西側メディアの記者が直接撮影した写真も配信されているようですが、大変に衝撃的です(当ウェブサイトでは、あえてこれらのリンクは掲載しません)。

また、いくつかの記事によれば、ゼレンスキー大統領が「撤退するロシア軍が街中に地雷を仕掛けた」、「一部の地雷は遺体にも仕掛けられている」などと述べるなど、ロシアを非難したとも伝えられています。

そして、もしも非戦闘員である民間人を無差別に攻撃したというのが事実であれば、これは戦争犯罪に該当する可能性も出てくるはずです。

英国のトラス外相「ロシアの戦争犯罪捜査を」

こうしたなか、英国のリズ・トラス外務・コモンウェルス・開発担当相は日曜日、「ロシアによるウクライナに対する違法かつ不当な侵略の最中に行われた無実の民間人に対する無差別攻撃」については「戦争犯罪として捜査されねばならない」、などと述べました。

Foreign Secretary statement on appalling acts by Russian invading forces

―――2022/04/03付 英国政府HPより

トラス外相はまた、具体的に国際刑事裁判所(ICC)を含めた「あらゆる捜査活動」を全面的に支援すると述べ、あわせてプーチン政権下の軍司令官や個人を含めた「残虐行為の責任者」の追及の手を止めることはないだろう、ともしています。

それでは、今後、日米欧を筆頭とする西側諸国は、ロシアにどのように対処すべきなのでしょうか。

これについて考える前に、トラス外相の「違法で不当な侵略」、つまり原文だと “illegal and unjustified invasion of Ukraine” という表現については、注目に値すると思います。

この「違法な侵略」という表現は、英国政府などからよく出て来るものですが、これはおそらく、ロシアの今回のウクライナ侵攻が宣戦布告などの国際法上の手続を無視していることや、武力による国際秩序の変更を企てていることなどを指しているのだと思います。

ということは、ロシアの今回の軍事侵攻自体が違法であるだけでなく、2014年のクリミア半島併合を含めたこの8年間の動きすべてを総括し、その違法行為を何らかのかたちで「裁く」ことができるのかどうか、といった点を考察する必要はあるでしょう。

西側諸国対ロシアの「持久戦」シナリオも!

本稿で紹介したCNNの報道に加え、ロシア政府の発表などを読んでいくと、どうもロシア側の目標は、当初はウクライナ全土の掌握と、ウクライナの衛星国化、あるいは「ベラルーシ化」にあったのではないかと思えてなりません。

ところが、ウクライナの士気の高さ、西側諸国の軍事支援などの要因が影響してか、現時点までにロシアがウクライナの制圧に失敗していることから、おそらくロシアはその目標を「ドンバス地域の『解放』」に変更し、今後はその実現に向けて全力を尽くすことになる、という推測が働くのです。

ただし、現実にロシアがウクライナの領土を1ミリでも割譲させることになれば、そもそもの今回の侵略が「違法で不当だ」としている英国など西側諸国にとっては看過できないでしょう(※といっても、ロシア産エネルギーに依存しているドイツの例を持ち出すまでもなく、西側諸国も決して一枚岩ではないとは思いますが…)。

このように考えていくと、むしろ西側諸国としてはウクライナ戦争が長期化してきた場合に、ロシアとの「持久戦」に持ち込むことを狙うかもしれません。

この点、『意外としぶとい?ルーブル「紙屑化」の可能性を考える』などでも議論してきたとおり、ロシア自身は資源国でもありますので、これらの金融制裁を通じて「国家破綻状態」にまで追い込まれるかどうかは微妙だ、というのが当ウェブサイトでこれまで指摘してきた内容でもあります。

とりわけロシアは天然ガスを含めた自国の資源を戦略的に活用する意思を示しており、『ガスのルーブル決済大統領令、さながら「経済戦争」に』でも紹介した、「非友好国に対する天然ガスのルーブル決済」などの話題は、大変に気になるところです。

実際、ロシア・ルーブルの対米ドル相場(RUBUSD)については、一時1ドル=150ルーブルと史上最安値を記録していたものの、最近だと1ドル=100ルーブルの大台を割り込み、クオート源によっては、たとえばWSJの場合だと、週末時点で1ドル=85.75ルーブルを示しています。

これに加えて『人民元ブロック経済圏が対ロシア制裁の穴となる可能性』でも議論したとおり、中・長期的に見てロシアが「人民元ブロック経済圏」に参加することにでもなれば、西側諸国の意図に反し、ロシア経済はさらに命脈を保つでしょう。

いずれにせよ、ウクライナ戦争の「持久戦」化は、資源価格の高騰などを通じ、世界経済にも影を投げかけることは間違いありません。

ハンバーガーが世界を救う?それとも…

もっとも、ひとつだけ希望を述べておくならば、「鉄のカーテン」の復活に、当のロシア人自身が耐えられないという可能性は考えられます。

ロシア・マクドの閉店は「鉄のカーテン」復活の兆しか』などでも紹介したとおり、旧ソ連が崩壊してからの30年間、ロシア人は豊かな西側諸国のさまざまな文化にすっかりなじんでしまいました。

ロシア人がマクドを取り上げられ、スタバを取り上げられ、ケンタを取り上げられ、iPhoneを取り上げられ、任天堂Switchを取り上げられて、また「鉄のカーテンの向こう側」に追いやられることを、ロシア国民が「よし」とするのでしょうか。

このあたり、ロシア国民が「自力で」ウラジミル・プーチンを排除することができるかどうか(あるいはできないのか)という点については、シンプルに興味があると思う次第です。

読者コメント一覧

  1. はにわファクトリー より:

    ロシアはこれまで以上に、いいがかり・でたらめ・論点すり替え・隠ぺい・言い抜けを繰り出してくるはずです。そう言えばよく似た国家が本朝の近くにもあります。さいわい?ある程度の訓練はわれわれは出来ているのですから、「ロシアの言い分」が含む「欺瞞」と「虚構・虚言」に関しては冷静かつつまびらかに分析していけばいいのではないでしょうか。

  2. sqsq より:

    戦争は「なんでもあり」

  3. くろだい より:

    何を言っても後出しジャンケンになるのですが、開戦時のプーチンの演説どおり、キーウへの攻撃は「殴り込み」によるゼレンスキー政権排除、または、非武装中立化の強制が目的だったのではないでしょうか。

    殴り込みによりゼレンスキー政権を物理的に排除できれば満点、できなくてもNATO加盟を諦めさせることができたら70点というところでしょうか。殴り込みですので、鉄砲玉がどういう戦い方をして、どのような末路を辿ろうと、ウクライナから「NATO加盟を諦める」という言葉を引き出したら、戦略的な目的は達成したと言えるのではないでしょうか。鉄砲玉は大変ですが。

    一方、東部併合はアゾフ大隊の本拠地であるマリウポリを更地にし、黒海〜アゾフ海〜ドン川のシーレーンを確立しつつあります。このマリウポリでのやり方が、グロズヌイやアレッポで見てきたロシア軍らしい戦い方のように思えます。

    上記の点について、チャンネルくららの特番特番「陸・海・空 軍人から見たロシアのウクライナ侵攻」での、小川元西部方面総監によるロシア陸軍の作戦概要(12:30ごろから)、キーウ攻撃に関するご見解(16:00ごろから)は、大変参考になる、さすがという内容に思えます。

    https://www.youtube.com/watch?v=YosIU6a9Gs4

    プーチン個人としては、ある程度満足できる戦果だと思うでしょうが、ロシアとしては失う物が多すぎた、不要な戦争だったのではないでしょうか。結果的に、プーチンはウクライナの嫌露感情を喚起し、国際社会でのロシア孤立化へと導いてしまいました。そしてロシア軍は国際人道法違反、戦争犯罪の生きた教科書として後世に語り続けられることでしょう。

  4. 雪だんご より:

    ロシア人が勇気を持って自力でプーチン政権を崩せるか、否か。
    ロシアと言う国とロシア人と言う民族の未来はそれにかかっていそうですね。

    「自分の命を捨てたくなくて自国の独裁者に従い、他国人が死ぬのを許容した」場合と、
    「自分の命を懸けて自国の独裁者にあらがい、他国人の死を減らした」場合では、
    国際社会の視線の温度が格段に違ってくるでしょう。

    命を懸けるのも、自国を否定するのも、他国に従うのも、全て辛い事でしょう。
    それでもロシア人は決断を迫られる。自国の政府と戦うか、否かを。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      プーチンが失脚したら
      「東京に核ミサイル打ち込め」と言っている人が大統領になるかもよ

  5. たろうちゃん より:

    とうとう民間人に対しての無差別殺害が表沙汰になった。道路には何百人の遺体が転がっている映像がのこされている。(尤も日本向けの放送ではボカシが入っているが。)なかには後ろ向きに手を縛られて銃で撃たれている遺体もあるそうな。ロシアの民衆がついこの間までの西側文化の衣食住の一端の暮らしを享受出来る日は数年間は訪れまい。愚かな為政者の存在をゆるした悲劇である。

  6. 愛知県東部在住 より:

    ウクライナが奪還したプチャ地区で見つかった市民らに対する大量虐殺を、ロシア側は”殺害された人々の映像や写真が「仕組まれたパフォーマンス」だとして同国軍の関与を否定”しているとの報に触れて思い出したことがあります。

    それは日本国海上自衛隊の哨戒機に対して、意図的に火砲管制レーダーを照射したかの国が自らの行為を糊塗するために、実に様々な虚偽の言い訳をしていたあの事案です。それらの言い分けには一切合理性がなく、そうした点を指摘されるたびに虚偽の言い訳を二転三転させたことは世界中から失笑を買いました。

    自軍の兵士への弾薬や燃料、果ては糧秣さえ滞りがち(中には賞味期限を一年以上経過したものもあったそうです)だと伝えられているロシア軍が、敵国の市民に人道的な扱いをするだろうか、という素朴な疑問が生じます。また市民とともに戦っているウクライナ軍に、400人を超える市民を数日という短期間で虐殺することが可能なのか、という疑問も浮かんできます。 

    嘘には必ず非合理的な側面が残るはずです。

    プロパガンダに踊らされる事なく、報道の裏側にある事実を丁寧に読み解いていくことが何より肝要かと考える今日この頃です。

    1. 愛知県東部在住 より:

      プチャ ×
      ブチャ ○

      でしたね、失礼しました。

    2. はにわファクトリー より:

      >嘘には必ず非合理的な側面が残る

      この世に醜いウソツキがたくさんいる。
      今般の戦闘において示され日々見せつけられている嘆かわしい事態から目を反らしてならない。
      今必要とされているのは、言い逃れと虚構を暴き追い詰め、二度と同じようなことをさせない人類全体の集合意思と考えます。

  7. 農民 より:

     大抵は戦術的敗北を敢えてとってでも戦略目標を達せられれば勝利なのですが、本件ほどの「戦略目標を達した(?)ものの戦術的に凄まじい大損失を出す」という事例は知りません。さらに繰り返し言われるよう、過去の戦争に比べても長期的な経済への影響が激しい。ここまで来ると戦略勝利と言えるかどうかすら怪しくなる。

     ソ連の第二次世界大戦における対独戦では、ダブルスコアで勝利を収めています。ダブルスコアというのは、「勝ったソ連側の損害が、負けたドイツ側の損害の倍」という意味です。当時は、経済は現在のように超高速・緻密ではなく、勝てば戦費を戻せるほど特需と賠償が得られる上に世界的な覇権を得られたためか、総力戦で相手を滅ぼしてしまえば後はどうとでもという時代でしたが。もはやこのやり方は通用しないようです。

  8. 元ジェネラリスト より:

    ウクライナ軍が入ったキーウ近郊の地域に、ロシアの空挺部隊の兵士の多数の死体も放置してあったという情報もありました。ロシア軍は急に撤退しなければならなくなったのではないかと。

    市民の死体の映像や写真を多く見ましたが、ちょっと言葉にならないですね。
    どうでもいい某元政治家の弁護士は「強制移住させられても命が助かる「可能性」はあるのだから、ウクライナは降伏すべきだ」と言っていましたが、今度はどんな言い訳をするんでしょうかね。
    「可能性」を根拠にするなら、「虐殺される可能性」もあったわけです。
    命が助からない可能性があるからこそ、戦ってるんじゃないかと思うんですが。
    もう何を言ってるのやら、です。

  9. PASSERBY より:

    対中包囲網完成のため仕込のある罠にロシアがはまった。ウクライナは一帯一路の重要拠点でもある。ロシアの弱体化は、中国の弱体化にもつながる。ロシアが弱体化すると太平洋に出ていくことを躊躇うようになる。過酷の経済制裁に対する援助は、尻に火がついたからと言っても火中に栗を拾うようなもの。あとロシア製武器への信頼性の低下が、思った以上に深刻なのではないだろうか?ロシア製というよりも、旧来の武器といったほうがいいのかもしれないが。

  10. しきしま より:

    >キーウ近郊のブチャの惨状
    現場の兵士の暴走と思います。
    もうプーチンもロシア軍上層部も末端の兵士をコントロールできなくなっていると推察します。
    初期には士気の低さの例として「丸腰の市民を撃てなかった」なんて報道もありましたが、真逆の方向の軍規違反として「無抵抗の者を殺戮する」ことに快感を覚えるタイプもいるのだと思います。

    すでにコントロールができなくなっている上層部は、現場が何かやらかすたびに誤魔化すためのトンデモな発表をするしかないのでしょうね。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      本当に丸腰の市民だったかも疑問だけどね
      民兵だったら市民でなく軍人だし
      武器持っていなくても、ウクライナ軍にロシア軍の位置情報流していたらスパイ扱いで処刑されても文句言えない

      1. しきしま より:

        >武器持っていなくても、ウクライナ軍にロシア軍の位置情報流していたらスパイ扱いで処刑されても文句言えない
        侵略された側の国民が自国の軍に協力するのは当たり前の話ですね。
        勝手に他国に乗り込んだ側の軍が、なぜ他国の国民を処刑する権利があるのでしょうか?

      2. しきしま より:

        追記です。
        その理屈が通るなら中国人民解放軍が日本に上陸して日本人を殺戮してもノープロブレムということになります。

        もうひとつ、私の最初の書き込みは「ロシア軍上層部が軍のコントロールができなくなっているのではないか?」という点が主題だったんですが、そちらにはノータッチですか。

      3. りょうちん より:

        これを機会に戦時法制を勉強しましょうよ。

        民兵であり軍人扱いなら、捕虜を殺すことは禁止されています。
        便衣兵なら、戦争犯罪者であり、正式な裁判を受けさせなければ処刑できません。
        その場で殺すようなことは現代の軍隊ではいずれにしても違法です。

        オサマ・ビンラディンを逮捕せず射殺したうえ、海に遺灰を撒いたのは、法律ガン無視のヤンキーの野蛮さの発露です。さすがに米国人の国際法の専門家もその適法性には口を噤みます。

        1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

          そういや裁判する時間も無かったから、戦争犯罪者処刑したら違法になるね

          単に「民間人(っぽい風体)の死体」ということなら
          捕虜虐殺ではなく、武器を持った民兵が、戦闘中に殺された可能性もあるかも
          武器は民兵倒した後でロシア側が使うために接収して、少し離れた所に死体だけ埋めたりしたら、一見では「丸腰で殺された」ようにも解釈できる絵になるかも

        2. 羊山羊 より:

          ロシアを非難する米国の戦争犯罪も大概だと。
          レーガン政権の外交顧問Doug Bandow氏の論説
          https://www.cato.org/commentary/washington-accuses-russia-committing-war-crimes-ukraine-terrible-true-what-about-us-war

  11. 匿名 より:

    腹いせに白ロシアをボコボコにしてあげればいいのだわ。

  12. 引きこもり中年 より:

    独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (というより、自分でも独断や偏見であって欲しいので)
    もし、ロシアが5月9日までと締切(?)を定めたのなら、その日までに、ロシア国民に「犠牲に見合った成果をあげた」と納得してもらう必要があります。(もちろん、これから犠牲者(?)の実数が分かるにつれて、その割には成果が少なかったと不満を抱くかもしれませんし、現状で十分な成果と考えるかもしれません)
     そのため、残り日数が少なくなっているのに、十分な成果が得られていないとなったら、より過激な手段を取る可能性があります。そのため、ウクライナ首都キーフのどこにいるか分からない大統領を殺害するために、化学兵器弾頭のミサイル(もしくは、キーフの文化財を破壊してもようのなら核弾頭ミサイル)で、首都にいる人間全員を殺害するこも考えるのではないでしょうか。
     蛇足ですが、ロシアは、(西側以外の)国際社会の支持を得るために、エネルギーや小麦を使って、(建前のある政府や政治家ではなく)それぞれの国の選挙民からの支持を得ようとするかもしれません。
     駄文にて失礼しました。

  13. F6F より:

    凄惨な映像を見て思ったこと二点。

    一つ目。ロシアですらこう。中国が台湾・沖縄に侵攻した際に訪れるであろう惨劇は想像に難くない。
    そこら中で「通州事件」が起こるのだろう。
    明日は我が身と一人でも多くの日本国民が思ってくれることを願ってやまない。

    二つ目。このサイトに彗星の如く現れ、謎の上から目線で「西側の情報はフェイク、ロシアの情報こそが正しい」と折伏にいそしんでおられたお二方は今どうしておられるのであろう。
    今こそ「あの情報はウクライナのネオナチによる挑発行為だ」と大いに語って欲しいのだが。

  14. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

    >>侵略された側の国民が自国の軍に協力するのは当たり前の話
    心情的には当たり前だけど
    散々軍隊に協力しておきながら「ウリは民間人」は成立しないと思う

    >>その理屈が通るなら中国人民解放軍が日本に上陸して日本人を殺戮してもノープロブレムということになります
    りょうちんさんが述べたように、実際には便衣兵を戦争犯罪として処刑するには、それなりの裁判手続きが必要とのこと
    人民解放軍ならそんな手続き無視しそうだけど

    >>もうひとつ、私の最初の書き込みは「ロシア軍上層部が軍のコントロールができなくなっているのではないか?」という点が主題だったんですが、そちらにはノータッチですか
    末端の部隊としては、普通にゲリラ討伐しているだけかもしれないし、今回の情報だけでは何とも言えない。というのが自分の意見

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