G7「ロシアの戦争犯罪・ICC捜査」の可能性に言及

現地時間の24日、欧州・ブリュッセルで行われた緊急G7首脳会合の声明が、ホワイトハウスにアップロードされていました。ロシアに対し、「戦争犯罪」に関する国際刑事裁判所の調査に加え、やや具体性には欠けるものの、国際組織・国際フォーラムからのロシアの追放などに関する声明も盛り込まれています。

大変長文のG7声明文

ベルギー・ブリュッセルで現地時間の24日、「異例のトリプルサミット」(G7、NATO、EUの首脳会合)が行われました。ロイターによると、西側諸国はロシアの「野蛮さ」を非難する声明を出した、などとしています。

West assails Russian ‘barbarism’ as Ukrainians shelter from bombardment

―――2022/03/25 9:24 GMT+9付 ロイターより

NATO, G7, EU hold crisis meetings as Russia-Ukraine war grinds on

―――2022/03/24付 ALJAZEERAより

こうしたなか、G7声明については日本時間の午前9時時点で確認したところ、首相官邸、外務省などのウェブサイトにはまだ資料が掲載されていなかったので、かわりに米ホワイトハウスのウェブサイトに掲載されたリンクを取り上げておきましょう。

G7 Leaders’ Statement

―――2022/03/24付 ホワイトハウスHPより

全部で19項目からなる、G7声明としては比較的長いものです。

気になったポイントをいくつか抽出しておきましょう。最初は、こんな具合です。

“We welcome the investigations of international mechanisms, including by the Prosecutor of the International Criminal Court”.

これは、ウクライナの人口密集地域、あるいは病院、学校を含めた民間施設に対するロシアによる攻撃が戦争犯罪であるという可能性に言及したものであり、あわせてG7は「戦争犯罪の証拠の収集を支援するために協力する」、などと述べています。

制裁逃れを封じる動き、原子力・大量破壊兵器に対する警戒

次に、こんな記述もあります。

“We underline our resolve to impose severe consequences on Russia, including by fully implementing the economic and financial measures we already imposed”.

これは、すでにロシアに対して課せられている経済・金融制裁を「完全に実施する」という宣言であり、「制裁の影響を回避する動き」などを封じ込めるために、(G7以外の)各国政府を含めた国際的な監視や協力を強化していく、といった宣言です。

このあたり、経済制裁に同調しない中国に対する牽制でしょうか?

続いて、ロシアの原子力施設に対する攻撃について、このような記述もあります。

“Russia’s attack has already risked the safety and security of nuclear sites in Ukraine. Russian military activities are creating extreme risks for the population and the environment, with the potential for catastrophic result”.

これは、ロシア軍がチェルノブイリ原発やザポリージャ原発などを攻撃・占領したことを指しているのでしょう。これに関連し、G7はロシアによる核兵器、生物・化学兵器などの使用に対しても、次のような警鐘を鳴らします。

“We warn against any threat of the use of chemical, biological and nuclear weapons or related materials”.

さらには、サイバー攻撃に関しても、こんな記述があります。

“In preparation for any Russian malicious cyber response to the actions we have taken, we are taking steps to increase the resilience of the infrastructure in our respective nations by strengthening our coordinated cyber defences and improving our shared awareness of cyber threats”.

ロシアを国際機関・会議体から「排除」?

このほかにも、食料・エネルギー問題、気候変動問題にも言及がありますが、ちょっと長すぎて焦点がぼやけているきらいはあります。ただ、個人的に気になるのは、最後の19項にある、こんな記述です。

“International organisations and multilateral fora should no longer conduct their activities with Russia in a business as usual manner. We will work closely with our partners to act as appropriate, based on shared interests, as well as rules and regulations of respective institutions”.

国際機関ないし多国間協力の枠組みからのロシアの排除をうかがわせる記述ですが、ただ、「G20や国連などからのロシアの追放を目指す」などの、具体的な行動については述べられていません。

結局、このあたりは現在の国際社会の在り方における制裁の限界かもしれません。

実際、国連常任理事国の場合はG7メンバーではない中国が居座っていますし、G20にはG7と基本的価値を共有しない国が多数紛れているからです(G20の問題点については『G20が露追放できぬなら、いっそG7が脱退しては?』などもご参照ください)。

読者コメント一覧

  1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

    ユーゴスラビアをしょっぴいた組織だっけ?

  2. ダージリン より:

    あれ、G7ではなく、G8のまつがいじゃないんですか。去年、G8になりましたよね(笑)

  3. 元ジェネラリスト より:

    西側の制裁、ロシア政府揺るがさず=メドベージェフ前大統領
    https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-medvedev-sanctions-idJPKCN2LM0ET?feedType=RSS&feedName=special20
    制裁はロシア社会を強固にするだけで、当局に対する国民の不満を引き起こすことはないと述べた。

    突然どうしたんでしょうね?
    効いてるのかな?

  4. りちゃ より:

    ロシア軍をテログループと認定しよう

    テロリズムとは何らかの政治的な目的を達成するために暴力や脅迫を用いることを言う。

    テロリズムは、<<中略>>軍隊<<中略>>が、彼らの目的を達成するために使う。
    テロリズムは政治的目的をもつという点で、「単なる暴力行為」とは異なる。
    テロリズムを行っている主体はテロリスト(英: terrorist)と呼ばれる。
    行っているのがグループの場合はテロ・グループ(英: terrorist group)、
    組織の場合はテロ組織(英: terrorist organization)と呼ばれる。

    1. 世相マンボウ . より:

      あ 賛成です!
      ISイスラム国を国として認めなかったように
      ロシアも国家から格下げでテロリスト集団にしましょう。
      なあに、
      GDPで1兆ドルという
      米国の20分の1、
      日本の5分の1
      あの韓国の半分しかない
      落ちぶれたロシアですから
      しれたものです。

      そうしておくことで
      習近平ちゃんも距離を取るほうが
      懸命だと想うでしょうから。

      1. 世相マンボウ . より:

        さらには、
        ならず者国家とは『友愛(?)』結ぶ
        ミスター民主党御大将鳩ポッポさんも
        テロリスト支援者というふさわしい
        位置づけとして扱って上げることが
        できますし。

  5. がみ より:

    すごいね。

    人道回廊とかでロシアに逃げたウクライナ人の皆さんって、北東ロシアの決められた街に居住することになり、ロシア政府の斡旋する仕事をして二年間は移動禁止だとか。

    シベリア懲役刑と同じだろ…

  6. アッキー より:

    ロシアを責める前に、アメリカがやった戦争犯罪を責めるのが順序でしょう。まあ、2つとも、同時にやれば、公平かな。

    1. 匿名 より:

      アメリカを責める前に、ロシアがやった戦争犯罪を責めるのが順序でしょう。まあ、2つとも、同時にやれば、公平かな。

    2. 匿名 より:

      こういうのって、公平のフリしてロシアをかばってるだけだよね。
      0対100でロシアが悪いのを、なんとか50対50にもってこうとする。慰安婦と徴用工の韓国人と同じ。

      1. アッキー より:

        匿名さん、ちょっと偏向しすぎでは?あと、報道の自由なんてどこの国にもないですよ。為政者側の都合の悪いことについては、ロシアや中国はあからさまに禁止。欧米や日本は、それとなく禁止っていうところです。ただ、欧米日の場合は、他愛ないことはすごく沢山じょ情報があるようですいえど。

        1. アッキー より:

          ついでながらですが、別にロシアをかばうとかいうつもりは、全くありません。先の大戦終戦後にロシア、当時のソ連が日本人に対してしでかした非道は、許しがたいとおもってますし、ソ連による、北海道占領を、武装解除後なのに自主反撃で軍事的に打ち砕いてくれた帝国陸軍の将兵や、祖父がよく言ってたんですけど、スターリンからのソ連軍の北海道占領をきっぱりとはねつけてくれたというマッカーサーの態度については、ただ感謝するばかりです。一方で個人的には、何があっても純アメリカ派ですけど。

          1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

            実は、日本軍捕虜の死亡率に関しては、ロシアも他の連合国軍も大差無いという話も聞いたことある
            他の連合国軍も普通に、地獄のような強制労働を日本人捕虜にさせていたらしいし

        2. 匿名 より:

          ついでながらですが、別にロシアをかばうとかいうつもりは、全くの言いがかりでしかありません。先の大戦終戦後にロシア、当時のソ連が日本人に対してしでかした行動は、全く正しいとおもってますし、ソ連による、北海道占領を、武装解除後なのに自主反撃で軍事的に打ち砕いてくれた帝国陸軍の将兵や、祖父がよく言ってたんですけど、スターリンからのソ連軍の北海道占領をきっぱりとはねつけてくれたというマッカーサーの態度については、ただ激怒するばかりです。今ウクライナがロシアに解放されているように、日本もソ連に解放されるべきでした。一方で個人的には、何があっても反アメリカ派ですけど。

    3. F6F より:

      まずはロシアがウクライナの国家主権を侵害した、と言うシンプルな事実から議論をスタートさせねばならないでしょう。
      そしてその主権侵害をどう止めさせるか、そして第二のロシアを産み出さないためには何をすべきか、が議論されるべき点かと。

      どっちもどっち論はそれを語る人のこれまでのコメントを見る限り、話を故意に藪の中に招き入れて煙に巻くための「為にする議論」と見てよいでしょう。

      1. 匿名 より:

        その国際法ですが、律儀に守ってるのは、日本ぐらいでしょう。アメリカが、イラクに大量破壊兵器所持という難癖つけて、攻め入って、めちゃくちゃにして、死者も50万人ぐらい出し今も立ち直ってないのに、誰も罰せられてませんよね。中国は、香港でのこともあるでしょう。一方で、自分達の同胞が隣国で組織的に大量に虐待されてるとかしたら、とにかくそこに攻め込むぐらいのことは、列強国だったらやるでしょう。自国民を拉致されて、ほとんどなにもしないって、日本ぐらいじゃないのかな。

        これがアッキーの本音。

        アメリカだってやったから、ロシアもネオナチという難癖つけてウクライナを攻め入っても誰も罰されてはならない。ロシアがウクライナを攻めたのはアメリカとネオナチのせい。ロシアは悪くない。国際法は守らなくていい。アメリカが罰されるまで、ロシアは何をしてもいい。

        これがアッキーの本音。

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