メドベージェフ「露日がクリルで合意することはない」
ロシアのドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長は「露日両国はクリル諸島に関して決して合意に達することはないだろう」と述べたそうです。どうせ交渉で返すつもりがないくせに、いったい何を言っているのかと呆れます。ただ、むしろ日露両国が北方領土問題で合意に達しないこと自体、北方領土問題を解決するための近道になり得る、という可能性が出てきたことも事実でしょう。
目次
日露経済関係
日露経済関係自体はさほど深くない
昨日の『ロシアの平和条約交渉打ち切りは日本にとって良い兆候』でも議論したとおり、ロシア政府が日本との平和条約締結交渉や北方領土における共同経済活動、元島民のビザなし訪問などの措置を終了すると発表したことについては、日本にとっては悪い話であるとは限りません。
その理由は、今回のロシアによる措置自体、日本の経済・金融制裁に対し、ロシアが困っているという証拠でもあるからです。
ただし、数字で見ると、日露間の経済・金融関係については、(とくに日本から見て)もともとさほど深くありません。これについて具体的な数字を振り返っておきましょう。
まずは、輸出額です。
輸出額(2021年)
2021年においてロシアは日本にとって第19番目の輸出相手国であり、輸出額は8624億円で、これは日本の全世界に対する輸出額(83兆0928億円)の1.04%である。また、ロシアへの輸出額のうち「輸送用機器」(自動車等)の輸出額は4633億円で、輸出額全体の53.72%を占めている。
まず、日本からロシアへの輸出額は、日本の輸出全体に対し1%ほどであり、ロシアが日本の隣国であるという事実を踏まえると、驚くほど少ないことがわかります。また、ロシアに対する輸出額の大半を自動車などが占めています。正直、日本経済にとってロシア市場はまったく重要性がないと断言しても過言ではありません。
石油等の輸入はたしかに多いが…
次に、輸入額です。
輸入額(2021年)
ロシアは日本にとって第13番目の輸入相手国であり、輸入額は1兆5431億円で、これは日本の全世界に対する輸入額(84兆5679億円)の1.82%である。また、ロシアからの輸入額のうち「鉱物性燃料」(石油、石炭、天然ガス等)の輸入額は9463億円で、輸入額全体の61.32%を占めている。
これに対し、輸入額については1兆円を大きく超えていますが、石油、石炭、天然ガスなどの「鉱物性燃料」の輸入額が全体の輸入額を押し上げている格好です。
ちなみに日本の鉱物性燃料の輸入額は16兆9191億円でしたので、鉱物性燃料については、金額ベースでロシア産が日本の輸入全体の5.59%を占めている計算ではありますが、この金額であればロシアからの輸入が全面停止したとしても、日本経済に与える影響は限定的です。
金融面では「0.2%」の関係!
さらには、金融面のつながりも確認しておきましょう。
対外与信(2021年9月末時点)
国際決済銀行(BIS)の2021年9月末時点の「国際与信統計(最終リスクベース)」によれば、日本の金融機関のロシアに対する与信額は92億ドルで、これは日本の全世界に対する対外与信4兆8598億ドルに対し、0.20%弱に相当する。
『国際与信統計で読み解く各国の「金融パワー」と力関係』でも議論しましたが、国際決済銀行(BIS)のデータ上、日本の金融機関のロシアに対する与信額は2021年9月末時点で92億ドル、すなわち1兆円少々、といったところです。
ただ、「1兆円もカネを貸していて、焦げ付いたら大変なことになる!」などと述べる人もいるのですが、そもそも日本の対外与信は最終リスクベースで5兆ドル弱、すなわち1ドル=120円なら600兆円(!)近くにも達しており、対露エクスポージャーは対外与信全体のせいぜい0.2%に過ぎません。
ロシアにとって怖いのは「西側の団結」
ロシアの前身・ソ連は、かつては共産圏の「盟主」でもあった大国であり、「米ソ冷戦時代」を覚えている人にとっては、本当に恐るべき国だったはずです。それなのに、日本の隣国であり、かつての「超大国」でもあるロシアとの間で、日本は本当に限られたお付き合いしかしていないのです。
そんな限られたお付き合いしかしていない日本が、ロシアに対して経済・金融制裁を発動したことが、そんなにロシアさまのお気に召さなかったのでしょうか。
おそらく、その答えは、「日本の経済・金融制裁が直接的にロシアに打撃を与える」という話ではなく、「西側諸国が一致団結していること」にあるのだと思われます。
一対一に持ち込めば勝てる戦争であっても、一対二、一対三、という具合に、自国に敵対する国が増えれば増えるほど、勝つのが困難になります。
ましてや、現在、ロシアが攻めている国はウクライナ1国ですが、そのウクライナへの侵攻を非難する国は141ヵ国に達しており(『国連総会、ロシアにウクライナからの無条件撤退を要求』等参照)、とくにG7が揃いも揃ってロシアに制裁を打ち出しています。
だからこそ、ロシアが日本に対し、「G7の共同戦線から離脱せよ」とするメッセージを送った、という可能性が濃厚ですが、少なくとも現在の時点のいては、日本政府が「共同戦線」から離脱することはあり得ないと考えて良いでしょう。
ロシアの「逆ギレ」
メドベージェフ「クリルで合意に達することはない」
いずれにせよ、正直、「平和条約の交渉をやめる!」などと言いだしたロシアを眺めていると、本当に余裕がなくなっていると感じざるを得ません。
こうしたなか、昨日の議論に「続報」がありました。
ロシアメディア『タス通信』(英語版)に日本時間の昨晩、こんな記事が掲載されていたのです。
Russia and Japan will never achieve consensus on Kuril Islands — Medvedev
―――2022/03/22 19:32付 タス通信英語版より
タス通信によると、ドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長は「露日両国はクリル諸島に関して決して合意に達することはないだろう」としたうえで、次のように述べたのだそうです。
「ロシアは日本との平和条約交渉を継続することを拒絶した。クリル諸島に関する文脈上、これは長年延期されてきたが、公正であり、歴史的に見て正当化されるステップである」。
そのうえでメドベージェフ氏は、日本との平和条約の締結交渉よりも、むしろ「クリル諸島」の開発に力を注ぐ方が生産的だとしたうえで、「クリル諸島」での学校、道路、空港などを含めたインフラ開発を加速させる考えを示したのだとか。
ロシアの非誠実な態度
正直、メドベージェフ氏の威勢の良い発言を眺めていても、空虚に響きます。
「クリル諸島で合意に達することはないだろう」、などと言われても、「日ソ共同宣言」などを別とすれば、千島列島でこれまでにも何らかの合意に達したことはほとんどありませんでしたし、仮に合意に達したとしても、ロシアがそれを履行してくれるという保証はありません。
というよりも、ロシアは長年、北方領土返還を匂わせることで、日本からの経済協力を引き出そうとし続けただけであり、ロシアに対してどれだけ経済協力を与えたとしても、領土が帰って来ることはありませんでした。
静岡県の川奈で橋本龍太郎首相(当時)とボリス・エリツィン大統領(当時)の間で行われた日露首脳会談(1998年)以来だと25年、日ソ国交回復(1956年)以来だと66年が経過するにも関わらず、この間の交渉は、領土返還の実現には寄与していないのです。
こうした経緯を踏まえるならば、メドベージェフ氏が何を発言したところで、「どうせロシアとの交渉は無意味」という事実を再確認する以上の意味はありません。
もちろん、日本政府が長年、ロシアとの交渉を続けてきた理由は、「北方領土を取り返すため」というだけの話ではなく、北方領土に中国や韓国といった日本に敵対する諸国の資本を入れないための、やむにやまれぬもの、という側面があったことは事実でしょう。
しかし、さすがにロシアがウクライナ侵略を巡って国際社会から激しく糾弾される立場にも追い込まれており、こうしたなかで、いかに中韓といえども、「漁夫の利」を得ようとする行動は、なかなか難しいでしょう。
また、日本の協力が得られなくなるだけでなく、ロシアの友好国である中朝韓などにとっても、現在は北方領土などに投資することが難しい局面にあります。ロシアが国際社会から孤立するなか、どうやってインフラ整備を進めるつもりか、高みの見物を決め込むのも良いかもしれません。
ロシアは周辺国と領有権争い
こうしたなか、日本が長年、北方領土についての主張を続けてきたこと自体、ロシアにとっては大変に都合が悪いことだった、という点を、改めて認識すべきかもしれません。
北方領土、さらには千島全島、樺太などを巡るロシアの法的地位を巡って、国際的に議論を招き起こす可能性がある行為は、ロシアにとっては相当に都合が悪いのです。
実際、ロシアは日本だけでなく、周辺国とのあいだで歴史上、さまざまな領有権争いを抱えてきました。
フィンランドにとっては東部カレリア地方がロシアに奪われたという歴史もありますし、ドイツから見れば、カリーニングラードはもともと「ケーニヒスブルク」というドイツ領でした。このように考えていくと、ロシアという国は、日本のみならず、ほかにもさまざまな国との間で歴史的に領有権争いの「火種」を抱えている格好でもあります。
逆にいえば、日本としてはロシアの周辺国と連携し、「Xデイ」に向けて準備をしっかり進めるべきだ、という話でもあるのでしょう。
領土交渉のまえにやることがある!
さて、以前からの繰り返しですが、「交渉」を通じてロシアから領土を取り返すのは至難の業であり、もしも本気で領土を取り返そうと思うならば、アプローチを変える必要があります。
逆説的ですが、外国との交渉をする前に、日本はまず、憲法を変えましょう。軍事的裏付けがない交渉には交渉力などないからです。
また、日本は引き続き、外国を圧倒するだけの経済力を持たなければなりません。1989年以来30年余り、日本最大のポンコツ官庁にして「国民の敵」である大蔵省・財務省は、消費税を筆頭に、さまざまな増税によって日本経済を疲弊させ続けてきました。
著者自身、むしろ増税原理主義を掲げる財務官僚らの正体は、中国かロシアのスパイではないかと疑っているほどですが、問題はそれだけではありません。
さらには、外国人留学生を優遇し、日本人の子弟に対する学費負担を極端に重くする政策を続けてきた文部科学省、テレビを設置しただけで半強制的に受信料をかき集め続けてきたNHK、NHK利権・放送利権を守ることしか考えていない総務官僚らも、ある意味では日本国民の敵でしょう。
ここはひとつ、対外的な諜報活動を管轄する官庁を設けるとともに、「GDPの最大化」に責任を持つ官庁として、経済企画庁を復活させるのも手ではないでしょうか。
あとは時間が解決してくれる
さて、日本が国内の体制をしっかりと整え、日本がロシアを圧倒するだけの経済力、軍事力を持つようになれば、あとは時間が領土問題を解決します。
この点、ソ連が崩壊したときに、領土を取り返すチャンスは一度訪れたのですが、ちょうど日本では1993年に自民党が下野し、新生党や社会党、日本新党などを含めた野党連立政権が誕生してしまい、政治的な混乱のなか、日本は領土問題を解決するチャンスを掴むことができませんでした。
(※ついでにいえば、韓国との間の自称元慰安婦問題が深刻化するきっかけを作った『河野談話』が出てきたのも、時期的には宏池会の宮澤喜一内閣が執権していた1993年のことであるという点を思い出しておく価値はあるかもしれません。)
こうしたなか、北方領土(プラス、あわよくば千島列島と樺太)を取り返す「次のチャンス」は、意外と早く訪れるかもしれませんし、本来ならば、日本はこれから米国を含めたG7各国と緊密に連携し、「新国連構想」を含めた「戦後処理」に関与する準備を進めるべき局面でしょう。
少なくとも国際法に違反した侵略戦争を開始してしまったロシアは、国連安全保障理事会の常任理事国から解任されなければなりませんし、それが不可能ならば、現在の国連に変わる「新国連」を立ち上げるというのもひとつの手ではあるのです。
いずれにせよ、「宏池会政権」に対する不安はあるのですが、我々日本国民としては、とりあえずは見守るしかなさそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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何を言ってんだくそジジイ!はなっから返す気もないくせに!日本のカネが欲しくて小出しでビザ無し交流だの、外国資本での開発促進だので、戦後80年も人の土地を蹂躙してきたくせに。まぁいいや、、時間が解決する。その前にロシアが無くなるかもしれんがな!
安倍ちゃんぷるぷるしてそう
なんで?
ロシアが返すなんて信じてる人いるの?
せいぜい買い取りだね。
ロシアはアメリカにアラスカを売ったし、あり得ないことじゃない。
考えが甘すぎるのでは。
ロシアがアメリカにアラスカを売ったのはツァーリの一言で何でもできた帝政期であり、現在のロシアは憲法を2020年に改正して領土の割譲禁止が憲法に謳われています。
たとえロシアで政変が起きて親西欧の政権ができたとしても、中国と同じく歴史的に領土拡張欲が強いロシア人気質から、お金で領土を売ることはないと考えるのが常識的な判断と思う。
北方領土はロシアという国自体が分解するか消滅しない限り希望はないし、また仮にロシアが消滅したとして、空白期に同じく領土欲の強い中国が占領してしまえば、核を持たない日本には、対ロシア同様手も足も出ずせいぜい「遺憾である」を連発のがやっと。中国は北海道のみならず、地下資源・水産資源の豊かな北方領土も狙っている筈であり、国恥地図には樺太も含まれている。
メドベージェフ氏といえば数年前に北方領土を自ら訪れて、たしか「我が国にはこのように美しい土地がある」と言って日本国民の神経を逆なでした御仁で、交渉で返すつもりなどないロシアの本音を伝えてくれていました。交渉を通して日本の経済協力を得たかったプーチン大統領がメドベージェフ氏を抑えていたのかもかもしれませんが、ここへ来てプーチン後のロシアに向けて何やらロシア国内で動き始めたのかな。
様々な時代的背景が存在したのだとしても、交渉事は基本的に最大限の要求で臨むべきなのかと。
日露間では千島樺太交換条約により、元来、千島列島は日本領と確定してたはずなのに何故か北方四島のみが対象になっていて、いつの間にか二島返還での妥結に向けた交渉が進んでたり・・??
ソ連崩壊の契機に、日本政権が決断力のない ”烏合の衆” だったのは悔やまれます。
それ以降、掴みどころのない”スキンヘッドの女神様”しかやって来なくなりました。
基本的にロシアは「南千島及び南樺太は戦争によって獲得した領土である」という姿勢を取っています。しかしながら、1941年4月26日に発行した日ソ中立条約は1946年4月25日までは有効だったので、そもそも日ソ間での戦争などはなかったはずであり、従って「戦争の結果による領土獲得」というのはありえないというのが日本の主張です。
ロシア(ソ連)側の主張は、1946年4月6日に条約を延長しないことを通告したことを以て条約は破棄されたとか、それ以前に関特演などの日本の「背信行為」によって事実上日本から破棄された状態だったなどの苦しい言い訳をしていますが、日ソ中立条約に有効期間中の条約破棄に関する記述はなく、条約解釈上かなりの無理があります。少なくともソ連はこの傷に関して結構意識していたらしく、1970年代になっても条約破棄の正当化を試みる学術論文が存在したという話があります。佐藤優氏あたりは「ロシアは国際法を十分承知した上で踏みにじる国である」と喝破していますが、まさにその通りなのでしょう。
しかしながら、無理筋であろうとロシアが「国際法には違反していない」と言い張り、条約解釈の違いと主張している限り、この点で折り合いがつくことはないでしょう。その意味では、メドヴェージェフ氏の発言はその文脈に沿ったものであって、今さら驚くべきことなどは何もありません。
結局のところ、ロシアとの対話を継続すること自体はけして悪いことではありませんが、対話と相互理解の進展によって北方4島が返ってくることはほとんど期待できないということを肝に銘じておくべきです。まして、ロシアがアメリカを敵視する状況が変わらないのであれば、日米安保条約が有効である限り、択捉や国後を無償で日本に引き渡すなんてことは起こりそうもありません。
会計士さんや龍さんのお説ごもっともだと思いました。日ソ中立条約を破り千島樺太を奪う火事場泥棒を働いたロシアの脛の傷は折に触れてほじり出し、悲鳴を上げさせれば良いでしょう。
2次大戦後の秩序は力による現状変更(領土の拡張)を認めないというものでした。サンフランシスコ条約の影響下では、日本政府の見解は南樺太と北千島は連合国に放棄させられた帰属未定の地。南千島の北方領土四島だけが放棄の範囲に当たらず、正式に返還を求めているわずかな領域に留まります。ソ連軍による千島樺太の簒奪は許されないものでも、長い時間を経てロシアが国力を極端に落とすレジームチェンジが起きない限りは日本政府として千島樺太の返還要求は容易でない状況が続いています。
返還のチャンスは100年以上先の話になるだろう、それまでは臥薪嘗胆、ロシアとの交流は紛争を起こさない程度の必要最低限、千島樺太へ投資する外資への制裁も行い、可能な限り極東への発展を阻害し経営を維持できない状態を粘り強く待ち続ける。いつか訪れるぼた餅が落ちてくる棚の下まで這っていく努力を世代を越えて語り継ぐ。いまはその時期だと思っていました。
戦上手であったはずのプーチンがウクライナへ侵攻し、戦勝国ソ連に有利なはずの力による変更の禁止を自ら破り、世界中から『無法者の侵略国家』の烙印を押されようとしています。
まだ結論を出すのは早いですが、プーチン帝国の終わりの始まりであり、第二次世界大戦後の国際秩序が大きく変わる可能性が高まっています。思いの外早くレジームチェンジの時期が来るかもしれません。
会計士さんはソ連に不当に掠奪された南樺太と全千島列島の返還を視野に入れておられる様です。それはそれでアリだと思いますが、レジームチェンジの際には『本来あるべき姿』も考えてその実現に向けて頭の体操を行うことも無駄ではないと思います。
それは『本来の日露国境は間宮海峡にあるべき』という仮説です。
以下私見です。日本人の眼からみた樺太の歴史は13世紀頃には既に日本人による活動や拠点、経営が見られる様で、南樺太に限らず北緯50度線以北についてもです。幕府は間宮林蔵などを派遣し、1808年に樺太西端の間宮海峡に国境の碑を設けました。ロシアがウラルを超えシベリアを東漸し樺太への進出が目立ってくるのは19世紀に入ってから。日本人や日本の影響下にあるアイヌからすれば侵入してくるロシア水兵は乱暴狼藉の疫病神だったのではないでしょうか。
日本の施政圏にロシア海軍でまずは侵食、カナダアメリカ西海岸でも行ったように植民や囚人を樺太に送り込んでコミュニティの既成事実を作り武力を背景に領有権を主張する。ドネツクや沿ドニエストルでの様な親露派住民保護を名目にした侵略を樺太でも行った。元々は日本人の領域だった樺太。それをロシアに奪われた。ポーツマス条約交渉では日本の力及ばず樺太の南半分しか戻って来ませんでしたが、次のレジームチェンジでは樺太も全島返還。という建て付けは最初から放棄する必要はないと感じています。沿海州やシベリアまで日本に割譲しろなどと言う無理筋の話ではありませんから、樺太全島返還も頭の片隅に置いておいて良いかと。
ウクライナではウ軍による拠点奪還の報道も見られます。経済制裁の効果や毎日2兆円の戦費負担でどれだけロシアが耐えられるか。(日露戦争では日本は4年分の国家予算に相当する戦費で破綻寸前になっていたとか)
楽観などできませんが、ドネツクやクリミア、カリーニングラードのロシアからの没収などの流れが仮に出た場合には千島樺太の返還に芽がでてくるやもしれません。日本の外務省においては小村寿太郎の爪の垢を飲み励んでもらいたいと思います。
某東スポを参考にし、その内容を5%未満に要約しました。
岸田文雄首相は「極めて不当で断じて受け入れることはできない」。松野博一官房長官は「駐日ロシア大使に抗議した」。丸山氏はこれらを報じた記事を引用し、「ほんま寝言も大概にすべき」とあきれ果てた。
丸山さん、おっしゃる通りです。
北方領土巡る対日協議、常に「単なる儀式」-メドベージェフ氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-22/R952FMT1UM0W01
交渉は「常に儀式的な性質」を帯びていたと主張。ロシア憲法改正でいかなる領土の割譲も禁じられており、今では協議が全ての意味を失ったと説明した。
言いたいことを言いまくってますが、これがロシア外務省としてのコメントじゃないところがイヤラシイです。
状況が緩和した頃に、ロシア外務省が引き続き平和条約交渉しましょうとシャアシャアと言ってくれば、外務省はホイホイと乗るのかもしれません。
政権も外務省も表の顔は別にして、交渉で領土は返ってこないと腹を決めないと、今後もこんなナメた発言をされると思います。
岸田氏が制裁発表時に「平和条約交渉には言及しない」と発した言葉は、未練だと思いました。
岸田は外交センス皆無だな
早く辞めた方が良い
じゃあこの時節ですから、ロシアに無くなっていただきましょう。
ここで全方面に喧嘩売るばか相手することもありません。
ただいまクリル守備隊はウクライナに徴兵されているそうです。
だからと言っても攻めるでもなく、ロシアが破綻する方へベッドし続けるだけでいいのです。
旧ソ連=現行ロシアでは無いことをロシア自身が日々世界でも証明してくれています。
記者会見直後の岸田外相(当時)の苦虫を噛み潰した顔を、今でも鮮明に覚えています。7年経っても現状は変わらず、彼らの本音を繰り返しただけのことなのでしょう。
【日経新聞からの抜粋】
2015年9月26日 3:30
“外相会談で領土問題が議論されたのに、記者団に「テーマになっていない」と言い張る。第2次世界大戦に負けた日本に北方領土の返還を求める権利はない、と言わんばかりの態度をとる。ロシアがこんな対応に終始するなら、日ロ関係は前進するどころか、後退せざるを得ない。
モスクワを訪れた岸田文雄外相は、夕食も交えて4時間半にわたりラブロフ外相と会談した。その後、2人はそろって記者会見し、岸田氏は「領土問題で突っ込んだ議論をした」と説明した。
ところがラブロフ氏は「ロシアは北方領土を議論していない」と否定。テーマになったのは「平和条約の締結問題だ」と述べた。
日本側によると、会談の約半分は領土問題に費やしたという。事実とすれば、外交に駆け引きはつきものとはいえ、ラブロフ氏の発言は誠意を欠くものだ。”
まあ「ロシアとは今戦争をしていないだけ」という状況こそが日本の国益に即しているのですよ。
ですから北方領土問題を解決の見込み無く、虚無への供物のように続けるのは決して間違いではありません。
鈴木宗男とか本気でやってたんだからアホですよねえ。
千島・樺太に関して中国が付け入る隙を与えなかったので、半分成功といえば、そう思います。
問題は欧米・日の資本がサハリンから撤退したら、中国が利権を棚ボタ式に得ることが無いような立ち回りが必要です。強硬ポーズをとりつつ、実質的には何だかだ言いながら、いまだロシアから天然ガスを買い続けているしたたかな欧米人に、日本は真面目過ぎるほど同調して墓穴を掘らないよう、注意が必要と思います。
プーチン政権との交渉は一旦打ち切りで良いと思います。
次の選挙は2024年なのですが、世界中から制裁されていますので、当選は不透明な状態です。
それまでは、経済制裁の強化と親西側政権成立の場合の強力な経済支援の提案で政権が代わることを期待したいですね。
選挙前に何らかの強権発動があるかも知れませんが。
経済支援はドイツと日本の役割が大きいと思いますので、日本政府には千島列島と南樺太奪還を念頭に支援策を検討しておいて頂きたいと思います。
長い目で見れば、中国からロシアへという方向が世界政治の安定に繋がると思います。
ロシア人には要注意かも知れませんが、ロシア内の民主派を信じるしかありません。
今後のロシア情勢次第なので、そんなにうまく事が運ぶかどうかまだまだ分かりませんが。
何とか、今回のウクライナの惨事を教訓に、良い方向に持っていって頂きたいものです。
民主派なら返還の可能性高いと考えるのも早計
民主派だからこそ領土の割譲がやりにくくなる可能性も高い
北方4島が返還されないのは、別にプーチン氏が強欲だからというわけではありません。むしろ、国民の声なんぞ封殺できるプーチン氏相手に、安倍元総理があれほど対話を重ねてもダメだったのですから、プーチン氏ほどの強権を振るえない人物相手に対話を重ね、相互理解と首脳間の信頼関係を醸成しようが、ダメであることに変わりはないでしょう。
結局のところ、北方4島を取り戻すためには、①軍事力を持って実力で取り返す②ロシアが極度に弱った際に、弱みに付け込む形で返させる③「買い戻す」のいずれかくらいしか、実現可能性のある解が見当たりません。
①は相手が依然として核大国であることには変わりがないため、軍事力で決着を付けようとするのは非常に大きなリスクが伴います。また、②はまずロシアが経済的にとことん疲弊し、かつ日本以外に助けを求める相手がいないという状況になることが大前提です。その上で、脅したりすかしたりという、かなりえげつない外交交渉を行う必要がありますので、まず大前提が満たされることがあり得るのか、さらに日本にそんなえげつない交渉を行えるのかなど、かなり高いハードルがあります。③は、まあ、環境と条件次第では可能性があるかもしれません。ただしそれでも、非常にタフな交渉が必要になるでしょう。
北方領土返還は、アメリカと中国に極東シベリアの利権をちらつかせ、その両国の強権をもって、サハリン州を強引にロシアから独立させるしか可能性はありません。実は、米中とも呉越同舟で南樺太のロシア領有を認めていません。
日本はそのサハリン共和国から独立支援金という名目で北方四島を買い取ることになります。アメリカが許せば千島全島までは買い取れるでしょう。
残されたサハリン島は日米中露の緩衝国となります。