確定判決が出ているのに「謝罪」を求める自称元徴用工
三菱重工に対する自称元徴用工判決から3年目の節目となる昨日、韓国で市民団体が相次いで、日本政府や日本企業に対する謝罪と賠償を求めて会見を開いたそうです。意味がわかりません。裁判で勝っているわけですから、謝罪と賠償を求めるよりも、最後まで裁判の手続を使い、自力で相手の会社の資産を差し押さえて現金化するのが筋だからです。
自称元徴用工判決の3つの問題点
当ウェブサイトでいうところの「自称元徴用工」とは、「戦時中、日本に強制徴用された」などと自称する者たちのことです。そして、自称元徴用工判決とは、韓国の裁判所が日本企業に対し、自称元徴用工への損害賠償を命じた問題のことで、これには大きく3つの問題点があります。
自称元徴用工判決の3つの問題点
- 日韓間の請求権に関するあらゆる問題は、1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決済みであり、自称元徴用工判決はこの日韓請求権協定に違反する状態を作り出している。
- 韓国側が主張する「被害」の多くは、(おそらくは)韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである。
- 日本政府は2019年、日韓請求権協定に従って、韓国に対し外交的な協議や国際仲裁手続を申し入れるなど、平和的な問題解決に向けた努力を行ったが、韓国政府はこれらを無視した。
(【出所】著者作成)
つまり、自称元徴用工判決問題とは、彼らの主張する「被害」そのものが(おそらくは)韓国によるウソ・捏造であるだけでなく、韓国の司法府と行政府が同時に日韓請求権協定という国際条約に違反する状態を作り出したという意味で、名実ともに韓国が無法国家となったという問題だと考えるべきでしょう。
なぜかまったく強制執行しない原告側
自称元徴用工判決自体、下級審を含めればいくつか出ているのですが、やはり最も有名なものは、最高裁に相当する「大法院」が2018年10月30日に新日鐵住金(現在の日本製鉄)に対して出したものと、同年11月29日に三菱重工に対して出したものです。
この点、日本政府の言い分は、「これらの判決自体が国際法違反である」とするものであり、これはまったくそのとおりなのですが、ただ、「韓国の国内法」としては確定判決を得たのですから、自称元徴用工側はさっさと強制執行すれば良いのではないか、といった見方も成り立ちます。
ところが、不思議なことに、自称元徴用工側は、待てど暮らせど、強制執行をしてきません。
たとえば、自称元徴用工側は、日本製鉄や(高裁で敗訴している)不二越に対しては、両者が韓国国内に保有する合弁会社株式を差し押さえていますが、『非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい』でも報告したとおり、非上場合弁会社株式の強制売却は極めて困難です。
また、『三菱重工の即時抗告と日韓膠着打開の「テーパリング」』でも述べたとおり、自称元徴用工側は三菱重工の商標権や特許権などの知的財産権を差し押さえているのですが、これらについても基本的に売却は非常に困難であり、非現実的です。
つまり、非上場合弁会社株式や知的財産権など、買ううえでの資産価値評価も難しく、また、買ったとしても名義の移転自体も難しいわけですから、経済合理性に照らし、買う人が出て来るとも考え辛いのです。
いや、もちろん、韓国政府系の機関投資家(政府系金融機関、社会保障基金など)や「愛国的な韓国人」などがこれらの資産を買う、といった展開も考えられなくはないのですが、逆に言えば、自称元徴用工側が差し押さえている資産が売れるとしたら、それくらいしか可能性は考えられない、ということです。
目的は自称元徴用工利権の確立にある
さらに不可解な話は、『【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」』などでも取り上げた、金銭債権差押という動きです。
原告側は、今年8月、いったんは三菱重工の金銭債権(同社が韓国企業に対して保有する売掛金)を差し押さえた、と発表したのですが、9月に入り、慌ててそそくさと差押を「取り下げ」てしまったのです。
いちおう、表向きの理由は、金銭債権の債権者が三菱重工ではなかった(正確には、債権者は三菱重工の連結子会社だった)というものですが、個人的には、差押を取り下げた本当の理由は、別のところにあったのだと思います。
それは、自称元徴用工側は本気で強制執行をするつもりはない、という点です。
おそらく、自称元徴用工側の本当の目的は、「徴用工利権」を確立させることにあるのでしょう。
自称元慰安婦問題では、自称元慰安婦があたかも社会の最高尊厳であるかの地位を確立していて、日本政府からは何度も何度も謝罪を引き出しましたし、また、基金、財団などのかたちで、何度も何度も賠償金を支払わせています。
そして、日本がいくら謝罪しても、「真の謝罪ではない」と難癖を付け、半永久的に謝罪を引き出そうとしているのです。おそらく自称元徴用工側も、こうした自称元慰安婦のビジネスモデルを参考にしているのでしょう。
だからこそ、わざと換金できない資産をこれ見よがしに差し押さえて見せ、「一刻も早く交渉に応じ、強制徴用工に謝罪せよ」、などとわめき続けているのだ、と考えると、スッキリと筋が通ります。
瀬戸際外交に対しては無視も有効な戦略のひとつだといわれますが、日本企業が自称元徴用工側の要求を無視し、日本政府と連携してこれを外交問題化しているのは、日本もかつての自称元慰安婦問題の轍を踏まないようにしているという証拠でしょう。
市民団体が怪気炎
こうしたなか、昨日は三菱重工の判決から3年目だったということもあってか、韓国メディアを眺めていると、自称元徴用工やその支援団体が、再び怪気炎を上げているようです。
韓国釜山市民団体「強制徴用賠償判決から3年…日本は謝罪して賠償を」
―――2021.11.30 10:27付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)の記事によると、韓国の市民団体が29日午前11時、釜山東区の「強制徴用労働者像」の前で記者会見を開き、「戦犯企業の三菱と戦犯国家の日本は強制動員の謝罪と賠償に背を向けている」などと述べたのだそうです。
(※余談ですが、「戦犯企業」、「戦犯国家」という用語自体、日本企業、日本国を不当に侮辱しているものであり、このような表現を使ったこと自体に対しても、いずれ、何らかのペナルティを科すことは必要でしょう。)
ただ、市民団体側は「明確な戦争犯罪にもかかわらず、三菱が賠償判決を履行しないのは、日本政府にも重大な責任がある」などと述べたのだそうですが、これに対しては「不満ならさっさと強制執行をすれば良いのでは?」と申し上げたいと思う次第です。
似たような違和感は、次の記事にも抱きます。
日帝強制動員被害者「謝罪の一言を聞くのがこれほど難しいのか」
―――2021.11.30 11:02付 中央日報日本語版より
同じく中央日報によると、先ほどの記事とは別の市民団体が29日、記者会見を開き、「2018年11月29日の大法院判決から3年が過ぎたが、三菱重工業は謝罪どころか問題解決のための対話要請も拒否している」と主張したのだそうです。
また、自称元徴用工のひとりは、「謝罪の一言を聞くのががこれほど難しいこととは思っていなかった」と話したのだとか。
判決が出たのだから、もう四の五の言わず強制執行すべきでは?
そもそもどうして確定判決が出ているのに「謝罪」する必要があるのでしょうか。
相手が謝罪も賠償もしないからこそ、裁判に訴えるわけであり、裁判で勝った以上は、相手が謝罪をしようがしまいが、相手に意思と無関係に、相手から金銭を無理やりむしり取るのが強制執行です。
判決自体が国際法違反であるという点はさておき、すでに韓国国内では確定判決を得ているわけですから、つべこべ言わず、商標権でも特許権でも売り払って(※どうやって売り払うのかは存じませんが)、それで現金化して賠償金に充てれば良いだけの話ではないでしょうか。
いずれにせよ、自称元徴用工側は裁判という方法により、日本企業に対して賠償を求め、その裁判で勝ったわけですから、もう四の五の言わずに強制執行するのが正解でしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
ハンギョレの記事の方が、感情的で良いのでは。
「日本は94歳の私が死ぬのばかりを待っているのか」強制徴用被害者の怒号
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d2ca430d6dae32dacbb73b35a47a03b44c4c124
日本は、韓国人の個人請求権が、日本政府、日本企業に無い事を知っています。
日本は、一言の謝罪が、朝鮮人全体への賠償に繋がることを知っています。
そして日本は、婆さんが死んでも解決しない事を知っています。
>「これまで韓国政府は被害者の話を聞くには聞いたが、日本とどのような交渉をしたかについては知らせていない。いつまで被害者個人が前面に出て闘い続けなければならないのか、もどかしく失望する状況」だと述べた。
韓国政府の怠慢を恨みなさい。
https://www.youtube.com/watch?v=ZU1N5thO_So&t=416s
世界卓球の話題で恐縮ですが、ぜひこの動画を見てもらいたい。
国歌吹奏時は普通は表彰台の選手は礼儀として帽子を取ります。
男女シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスの選手は皆そうしました。
男子ダブルスの韓国選手だけ帽子をかぶったままでした。
基本的な礼儀を知らないのでしょうか?
前方の選手たちを見て気が付かないのでしょうか?
スレ違いですが、あまりの異質さからついうっかりとここに投稿してしまいましたw
>確定判決が出ているのに「謝罪」を求める自称元徴用工
ふと思いましたが、彼らは「判決が出ているから謝罪せよ」と言ってますね。
ちょっとここまで。
日本としては、1965年の日韓基本条約で終わっている話だし、韓国としても、2005年の盧武鉉政権時代に72631人の元徴用工に対して6200億ウォンの慰労金を支給しているので、韓国の国内問題としても終わっているはずの話です。
すくなくとも、盧武鉉政権の頃までは日韓基本条約で日本から受け取った無償3億ドルの資金の中に賠償金が含まれていると認識していたのは間違いありません。
盧武鉉政権が、請求権協定の効力範囲に関する公式見解と、それに基づく政府の対策を議論するために立ち上げた官民共同委員会に、盧武鉉大統領(当時)の側近だった文大統領も委員として参加していたのですから、この事実を知らないはずがないのです。
もし岸田首相が文大統領と首脳会談をする機会があるのなら、「あなたが委員を務めていた官民共同委員会の報道資料にはどのように書かれていましたか?」と聞いてやればいい。
賠償金のおかわりを要求してくる乞食なんて一切相手にする必要はない。
自称元慰安婦、自称元徴用工の問題?があったおかげで
半島の人々の本質が日本中に知れ渡りました。
泣く子は餅を一つ多く貰えるってことわざのある半島。
餅一つで満足してれば良かったのにw
自称被害者が声を張り上げマスコミが嬉々として取り上げる恒例行事。
日本人としてはここまで謝罪に拘る韓国人が相当異常に見えますね。
(李在明候補もとりあえず謝罪すれば後はいくらでも方法は見つかると唆していた)
謝罪した者は咎人として一段下に置かれ、被害者の言い値で賠償を行い以後一切逆らわないとでもいう様な韓国独自のプロトコルが合って、そに無理やり当てはめようと躍起になってる様に見えます。
解決済みの問題を、今更、解決する必要なんかないよね♪
というのは置いといて、感情的な書き込みをひとつするのです♪
>「今でもその時の後遺症に苦しんで夜も眠れない」
大変ですね〜 関係のない人に謝罪とか賠償求めるより、自国の医療・保険制度に治療を求めた方が解決に繋がると思うのです♪
う〜ん、読み返してみると、かなり人でなしなコメントですね♪
ただ、本当に後遺症があるの?って疑問があるし、本当だとしても無茶苦茶な要求を続けてるんだと思うと、あまり同情する気が起こらないのです♪
七味様
自称徴用工の原告の中の、あるお爺さんの経歴を、ちょっと何かの記事でみたことがあるんですが。
ごく若い頃、日本の企業で働いた後は、なんか刑務所に入ったり出たりを繰り返していたような人生でした。ひょっとしたら、日本の企業で働いていたのが唯一まともに働いていたという期間じゃないだろうか?と。そう感じました。
そして、歳をとって悪いことする体力もなくなった時に飛びついたのが、このような裁判沙汰、だったのかもしれないな、とも、思いました。
ちょっと雑感、でした。
ここまで 政府も裁判所もお膳立てしたのに
現金化で日帝企業に痛恨の一撃を与えられないとは
あろうことか軟弱にも謝罪を要求…
安重根先生に並ぶ英雄になれる絶好の機会なのに
なんたる無能でしょう・・・
日本側による自主的な謝罪と賠償でなければ(同意に基づかない一方的な現金化では)、国際法違反(不法国家)の謗りを免れなくなるのですものね。
日本で労働者として小金を稼いだ。というのがバレたら
親日罪として、親族を含めて全財産没収だから
元出稼ぎ労働者のじいさんが「強制徴用」「奴隷的迫害」と嘘をつくのは当たり前
ヨーロッパでもナチス相手に働いたり商売した人が
「強制徴用で仕方なく働いただけだし、まともな給料もらってない」「無料同然で品物を取り上げられた自分たちも被害者」「ユダヤ人の命を守るために強制収容所を運営しただけで他意はない」
といった嘘をつく例が多数あったはず
そして、韓国では、強制徴用の嘘をついたからには、日本を訴えないと示しがつかないというわけだ
それにしても賠償はともかく謝罪なんかを求めてどうするんだろうって思うのです♪
人の心の内なんか強制できるものじゃないし、無理矢理謝罪を引き出してもモヤモヤが残るだけだし、いっとき本気でごめんなさいって言っても何時か気持ちが変わるかもしれないし・・・・
どうせ売却するする詐欺だから、そんなことどうでも良いんだろうけど、相手の心を動かしたいって思ってるなら口汚く罵っても無駄だってわかんないのかな?
もしかしたら、判決の出てる日本企業は韓国国内にロクな資産を置いてないのかも知れません。
被告もそれがわかってるので、金にならない差し押さえ資産を売らないで、日本企業に謝って交渉して、我々に金を支払えと言ってるのではないか。
謝って交渉したら、日本から賠償金を持って来させる事が出来ます。
しかし、ただ差し押さえ資産を売却しても、金にはならないので差し押さえ資産を人質にして 身代金を寄越せと叫んでるのでは。
そして、この様な行動をとるもう一つの理由が過去の成功体験で 日本は困ってないのにこれで黙るのならと韓国と交渉し譲ってきました。
その様なタカリ手法が日本側にバレてても、この手法しか使えないのが韓国の現状なのでしょう。