意外と悪くない、林芳正氏の外相への抜擢「岸田人事」

記者会見から読み解く、林芳正外相の「人柄と能力」

10日に発足した第二次岸田内閣では、自民党幹事長就任に伴い閣外に去った茂木敏充・前外相に代わり、今回の衆院選で参議院からの「鞍替え」当選に成功した林芳正氏が外相に就任しました。財務省との距離感、岸田首相ご本人の適性など、不安材料が多い岸田内閣ですが、林氏の外相抜擢については、意外と悪くない人事かもしれません。少なくとも林氏の記者会見からは、林氏が日本の外交の課題をよく把握していることがうかがえるからです。

第二次岸田内閣と林外相

岸田首相が辞任(ただしすぐ再任)

当ウェブサイトで取り上げるのが少し遅れましたが、岸田文雄内閣は10日、総辞職しました。先月4日に発足し、わずか1ヵ月少々の政権だった、というわけです。

といっても、岸田内閣発足時点で衆議院の任期満了が迫っていたため、「第一次岸田内閣」が短命に終わることは、最初からわかっていた話です。

実際、第100代首相を辞任したばかりの岸田氏は、10日の特別国会で再び首相に指名され、第101代首相に就任しています。実質的には第一次内閣と第二次内閣は、閣僚もほとんどが横滑りであり、連続していると考えて差し支えないでしょう。

林芳正外相の就任をどう見るか

ただ、その唯一の例外が、自民党幹事長就任のために辞任した茂木敏充・前外相に代わって外相に就任した林芳正氏です。

【参考】林芳正氏(農水相時代)

(【出所】農林水産省HP)

林氏といえば、一部メディアを中心に、「親中的な政治家だ」、「岸田派のナンバー2だ」、「外相に適任ではない」、「安倍・麻生両総理が林氏の外相就任に強く反対していた」などと書きたてられている人物ですが、個人的には、この人物は実務家としては大変有能な政治家ではないかと考えています。

そもそも林氏は、この衆院選で参議院から「鞍替え」し、二階派の事実上のナンバー2で日韓議連幹事長だった河村建夫・前衆院議員に事実上の「引導」を渡して勝ち上がった人物です。

政治的スタンスとして親中かどうかという点もさることながら、自身の鞍替え選挙にあたり、地元の総意を取りまとめた手腕、あるいは防衛大臣や文科大臣などの要職をそつなく務めた経歴などを踏まえると、この困難な時期の外相をしっかり務め上げるという点については信頼して良いと考えています。

もうひとつ、個人的感想ついでに申し上げるならば、岸田文雄首相は財務省の言いなりになり過ぎていること、外務省からも御しやすいと見られているフシがあることなどを踏まえると、どうも岸田政権自体が短命に終わる可能性もなきにしもあらず、と思います。

しかし、林氏が外相として、あるいは岸田首相の右腕として、頼りなくて脇の甘い岸田首相をしっかりと支えることができるかどうかには、注目する価値があると考えています。林氏のサポート次第では、2024年の自民党総裁選まで、岸田内閣がもつかもしれないからです(※失礼!)。

林外相の記者会見

さて、余談はこのくらいにして、議論を続けましょう。

その林氏の人となりがよくわかるのが、昨日の記者会見だったのではないかと思います。

林外務大臣会見記録(令和3年11月11日(木曜日)10時27分 於:本省会見室)

―――2021/11/11付 外務省HPより

林外相の就任後初の記者会見ということもあり、文字起こしすれば1万文字近くに達する長文ですが、全文をそのまま紹介したいくらい、大変興味深いものです。

記者会見録を読むと、菅義偉総理大臣、あるいは茂木前外相のもとで取りまとめられた、『令和3年版外交青書』(※PDF、大容量注意)の要旨を、大変によく理解されていると考えて良いでしょう。

このあたり、当ウェブサイトでは『外交青書:基本的価値の共有相手は韓国ではなく台湾だ』などでも取り上げたとおり、日本の外交は菅義偉総理のイニシアティブ下で、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)に舵を切ったという大前提を踏まえておく必要があります。

つまり、中国、ロシア、韓国といった近隣国よりも、「自由、民主主義、法の支配、人権尊重」などの普遍的価値を重んじる諸国を、外交上も重視しましょう、という考え方です(裏を返せば、中露韓のことを、日本は「価値を共有する国」とは見ていない、という意味です)。

冒頭発言で林外相の能力を推し量る

この点、林氏の冒頭発言について、当ウェブサイトなりに要約してみると、こんなことをおっしゃっています(なお、便宜上、1~6の番号を振っておきます)。

  1. 現在、これまで国際社会の平和と繁栄を支えてきた普遍的な価値や国際秩序に対する挑戦が厳しさを増しており、経済的要因が安全保障を大きく左右するようになってきている
  2. 先輩方の努力によって獲得されてきた日本への信頼を基礎に、①普遍的価値を守り抜く覚悟、②日本の平和と安定を守り抜く覚悟、③人類に貢献し、国際社会を主導する覚悟、という3つの「覚悟」をもって、外交を展開していきたい
  3. まずは日本の外交・安保の基軸である日米同盟をさらに深化させ、その抑止力・対処力を強化することが重要である
  4. 次に「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた取組を引き続き力強く推進したい。「法の支配」を始めとする基本的価値や原則、これらに基づく自由で開かれた秩序の構築に向けて、米国、豪州、インド、ASEAN、欧州などとの連携を一層強化し、国際社会を主導していきたい
  5. 近隣諸国等との関係については、難しい問題に正面から毅然と対応しつつ、安定的な関係を築くべく取り組むとともに、北朝鮮の拉致・核・ミサイルなどの諸懸案にもしっかりと対応していきたい
  6. さらには新しい時代に対応したルール作りや国際秩序の構築に向け、経済外交に加えて、気候変動、コロナ、軍縮不拡散といった地球規模課題への対応に主導力を発揮し、国際社会での日本の存在感を高めていきたい

…。

このあたり、外交青書の内容を読み込んでおくと、じつに興味深いと思わざるを得ません。

文章の(1)については、明らかに「国際法秩序に挑戦している国」に対する牽制でしょう。名指ししていませんが、国際法を平気で破る国――、おそらくは中国などの近隣国のことです。

一方で(2)の「諸外国の日本に対する信頼に基づく3つの覚悟」についても、非常に妥当な考え方です。国際秩序への貢献は、多くのアジア諸国から期待されている役割だからです(「日本はアジアから嫌われている」などと述べる一部のメディアや一部の国に対する強烈な皮肉に聞こえるのは気のせいでしょうか)。

さらに、(3)~(5)は、日本の外交にとっての優先順位がそのまま表れています。

具体的には、最も重要な相手国が米国であり、次に豪州・インドなど、FOIPに強くコミットしている国、さらにはASEANや欧州(それに、おそらくは英国、カナダ、ニュージーランド、もしかすると台湾なども含めた国々)との連携に言及されています。

そのうえで、「近隣諸国」についてはこれらの諸国よりも外交上の優先順位が落ちますが、おそらくは中国、ロシア、韓国という諸国に対しては、「国際法をしっかり守れ」と毅然とした態度を取りつつも、関係が破綻しないようにマネージする、ということなのだと思います。

そのうえで、(2)にも含まれる「先輩方」、あるいは(6)の文章は、まさに安倍晋三、菅義偉の両総理大臣の「置き土産」の大きさを示すものであるように思えてなりません。

いずれにせよ、この林氏の発言を読んでいただければ、まず日本外交があまりにもおかしなことにはならないだろう、という点においては、暫定的に安心しても良いと思う次第です。

記者の質問の数々

日中関係に関してはしっかり対中牽制

さて、林氏の冒頭発言に対し、各論の質問が相次ぎました。

まずは朝日新聞の相原記者が、林氏自身が超党派の議連である日中議連の会長を務めている点などを挙げたうえで、「中国について、今後どう日本外交として向き合っていく必要があるか」との考えを尋ねたところ、林氏は次のような趣旨のことを答えました。

  • 日中関係は、日中双方にとってのみならず、地域及び国際社会の平和と繁栄にとって、ますます重要である
  • 主張すべきは毅然として主張し、責任ある行動を求めると同時に、対話を続けて、共通の諸課題について協力をしていくとが必要だと思っている
  • なお、外務大臣としての職務遂行にあたって無用の誤解を避けるために、日中友好議連の会長については辞めるという判断をした

このあたり、本人が親中派なのかどうかという点もさることながら、日中議連の会長を務めていること自体が誤解を生じさせるという点に配慮したものと思われます。

習近平来日は「未定」、日論関係は無難、日米関係はさらに深化へ

また、日中関係では香港フェニックステレビの李記者が日中関係について目指す方向性、あるいは習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席の訪日推進について尋ねたところ、林氏はこんな趣旨のことを述べています。

  • 中国は国際社会のルールにのっとって責任を果たして、国際社会の期待に応えていくということが重要である
  • 日本としては、中国に対して主張すべきは毅然として主張して、責任ある行動を求め、同時に対話を続けて共通の諸課題についてしっかり協力をしていく
  • なお、新型コロナなどの状況を見極める必要もあるため、習近平氏の訪日については具体的な日程調整をする段階にない

こうした日中関係に関する質問のほかに、近隣国という意味で、もうひとつ興味深いのが、ロシアとの関係です。これについては北海道新聞の古田記者が尋ねましたが、林氏はこんな内容を述べています。

  • わが国として日露関係を重視していく姿勢は変わらない
  • 平和条約締結問題を含む政治や経済、文化等幅広い分野で日露関係全体を国益に資するように発展させていくというのが私の考え方だ
  • ロシアとの平和条約は次の世代に先送りをせず、領土問題を解決して、平和条約を締結するとの方針であり、2018年のシンガポールでの合意なども踏まえしっかりと取り組んでいきたい

ある意味では無難な答えでしょう。

また、日米関係については読売新聞の阿部記者が、いわゆる「日米2+2」について尋ねたところ、林氏はこんなことを述べています。

次回の『2+2』の具体的な日程は現時点では決まっていないが、今年3月の「2+2」で確認したとおり、日米同盟の抑止力・対処力の強化、防衛協力の深化については引き続き日米の外務防衛当局間で精力的に協議を行い、成果を確認していきたい」。

大変に心強い回答といえるでしょう。

林氏「日韓関係は」

一方で、中国以外の近隣国についても記者から質問がありました。韓国YTNの李記者がこんな趣旨のことを質問しました。

日本政府は慰安婦など懸案に関し、『このまま問題を放置してはいけない』といいながらも、解決策は韓国が出すべきだという姿勢を貫いてきた。日本政府は、今まで何の努力をしてきて、今からどんなふうに取り組むおつもりなのか。そして、日本政府が求めている『受入れ可能な解決策』の具体的な条件はなにか」。

この質問をなさった人物が国際法についてどれだけの知識と常識をお持ちなのかはわかりませんが、わざわざ大臣記者会見の場で尋ねる話ではないような気がします。「このまま問題を放置してはいけない」が「解決策は韓国が出すべきだ」というのは、ある意味で当たり前すぎる話だからです。

それに、「日本政府がどういう努力をするのか」という質問も無礼です。なぜなら、日韓関係をメチャクチャにしたのは韓国の側だからであり、韓国が努力しなければならないのは当たり前だからです。

ただ、これに対する林氏の反応も、ある意味では大変に安定したものでした。

  • 北朝鮮への対応も含め、地域の安定にとって、日韓・日米韓の連携は不可欠である
  • そのうえで、日韓関係は旧朝鮮半島出身労働者問題、いわゆる慰安婦問題によって、非常に厳しい状況にあるが、このまま放置することはできない
  • 国と国との約束を守るということは、やはり国家間の関係の基本である。日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づいて、韓国側に適切な対応を強く求めていきたい
  • 旧朝鮮半島出身労働者問題についても、韓国側が日本側にとって受入れ可能な解決策を早期に示すように強く求めていきたい。慰安婦訴訟判決については韓国が、国家として適切な措置を講ずることを強く求めていきたい

つまり、質問者の「日本政府はどういう努力をしているのか」に対する回答が、「韓国が国家として適切な措置を講じろ」、です。これまでの日本政府の立場を踏まえたものであるとともに、外相としての立場で言える内容から逸脱したものでもありません。

ほぼパーフェクトでしょう。

韓国は重要な隣国だが、韓国が適切な対応を!

続いて、聯合ニュースの李記者が、2019年12月の安倍総理・文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の首脳会談以降、両国の首脳会談が途絶えている点に言及したうえで、日韓の意思疎通についての進め方を尋ねたのですが、林氏はこれにこんな趣旨のことを答えました。

  • 韓国は重要な隣国であり、非常に厳しい状況にある日韓関係をこのまま放置するわけにいかないというのが私の考え方だ
  • 同時に、国と国との約束を守るということは、やはり、国家間の関係の基本であり、日韓間の難しい問題について、韓国側には適切な対応を取ってもらう必要がある
  • 日韓関係を健全な関係に戻して、そして、その上で幅広い分野で協力すべく、外交当局間の協議や意思疎通を加速していきたい

要するに、韓国が日韓諸懸案を解決しない限りは、前に進まないよ、という話であり、これも新味はほとんどありません。

さらに、世界日報の金記者は、韓国政府が「CPTPP参加を検討している」ことや、茂木前外相が姜昌一(きょう・しょういち)駐日大使と会ったことすらないことなどについて尋ねたのですが、これに対して林氏はこんな趣旨のことを答えました。

  • CPTPPへの中国、台湾、英国等の加入申請については承知をしているが、韓国についてはまだ承知しておらず、情報等を把握していきたい
  • 私も就任早々であり、今のところ(姜昌一)大使と(の面会)の予定はない

まさに、好きの反対は無関心、と言ったところでしょう。

いずれにせよ、日本は中国、ロシア、韓国などの国々とは、関係の改善などをはかるというポーズを見せつつも、それ以上の速度で豪州、インド、ASEAN、欧州などとの関係を深化させることが有益でしょう。

その意味では、林氏がほぼ日本の外交課題について理解し、方針をしっかり持っているように見受けられる点については、とりあえず安心して良いと思う次第です。

岸田政権の今後

林氏の丁寧かつ毅然としたな口調

なお、本稿ではわかりやすさのため、林氏の発言内容を、あえて言い切り調に加工して引用しましたが、実際の話し方は、こんな具合です。

2013年に、日本で初めてになりますが、国家安全保障戦略を策定しております。<中略>こうした中で民主主義といった、普遍的な価値、そして日本の平和と安定、これを守り抜いて、国際社会をリードしていくということが大事であると思っております。そういった意味で『自由で開かれたインド太平洋』、これを強力に推進していくとともに、海上保安能力や、更なる効果的措置を含むミサイル防衛能力などの防衛力の強化、また経済安全保障など、新しい時代の課題に、果敢に取り組んでいく必要があると思っております。

これは、日経の三木記者が国家安全保障戦略について尋ねた質問に対し、林氏が答えた内容を、一部要約しつつもできるだけ原文の雰囲気を壊さないように引用してみたものです。

茂木前外相の、ややつっけんどんで素っ気ない対応と比べれば、林氏の物腰の柔らかさが滲み出ているように思えてなりません。

ただ、林氏の発言をひととおり読んでみて、明らかに原理原則を逸脱しているのではないかと懸念すべき箇所は、いまのところはありませんでしたし、従来の日本政府の立場、あるいは国益を踏まえた発言には、ある種の安心感もあると思う次第です。

珍しく評価できる岸田人事

もちろん、脇の甘い岸田首相を筆頭に、現在の政権に対して個人的にはさまざまな不安もあるのですが、それと同時に、林氏の外相抜擢は、珍しく悪い人事ではないのかもしれないと思います。

また、日本はそもそも、良い意味でも悪い意味でも、首相の独裁が難しい国でもあります。

正直、例の給付金のグダグダ(『効果に疑問:子供1人10万円相当現金・クーポン支給』等参照)には心底呆れましたが、それでも自民党は高市早苗政調会長や茂木幹事長らが党としての方向性を決めていく原動力となりますし、政府も首相や官邸よりも、閣僚に強い権限があります。

その意味では、岸田首相が「持ちこたえる」という前提条件はつきますが、とりあえずは2024年の自民党総裁選まで、この政権の動きには注目してみたいと思う次第です。

林氏の仕事次第では、2024年(あるいはそれ以前)の自民党総裁選に、高市政調会長、再々登板を目指す安倍総理だけでなく、林氏も出馬する機会が得られるかもしれませんね。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 愚塵 より:

    「日論関係」は「日露関係」の誤記?

  2. 理系初老 より:

    お世話になっております。おはようございます。
    昨日の林さんの「日中議連会長辞任」は、先のオールドメディアの予想(扇動?)を覆す選挙結果ほどではないにしても個人的には椿事でしたので、やや調子にのってコメントさせていただきます。
    家族の都合でとっている地方紙(共同系)と私がデジタル版を購読している産経新聞の比較です。
    ・産経で掲載されているニュース:
    (1)「台湾有事念頭、同盟強化、首相米司令官(インド太平洋米司令官3度目来日)と会談」
    (2)「林外相親中派払拭急ぐ」
    ・共同系で掲載されているニュース:
    (1)「中国、TPP加盟へ努力」
    (2)「立民新代表、泉氏トップ」
    あくまで個人的な感想ですが、前外務大臣より現外務大臣の方が、フェイ〇も英語力もコミュニケーション力もベターだと思います。そして、現首相より賢いと思います。

    1. はにわファクトリー より:

      茂木さんも林さんも次期でないにしろ首相の可能性があるそうですから、目の離せない展開になるのかも知れませんね。

  3. より:

    林さんは今回少々強引に衆議院への鞍替えを行いました。これで外相を堅実に勤め上げれば、名実ともに「将来の首相候補」となれるでしょう。次は、世耕さんがいつ鞍替えするかですね。そのためにも、そろそろ二階氏には引退してもらうのが良いかもしれません。
    林、世耕両氏とも、岸田政権がよほどの長期政権にでもならない限り、「次」には間に合わないでしょうが、「次の次」くらいは狙えるかもしれません。

    1. はるちゃん より:

      林さんの場合、韓国の次期大統領が保守派になった時の対応で評価が決まるのではないでしょうか。
      多分アメリカから日本に譲歩の要求があると思いますが、「日本(国民)が受け入れ可能な案」を持って来いと言えるかどうか注目したいと思います。

  4. 元ジェネラリスト より:

    林氏は県連が安倍氏の次のプリンスに、と早々に指名していたそうで、今度の河村氏引退も外堀が完全に埋まってしまったからのようです。

    あくまで印象の話ですが、林氏のプライムニュースの出演の回を見ましたが、語り口も論理も丁寧で言及すべき点を漏らさない、言うべきことは言う、優秀な人の雰囲気です。議論を大事にする人でもあるのでしょう。小野寺氏と近いものを感じます。(別に小野寺氏推しでも宏池会推しでもありませんが)
    誰とは言いませんが、自分の能力の高さを見せつけて相手を従わせるやり方は、不要な敵を増やすんですが、その要素はなさそうです。

    まあいずれにせよ、日中議員連盟の会長だからとか、そういうフックの効かない属性情報だけで評価するのではなく、今後の発言と行動を見ていきたいですね。

    1. ムッシュ林 より:

      この会見での林大臣の受け答えはパーフェクトで前評判通り実務能力は極めて高いですね。
      日中議連の会長も早々に辞任したことも評価してます。危機管理というか政治家としてのバランス感覚といいますか、将来総理になることを意識して早めに手を打つ行動力は素晴らしいです。上司のように財務省べったりにならなければ、総理候補としての評価がどんどん高まってくと思います。
      私も前任者と違い敵を作らないソフトな受け答えも好印象でした。
      ちなみに、韓国関係の質問をしたのは韓国の記者でしたが、韓国人らしい勝手な勘違いによる大臣への期待がこもってましたね。

  5. YT より:

     外相と言えども内閣の一員であり、その内閣は日米安保から逸脱した行動が取れないにも関わらず、SNSで一斉に林新外相に対する批判があがりましたね。まるで外相が首相よりも決定権があるかのような批判です。もっとも、林氏と岸田氏の二人の関係を過去から知っている人から見ると意外と間違ってなかったりします。
     それはさておき、林氏が衆議院議員になったことで、マスコミのアンケートで次の総理大臣の選択肢に加わると思います。わたしはこの数字に注目します。自民党支持者からはそれほど人気があると思えませんが、野党支持者や今までの石破氏支持者が一斉に林氏に乗り換えそうな気がします。

  6. nanashi より:

    一部の保守系の人達が林芳正外務大臣を信用していないのは、父の林義郎元大蔵大臣が衆議院議員だった頃、同じ選挙区(旧・山口1区)だった安倍晋太郎元外務大臣→安倍晋三元総理の存在が大きいのかもしれません。
    一部の保守系の人達は、日本の自立を願うタカ派が多く、憲法改正を掲げている安倍元総理を支持する傾向が強く出ています。
    それ故にハト派と称され、林芳正外相が所属する宏池会の議員を信用していない傾向があります。
    父親の林元蔵相は、佐藤派(周山会)→田中派(木曜クラブ)→宮沢派(宏池会)と所謂、自由民主党の保守本流派に属していました。
    一方、安倍親子は一貫して清和政策研究会(通称・安倍派)に所属しており、何れも派の会長に就いています。
    (但し、安倍元総理は、総理就任時には派から離脱をしていました。)
    外交に於いて弱腰な宏池会、強硬な清和会という印象があると思われ、特に安倍元総理支持の保守系識者は、安倍政権で外務大臣で宏池会の会長である岸田文雄総理が韓国に対して妥協を繰り返していたことから、その反発があるのかもしれません。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      でも、慰安婦合意は安倍政権のレガシィだよね
      清和会は保守派のイメージの割には、対韓融和していたのだけどね

      1. nanashi より:

        バシラス・アンシラシスは土壌常在菌様

        おじいさまの岸信介氏が総理大臣の時に韓国と国交樹立したのですから、仕方のない部分もあります。
        勿論、これにはアメリカが関与していたとされています。
        そう言えば慰安婦合意もアメリカが関与していましたよね。

    2. 美術好きのおばさん より:

      nanashiさま
      そこら辺のことは、屋山太郎氏が「国際社会の対中路線に逆行かー日本の孤立を招きかねない林芳正氏の外相就任」(「日本戦略研究フォーラム」11月10日)に書かれていますね。屋山氏は、岸田総理と林外相の中国に対する脇の甘さを懸念しているようです。
      http://www.jfss.gr.jp/article/1620

      1. nanashi より:

        美術好きのおばさん様

        その記事はアゴラの転載記事で確認しました。
        屋山太郎氏をはじめとした反中系保守派の考えは「欧米と協調して中国と対峙せよ」というスタンスです。

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