「招待状なら北朝鮮訪問」、ローマ教皇庁から発表なし
本日から11月ということもありますが、来年5月に任期を終える文在寅(ぶん・ざいいん)大統領にとっては、残り半年の任期で北朝鮮との関係改善に必死になって来たようです。こうしたなか、『文在寅氏が取り出す2枚の切り札は本当に切り札なのか』でも触れた、「ローマ教皇の北朝鮮訪問」という話題に続きがありました。どうも韓国政府の発表と異なり、ローマ教皇庁側は「そんなことを述べていない」ようなのです。
目次
任期がある人は、大変ですね!
少し申し遅れましたが、早いもので、今日から11月です。
コロナ禍を巡ってはまだまだ予断を許さない展開が続いていますが、その一方でワクチン接種率が一般国民の7割を超えるなか、全国的に新規陽性者数の大幅な沈静化、重症者数の減少など、非常に良い兆候も見られることには期待したいところです。
ウェブ主自身、ビジネスは「可もなく不可もなく」といった状況が続いている次第ですが、コロナ禍で行動が大きく制限されていたことに思いを致すならば、比較的よく頑張った方だとは考えている次第です。
ただ、その一方で、「任期がある」方にとっては、いよいよ大変な状況になってきたのかもしれません。
誰のことを申し上げているのかといえば、韓国大統領としての任期切れまでの期間がちょうどあと半年、つまり来年5月に迫っている、文在寅(ぶん・ざいいん)氏のことです。青瓦台を去ったあとで監獄に行かれるのか、地上の楽園に行かれるのかはわかりません。
そして、この4年半の文在寅政権では、外交でもないせいでもさしたる成果もなく、それどころかさまざまな「マイナスの成果」という、ある意味では「偉業」の数々を達成してきた格好です。
たとえば韓国は、外交面においては、日本との関係が破綻寸前という状況に追い込まれていますし、米国との関係においても、同盟は弱体化し、中国との関係では「三不の誓い」を差し入れるなど、属国化の度合いを深めているという状況にあります。
そんな文在寅氏にとっての唯一、そして最大の政策目標とは、おそらくは「大韓民国」を北朝鮮に差し出すことなのだと思いますが、肝心の北朝鮮については、国際社会からの制裁に加えてコロナ禍で経済力が大幅に落ちている状況にあります(『北朝鮮の奇妙な物価安定の理由は「紙幣不足」だった?』等参照)。
どう考えても、現状は文在寅氏が考えていると思われる状況からは遠ざかっているのです。
それ、2枚とも「カード」やない!
こうしたなかで、昨日の『文在寅氏が取り出す2枚の切り札は本当に切り札なのか』でも触れたのが、文在寅氏が取りいだしたる「2枚のカード」――1枚は「ローマ教皇の北朝鮮訪問」、もう1枚は「北朝鮮の北京五輪参加」――です。
このうち後者に関しては、北朝鮮自身、東京2020に正当な理由なく参加しなかったことなどをもって、国際五輪委(IOC)から同国の国内五輪委(NOC)が会員資格の停止、補助金の没収などの制裁を喰らっているため、かなり望み薄であるはずです。
ただ、昨日も紹介した、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に掲載された次の記事によれば、「中国が北朝鮮招致費用を丸抱えすることで北朝鮮の五輪参加が実現し、あわせて『終戦宣言』が実現する」などとする「見方」(あるいは「妄想」?)が掲載されています。
IOCの制裁受けた北朝鮮、北京五輪に招く中国のジェスチャーに応じるのか
―――2021.10.30 13:57付 中央日報日本語版より
こうした見方が韓国社会で一般的なのかどうかは知りません。
ただ、「ちょっとあまりにも予想外過ぎる記事に接すると、口に含んでいるコーヒーを思わず吹き出してしまうこともある」という都市伝説が本当だったということを、身をもって体験することができる、大変に面黒い実例がこの記事なのではないか、と思う次第です。
ローマ教皇がそう述べるのはある意味当然
その一方、前者に関しては、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に金曜日、こんな記事が掲載されていました。
ローマ教皇「招待状来れば喜んで行く」 文大統領の訪朝提案に
―――2021.10.29 20:45付 聯合ニュース日本語版より
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)によれば、文在寅氏は現地時間29日にバチカンでフランシスコ教皇と会談し、北朝鮮への訪問を「公式に提案」したところ、教皇は「招待状が来れば皆さんを助けるため、平和のために喜んで行く」と述べたのだそうです。
もしこの聯合ニュースの報道が事実だったとしても、ローマ教皇としては「招待状があればどこにでも行く」と答えるのは、とくだんに驚くべき話ではありません。
問題は、その「招待状」は「韓国(=文在寅氏)からのもの」ではなく、「北朝鮮からのもの」でなければならない、ということであり、現在の北朝鮮にローマ教皇向けの招待状を出す余裕があるのかといえば、そんな余裕は何もない、というのが答えでしょう。
その発表自体がウソだった可能性も!
その意味では、韓国の大統領府がこれを「成果」のようなものとして公表することの意味が理解できないのですが、じつは、話はそこに留まらなかったようです。
中央日報に本日、こんな記事が掲載されていました。
教皇の「訪朝約束」強調する韓国大統領府…教皇庁の報道資料には関連言及なく
―――2021.11.01 09:40付 中央日報日本語版より
中央日報によると、この金曜日の会談内容で「招待状があれば北朝鮮に行く」とするフランシスコ教皇の発言は、バチカン側の公式発表には含まれていなかったのだそうです。
つまり、「招待状があれば北朝鮮に行くよ」という、韓国大統領府の発表自体がウソだった可能性すら出て来た、ということです。
韓国側の報道発表だけをもとに議論してしまったという点に関しては、個人的には迂闊だったと思います。先月の『日韓首脳電話会談の韓国側の報道発表は「ウソだらけ」』を含め、これまでに何度も何度も当ウェブサイトで取り上げてきたとおり、韓国大統領府が発表する内容にはウソが混じっていることが多いからです。
しかも、韓国大統領府の「ウソ」はこれだけではないのかもしれません。
中央日報によると、文在寅氏がローマ教皇庁を訪れたのは現地時間29日で、翌・30日にはジョー・バイデン米大統領に対してフランシスコ教皇のメッセージを伝えたところ、バイデン大統領は「うれしい便り」などと歓迎した、と韓国大統領府が発表したのだそうです。
ただ、現実に文在寅氏はバイデン大統領と2~3分ほど遭遇したに過ぎず、「通訳などを考慮すれば行事場所で立ったまま短く挨拶の言葉などの話を交わした」だけと見るべきだそうです。
なんとも、「相変わらず」ですね。
ますます「首脳会談が実施できない相手国」になる韓国
この点、『鈴置論考、「日韓の」ではなく「韓国の」特殊性に言及』でも紹介した、韓国観察者の鈴置高史氏が7月16日付『デイリー新潮』の『文在寅が菅首相をストーカーするのはなぜか 「北京五輪説」「米国圧力説」……やはり「監獄回避説」が有力』で述べた次の内容は、本当に至言です。
「平気で約束を破り、堂々と他人を裏切る韓国と首脳会談を開こうとする国はまず出てこない。何を取りきめようが、すぐに反故にされるからです。日本と韓国がうまくいかない原因は『日韓関係の特殊性』ではなく『韓国の特殊性』にあるのです」。
本当にそのとおりでしょう。
ついでにいえば、相手が述べてもいない内容を勝手にどんどんと発表していくというのも困った国です。
こうしたなか、岸田文雄首相は昨日の衆院選でとりあえずは信任された格好であり、おそらく何事もなければ、これから3年後の2024年の自民党総裁選までは首相を務めると考えて良いでしょう(来年の参院選で大敗する、などの事情があれば、話は別かもしれませんが…)。
このように考えていくならば、もしも岸田首相が普通の政治的なセンスをお持ちなのであれば、少なくとも文在寅氏が退任するまでは、基本的に日韓首脳会談は実現しないと考えて良いでしょう(岸田首相がどこまで脇の甘さを見せるかは少し気がかりでもありますが…)。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
青瓦台の発信で嘘が無い物は、見た記憶が有りませんね。
昔は有ったんかな?
だんな様
韓国大統領府の発表で、G20出席のバイデン大統領と文大統領がたまたま遭遇して立ち話し
「バチカン訪問時に招きがあれば法王は北朝鮮を訪問することを快諾した♪」
とかバイデン氏に伝えたと誇らしければに広報してます。
そもそも韓国以外のキリスト教が主流の国家でローマ法王の北朝鮮訪問を望んでる国なんてありません。
カトリック教会もなけりゃ信者もいない北です。
アメリカや韓国ではなく「北朝鮮が招いたら」行くかもねって当たり前の社交辞令を聞いて、なんで喜べるのか、微妙に丸嘘でなくても思考回路が理解できないというのが韓国以外の国々の本音でしょうね。
バチカンだってもて余してると思います。
バチカンって歴史的最古の世界中のビッグデータ保有・活用している情報集団でもあり、韓国の文や共に民主党ごときが操れる相手では無いんですが…
あ〜もう
バチカンが韓国・北朝鮮・中華人民共和国にいう近代史の
「それ、事実とちゃうで?」
って言って世界のキリスト教徒に知らしめて欲しい!
願望で記事を書く韓国らしいですね。「私たちは徳が高いので、願望がかなうはずだ!」とでも考えているのでしょう。彼らの言う「徳が高い」の意味が分かりませんが。
例のごとく、韓国人元歯医者さんも、昨日記事を書いていました。
[[教皇庁の公式発表に「北朝鮮訪問」の内容は一切無し・・韓国大統領府の発表と全然違う]]
https://sincereleeblog.com/2021/10/31/zangeseyo/
北京五輪に北朝鮮が来ると、何か問題が解決するのでしょうか?首脳会談ができると、これまた「願望」しているのでしょうかね。
また南北統一チーム作るのかな?
素朴な疑問ですけど
①新型コロナの今、北朝鮮にバチカン側の人間を入国させる余裕があるのでしょうか。
②北朝鮮国内に、(聖書を読んだことがある)カトリック教徒がいるのでしょうか。(もしかしたら、中国と同じく、当局が認めていない地下教会があるのかもしれません)
③もし、北朝鮮にカトリック教徒がいるとして、彼らが金正恩委員長よりローマ法王を尊敬するかもしれまいことを、北朝鮮は許せるのでしょうか)
駄文にて失礼しました。
韓国に2枚以上あるのは、「カード」ではなく「舌」でしょう。
うまい!
青瓦台の嘘ついでに中央日報から
韓国「終戦宣言を真摯に協議した」というが…関連発言のない米国
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a16d1d8c208af5e26bb0ab4a8eaa75e32efada9
>終戦宣言をめぐる核心事案で韓米間の立場の違いが解消されていないという分析が出ている。
当たり前じゃん。
自分の国のことだけ心配してりゃいいんだよ。
なぜ、ローマ法王の北朝鮮訪問のことを韓国が議論しなきゃならないの?
「招待状が来れば行く」というのは外交では「お前と関係ないだろう」と言ってること。
言ってることが結果と全く違っているのは、日本のマスゴミの自民党総裁選の予想(特に石破・小泉人気)や今回の選挙の予想(彼ら曰く世論調査)と同じですね。しかも、全く恥とも感じていないご様子。やっぱり同類なんでしょうか?
電話による世論調査は、
無作為にかけた電話1,000,000回、ガチャ切り998,000人, 回答した人2,000人というように開示すべきだ。
南国世界では、発表した演奏会とか練習試合等に「〇〇来る」と
書いたら〇〇が来ないといけない義務があるそうです。
サッカーの「何とか国の〇〇氏」もそれで訴えられました。
ましてや、南国大統領がご発言したからには、絶対北国に行かないと
いけないのです。 でないと、教皇様が南国に訴えられます。
もし北国に行かないとなれば、後頭部を打たれたと騒ぐまでが様式美です。
ちょろんぼ 様
>でないと、教皇様が南国に訴えられます。
つまり、韓国の裁判所が、ローマ法王と(アメリカの)バイデン大統領に、「お土産をもって、北朝鮮を訪問しろ」という判決を出すということですか。
金日成こと金成柱を神と崇める朝鮮半島北側を拠点にする勢力に
ローマ法王が訪問?
韓国が100京€位献金したら、訪問することを検討するための
予備審査くらいはやってくれるんじゃないかなぁ