G7サミットを前に、中国の王毅外相が韓国を「脅迫」

FOIPを勝手に「アジア太平洋戦略」と呼ぶ朝鮮日報

本日から始まるG7に先駆けて、韓国ではちょっと気になる報道があったようです。韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)の報道によれば、中国の王毅(おう・き)外相は9日、鄭義溶(てい・ぎよう)韓国外交部長官との電話会談で、「(米国が主導する)偏った動きに流されてはならない」と警告したのだとか。これが事実なら、そして韓国が敢然と反論しなかったのだとすれば、もう完全に「属国扱い」です。

FOIPvs韓国

本稿は、ショートメモです。

今朝の『英G7の「注目点」は価値を共有しない国のあぶり出し』では、英国で11日に開幕する「コーンウォールG7サミット」での注目点が、日本が主導する「FOIP」などへの共感に加え、個別会談の内容にある、と申し上げたところです。

FOIPは “Free and Open Indo-Pacific” の略で、日本語で「自由で開かれたインド太平洋」のことですが、これに米国、カナダ、英国、フランスに加え、豪州、インドなどが共感するとみられる一方、ドイツやイタリアがどういう態度を示すかどうかは微妙だ、というのが当ウェブサイトの見解です。

こうしたなか、FOIP自体が中国という「基本的価値を共有しない国」を強く牽制したものであることが明らかであるためでしょうか、中国にとってはFOIPにコミットした国、あるいはそのそぶりを見せた国を敵視することが想定されます。

といっても、中国も面白い国で、相手が連合を組み、勝ち目がないと見るや、おそらくはその連合の「最も弱いところ」を狙うのだ、というのが、当ウェブサイトで普段から指摘している内容です。おそらくその「最も弱いところ」は、ドイツであり、イタリアであり、そして韓国なのでしょう。

朝鮮日報「中国外相が韓国を脅迫」

そして、まったくその予想どおりの展開が生じているようです。韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に掲載された、次の記事がその証拠です。

中国外相が韓国を脅迫「米国の動きに流されるな」

―――2021/06/11 10:01付 朝鮮日報日本語版より

これは、中国の王毅(おう・き)外相が9日、韓国の鄭義溶(てい・ぎよう)外交部長官と電話会談した際、「米国による中国牽制の構想である『アジア太平洋戦略』を激しく非難したうえで『(米国の)偏った動きに流されてはならない』と指摘した」、とする記事です。

どうして「自由で開かれたインド太平洋」を、勝手に「アジア太平洋戦略」に変えてしまうのでしょうか、朝鮮日報は。

この記事に含まれる「米国による中国牽制の構想であるアジア太平洋戦略」という記述を読むだけで、朝鮮日報のFOIPに対する姿勢がよくわかります。

もちろん、中国外交部がこのように発言したのかもしれませんが、朝鮮日報も報道機関を標榜するなら、それを正しい言葉に置き換えて報道すべきでしょう。それをわざわざ「アジア太平洋戦略」などと呼び替えたこと自体、朝鮮日報がFOIPを正確に伝えようとしていない証拠でしょう。

記事によれば、王毅氏と鄭義溶氏の会談が実現したのは、G7にオブザーバーとして招かれている文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が英国に向けて出国する直前のことであり、これについて朝鮮日報は次のように述べています。

中国が韓国に対し『米国がG7で進める反中議論の雰囲気に流されるな』と警告した形だ」。

しかも、朝鮮日報によると、韓国政府・外交部は王毅氏の発言を公表しなかったそうです。

通常、外交上のやり取りは双方が同じような内容を発表することが多いのですが、韓国や中国が絡むと、このように「どちらか一方のみが発表する」というパターンが非常に多い気がします。

もちろん、朝鮮日報が報じた王毅氏の発言は、中国側が自分たちに都合の良い内容を一方的に発表しているという可能性もあるのですが、これに韓国政府が反論しなければ、それは国際社会では事実と見られても文句は言えないでしょう。

連携に値する相手なのか

ちなみに朝鮮日報は、慶煕大学の朱宰佑(しゅ・さいゆう)教授の次のような発言を紹介しています。

王毅外相の発言は下の人間を叱りつけるときに使う訓戒調の表現だった。これでは主権国家の間でやりとりされた言葉とは考えられない。韓国に対して口では戦略的パートナーと言いながら、実際は属国のような扱いをしている。内政干渉を当たり前のように行った清の時代の袁世凱を思い起こさせる」。

また、「ある外交筋」は、次のようにも述べたのだとか。

反中メッセージが噴出するであろうG7首脳会議に韓国が出席するのは中国として気分が良くない。王毅・外相の発言は『英国に行ってもうまく立ち回れ』と指示する一種の引き締めだ」。

個人的には、韓国が中国から属国扱いされようが、それは中韓両国の力関係で生じるものであるため、私たち日本が口出しすべきことではないとは思います。

しかし、それよりももっと大切なことは、「日米韓3ヵ国連携」というものをまともに機能させるうえで、最低限必要な要件を、韓国という国家が満たしているのかを、私たちの側も冷徹に査定することではないかと思うのです。

読者コメント一覧

  1. 引きこもり中年 より:

     毎度、馬鹿馬鹿しいお話を。
     中国様が、(伝統と実績のある)朝鮮半島属国国家への命令で、「G7で対中包囲網が全会一致で決定しないように工作しろ」と言ったんだって。
     おあとよろしいようで。
     蛇足ですが、中国は韓国を生贄に、「中国に逆らうと、どうなるか」を世界に示したいんでしょう。

    1. 阿保 より:

      >中国は韓国を生贄に、「中国に逆らうと、どうなるか」を世界に示したいんでしょう。
      >個人的には、韓国が中国から属国扱いされようが、それは中韓両国の力関係で生じるものであるため、私たち日本が口出しすべきことではないとは思います。

      いわずと知れた、中国の韓国に対する命令は、日本に対しての強い警告も含んでいるのでしょう。
      日本の国力が低下している現在、日本も中国から属国扱いされるようになりかねません。媚中の2Fのような人が跋扈する限り、いずれ日本は、韓国と同様な立場に落ちていくでしょう。

  2. 匿名29号 より:

    中国はドイツとイタリアにも同じことを言っていると思います。でも、さすがに属国に対するのとは違って外交儀礼に則った言い方ではあるでしょうが。

  3. イーシャ より:

    王毅さんへ。
    鬱陶しいコウモリがウロチョロしないよう、五寸釘をさしておいてください。

  4. より:

    王毅中国外相が韓国を属国扱いしているというのは、全くその通りだと思いますが、韓国人は韓国が自ら求めてそのような立場になったのだということを、すっかり忘れているようです。
    あるいは、そもそも最初から理解できていなかったのかもしれません。さすがは「外交」という観念すら存在しない国です。文大統領も「観光旅行」から戻ったら、中国様からの呼び出し状が待ち構えているかもしれませんよ。良かったですね、一年に二度も「外遊」できて。

    1. 門外漢 より:

      龍 様
      帰る前に北京へ報告に来いッ、じゃないんでしょうか。

      1. より:

        あー、そうか。ヨーロッパからの帰途、おそらく北京付近の上空を通るはずなので、「ちょっと降りてこい!(怒)」くらいはあるかも。
        どう考えても中国様のお気に召さない共同宣言が出されるであろうG7に嬉々として参加し、宣言の共同発出者に名を連ね、「仕方なかったんですぅ」とかいう言い訳が通るはずはありませんわな。

        それでも韓国メディアは、帰国後に「大成功!」とか、「国格の上昇!」とかいう記事が躍るんでしょうね。

        1. 福岡在住者 より:

          出発(ずいぶん遅い)の記事も地味ですし、D7前中はサイレント外交かもしれません。

          帰国前後はオーストリア、スペインの記事で「大盛り上がり」でしょうね。 最近の韓国を見ていると、外交=記念撮影と「妙なアリバイ作り」が主流になっているという印象があります。

          ツーショットを取れば、何でも有りの韓国外交! 

           

  5. PONPON より:

    中国の対韓工作といえば、次期大統領候補として支持率トップの尹錫悦前検事総長の捜査が始まったようです。

    https://news.yahoo.co.jp/articles/e25fe293a0b282a1807fe4c98646c616d7987b55

    おそらくアメリカは、文大統領の後任として保守派の尹錫悦前検事総長を据えるべき工作を行っており、一方中国&北朝鮮としては、尹錫悦前検事総長を葬り去りたいのでしょうね。

    韓国国内も真っ二つに分かれているので今後どうなるかは予断を許しませんが、狡猾さと執念深さ、嘘の上手さでは与党支持派が上回っているので、やや中国有利といったところでしょうか。。

    いずれにしても、日本にとっては、用日派の登場は御免被りたいところですが。

    1. 匿名 より:

      >いずれにしても、日本にとっては、用日派の登場は御免被りたいところですが。

       最早用日派でも反日派でも誰が成っても一喜一憂する意味は無いです。日韓軋轢の原因は韓国の内政問題ですから、韓国が対日改善を渇望するなら、新たな大統領が積年の反日教育や扇動で妖怪化した韓国国民をどう導くかが先ではないでしょうか、しかしこれはもう不可能でしょう。
       要するに国柄の大きな相違から、隣国として対峙するのは実は適性国家だったと認識すべき状況で、今更韓流やらキムチやらの文化交流どころではありません。
       ここに至って、日本が採るべき道は確定したのではないでしょうか?。

      1. 匿名 より:

        誤字訂正 適性国家→敵性国家の間違いです

  6. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    米国(日本)による中国牽制の構想であるFOIPを激しく非難し、『偏った動きに流されてはならない』(中国の王毅外相)と韓国の鄭義溶外交部長官に伝えた。

    伝えたどころか、もうココまで言われると、属国以下、奴隷の酋長か宦官相手に言ってるようなもんかな。ただ、聞いて「ハイ」「ネー」と返事するだけ。ノミ、シラミ級ですね。

    フツー、まともな人間なら負けてもともとでも、戦いを挑むと思うが。阿呆やん、、、。

  7. だんな より:

    韓国側から王毅外相に電話している様ですので、恐喝では有りません。
    朝鮮日報が、被害者ヅラをしているだけです。

    韓国にしてみれば、従属の証の様なもんだと思います。

    >「王毅外相の発言は下の人間を叱りつけるときに使う訓戒調の表現だった。これでは主権国家の間でやりとりされた言葉とは考えられない。韓国に対して口では戦略的パートナーと言いながら、実際は属国のような扱いをしている。内政干渉を当たり前のように行った清の時代の袁世凱を思い起こさせる」。

    中韓の上下関係をはっきりさせたのは、韓国の三不の誓いです。それも中国が要求した訳では無く、文大統領から誓ったもの。この時に韓国は対中国について「主権国家」では、無くなったのです。
    それを「中国が属国扱いしている」とか文句を付ける、朝鮮日報が間違っていると思います。
    もう、逃げられないアル。

    1. 匿名 より:

      >韓国側から王毅外相に電話している様ですので、恐喝では有りません。

      中々、面白い見解ですね。(褒めてません)

  8. 理系初老 より:

    文ちゃんが東京オリンピックに行って日本の首相はじめお歴々に蝶よ花よと愛でられるという白日夢も、32年に南北朝鮮オリンピック開催という白日夢も水泡に帰したようで何よりです。ですが、「東京オリンピックに来て欲しいと日本が望んだが韓国は断った」という捏造には注意が必要ですね。
    ところで、
    政府転覆を夢見て、コロナの累積感染者数のみを切り取ってオリンピック開催反対を煽動するパヨク・マスゴミの、森氏、高橋氏に次ぐターゲットは、竹中氏のようですね。皆様ご存じのように彼はパソナの会長さんで、パソナは淡路島に本社機能を移転しましたね(ものすごいことだと思います)。パヨク・マスゴミにとっては、東京一極集中こそが利権そのものであるような気がしてきました。

    1. KY より:

       初めまして。
       竹中氏はパヨク・マスゴミにとってだけでなく、酷使様にとってもターゲットですね。
      何せ「竹中」の二文字を見ただけで発狂する酷使様もいる位ですから、彼らがパヨク・マスゴミの印象操作に付和雷同して竹中氏を攻撃するのは目に見えています。
       普段自分たちが忌み嫌っているパヨク・マスゴミの扇動に乗っかる悪い癖は子宮頸ガンワクチンのネガキャンの時に嫌と言う程感じましたから。

  9. 名古屋の住人 より:

    「英G7の「注目点」は価値を共有しない国のあぶり出し」のだんな様の投稿に返信した内容が、新たに記事になっていてびっくりしました。

    【中国外交部】王毅外相、韓国の鄭義溶外相と電話会談に関する投稿
    https://shinjukuacc.com/20210611-01/comment-page-1/#comment-166484

    上記の投稿では触れていない内容もありましたので、中国外交部発表の内容でファクトチェックをしみたいと思います。

    >朝鮮日報「中国外相が韓国を脅迫」
     確かに「脅迫」していますね(笑)上述の投稿欄に詳しく記載しているので割愛します。

    >どうして「自由で開かれたインド太平洋」を、勝手に「アジア太平洋戦略」に変えてしまうのでしょうか、朝鮮日報は。
     朝鮮日報がとぼけてウソをついているか、単純な翻訳ミスのどちらかでしょう。
     中国外交部の発表は「美国推动的“印太战略”充满冷战思维・・・」、即ち「米国が推進する『インド・太平洋戦略』は冷戦時代のロジックに満ち溢れ・・・」です。中国語でいう「アジア太平洋戦略」は「〝亜”太战略」ですので、明らかに朝鮮日報の誤報です。

    >朝鮮日報によると、韓国政府・外交部は王毅氏の発言を公表しなかったそうです。
     韓国政府の報道は確認していませんが、中国外交部は王毅外相と電話会談を行った韓国・鄭義溶外相の発言を次のように公表しています。

      郑义溶表示,韩国作为中国近邻,高度重视发展韩中战略合作伙伴关系,坚持一个中国原则,充分认识到两岸关系的敏感性。愿同中方深化政治互信,加强各领域合作,为韩中关系注入更多内涵和动力,为两国建交30周年释放更多积极信息。

      鄭義溶外相は「韓国は中国の隣国であり、韓中両国の戦略パートナーシップ関係の発展、一つの中国の原則を堅持することを非常に重視しており、(中国・台湾の)両岸関係がデリケートなものであることを十分に認識している。中国側が政治的な相互信頼関係を深化させ、各分野での協力関係を強化し、韓中関係により多くの内容と推進力を注入するため、両国の国交樹立30周年に向けてより多くの積極的な情報を発信することを期待している」と述べた。

      郑义溶表达了韩方对改善南北关系、推进半岛和平进程的强烈意愿,希望中方在半岛问题上继续发挥重要建设性作用。

      鄭義溶外相は「韓国側は南北関係の改善、朝鮮半島の和平の進展を、極めて強く願っており、中国側が朝鮮半島問題に対し、引き続き重要かつ建設的な役割を担うことを希望する」と話した。

    出所:中国外交部Webサイト
     王毅同韩国外长郑义溶通电话
     王毅外相、韓国の鄭義溶外相と電話会談
     https://www.fmprc.gov.cn/web/wjbzhd/t1882635.shtml
     
    新宿会計士様が仰る通り、「中国側が自分たちに都合の良い内容を一方的に発表しているという可能性」も十分に考えられます。個人的な見解としては、韓国の外相ならごく当たり前の発言といっても過言ではないのでは?と思う次第です。

    (備考)
     ①中国外交部発表記事の日本語訳は、名古屋の住人による仮訳です
     ②文章の前後関係から想定し、「両岸関係」に(中国・台湾の)という注釈を追記しました

    1. だんな より:

      名古屋の住人 さま
      >「中国側が自分たちに都合の良い内容を一方的に発表しているという可能性」

      中韓の間では、中国が発表したことが、真実になると思います。
      南北間でも、北朝鮮が発表した事が、真実になると思います。
      韓国は、言われた通りにするしかないです。
      そして韓国は、日韓関係を韓国が発表した事が、真実になる様にしたいと考えていると思います。

  10. ちょろんぼ より:

    中共皇帝直臣王毅外相から南朝鮮王朝に対する単なる指導であり、脅迫ではないですね。
    これを南朝鮮の新聞が脅迫と表示しているのは間違いだと思います。
    属国は大事な会議の前に必ず宗主国様に出発のご挨拶と会議に出席する際の心がけを
    聞かなければなりません。 もちろん会議後の報告も。
    こういう事態を日本で作り出したいのが、共産・立憲等なんですよね~。
    止めてくんないかな~

  11. 匿名 より:

    飼い主による犬のしつけを脅迫とは言わないのでは
    というか犬以下ですしね

  12. H より:

    王毅外相は中国共産党における序列は25位以下、政治局員でもない中央委員。
    やくざなら3次団体の副組長ぐらいかな?
    4次団体の南朝鮮をしつけるには丁度いいでしょ
    アメリカ一家として敵に内通している4次団体の
    引退前の組長を会合に呼ぶ意味は?
    血の雨降らせるニダ

    1. 赤ずきん より:

      やくざの序列にお詳しいですね。でも分かりやすかったです。

    2. ちかの より:

      H様
      そんなくらいな序列の王毅さんに、肩ポンポンされていましたね、ムンムンは。

      1. H より:

        ちかの様

        しかも笑顔で、刻みこまれたDNA
        だからしかたないニダ

  13. G より:

    まあ、オブザーバー参加の韓国にG7の宣言をどうこうする力はありません。
    せいぜいG7の対中国包囲網に同調するなよのお達しでしょう。

    頭はいかにして菅総理に会うかしかなかったから、大統領頭真っ白になってるのでは?

  14. 静韓論者 より:

    中国の故事「合従連衡」を思い出す。
    中国の戦国時代、強大な秦に対し残りの六国が「合従」したが、秦が「連衡」外交をすすめて、時間をかけて六国を各個撃破していき、秦の中国統一が完成した。
    要するに中国は古から(やや思惑にズレのある)同盟なんて切り崩すのはお手のものである。
    G7も各個撃破されていくのでは?そして、そして、ましてや日本が主導したTPPなんて中国は簡単に攻略して、TPPの盟主になってしまうのでは・・・・

    1. より:

      はたして現代中国に張儀はいるでしょうかね?
      なにしろ、アノ王毅氏が外相兼国務委員ですから。

      もちろん油断は禁物ですが、枯尾花に怯えるような真似はしたくありません。

      1. チキンサラダ より:

        龍様、

        王毅氏は極めて優秀な職業外交官です。頭脳明晰で、性格も本来は非常に紳士的な人のようです。日本への造詣も深い。

        近年彼は対外的な場面で常識外れな強硬な言動が目立ちますが、それは求められる役割を忠実に演じているのに過ぎない面が強いようです。また、知日派であるがゆえに中国国内での批判を恐れて、日本に対しては特に強硬な言動に走らざるを得ないようです。

        表面的な言動を見て、能力まで判断してしまうことは危険です。

        張儀タイプではないのは確かですが。

        1. より:

          ええ、彼が駐日大使を務めていたころを知ってますので、彼が日本語にも堪能な職業外交官であることは知っているつもりです。
          しかし、彼が外相就任後やっていることは、ただの”習近平の忠犬”に過ぎません。保身のためとも言えますが、小役人根性とも言えます。そんな”小役人”に世界の舞台を回すような芸当ができるとは到底思えません。そして、現在の中国外交部にはその程度の役回りしか求められてないとも言えるでしょう。

          中国が”敵方”の離間を図るというのは常套手段でもあるので、特に不思議ではないですし、油断すべきでないというのもその点にありますが、今のところ小細工以上のことはできてないように見えます。切れ者として知られる王岐山氏も最近はすっかり影が薄くなりました。ここから先は推測になりますが、習近平氏は大きな権限を託するに足る部下を持っていないのでしょう。それは中国に能力ある者がいないという意味ではなく、習近平氏には有能な部下を使いこなすだけの能力がないのではないかと見ています。
          華々しく打ち出した一帯一路もAIIBも、けして当初の思惑通りには進んでいません。その理由の一つとして、「有能な部下」に思う存分手腕を発揮させてやれるような環境を作れていないためではないかと思っています。つまりは、習近平氏が指導者である限り、「中国の夢」が果たされることはないのではないか、というのが私の見立てです。

          中国は警戒されるべきです。しかし、過度に恐れるべきだとは思いません。

          1. チキンサラダ より:

            王毅外相の駐日大使時代をご存知でしたか。
            はい、まさに彼は今忠犬を演じていますね。それは純粋な役人だからかもしれませんが、雌伏の時と割り切ってるからという気もするのですよね。割り切って泥水をすすれる人間は怖いです。
            こういう人物はいったん権力を掌握した途端、大きく変わる可能性があります(プーチンがその好例ですね)。それが日本にとって良い結果になるのか、悪い結果になるのかはわかりませんが。

            習近平氏のマネジメント能力については、私は今の所判断を保留していますが、今どき毛沢東をモデルにした時代錯誤な強権主義思考はあまりに時代錯誤的で、それゆえ失敗を重ねてるのではないかと思っています。

          2. より:

            私が習近平氏の”能力”に疑念を持つに至った経緯はざっとこんな感じです。

            彼は総書記就任直後から、王岐山氏を使って、「打黒」を掲げて政敵を葬ってきました。さらに、いくつもの小組を立ち上げ、通常ならば国務院総理が務めるような内政問題についても、自らトップに就任しました。そして、彼の容姿を揶揄しているかのようにも思える「くまのプーさん」を禁じたりしています。
            政敵を葬ろうとするだけならば特に珍しいことでもありませんが、慣例を無視してまで小組のトップに就任したこと、ちょっとした揶揄さえ許容できない余裕のなさなどを見るに、「彼は自らの能力が十分でないことを自覚しており、だからこそ全ての権限を自身に集めないと安心することができないし、絶対的な”権威”を見せつける以外に、党を指導していく術がないのではないか?」という疑念を持つに至りました。

            これがほとんど明確な根拠を持たない管見であることは承知しています。もしかしたら、彼は私などの想像が遥かに及ばない本物のスーパー能力者である可能性もあえて否定はしません。しかし、ここ数年の動きを見る限り、私の”憶測”を否定するような傾向は今のところ見られないのです。私がTHE LONGER TELEGRAMを肯定的に見ているのは、以上のような観測に依ります。

            「超優秀な独裁者 vs 凡庸な人々による民主主義」は、どちらが民衆にとって幸福かという議論に結論が出た試しはありませんが、誰もが一致するのは「無能な独裁者」は最悪だということです。
            習近平氏は独裁者足らんとしており、そして自分が超優秀であるかのように必死に喧伝しています。それがどこまで事実であるのか、どこまで通用するのか、私にはそこまでは見えていません。

          3. チキンサラダ より:

            龍様、

            ご説明ありがとうございます。なるほど、習近平の小心者ぶりを見るにつけ、その能力に疑問を持たれているわけですね。

            独裁者というのはだいたい小心者が多いですね。ヒトラーもスターリンもそうです。ただ、彼らが成功したかどうかと小心者ぶりはあまり相関関係がないように思います。
            ムソリーニはヒトラーのことを「一流国の二流の政治家」と評しましたが、国の地力があれば、二流の政治家でも大いなる脅威になりうるということかと思います。

    2. チキンサラダ より:

      間違いなくそれが中国の戦略ですね。
      蓁は軍事力、経済力共に図抜けた力を持っていて、地理的要因まで有利でしたが、現在の中国もそういう状況に近づきつつありますね。
      小さいところでは、二階幹事長による、FOIP 議連の骨抜き、大きいところでは TPP の乗っ取りは本当にあるかもしれません。国連の多くの機関は乗っ取られたのに近い状態ですしね。

    3. たい より:

      習近平とプーさんの話が出てきましたので、少しだけ。
      中国の伝説上の聖王で、夏王朝の始祖である禹王は、治水の作業の際に熊と化したという伝説があります。
      また、その父である鯀は治水に失敗して堯王に誅殺されますが、死体が黄熊と化したという伝説が「国語」にあるそうです。
      聖王に比肩されているのですから、むしろ自慢してもいいかもしれません。
      それを言論封鎖している所が器が小さいなと思います。

      1. チキンサラダ より:

        禹王は熊の化身の一族だったのですね。父親が「黄熊」とは面白いですね。

        プーさんを取り締まる習近平は器が小さいと感じますが、器の小ささと独裁者としての恐ろしさは関係ないですね。いや、むしろ器が小さい独裁者の方が人民や周辺国に与える害は大きいと言えます。
        スターリンは猜疑心の塊でとても器が大きいとは言えませんが、ソ連人民や周辺国に甚大な害を与えています。

        中国では毛沢東が粛清で有名ですが、明王朝を始めた朱元璋も凄まじい大粛清を行っていますね。器の小さい権力者は逆に危険と認識すべきではないでしょうか。

        なお、習近平とスターリンの類似性を論ずる記事もありますね。

        https://www.jfir.or.jp/cgi/m-bbs/index.php?no=4566

      2. お虎 より:

        横レスいたしますが。
        古代中国神話に出てくる「熊」は、北方系民族のことでしょう。同様に「竜・大魚・鰐・亀」などは南方(古代であれば淮河以南か)の部族、夷は山東の原住部族と考えられています。
        西が出てこないことにお気づきでしょうか。
        夏は、いまのところ文献を残さなかったと考えられ、続く商(殷)は文字を残しましたが、こちらもいまのところ祭祀と王系譜に限られているようです。
        中国各地の神話を書き留めたのは周の時代と思われ、周そのものが西から中原に進出してきた集団です。印欧語族の一派である可能性もあります(議論継続中、結論づけられてはいない)。

        1. チキンサラダ より:

          お虎様、

          大変興味深いお話ありがとうございます。中国古代史は大好きなのでとても嬉しいです。

          熊は北方民族の象徴でしたか。現代でもロシアの象徴が熊ですし、感覚が通じるものがありますね。

          周が印欧語族の可能性があるとは初めて知りました。チベット系かと思っていたのですが。

          私も調べてみます。ありがとうございます。

        2. チキンサラダ より:

          お虎様、
          少し調べてみたのですが、周民族が印欧語族という情報を見つけられませんでした。
          DNA 解析ではハプログループQ つまり、南北アメリカ先住民やシベリア先住民に近いようですが。

          https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97Q_(Y%E6%9F%93%E8%89%B2%E4%BD%93)

          印欧語族であった傍証などのリンクを頂けると有り難いです。

        3. はぐれ鳥 より:

          お虎さま

          御説、興味深く読ませてもらいました。
          一点質問です。
          周の、地方勢力の時代の本拠地は、中原に対しては西部の周原(現在の陝西省)にありましたので、西から中原に進出というのは正しいと思います。しかし従来の定説では、それ以前、周原に本拠を構える前は中原の北、豳(ひん;現在の山西省)に居たことが定説だったと記憶します。最近になって、西方から来たというような新学説が出てきたのでしょうか?
          秦を建国した集団であれば、出自は西戎だったと言われていますから、西方渡来の印欧語民族だった可能性はあると思いますけど。

          1. チキンサラダ より:

            はぐれ鳥様、
            西戎だとしても、チベット系かチュルク系なのでアジア系ですね。
            中国近辺で印欧語族というと、イラン系思いつきませんが、そのイラン系が中央アジア以東には来てないかと思います。
            ましてや周が印欧語族というのは、相当に驚きです。
            北方系だとしたら、モンゴル系、チュルク系、ツングース系のどれかのはずですし。
            謎ですね。

          2. はぐれ鳥 より:

            チキンサラダ様

            周を建国した集団が現在の山西省に姿を現したのは3千数百年以上も前の殷王朝ころで、その当時の民族地図は十分には分かってはいないと思います。多分当時は漢民族のような大きくまとまった民族は無く、民族数で言えば100程度もあったのではないでしょうか。一例として、一時、楼蘭の美女としてニュースになった女性は、遺体の骨格からコーカソイド(≒印欧語族)とされ、約3,800年前の人らしいですね。中国歴史年表でいえば、殷王朝に先立つ伝説の夏王朝時代の人となります。ですから、地方勢力としての周創建時に印欧語族の一派(イラン系の可能性が最も高いでしょうが)が山西省付近にまで進出していたとしても荒唐無稽とばかりは言えないでしょう。ただそれ以上に、秦の方が可能性は高い感じがします。西方とのつながり強く長く感じられるからです。ただその場合でも、その後急速に、中原文化に同化されてしまい痕跡を残していないのだと思います。

          3. チキンサラダ より:

            はぐれ鳥様、

            ありがとうございます。なるほど、陝西省までは各日にコーカソイドが進出していたのですね。

            匈奴もコーカソイド説があるようですね。

            http://blog.silkroad-j.lomo.jp/?eid=1322441#gsc.tab=0

            となると、確かに古代王朝の中にコーカソイド系があっでもおかしくはないですね。

            ただ、主要な国家にコーカソイドが一定数いれば、現代中国人の DNA に少なからず残るはずでしょうから、居たとしても国民の一部だったのではないかと推察します。

  15. カズ より:

    はじめてのおつかいのまえに言い聞かせる保護者のようですね。

    おかあさんの言うことを聞きなさい。
    たくさん注文をして帰ってきなさい。
    どんなものが買えたのか教えなさい。

  16. 元下関市民 より:

    しかし、文大統領もサミットに出席したのはいいけれど、今の韓国と会談する国があるのかね‥
    どこと会談するのか、ある意味興味あります。
    得意のボッチかな‥

  17. お虎 より:

    別スレッドに、米中対決とは「ドルの覇権に対する中国の挑戦と、それへの対抗」という趣旨の書き込みをしました。本稿はその続編です。

    日本がアメリカ「兄貴」の子分国であることを否定するのは難しいと思うが、子分には子分なりのおいしさがあるから、そうやっているわけです。貿易だけに限っても、毎年500-700億ドルくらいは儲けている。日本にとって最大のお客さんですから、いい顔をしてあげるのは当然のマナーでしょう。
    日本にとって中国との貿易赤字は大きいのですが、香港+中国という枠組みでみれば、ほぼトントン。韓国に対してはおおむね200億ドルくらい儲けているので、本来ならもっといい関係にあるはずですが、相手があれではどうしようもない。

    米中対決のひとつのコンテンツが「サプライチェーン」の再構築だそうで、本気だとすれば、中国が過去20年くらい、ばく進的な投資をやってきたことと同じくらいのスケールで、より短期間に中国ではない場所に行われることになる。おそらく、この再構築の行方が、21世紀中葉のそれぞれの国の盛衰を決める可能性がある。いや、可能性が高い。

    プーチンは、アメリカ側に身を置く国民としては「悪役」に属する人物と思われますが、その一挙手一投足をみると、二枚舌三枚舌を駆使しながらもウクライナを脅したりベラルーシを押さえつけたりコーカサスで行司役をつとめたり、やることなすことに本気感たっぷりの「一流の悪役」です。わたしは勝手な考えで、ロシアを中国から引き離すための策謀をあれこれ考え、その一部をこの場所に投稿したこともありましたが、一方では「可能であればプーチンに首相をつとめてもらいたい」と思ったりします。こういう傑出した男の欠点は、いい後継者を得られない可能性が高いことで、おそらく、プーチン亡き後、ロシアはエリツィン時代のようなぐずぐずになるのでしょう。

    さて中国。すっかり悪役になっていますが、最近の習近平の表情をうかがうと、どことなく疲れを感じます。先々代の親分・江沢民の残滓を払拭すべく、綱紀粛正を旗印として江一派の末裔たちを追い払ってきたのですが、どうも人民解放軍を掌握しきれていないのではないか、そんな気配も感じます。特に中国海軍・南シナ方面は伝統的に浙江・福建軍閥の系譜にあって、これは江沢民の地盤と重なる。力をつけた軍部のコントロールが難しいことはわが国昭和史が示すとおりで、おそらく中国軍も冒険をやりたくてうずうずしている、それを必死にくいとめているのが習近平とその側近たちではないでしょうか。

    中国にとって、アメリカはおそらく最大の貿易相手国であり、その収益は日本の比ではありません。年3700億ドルというもうけを計上しているのですから、アメリカが貿易の蛇口をすこし締めると、中国のそこかしこが傷みます。
    中国政府中枢に対する地方別上納金をみれば、浙江、江蘇、広東などの華中華南地域の貢献が大きいといわれますから、ここらへんの中国軍の発言力は無視できません。

    ということで、米中対決は、アメリカがどのような勝シナリオを持っているのか、中国がどのような不敗イメージを描いているのか、興味はつきませんが、こよいはこのあたりにとどめましょう。

    1. チキンサラダ より:

      ロシアを中国から切り離すのはますます難しくなっていますね。新冷戦時代の勝負はそこにかかっていると私は思っているのですが。

    2. 匿名 より:

      んー。
      長文ご苦労さん。できればどこかよそでやってくれないかな。このブログは新宿会計士氏のブログとコメント者のコメントのやり取りを楽しむ場で会ってあなたの頓珍漢な陰謀論みたいなのを長々披歴する場所じゃないんだけどね。

    3. 機旅 より:

      >お虎様
      広範な知識をお持ちですね、ファンになりそうです(笑い

      新宿会計士様のブログには日韓関係で造詣の深い方が幾人もおられ読者(私)を唸らせますが、
      概観的に軍事関係に深い方が少ないと見受けられる中、軍事系と経済関係両方を、
      結び付けて論じられる方は貴重に思います(大概はどちらか片方しか詳しくない、ですよね…)。
      別スレのドル論も読ませる内容でしたし(私の知らない内容も多いので確認はできませんが…)、英経済とショーザフラグでしかない今次英軍派遣(横須賀に来たら見には行きますが-笑い)、
      欧ソ艦艇分類法(?笑い)と米艦艇分類法(DDとFFが逆になっていた)の祖語、今話題の東芝(笑い)とココム(ソSSNマイクシエラα静寂とNC工作機械)と130億$とF-2…の関係性など、あの頃を知る同時代人でなければ、スっと口にはできない話の数々…。
      私の知りえる範囲では、頷く話が多いです。
      個人様の考えが絶対ではありませんし崇拝もしませんが、
      これからもご意見御指南を頂きたいと存じます。

  18. チキンサラダ より:

    朝鮮日報が、FOIP をアジア太平洋戦略と言い換えた理由、誰も書いていないのは、わかりきってるからですよね?

    FOIP を提唱し始めたのが日本だから、それが気に入らず、いつもわざと違う呼び方をする、というのは当たり前すぎますか?

    1. 阿野煮鱒 より:

      仰る通りです。
      意地でも日本発の構想だと認めたくないのです。

    2. 匿名 より:

      自由自由って言うと特亜政府から睨まれるからだと思ってましたが。

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