日本がシベリア鉄道よりもFOIPを重視するのも当然

約束破るウソツキ国家のことを信頼しろと言われても無理です

あらかじめお断りしますが、本稿では『「中国を排除するな」発言の真意はFOIP不参加の言い訳』でも予告した「FOIPクアッド首脳会談」を取り上げようと思っていたものの、昨日深夜時点で首相官邸HP等に該当する記事がアップロードされておらず、話題として取り上げることができませんでした。ただ、良い機会なので、「日本がシベリア鉄道よりもFOIPを重視する理由」について、当ウェブサイトなりの見解をまとめておきたいと思います。

クアッド首脳会談

「中国を排除するな」発言の真意はFOIP不参加の言い訳』などでも報告したとおり、昨日は、「クアッド首脳会談」が開催されたはずです。本稿では当初、そのFOIP首脳会談について、なにか見るべきところがあれば取り上げようと思っていました。

ただ、昨日の深夜時点で、これに関する情報が、首相官邸ウェブサイトにも、ホワイトハウスウェブサイトにも、まだ掲載されていませんでした。これは深い議論が行われているためなのでしょうか、それともほかに何らかの理由があるのでしょうか。

いずれにせよ、FOIPクアッド首脳会談については、興味深い話題があれば、別稿にてじっくり取り上げてみるつもりです。

ただし、昨日は「良いニューズ」もありました。

首相官邸HPに掲載されている、昨日午前の加藤勝信官房長官による記者会見によると、「諸般の事情が許せば」、菅義偉総理大臣が4月前半にも訪米し、ジョー・バイデン米大統領とのあいだで初の日米首脳会談を実施することで米国と合意したのだそうです。

ちなみに菅総理は「バイデン大統領と対面で面会する初の外国首脳となる」のだそうです。

バイデン氏という人物が信頼に値する政治家なのかどうかは置いておくとして、やはり、前政権を率いた安倍晋三総理とドナルド・J・トランプ前大統領との個人的な信頼関係も含めた密接なつながりが、現在の日米関係を規定しているようにも思えてなりません。

FOIPクアッドと日本

FOIPの反対語は「不自由で閉鎖された南シナ海」?

さて、この「FOIPクアッド」を巡っては、当ウェブサイトでは『「中国を排除するな」発言の真意はFOIP不参加の言い訳』などを含め、その目的や意義、期待される効果などについて、何度となく触れてきました。

わかりやすくいえば、FOIPとは「自由で開かれたインド太平洋」という構想のことですが、敢えてそのその「反対語」を(やや乱暴かつ強引に)定義するなら、「不自由で閉鎖された南シナ海」、といったところでしょうか。

いうまでもなく、日本は「自由、民主主義、法治主義(あるいは法の支配)、基本的人権尊重、積極的平和主義」などの価値観を尊重し、それらを実践する国です。

これらの価値観を実践するうえで、さまざまな不都合があることは事実でしょう。たとえば、マスメディアが「報道しない自由」を振りかざしていたとしても、「報道の自由」の美名のもとに、むしろ私たち国民の「知る権利」が侵害されているのが実情です。

こうした「行き過ぎた自由主義」、あるいは「歪曲された自由主義」が良いのかどうかについては、さまざまな議論があることは事実でしょう。

重要なのは「クアッド」ではなく「FOIP」

しかし、総じて日本は自由主義的で民主主義的な社会であり、また、一般論ですが法律も契約もよく守られていますし、一般に日本社会では、「ウソをつくのは悪いこと」、「努力するのは素晴らしいこと」、といった価値観が確立されています。

そして、中国が東シナ海や南シナ海への海洋進出を活発化させ、台湾に対する軍事侵攻を示唆する報道なども散見されるなかで、日本が単独で自国の国益を守り抜くには限界があることも、また間違いありません。

だからこそ、日本は価値観を共有する(または日本の価値観を尊重してくれる)ような相手国との連携を深め、ともに国際社会の脅威に立ち向かっていかねばなりません。これこそがFOIPの本質なのです。

そして、「FOIPの理念のもと、ともに国際社会における共通の脅威に立ち向かう」とコミットした国が、現時点では日米豪印の4ヵ国ですので、それを「FOIPクアッド」あるいは「クアッド」と呼んでいるに過ぎません。

極端な話、日米豪印の4ヵ国にカナダやニュージーランド、英国などが加われば、そのような連携は、定義上、もはや「クアッド(=4者連携)」ではありません。「クアッド」は「クインテット(=5)」、「セクステット(=6)」、「セプテット(=7)」に発展的に解消するからです。

だからこそ、むしろ「FOIPクアッド」という枠組みに関し、より強調すべきは「クアッド」の方ではありません。「FOIP」の方なのです。

基本的価値がどれだけ重要なのか

こうしたなか、昨日の『拙著・対韓制裁論に対するアマゾンの書評がすばらしい』でも報告した、拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』に対する書評を巡っては、じつは前半部分自体が当ウェブサイトの主張する外交論そのものの説明にもなっています。

まずは、「国益と国家の目的」の部分を眺めてみましょう。

  • 国家は国民の平和と繁栄のために存在する。これらを「国益」と呼ぶ。政府のすべての行動は国益を最大化することに向けられるべきであり、外交も国益を最大化する手段のひとつである。

このあたり、当ウェブサイトではこれまでに何度も繰り返し述べてきた論点ですし、今後も繰り返すつもりですが、その理由は、「外交の専門家」を名乗る人(たとえば、元外交官)のなかにも、この点を理解していないと思しき事例を見かけるからです。

外交とは国益を最大化するための手段のひとつに過ぎず、決して「仲良しごっこ」ではありません。

某国が主張する「強制労働」という事実無根の冤罪に堂々と反論しなかったばかりか、それがあたかも事実であるかのように国際会議の場で発言し、自身はその後、欧州某国の大使としてのうのうと過ごしている者にこそ、この言葉をかみしめてもらいたいところです。

ところで、もうひとつ重要なことは、その相手国がわが国と「基本的価値」を共有しているかどうか、という視点です。

  • わが国は「自由・民主主義、法の支配、積極的平和主義、人権尊重」などの基本的価値を尊重し実践する国だが、この基本的価値を共有していない国と外交をするには大変な負担を強いられる。よって、よほどの必要性がない場合、基本的価値を共有しない国との外交は必要最小限に留めるべきだ。

現代の日本社会は自由主義、民主主義などの基本原理に基づき、社会構成員相互間の高度な信頼を前提として成立しています。日本社会において、「約束を破るウソツキ」は理解の範囲を越えた存在であり、ときとして軽蔑の対象にもなります。

そんな日本社会のことですから、最低限の基本的価値自体を共有していない国、社会と付き合うこと自体、大変な負担を強いられます。だからこそ、日本が基本的価値を共有していない国と深く付き合うならば、よっぽどの理由がなければならないのです。

シベリア鉄道と一帯一路

日欧航路、海路か空路

さて、なぜこんな話を改めて申し上げるのかといえば、『一帯一路・日韓トンネル・鉄道共同体構想は「与太話」』や『行き詰まる一帯一路構想と中国に失望する中・東欧諸国』でも述べた、「ユーラシア大陸の交通網」という話題を、ふと思い出したからです。

あらためて議論を繰り返しておきますが、日本と欧州の間で物資を運搬する手段としては、理屈の上では海路、陸路、空路が考えられます。

海路だと、コストが安いという長所はありますが、最大の短所は、時間がかかり過ぎることです。

たとえば日本の神戸から欧州のロッテルダムまでは、直線距離だと9250キロメートルほどですが、海路だとマラッカ海峡やスエズ運河などを経由するため、最短ルートを通ったとしても2万キロメートル以上航行する必要があります。

実際、船会社のウェブサイトなどで調べてみると、コンテナ船で日本から欧州に貨物を送付する場合には、ルートや目的地にもよりますが、だいたい30~60日程度の時間が必要です。コンテナ船の速度は平均時速50キロ程度であり、ユーラシア大陸を大きく迂回する必要があるからです。

一方、空路だと、物資を非常に迅速に運ぶことができる反面、コストが非常に高いという短所があります。

コロナ禍以前であれば、大手航空会社は東京からロンドンやフランクフルト、パリ、ミラノ、ヘルシンキなど欧州主要都市に直行する定期旅客便を頻繁に運航していましたし、著者自身もそれらに何度も搭乗しています。

ちなみに所要時間については気流の関係上、往路と復路でも微妙に異なりますが、東京・ロンドン間でざっくり平均14時間前後、といったところでしょうか。

シベリア鉄道と日本

このように考えていくならば、本来、ある程度コストを抑えつつ、時間も短縮するという意味では、陸路の輸送にもっと依存しても良いはずです。

現状、ウラジオストクからロシアの首都・モスクワまでの所要時間はだいたい1週間だそうですが、空路と比べると時間はかかるものの、海路と比べればかなり時間を圧縮することができるはずです。これについては国土交通省が2019年に実施した実証実験が参考になります。

シベリア鉄道による日露欧間貨物輸送の実証事業の結果(速報)【※PDFファイル】

―――2019/12/26付 国土交通省HPより

この点、国土交通省によると、輸送コストは海路と比べ1.5倍かそれ以上だったとしており、また、一部貨物に関してロシア側の規則の不透明さ、軽度な揺れ、突発的な衝撃が記録されるなど、まだまださまざまな課題があることが示されたそうです。

もっとも、海路で最大60日程度の時間が必要な日欧間の物流が、陸路で約10日間にまで圧縮されるなら、1.5倍くらいのコスト増くらい、十分に吸収できそうな気がします。

また、ロシア側の運送品質の課題などについては、輸送規模が増えていけば改善すると期待できますし、日本の資本を入れて路面改良工事などを行えば、輸送品質はさらに向上すると考えられます。

さらに、あくまでも「机上の理論」ベースですが、仮にロッテルダムからウラジオストクあたりまでを横断する高速鉄道を敷設(あるいはシベリア鉄道を含めた既存鉄道を改良)し、ノンストップかつ時速200キロでの運転が可能となれば、欧州からウラジオストクまで50時間程度で結ばれます。

まさに、「夢の物流手段」、というわけですね。

「ロシアに物流を握られるのはマズい」

ただし、さまざまなデータから判断する限り、現状において、日欧の貨物輸送は海路が基本であり、シベリア鉄道が大々的に利用されているというデータはありません。ではなぜ、既存のシベリア鉄道を利用したり、日本の支援で高速鉄道を敷設したりする、という動きにならないのでしょうか。

やや強引な「決めつけ」かもしれませんが、著者なりの仮説に基づけば、その究極的な理由とは、結局、「ロシアを国として信頼することができないから」ではないかと思います。

いったん輸送経路が確立すると、経済はその物流の存在を前提に回り始めます。仮に、日欧間の貨物輸送にシベリア鉄道というルートが確立すれば、企業はその輸送手段の存在を前提に生産計画や物流計画を立てるでしょう。

しかし、ロシアという国に関しては、なにか都合が悪いことが発生すれば、腹いせにその物流を止めてしまうのではないか、という懸念を、私たち日本人は心のどこかで持っているのかもしれません。

だからこそ、せっかくシベリア鉄道というルートが存在しているにもかかわらず、日本はそのルートを大々的に使用しようとしないのだ、という仮説が成り立つのです。

そういえば、中国が掲げる「一帯一路構想」も、シベリア鉄道はルートから外れていました(図表1)。

図表1 「新シルクロードと21世紀の海上シルクロード」

(【出所】中国国務院報道局英語版ウェブサイト “How the world will benefit from China’s Belt and Road?” 掲載の図表を著者が加工。赤線は上海とロッテルダムの最短ルート)

ロシアにとっての「友邦」であるはずの中国でさえ、一帯一路のメインルートからロシアは外されているように見えてしまうのです。

ましてや、日本にとっては「価値を共有していない国」であるロシアと現在以上に深い関係を結ぶべきなのかについては、慎重に判断しなければならないのは当然の話です。

いわば、「シベリア鉄道」(=ロシアとの関係)よりも、「海上輸送路」(=FOIP構想)を重視するのは、現在の日本にとってはあまりにも当然すぎる判断だ、ということでしょう。

日本は中露韓とは価値を共有せず

ついでに、外交論という視点からは、日本が中国と基本的価値をまったく共有していないという点についても確認しておきましょう(図表2)。

図表2 日中の基本的価値
基本的価値日本中国
自由主義かどうか日本は自由主義国家である中国は共産主義国家である
民主主義かどうか日本は民主主義国家である中国は独裁主義国家である
法治主義かどうか日本は法治主義国家である中国は人治主義国家である
基本的人権かどうか日本では人権が大切にされる中国では人権が無視される
平和主義かどうか日本は平和主義国家である中国は軍事主義国家である

(【出所】著者作成)

ここまで基本的価値を共有していないのは、まさに「お見事」というほかありません。

ロシアや韓国のように、一見すると自由・民主主義的な国を装いながら、実際には「約束を破るウソツキ国家」というケースもありますが、中国の場合はそもそも自由主義も民主主義も存在しないのです。

もちろん、「日本とまるっきり違う国」だからこそ、中国に対しては「違う」という前提で接することができるのだ、という言い方をしても良いのかもしれませんが、それにしてもここまで価値観が異なっているにも関わらず、こんな国との関係を深めてしまったことが日本にとって正しかったのか、検証は必要でしょう。

いずれにせよ、日本自身がFOIPを推進していけば、おのずから中国との価値観の違いが問題となる局面が到来するはずです。それなのに、『貿易統計②脱中国が遅々として進まぬ状況を直視すべき』でも述べたとおり、むしろ日中の貿易上のつながりは深化しているというフシもあります。

その意味で、昨日のFOIPクアッド首脳会談がこうした日中の価値観の違いを経営者らに深く認識させるきっかけとなると良いと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 禹 範坤 より:

    単純に輸送って面で見ると中東から原油を他の手段で運んだら?と
    考えてみれば理解できそうですがw
    あと、EU圏からロシア経由で鉄道は直通できません 軌間が違う

    レアメタルやマスクで中共が、何やったのか知っててなお中共に依存するのであれば
    知性疑われても仕方ないかと

    1. 阿野煮鱒 より:

      > EU圏からロシア経由で鉄道は直通できません 軌間が違う

      そうだったんですか。同じ広軌だと思い込んでいました。
      どんな風になっているのか知りたくてググってみたら、Wikipedia先生が判りやすい一覧を用意してくれていました。
      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%8C%E9%96%93%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7

      軌間の違いを乗り越えて走る、こんな楽しそうな列車の旅も見つけました。

      ベルリン~モスクワ間を走るフリーゲージトレインに乗車
      https://news.mynavi.jp/article/centralandeasterneurope-1/

      新宿会計士様がご紹介の国土交通省調査の詳細は、多分これだと思います。
      https://www.mlit.go.jp/common/001354391.pdf

      この報告書を読む限り、貨物列車ではフリーゲージトレインは採用されていません。

      1. 門外漢 より:

        阿野煮鱒 様
        かつての関東軍は、ソ連侵攻時の兵站の為、フリーゲージ貨車を持っていました。
        但し実際に使ったのはソ連軍で、8/15以降の満州侵攻時に接収して使用したようです。
        その後この貨車がどうなったかは知りませんが、多分メンテが難しくて放棄されたのでしょう。

  2. 阿野煮鱒 より:

    些末な突っ込みで恐縮ですが、前々から気になっていることがあります。

    >「クアッド」は「クインテット(=5)」、「セクステット(=6)」、「セプテット(=7)」

    quintet, sextet, septetに対応する「四人組」は、quartet(カルテット)です。

    quadは、数を表すラテン語系接頭辞を名詞形にしていると考えられ、それに相当する 5, 6, 7は、quint, sext (sex), sept です。

    混在するとムズムズします。

    1. ひろた より:

      私も。
      single ,double ,triple ,Quadruple, quintuple, sextuple, septupleのQuadだろうとおもっていたので安心しました。

  3. イーシャ より:

    > FOIPの反対語は「不自由で閉鎖された南シナ海」?
    ひょっとすると、FOIPの同義語は「閉ざされた朝鮮半島」かも。
    いや、同義語でも反対語でもいいから、「閉ざされた朝鮮半島」を世界共通戦略にして欲しい。

    1. Yaab より:

      個人的には『世界から隔離されるべき朝鮮半島』の方がしっくり来ます!

      1. 農家の三男坊 より:

        『世界から隔離されるべき朝鮮半島』:
        今は北半分だけですが、”国際平和の敵、ならず者国家群”としてもうすぐ南半分も仲間入りするでしょう。

      2. はにわファクトリー より:

        鈴置氏の著作群タイトルをいまふたたび目にしました。本当にそうなってしまっています。「冒進し崖から飛び降りようとする集団」「蟻地獄に墜ちた集団」言葉通りです。そして日本国が同じ憂き目を味わうことがあってはなりません。

    2. はにわファクトリー より:

      報道機関ソウル支局を隔離すれば、「閉ざされた朝鮮半島」は自然に現実となります。
      みんぞっくの悲願、「統一朝鮮」とはつまりそういうものです。支局勤務の駐在員のかたがにあっては現地軍自活を続けていただきます。赦免状を持った勅使はいつ来るのか。日本国記章の飛行機(復員船)は行ってしまった。新作能「令和俊寛」近日公開、お楽しみに。

    3. 伊江太 より:

      イーシャ様

      「中華帝国の盲腸」でいいのでは(笑)。

      1. 野宿快景氏 より:

        『ユーラシア大陸の虫垂半島』は如何でしょうか?
        中身が中身である上、役立たず、かつ腐敗するばかりが能で。

  4. Yaab より:

    >ウラジオストクからロシアの首都・モスクワまでの所要時間はだいたい1週間だそうですが、

    それ以上に、日本の港湾での荷役、日本の港からウラジオストクまでの航路日数、ウラジオストクでの荷役・貨車への積み込み、西欧行きなら鉄道軌間が異なる事から必要になる貨車から貨車への積み替え、或いは台車交換等々の面倒くさい二重手間、三重手間とそれに関わる不確実性や積み荷に対する保安や国境を越える度に必要になる通関の手間を考慮すべきでは?

    結果として、対象になる積み荷は『価格が余り高額でなく、無駄に嵩張り過ぎず小さすぎず、重すぎず軽すぎず、輸送中の最高気温や最低気温に耐えられて、しかも通過する諸国通過中に没収、或いは盗難に遭っても財政的にも国防保安の観点からも問題の無い物品』に限られてしまうでしょう。

    日本と欧州での貿易でその条件に合致するモノなんてあるのでしょうかね?

    1. イーシャ より:

      Yaab 様

      条件に合致するもので、日本を起点 or 終点にするものは考え難いですね。
      日韓トンネルなど結ばない場合、半島を起点にするものならありそうです。
      辛[つら]いラーメンとか、朝鮮人とか・・・
      発火・爆発するスマホや自動車は論外ですね。

      1. イーシャ より:

        訂正:
        「日韓トンネルなど結ばない場合、」 → 削除
        「発火・爆発する」の前に一行追加: 日本には有害無益なものばかりですが。

      2. はにわファクトリー より:

        火葬蒙古軍襲来に備えて博多港を封鎖し、近隣に居住する蠢動勢力への監視を強めるべきタイミングと愚考いたします。ビートル? 琉球諸島へ転戦させればよいではありませんか。基隆港まで爆速航海だ。

    2. 伊江太 より:

      Yaab様

      >日本と欧州での貿易でその条件に合致するモノなんてあるのでしょうかね?

      日欧間とまで言わずとも、隣り合ってる日ロ間だって。

      私が住む日本海側の県にある貿易港。かつては北洋材の大集散地で、丸太を浮かべておく広い水面が敷設されていました。だけど、当時の日本の旺盛な木材需要に目を付けて、ソ連政府が無茶苦茶な値段をふっかけ続けた結果、今では原木輸入量はかつての1/20。

      代わって原料輸入の主力となったのが、石油天然ガス。環日本海貿易の勃興、シベリア・サハリンのパイプライン構想なんぞを当て込んで、国内最大規模の備蓄基地が出来たのでが、ロシアからの輸入量なんて、アチラの数々の背信行為もあって、ほとんど増えてない。北米からのシェールオイルやインドネシアの天然ガスなどで、需要が代替されています。

      木材にしろ、石油・天然ガスにしろ、

      『価格が余り高額でなく、無駄に嵩張り過ぎず小さすぎず、重すぎず軽すぎず、輸送中の最高気温や最低気温に耐えられて、しかも通過する諸国通過中に没収、或いは盗難に遭っても財定義に宛てはまらんではない政的にも国防保安の観点からも問題の無い物品』

      の定義に、まあ部分的にはあてはまらんではないでしょうけど、良好な商売を続けたければ、顧客との間に長期的な信頼関係を築くのが第一、という鉄則がまるで分かってない、やらずぶったくりが最高なんて国とは、どんなモノの売り買いであろうが、まず「手を出さぬが吉」ということだと思います。

  5. 愛読者 より:

    「シベリア鉄道」と聞くと,昔,一部区間ですが,ハバロフスクからイルクーツクまで3日乗ったのを思い出します。はっきりいって,ハバロフスクとモスクワ間が7日もかかり,走らせられる列車の本数も限られているので,物流には船舶ほど役に立たないと思います。現在でも重量ベースでの物流量の99%くらいは海運です。鉄道輸送の弱点はJR貨物を見てもわかると思います。
    プーチン政権が続く間は無理でしょうが,シベリア,あるいは,ロシア全体の経済の将来性には大きな関心を持っています。
    中国とロシアは対米国の意味で「敵の敵は味方」という関係にすぎなくて,共産主義的価値観も共有していませんし,国境問題もあって,対米関係がなければ犬猿の仲になすはずです。
    ところで,日米関係は蜜月だと思いこんでいる人もいるかもしれませんが,日本がアメリカを信頼している程アメリカは日本を信用していません。昔は,日本,中国,韓国などを天秤にかけて,どこに肩入れするのが最も有効か,いろいろ試していました。今は,消去法で日本が一番ましだと思っているくらいで,それほど基本的価値観も共有していません。
    ロシアや中国はそのことをよく知っていて,日本なら少しは自分の側にもなびいてくれるのではないかと秋波を送ってきます。実際,欧米とロシアの関係ほど日本とロシアの関係は悪くありません。アメリカから見ると,日本も結構二股外交をしているように見えると思います。

    1. はにわファクトリー より:

      中国人はなべて苦力と見下しわが生活を楽にしてくれる低賃金労働者・世界の工場・大量販売の市場とみなす視点は、シビル戦争のころからアメリカ合衆国は今もまるで進化がないとそのように愚考しております。

  6. だんな より:

    中露韓で北朝鮮も通るとなれば、日本人の嫌いな国ランキング上位と、変わらないじゃない。 
    上手く行く理由が無い。

  7. 阿野煮鱒 より:

    ということで、このスレッドのBGMはこちらです。

    太田裕美/さらばシベリア鉄道
    https://www.youtube.com/watch?v=Wrbnvv4iFbw

    1. イーシャ より:

      太田裕美版なら、レコードもCDも持っています。
      大滝詠一版も持っていますが、聴くのは裕美さん版ばかりです。

    2. イーシャ より:

      Youtube に、奇跡のコラボも上がっているようです。
      「さらばシベリア鉄道」岩崎宏美×太田裕美×本田美奈子
      私自身は、同じ放送を当時録画して、DVDに焼き直し保存しているので、そちらを聴きますけど。
      他にも残している人がいたことに驚き。

      1. 阿野煮鱒 より:

        岩崎宏美、太田裕美のお二人と並ぶと、本田美奈子さんがちょっと苦戦して見えますね。
        大滝詠一先生は、フィル・スペクターを崇拝するアメリカン指向な曲を作ることが多いのですが、この曲は北欧指向だそうで。

      2. 閑居小人 より:

        イーシャ様

        素晴らしい動画を紹介していただきありがとうございます。
        まさに奇跡のコラボ、堪能いたしました。

      3. より:

        う~む、凄いテイクですね、これは。全体のサウンドよりなにより、本人の歌唱だけで勝負できる歌い手がいた時代なのだなぁと思います。
        ところで、このvideoを見に行ったら、おすすめビデオのところで凄いのを見つけちゃいました。岩崎宏美&良美姉妹による「聖母たちのララバイ」です。

        https://www.youtube.com/watch?v=wdtat0H2uPw

        聴いてて涙が止まらないレベル。現代にこのクラスの歌い手が果たして何人いるだろうかと暫し考えこんじゃいました。

      4. イーシャ より:

        DVDを確認したところ、番組は1994年のミュージックフェアー。
        曲目は
        ・木綿のハンカチーフ
        ・1986年のマリリン (本田美奈子ソロ)
        ・聖母たちのララバイ
        ・つばさ (本田美奈子ソロ)
        ・Virginから始めよう (太田裕美ソロ)
        ・そばに置いて (岩崎宏美ソロ)
        ・さらばシベリア鉄道
        でした。
        DVDに残していたやつの方が、随分音質がいいです。

        阿野煮鱒 様
        > 本田美奈子さんがちょっと苦戦して見えますね。
        本田美奈子さんは本格的にクラシック転向する前で、ファルセットの声質が他のお二人と合わなかったのかもしれません。転向後なら、逆に圧倒していたかも。
        ちなみに、「つばさ」の驚異のロングブレスは、岩崎宏美さんもカバーできなかったとか。

  8. PONPON より:

    FOIPクアッド首脳会談宣言において、「北朝鮮の拉致問題の早急の解決の必要性」という文言が入れられました。
    これは、南北統一朝鮮を画策する韓国をFOIPクアッドに入れさせないための極めて意義深い重要なメッセージであり、日本の外交的勝利と言えるでしょう。

    韓国はクアッド入りを模索しているようですが、自由で開かれた民主主義よりも独裁主義国北朝鮮との統一を最大目標とする民族主義国家は及びじゃない、というわけです。
    バイデン政権もそれに合意したということは、アメリカも明らかに日米韓連携から距離を置きだしたということでしょう。

    菅首相、なかなかやりますね。
    さすが頑固一徹、梃子でも動かない精神で日本主導の外交を始めることができました。
    今後ますます期待したいです。

    つまり、

  9. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    3月13日付けで首相官邸HPに「日米豪印首脳テレビ会議」について、菅義偉総理の発言がアップロードされてます。詳細は皆様でご覧下さいませ。

    大要、
    ①新型コロナウイルス対策を始め重要課題について、議論を重ね協力を深める。新型コロナ対策は4か国でインド太平洋地域の途上国などへ、ワクチンの支援等で協力。

    ②自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、菅総理からASEANなど諸国との連携を提案、賛同を得た。

    ③菅総理からミャンマー情勢の重大な懸念、中国の一方的な現状変更の試みに強く反対する旨、更に拉致問題解決も参加各国の協力を得られた。

    ④日米豪印4か国が新たなステージに引き上げれた会合であり、年内に対面での首脳会談を行う事で合意。

    他の首脳の発言は分かりませんが、無事テレビ会談を行えたと言う実績に繋がりました。

    (話を戻して)
    「日本シベリア欧州弾丸列車構想」の件ですが、結論的には20世紀初頭の遺物的構想であり、現在では一瞬頭によぎっても、否定的になるでしょう。

    浦塩からモスクワ経由ベルリン(パリ)ルートや、釜山から北朝鮮、中国、モスクワ、欧州ルートとしても(何も大陸と日本間は海底トンネル)、トータルで日本にマイナスの要素が大きいです。

    途中に匪賊や野盗がいつ出るか分からない危険路線(笑)、また露中はじめ国家公務員・鉄道会社職員が鉄道保護・警戒担当をしても、信用出来ない民族です。仮に貨物列車50輌を繋いでも、目的地到着は5輌かもしれない。残り?引き込み線で掠奪されてます。

    鉄道の軌間は狭軌、標準、広軌、その他といろいろありますが、広軌を敷設した国は、大戦時に巨大列車砲や大型戦車を積載する狙いもあったからです(因みに日本は狭軌なので戦車は小型化しました)。

    どうせシベリア鉄道経由なり大陸横断鉄道にするなら、広い大陸なので改軌して統一させるのは難しい事では有りません。日本の技術なら難しく無い。

    むしろ、電化されてない区間が長大で、牽引するディーゼル機関車、電気機関車との入れ替えが時間のロスになるのと、高速電車(のぞみクラスでは無い、時速160km程度)でも路盤が土盛りで緩く、本格的に走らすならコンクリート化とロングレールの採用が不可欠です。

    信号系統や指揮所の練度も心配です。以上、どのような観点から見ても、日本は経済効果より、心配事が増えるだけだと思います。オマケに日本が一番恩恵あるからタップリ出資しろ?要りません!

  10. 重箱の住人 より:

    本論とは無関係ですが、図表2において「自由主義」と「共産主義」が対比されていますが、この部分の「共産主義」は「全体主義」の方がより適当ではないでしょうか?

    何故なら、共産主義以外にも非自由主義の体制は有り得ますし、それに現在の中国は、殆ど資本主義経済であり共産主義とは言いにくいです。さらに強権で国民を締付け、共産党の政治目標の為に全国民を動員しようとする姿は全体主義というのにピッタリだと思います。

    1. より:

      さらに余談になって恐縮ですが、かつてサヨクの皆さんは全体主義という用語を使いたがりませんでした。なぜならば、全体主義と言ってしまうと、共産主義だけでなくファシズムまで包含してしまうため、区別がつかなくなることを嫌ったためだと言われています。
      現代の視点から見れば、一党独裁という点で共産主義もファシズムも同じだし、司法より党が優越する共産主義の方が、より全体主義の色が濃いようにも見えますが、当時ファシズムは「諸悪の根源、悪魔の思想」と断じられていたのに対し、共産主義は「実現されるべき人類の理想」のように見られていましたので、一緒にされたくないという気持ちは想像がつきます。
      結局のところ、同じ穴の狢であることがバレたので、今となってはほとんどギャグですが、昔はサヨクが右寄りの人を「このファシストめ!!」と罵倒するなんてことがよくありました。全体主義者が全体主義者のことを全体主義者と罵倒するなんざ、天に唾するようなもんですが、昔はそれが通用したのです。どっとはらい。

  11. お虎 より:

    まず、ブログ主の原文に?の部分がありそうなので、確認する(ネタは郵船から入手)。コンテナ船が商船のなかでもっとも速い部類なのは確かだが、それでも最高速は25ノット程度だから、時速になおせば44-45km/hくらいか。50km/hでは運行していないと思う。通常は高速便でも20ノット程度(時速37-38km/h)で、最高巡航速度に対して燃費が半分になる。

    次に、一帯一路路線がシベリア鉄道経由でない点については、その意図を読み違えているようにみえる。一帯一路は、中国を親分とし、中央アジア諸国を子分と位置付ける政治的意図があるのだから、ロシア国内を避けるのが当然。
    加えて、経済路線であるから集荷が重要でもある。この点で、極東への軍隊輸送目的で建設されたシベリア鉄道とは性質が異なる。

  12. 農家の三男坊 より:

    新宿会計士 様
      Web更新ありがとうございます。

    >某国が主張する「強制労働」という事実無根の冤罪に堂々と反論しなかったばかりか・・

    について、末端の役人だけを非難してもあまり意味は無いと思います。

    ”非難されるべきは、末端の役人に的確な指示・指導をできなかった、当時の岸田外務大臣であり、安倍首相だと思います。”

     多分、指示は「なんとしても韓国を説得し、ユネスコ登録を実現せよ。」ぐらいの地元選挙対策しか念頭になく、「韓国がゴネた場合、登録が難しくなっても已む無し」とは言っていないと思います。自民党の価値観はそんなものだと思います。結果、役人は、政治家をだませる範囲内ならいくらでも譲歩するのです。

     その証拠が左遷されていないことです。ハンガリー大使がユネスコ大使に比べて栄転なのかは不明。

  13. 匿名29号 より:

    シベリア鉄道は幾つか経由地が異なるルートがありますが、いずれもウラジオストクを起点にロシア国内だけを通ってモスクワに至るので、通関はロシアとEUの2国だけになるのと違いますか?

    ロシアの鉄道の軌間は1520ミリメートルという特殊な規格とかで、一方日本の在来線は1067ミリメートル、新幹線は国際標準の1435ミリメートルです。プーチン大統領は「樺太とロシア本土を鉄橋で、樺太と日本を海底トンネルで結ぶ」ことを提案したこともあり、陸の孤島である韓国と海底トンネルで繋がるよりは余程メリットがあります。
    しかし、軌間の問題だけでなく冬に極寒となる環境が貨物に及ぼす影響(ワインなどは凍ってしまいそう)も心配です。日本企業も2000年代に入ってシベリア鉄道経由での輸送試験を行っています。またウラジオストクには日本企業も進出しているので、ロシア政府が推進するベーリング海峡トンネルが完成するれば船によらず鉄路だけでユーラシア・ヨーロッパ大陸、アメリカ大陸に物が運べることになります。
    ロシアの政治的なリスクが大きいとはいえ、北朝鮮・中国を通過するより少しはマシでしょう。勿論FOIPは重要であり推進すべきと思いますが、複数の選択肢を持つことも重要と思います。

    1. 匿名 より:

      >通関はロシアとEUの2国だけになるのと違いますか?

      問題はモスクワと西欧の間で、経路によっては、ベラルーシ、ウクライナ、或いはモルドバの国境を通過しなければならない事です。

      それに加えて、これらの国で敷設されている旧ソ連式の鉄道と西欧の鉄道の接点では軌間が違うので、通関と共に広軌と標準軌の貨車の荷物の積み替えが必須です。

      まあ、中国経由の鉄道よりも沿線国家群の治安の面からシベリア経由のほうがマシでしょうが。

      1. 匿名29号 より:

        第5次拡大でEUに加盟したバルト三国のうちエストニア、ラトビアがロシアと接しています。ラトビア→ポーランドと抜けられます。

        1. 匿名 より:

          一概に言ってロシアからバルト三国鉄道経由での人口・市場規模の大きい西欧向けの貨物輸送の問題は遠回り・山がち・蛇行が多い路線での通過トン数の維持と旧ソ連式の軌間が使用されている事で、さらに、税関通過の仕切り(ロシア・バルト三国間)と軌間の変換の仕切り(バルト三国・ポーランド間)地点が分かれていて、貨物の滞泊が二度手間になってしまう事でしょう。

          日本と海に面していて、かつ人口や市場規模が比較的小さいバルト三国の貿易については態々手間の掛かる超長距離貨物列車を仕立てる必然性は無いですしね。

          1. 匿名29号 より:

            いや、そのような話をしているのではなくて、「モスクワと西欧の間で、経路によっては、ベラルーシ、ウクライナ、或いはモルドバの国境を通過しなければならない」というのでロシアもバルト三国でEUに接しているという話をしているだけで、後出しじゃんけんまでして何をしたいのかわかりません。
            貴兄が鉄道に詳しいことはわかりました。

    2. より:

      バム鉄道のこともお忘れなく。
      樺太廻りのルートの場合、ロシア側の起点はウラジオストックではなくなります。間宮海峡の最狭部は10Km以下ですので、日本海を渡るよりは距離的に有利です。
      ただ、まあ、問題は、ウラジオストックよりもさらに寒いところを回らねばならないことと、樺太を縦断する高規格鉄道を設置するのに、どれだけの費用と期間がかかるかわからんことですかねえ。え?メンテ費用?知らんがな、そんなん……

  14. より:

    そもそも、シベリア鉄道活用の可否とFOIPとでは次元の異なる話であると思うので、この二つを並べて比較しようという立論自体に無理があると思います。

    シベリア鉄道活用の可否は経済、特に物流に特化した話なので、輸送すべき物品や、輸送にかかる時間、コストなどから、主に経済性という観点で検討されるべき話です。もちろん、ロシアという政治的リスクそのもののような国を通過するので、リスクマネージメントは必要ですが、どのようなルートであろうと政治的リスクがゼロになることはあり得ないので、結局は程度問題に過ぎません。そもそも、どうしてもロシアを通過するのが嫌だというのであれば、日欧間の航空便は全滅です。ゆえに、結局のところ、シベリア鉄道活用の可否は、活用することによって、想定され得るリスクを上回る経済的メリットがあるかどうか、という一点で判断されることになるでしょう。
    一方、FOIPは、経済的な側面が皆無とは言いませんが、どちらかと言えば安全保障や地政学的な枠組みであり、少なくとも経済的な損得で検討されるべきものではありません。であるならば、「シベリア鉄道」とFOIPとを対比するのは、「どのスーパーでキャベツを買うのが一番お得か」という話と「どの警備会社と契約するのが一番安心か」という話を対比させるのとほぼ変わらないということになります。ちょっと適切な立論とは思えません。

    1. 匿名29号 より:

      FOIPにより確保される「自由で開かれたインド・太平洋」航路による海上輸送とユーラシア大陸を横断する鉄道輸送の比較だと思ってました。
      ”FOIPにより確保される”が省略されているので同じ土俵に乗ってないことになってしまったのかと思います。

      1. より:

        海上輸送ルートの安全性は確かに重要ですけど、日欧航路については、FOIPという枠組みが提唱される以前からの問題であり、すでにある程度確保されているとも言えるし、FOIPが機能し始めたら何かが変わるかというと、そうとも思えません。ソマリア沖やイエメン沖の海賊の問題がFOIPで解決されるとも思えません。

        というわけで、「シベリア鉄道」とFOIPはそれぞれ興味深い話題ではありますけれど、わざわざ対比させて、「AよりBが良い/優先して考えるべきだ」とするのは、意味ある議論にならないと考えます。

        1. 匿名29号 より:

          「AよりBが良い/優先して考えるべきだ」と言うわけではなく、AもBも同時に複数の選択肢を持つことが必要ということで、シベリア鉄道が一帯一路のようにFOIPと対立するものでなければ、別に検討を進めればよいだけです。
          核アレルギーのように検討すらせず門前で扉を閉めてしまうこともないでしょう。

          例えば日本の天然ガス、原油他の輸入先も分散させる政策がとられているように、複数の選択肢を持つことがリスクを軽減することに繋がるのと同じ考え方と思います。

          日欧航路とは北極回りの航路のことですか。シベリア鉄道とどういう関係があるのか分かりませんでした。
          そういえば昔はソビエト上空を通過できず、航空機はアンカレジ経由でヨーロッパに行っていました。アラスカや北極上空を飛んで昼間は飽きませんでした。

          1. より:

            ええ、ですから、以下のようなスレタイとその後の展開は無意味だと申し上げているのです。

            > 日本がシベリア鉄道よりもFOIPを重視するのも当然

            シベリア鉄道の活用などの陸路と、海運による日欧間輸送のいずれが経済的かという議論は当然成立します。さらに海運であっても、最近話題の北極海廻りだけでなく、スエズ廻り、喜望峰廻り、場合によってはパナマ廻りだってあり得るでしょう。空輸を含め、どのような場合にどの輸送手段が最適かという話であれば、ある程度データをもって実証的な議論が可能なはずです(でないと、保険屋は商売にならないはず)。しかし、そのような議論の文脈にFOIPが登場する余地などほとんどありません。そもそも、日欧間の輸送ルートを考えた場合に、オーストラリアが関係する可能性があるルートは非常に限定的です。マラッカ海峡を通過せず、インドネシアの南側に回り込む海運ルートだけでしょう。つまりは、FOIPもQUADも、日欧間の輸送ルートを考えるにあたっては、「全くの無関係とは言い切れない可能性もなくはない」程度でしかありません。

            要するに、私が言いたいことは、「日欧間の輸送ルートの問題とFOIPとは別個に議論されるべき話題であって、ごっちゃにしたり、変に関連付けて議論するのは不適切である」ということです。

    2. かっちゃん より:

      日本側は経済的損得がメインだからどうしても政治的リスクの考慮がおろそかなりがち。相手側の露中は経済的損得などハナから無視するような事を平気でやりかねない連中だ。こちらとは異質の国だから手が出せないね。

    3. 阿野煮鱒 より:

      > どうしてもロシアを通過するのが嫌だというのであれば、日欧間の航空便は全滅です。

      エミレーツを利用して、ドバイでトランジットして欧州へという「南回り」ルートがあります。娘は北回りの便が予約できず、このルートを使って成田ヒースロー間を飛びました。ドバイ国際空港は旅客数世界一を誇るゴージャスな空港で、トランジットの待ち時間は退屈しなかったそうです。「CAは愛想が良く、食事やサービスは普通で、概ね快適」だそうです。

      カタール航空も同様のルートを持っていて、同社の2019年の格付けは世界一でした。
      https://www.worldairlineawards.com/worlds-top-10-airlines-2019/
      2020年はCOVID-19により中止です。

      1. より:

        まあ、乗継便ならばいくらでもルートはありますから。おそらく、SQでもロシア上空を通らずにヨーロッパに飛べるはずです。

        というところで、こんなエピソードを思い出しました。
        当時の上司がドイツから帰国しようとした際に、LHがフライトをキャンセルしてくれやがりました。会議の都合でどうしてもその日のうちに帰国しなければならなかった上司は、LHのカウンターにねじ込み、FRA-SIN-NRTのチケットに振り替えさせました。ふらふらになりながらも無事帰国した上司は、成田から会議室に直行し、何とか間に合ったそうです。今だったら、そんな無理はせずにリモートで会議に出たでしょうけど、当時はそうもいかなかったようで。もちろん、当時だってテレビ会議システムはありましたが、接続性は悪く、しかも設備のあるところまで出向く必要があったので、選択肢には入らなかったと思われます。

        # エミレーツもカタール航空も乗ったことないなぁ……

      2. ひろた より:

        カタール航空でヨーロッパは行きます。ドーハ空港が新しくなってかなり良くなりました。
        ローマからの乗り継ぎが出来ず、ホテル、食事の費用を航空会社持ちで一泊したこともありますがホテルは一流で食事はそのホテルのバフェでしたが豪華。トランジットツアーも利用できました。立派な国立博物館が入場無料。
        日本人ツアー客もいて通訳かわりにされちゃいましたがいい人ばかりでよかった。
        残念なのはお酒が飲めない。その時はイタリアでしこたま買ったワインが先に日本へ行っちゃった。
        アリタリアがダメダメなのでイタリアへは中東経由が良いと思ってます。
        次はドバイ経由でおもっていましたが。

    4. へちまはたわしのみに非ず より:

      龍 様

      読み違えだと思います。
      記事を要約すれば、日本のヨーロッパ通商路に鉄道がないことを提起し、その理由をFOIPを挙げて基本的価値を説明した上で、ロシアがこれを共有しないため、と結論しているだけです。

      コメント中の”シベリア鉄道の活用の可否はリスクを上回る経済的メリットがあるかどうか” を、基本的価値を共有しないロシアの鉄道利用はリスクが高いのでヨーロッパ通商路となり得なかった、と言い換えれば記事の主旨通りでしょう。

      空路海運とて情勢次第で経路を変更しますが、鉄道の経路変更の困難については触れるまでもありません。

      1. 匿名29号 より:

        へちまはたわしのみに非ず様

        おっしゃる通りウエブ主様の論点はそうですね。 自分が変な茶々を入れややこしくしたため歯車が噛み合っていないみたい。

      2. より:

        なるほど。であれば、元々のスレッドタイトルはやはりミスリードですね。

        ・シベリア鉄道の活用がなされていないのは、ロシアが日本とは価値観を共有しない国だからである。
        ・”だから”、価値観共有連合であるFOIPを優先して考えるべきである。

        以上が本旨であるとするならば、”だから”とするのは非論理的です。少なくとも、シベリア鉄道活用の経済性や可能性に言及する必要はありません。
        これが、以下のように説明されるのであれば、特に異論はないのですが。

        ・ロシアは日本と価値観を必ずしも共有していない国である。
        ・だから、対ロ関係よりもFOIPを優先して考えるべきである。

        今のところ、シベリア鉄道が有効活用されていない原因は経済的合理性だけでも十分説明可能です。価値観を共有していないから通商できない、あるいは通商ルートとして使えないという仮説は、かつてのヴェネツィア共和国の事績や、現在の日本と中東諸国との関係に鑑みれば、容易には首肯できませんが、議論する価値はあるかもしれません。しかし、そのレベルの仮説を本旨を補強するための材料とするのは、あまり賛成できません。今回のように、ただ議論を発散させるだけだと思います。

        1. へちまはたわしのみに非ず より:

          龍 様

          タイトルのシベリア鉄道はロシアの比喩と考えます。
          これを指してミスリードとは流石に曲解が過ぎるでしょう。

          記事中「いわば、「シベリア鉄道」(=ロシアとの関係)よりも、「海上輸送路」(=FOIP構想)を重視するのは、現在の日本にとってはあまりにも当然すぎる判断だ、ということでしょう。」と結論される通りです。

          また、本旨ではありませんが、経済的合理性に地政学的リスクは当然に織り込むものと考えます。故にアラビア海は時に危険航行海域となり、原油価格は乱高下する訳です。
          正に通商/通商路の可否は経済的合理性次第です。
          ならば、パイプラインの閉鎖を政治カード化して憚らないロシアのリスクは言うまでもありません。

  15. かっちゃん より:

    対比表にされて日中の相違を改めて確認した。韓国、北朝鮮との対比表も作成されれば更に有益です。社会科の教科書に採用したら近隣諸国の理解が進むと思う。

  16. 海運業 より:

    本邦〜欧州間の物流なら、北極海航路という選択もあります。
    ロシアの権益が絡むこと、通年で利用できないこと(概ね6〜11月可)、その他課題もたくさんありますが、近い将来一般的に利用される可能性は小さくないと考えます。
    https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/ocean_policy/content/001359036.pdf
    https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/ocean_policy/sosei_ocean_tk_000021.html

    1. 匿名 より:

      ロシア内の超長距離鉄道が必須構成要素になっているサプライチェーンなんてリスクが高すぎるのでは?

      1. 海運業 より:

        海路を利用すれば、ロシア国内の陸上輸送の利用を避けることができます(ルート設定によっては、あえてロシアの陸上輸送と組み合わせることも可能)。
        ロシアの砕氷船の利用や、航行管制、通航料その他、何らかの影響を受けることが予想されますが、それでも鉄道その他の陸上輸送と比して、リスクの縮小や分散は可能と考えます。

  17. sey g より:

    日本にとって都合の良かった時代。それは冷戦時です。
    東西が別れて別々の経済圏で独立してた時が一番良かったなと思うのです。
    それはなぜか?
    日本はルールをキチンと守る集団の中では一番上手く泳げるからです。
    しかし、その集団にルールを守らない不法者が混じるだけでとたんにその能力が仇になるのです。
    このFOIPが、世界をルールと不法を分ける最初となれば、日本の復活に寄与するのでは。

    1. 匿名 より:

      日本の復活とか、日本政府がミャンマー国軍に対して毅然とした対応が取れないようでは無理です。対ロシアでも同じで。現実はそんなに甘くないですよ。

  18. WindKnight.jp より:

    そういう話なら。温暖化により、北極海航路が検討されているそうな。

    まあ、日本と欧州との貿易において、鉄道が主になることはないと思います。
    やはり、遠すぎます。

  19. 裏縦貫線 より:

    マラッカ海峡の海賊など海路が不安定になった場合の代替経路は検討必要ですが、沿線追い剥ぎリスクや依存度が上がった場合のボッタクリスクを考えると、積極的に開拓しようとまでは思えないです。
    個人旅行では、一生に一度でいいからモスクワまで乗り通したいですが…

  20. 迷王星 より:

    >だからこそ、むしろ「FOIPクアッド」という枠組みに関し、より強調すべきは「クアッド」の方ではありません。「FOIP」の方なのです。

    これには少し異論があります。
    引用部分のすぐ前にFOIPは理念であるという趣旨の指摘をされており、その指摘に関しては私も全く異論はありませんが、理念は具体的な実現の手段・手順を持たねば単なる空理空論と化してしまい、そんな空論と化した理念は却って有害ですらあります。ちょうど非武装中立教徒たちが唱えていた一国平和主義という理念が単なる空理空論に過ぎず、日本において正しく安全保障の問題に国民が向き合う上で極めて有害であったようにです。

    クァッドつまり日米豪印4ヶ国による共同安全保障体制は、このFOIPつまり共産主義独裁国家によってインド洋・太平洋における通商の自由・安全を脅かされないように共産チャイナに対抗するという理念に対する最小限不可欠な実現手段です。

    実際、これら4ヶ国のいずれか1国が欠けてもインド洋・太平洋の両方で通商の自由を脅かそうとする共産チャイナの軍事的圧力に対抗することは極めて困難だという意味で、FOIPの実現手段として最小限不可欠だと言えます。

    理念と実現手段とは両方揃っていることが本質的に重要であり、どちらがより重要か比較すべきペアではありません。実現手段を欠く理念は、最悪の場合、人心を惑わせる害悪にさえなりかねねない。

  21. 裏縦貫線 より:

    私の勘違いならすみません。
    本記事、いくつかコメントが消えているようです。
    日本と欧州を結ぶ海運は時刻表がなく、もし積み残しになったら数ヶ月待ちになる、といった内容のコメントを拝読し、より詳しく教えてもらえればと思った次第です。

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