資料集:インフルだけではなく日本の感染症は激減中?

昨日の『WSJ「COVID-19で死亡者数が減少した日本」』では、新型コロナウィルス感染症(武漢肺炎)の流行による全世界の死者数に関し、米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道記事を紹介しました。その際、わが国における「超過死亡」がマイナスとなっている、という話題に触れましたが、本稿では「メモ書き」として、国立感染症研究所・感染症情報センターのウェブサイトに掲載されている、インフルエンザをはじめとする疾病に関する『過去10年間との比較グラフ(週報)』のグラフを紹介したいと思います。

なお、本稿の図表の出所は、いずれも国立感染症研究所(NIID)が公表する、2021年1月8日時点における『過去10年間との比較グラフ(週報)』です。

図表1 インフルエンザ

図表2  咽頭結膜熱

図表3 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

図表4 感染性胃炎

図表5 水痘

図表6 手足口病

図表7 伝染性紅斑

図表8 突発性発疹

図表9 百日咳

図表10 ヘルパンギーナ

図表11 流行性耳下腺炎

図表12 急性出血性結膜炎

図表13  流行性角結膜炎

図表14  細菌性髄膜炎

図表15 無菌性髄膜炎

図表16 マイコプラズマ肺炎

図表17 クラミジア肺炎(オウム病を除く)

図表18 感染性胃腸炎(病原体がロタウイルスであるものに限る)

図表19  RSウイルス感染症

読者コメント一覧

  1. 農家の三男坊 より:

    興味深いポジティブデータ提示ありがとうございます。

    感染症なのでマスク・手洗いの効果も多少あるでしょうけど
    マスク・手洗いの顕著な成果なのか、単に患者が病院に寄り付かなくなった結果なのか
    識者の見解を頂きたいですね。

    これがマスク・手洗いの効果ならば医療財政にとって朗報です。
    (お医者さんは大変だろうけど)

  2. とある福岡市民 より:

     そりゃあ、これだけ感染防止対策を取れば感染症全体が激減するでしょう。飛沫感染対策にマスク、フェイスシールド、アクリル板のついたて、接触感染対策に石けんとアルコールを使用してるのですから。これらの対策はコロナの発症者を諸外国に比べて少なくさせている効果があると考えられます。減ってないのは性感染症くらいです。

     問題なのは、これらの対策がコロナ感染症の「現在の増加ペース」を落とすのにあまり効いてない可能性がある事です。その理由としては次の通りでしょう。

    1、気温が低く、空気が乾燥している時期だから

     インフルエンザウイルスもそうですが、コロナウイルスは高温多湿を嫌います。東南アジアで感染者が今も少ないのもこれが理由です。

     余談ですが、東南アジア諸国からのビジネストラックを維持しようとしたのも、あながち間違いとは言えません。GoToキャンペーンで感染者が増えたというエビデンスがないのと同じく、外国人の受け入れやビジネストラックによって感染者が増えたというエビデンスはありません。今流行しているコロナウイルスは3月頃に帰国した日本人が持ち込んで4〜5月に全国で流行したウイルスです。6〜10月の間は地域で持続感染を繰り返し、11月に再び流行しているのです。
     そもそも入国規制ではウイルス流入を減らしたり遅らせたりできたとしても、ゼロにする事はできません。入国規制が遅れた事を理由に政府を批判するのは誤りであり、根拠のない思い込みと排外主義による単なる偏見です。

    2、コロナウイルスの空気感染対策が重視されてない

     今の対策はインフルエンザやノロウイルスを防ぐのにはとても有効です。最初はインフルエンザと同じで空気感染しないと言われましたから。
     ただ、最近は空気感染の疑いがどうにも否定しきれなくなりました。空気感染の割に感染者が少ないのは、SARS-CoV-2は感染者の半分以上が発症しないからなのですが、発症した人としなかった人を分けた要因がわかっていません。よって、集団免疫の形成までは全員が感染防止策を継続せざるを得ません。

     本気で感染をゼロにしようとしたら、全員にN95マスクを着用して毎日使い捨てにする事、感染者全員を陰圧室にて治療する事が必要です。しかし現実には不可能です。N95マスクは高いし、あんなの何時間も着けていられません。陰圧室なんてそうそうないし。

     現実にできるのは次の4点でしょう。
    「30分で部屋の空気を入れ替えられる」←常に換気扇を回す、常にドアを少し開ける、30分に1度だけ窓を5分間全開にする、のどれか
    「人との集まりはできるだけ避ける。外食はもちろん、家庭内であっても会食は控えた方が良い」←ただし、何人以上からダメなのか具体的な線引きは難しいです
    「人と会う時、屋内にいる時必ずマスクを着ける」←布製でもポリウレタン製でも構いません。着けないよりマシです。マスクなしのフェイスシールドはダメです。
    (食事の時)「食べるならしゃべらない。しゃべるならマスクを着ける」←標語にしてもいいですね

     こうするだけでもだいぶ減らせるはずです。今後は家庭内でもマスク着用が必要になるかもしれません。

  3. 匿名 より:

    これらグラフ、見慣れている人には説明不要なのでしょうが、初めて見る人には「判じ物」ですね。www

    1. 矢塚 より:

      私も最初戸惑いましたw

      365日を7日で割ると52.14。横軸は週数ですね。
      一年間を少しオーバーランして、見やすくしているようです。
      後は「年ごとのライン」が西暦の下二けたで表示されています。
      (2020年が赤の太いライン)
      平年と昨年の比較が容易な、良い資料と思います。

      1. 匿名 より:

        八塚さま
        ご教示ありがとうございます。
        縦軸は、下の伊江太さまのご解説によれば、全国に置かれた、約3,000か所の定点からの報告数(報告回数?)のようですね。

        1. 矢塚 より:

          リンク先のグラフには「定点当たり報告数」とありますので、約3,000か所の平均数でしょうね。

          伊江太様をはじめ、コメントされる皆様のおかげで理解が深まります。
          感謝いたします。

  4. 伊江太 より:

    日本で通常の流行性疾患が激減しているという点については、まず間違いないとは思っています。ただ、国立感染症研究所の週報に掲げられているデータ、グラフの読み方については、気をつけておかなければいけないポイントがあります。

    本文中に掲げられているグラフで表されている疾患は、インフルエンザを除いて、すべて全国約3,000施設に指定された小児科定点からの報告数に基づいて発生動向を調べているものです。ですから、おもに学童間の感染に始まって社会に拡がっていく感染症の場合は、今小学校ではマスク着用、手洗い、身体接触の抑制などの対策が徹底されていますから、これほどの減少を見せるのはある意味当然とも言えるのです。もっと罹患年齢が低く、幼稚園に行くくらいの年齢になれば大体は免疫ができている突発性発疹の場合、発症数がさほど減らないのもなるほどという感じがします。

    もっと年齢が上がってからの感染が多い疾患は、感染研の週報に掲げられるグラフには出ていないのですが、結核、腸管出血性大腸炎、劇症型溶血性連鎖球菌感染症などの重要疾患が、一年前の同時期のデータに比べて、2割方減少しているのは面白いところです。果たして武漢肺炎への予防対策が実を結んだ結果かと言われると、ちょっと微妙ですが。

    性感染症の発生数は、ほとんど変わっていません。梅毒などはこのところの増加傾向を引き継いでいます。風俗関係の店が火が消えたような状態になっていると聞くと、そういう場所が感染の温床になっているという常識は、今や通用しなくなっているのかなという気がしてきますね。

    インフルエンザについては、旧年中はほとんど流行がなく、年を越えて大きな流行が来るという例が過去にいくつかありましたから、まだ油断はできないと思います。とくに昨年度は、新型(2009年型)より遅れて流行が始まる傾向がこのところ目立っている香港型の流行がほとんどなかったので、今年は危ないかなと思っています。まだ感染症週報には今年に入ってからのデータが出ていないので、これからに注目しておく必要があると思います。

    1. 伊江太 より:

      訂正です。

      上に「腸管出血性大腸炎」と書いたのは「腸管出血性大腸菌感染症」の間違いです。申し訳ありません。

      O157とかの毒素産生大腸菌が原因で起きる食中毒です。外食が減ったなどの影響は考えられるかも知れません。

  5. masa より:

    他国のデータも興味がありますね。
    もしかしたら日本政府は「世界一感染症対策に成功していて世界一叩かれている政府」な可能性も無きにしも非ずですので。

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