米国が「阻止」、WTO事務局長選問題は異なる次元へ

今朝の『WTO事務局長選で韓国劣勢、次の一手は対日逆ギレ?』で取り上げた「WTO事務局長選」の件が、たんなる日韓問題の次元を超え、「米国対WTO」という問題に発展しているようです。少し言葉は悪いのですが、「なかなか興味深い展開」です。というのも、そもそもWTO改革自体が宙ぶらりんになり、上級審の機能停止状態がさらに継続する可能性も出て来るからです。

米国がWTO事務局長就任を「阻止」

なかなか興味深い展開となってきました。

今朝の『WTO事務局長選で韓国劣勢、次の一手は対日逆ギレ?』でも取り上げた、例の「WTO事務局長問題」を巡って、複数のメディアが今朝までに、「米国がナイジェリア候補の選出を阻止した」、などと報じているからです。

WTO事務局長選、米が反対 継続審議に

―――2020/10/29 1:12付(2020/10/29 6:27更新) 日本経済新聞電子版より

米、事務局長選出を阻止 WTO、トップ不在長期化も

―――2020年10月29日08時37分付 時事通信より

たとえば時事通信は、記事のタイトルに「米国が事務局長選出を阻止」と題し、「WTOの決定は全会一致が原則のため、米国が早期の選出を阻止した形だ」、「米国が反対し続けた場合にはトップ不在が長期化する可能性がある」などと報じています。

また、ナイジェリアのヌゴシ・オコンジョ・イウェアラ氏については「世銀副総裁などを歴任した国際経済界の重鎮」で、「日本、中国、欧州、中南米、アフリカなどから幅広い支持」があるとしつつも、貿易実務の経験が乏しいことを、米国通商代表部(USTR)が問題視。

あわせて「自由貿易の強力な推進を掲げるオコンジョ・イウェアラ氏に、保護主義色を強めるトランプ米政権が反発したとの見方」も強く、さらに中国との経済的な結びつきが強いナイジェリア出身であることも反対に回った一因だ、などと述べています。

また、日経電子版の記事では「ナイジェリアは中国から多額の経済支援を受けている」、「米国は中国がWTOで発言力を強めるのを嫌い、オコンジョ・イウェアラ氏の就任に反対している可能性がある」などと指摘。

そのうえで、紛争処理の最終審に当たる「上級委員会」について、米国が欠員の補充を拒んでおり、判断が出せない状態が続いている、いわゆる機能停止問題に取り組む必要があるなど、さまざまな課題が山積していると述べています。

また、これらのメディアの報道によれば、WTO側は11月9日の会議でオコンジョ・イウェアラ氏の選出手続を進める予定とされているようですが、米国大統領選(11月3日)の投票結果次第ではさらなる波乱もあるのかもしれません。

なぜナイジェリアがダメで韓国がOKなのか?

ただし、なぜ米国がオコンジョ・イウェアラ氏の事務局長就任を拒絶しているのか、これらの報道を読むだけでは、いまひとつしっくりきません。

というのも、もしも「中国からの影響力排除」が目的なのであれば、韓国候補である兪明希(ゆ・めいき)氏(産業通商資源部・通商交渉本部長)もWTO事務局長として適格と断言できないからです。

もちろん、表向き、韓国は米国の同盟国であり、「自由、民主主義、法の支配」などの基本的価値を共有している「ことになっている」国ですが、現実には2017年の「THAAD制裁」や「三不の誓い」などの例に見るとおり、中国の軍門に下りそうになっている国でもあります。

あるいは、今月は中韓両国が600億ドル前後にも相当する巨額の通貨スワップを締結したという「事件」もありましたが(『中韓通貨スワップ、金額では日中為替スワップの2倍に』等参照)、韓国が軍事面、経済面、金融面で中国に取り込まれつつあることは明らかでしょう。

このように考えていくと、「ナイジェリアは中国から巨額の支援を受けているから、ナイジェリア出身候補を支持することはできない」という理屈が成り立つのなら、中国の影響力が色濃くなり始めている韓国出身の候補者を積極的に支持するというのも、なんだか不自然です。

米国がWTOに不満

ただし、先ほどの日経新聞などの記事にも言及があったとおり、もうひとつの要因として考えておかねばならないのは、米国がWTOの在り方に、以前から強い不満を抱いている、という点でしょう。

たとえば、米国は今年9月、中国からの関税提訴を巡り、WTOの一審で敗訴しており、このことを受けて「WTO改革」に対する圧力を強めています。

米中貿易戦争、WTO二審は困難 米が改革要求

―――2020/9/16 8:24付 日本経済新聞電子版より

さらには、以前の『輸出「規制」を巡り、米国がWTOと韓国に強く警告か』などでも議論したとおり、韓国が日本の「輸出『規制』」(export restriction)を巡ってWTO提訴した際の7月29日の紛争解決機関(DSB)で、米国側はこんな趣旨のことを述べています。

WTOは『DS512(ロシアの貨物輸送経由地に関する紛争)』において誤審を行い、結果的に複数のWTO加盟国による国家安全保障の問題と通商の問題を混同した申し立てを急増させた」。

この「DS512」については、独立行政法人経済産業研究所に2019年4月付で掲載された『ロシア・貨物通過事件パネル報告書』というレポートに詳しく触れられています。

これによれば、「DS512」は、2014年のクリミア危機に関連し、陸路でウクライナを経由する貨物の通貨をロシアが禁止・制限した措置の不当性を訴えていたものですが、最終的にはロシアが勝利した、というものです。

しかし、米国はこれについて、「安全保障上の問題と通商問題を混同する訴訟が急増するきっかけになった」と批判。暗に韓国政府が日本の輸出管理適正化措置を「不当な輸出規制だ」と訴えている問題を牽制しているのですが、裏には米国のWTO不信があると見て良いでしょう。

WTO改革は宙ぶらりんに?

いずれにせよ、WTOの事務局長が就任し、新体制が発足しなければ、WTO改革も宙に浮いたままでしょうし、上級審が機能しない問題についても当面継続する可能性はあります。

米国のWTOに対する不信は、表向きは米中対立が主因にも見えるため、11月3日の米大統領選の結果次第では何らかの動きがある可能性もありますが、やはり根底には、安全保障と通商問題を混同するなどのWTOのこれまでの姿勢に米国が不満を抱いているという点はあるでしょう。

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)は先ほど、WTO事務局長選で兪明希氏側は辞退せず、逆転を狙う見通しだと報じています。

WTO事務局長選挙、兪明希氏は辞退せず逆転狙う見通し

世界貿易機関(WTO)事務局長選挙の最終第3ラウンドで劣勢を強いられている韓国の兪明希(ユ・ミョンヒ)氏が、米国通商代表部(USTR)の声明を受けて、候補からは辞退せずにコンセンサス形成過程で逆転を狙うものとみられる。<<…続きを読む>>
―――2020.10.29 10:38付 中央日報日本語版より

ただ、個人的にはWTO事務局長選はすでに韓国のレベルでどうにかなる次元を超え、国際政治の舞台で米国によるWTO改革というテーマに移行しつつあるように思えてなりません。また、あれだけ圧倒的な支持の差を見せつけられ、米国の意向のみで兪明希氏が逆転するというのも不自然です。

自然に考えれば、WTO側が米国の意向を無視してオコンジョ・イウェアラ氏の指名を強行するのか、それともいったんはオコンジョ・イウェアラ氏、兪明希氏の両名を候補から外し、一から候補選びをやり直すかのどちらかではないでしょうか?

いずれにせよ、本件についてはまだ波乱がありそうですし、私たち日本国民の立場としては、今回の混乱で韓国側が「日本のせいでわが国初のWTO事務局長という構想が頓挫した」という「逆恨み」が出て来るのも時間の問題という気がするのですが、いかがでしょうか。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 気分は黒田長政公の家臣 より:

    他のサイトでも単純にWTOを機能させないようにアメリカが反対しただけという評論もありますね。私もこの案に賛成です。こういう戦法で国連も潰して欲しいです。国連なんて、要らない。そんなに出す金があるんなら税金下げて欲しいです。

    1. わんわん より:

       国連の専門機関
      15ある専門機関のトップ
      4つが中国で1つが韓国です
       
      読売新聞(不定期で問題提起してます)
      https://www.yomiuri.co.jp/economy/20201029-OYT1T50035/

       世界知的所有権機関(WIPO )の中国トップの就任は阻止しましたがWHOの例もありますからね
       韓国トップは日本人がトップだったこともあるIMOです

  2. だんな より:

    日米間で今後のWTOをどうするかについて、意思疎通が出来ていると思っています。
    日本がどちらの候補を支持したかも分かりません。
    韓国候補は、辞退しないと思います、
    WTOは、事務局長の選出手続きを進めると思います。そのプロセスで、鍵となるのがアメリカなのは、間違いないようですね。

    1. より:

      私は以下のような展開になると予想しています。
      「WTOがナイジェリア候補を事務局長に選出する」→「反発したアメリカがWTO脱退を宣言」
      水面下ではそこまでの話は付いているのではないかなぁ。その後アメリカが別組織を立ち上げるかどうか、焦点はそちらでしょう。

      かつてアメリカは、中国が変化すると信じて中国をWTOに加盟させました。結果的には大失敗でした。今さら中国をWTOから排除するわけには行かない以上、アメリカがWTOを脱退するよりないと思われます。

      1. だんな より:

        龍さま
        茶番だという事ですね。
        辻褄は、合っていると思います。
        水面下て話が付いているのは、日米間ですかね?

        1. より:

          既にG7+αくらいには話が通っていると思います。
          現状、中国がWTOを悪用しているのは明らかですが、それに対抗する術がありません。ということは、WTOはアメリカにとって何の役にも立たない組織であるに留まらず、対中デカップリングを進めるアメリカにとっては有害な組織ですらあります。ならば、アメリカとしては、少なくとも積極的にWTOを機能させる必要はありませんし、強いて留まる理由もありません。
          前事務局長が突然辞任したのも、果たして本当に自主的なものだったのか、少々疑っています。

    2. ボーンズ より:

      だんな様、龍様
      別のコメントにもしましたが、クアッド外相会談の頃には既に決まっていたんじゃないかと。
      中共の息の掛かった者が残った場合はこうすると。

      1. だんな より:

        ボーンズさま
        話が大きくなりましたね。
        皆んなグル?
        インドとイギリスが、入れ替わった方が、尤もらしいなあと思います。
        それとも皆んなグル?

        1. ボーンズ より:

          クアッド参加国はどこも中共は敵ですので。

  3. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    もう兪明希氏再度立候補なんてあり得無い。関係ない。次元が違うよ。日本を逆恨みせんといて欲しい。票が集まらないのは、韓国人に「徳」が無いからだよ(キッパリ!)。

    WTOは米国が存続を嫌がっている。カネはかかるが、もう何の役にも立たないんだから、潰して結構です。ホント、役立たずの国際機関って多いわ。第2次大戦後の東西新秩序の枠組みで決めて、それから約75年。経年劣化ですね。

  4. イーシャ より:

    米国がゴネたのか、韓国がゴネたのか。
    各国の印象はどちらでしょうね。

    1. 匿名希望の平民 より:

      韓国お得意の居直り、泣き落とし戦術で、最後まで戦うニダー!
      WTO議長席に居座り、全て日本が悪いと泣き叫んでやるニダー!
      飴を貰わない限りは引かないニダー!
      悪あがきは、韓国の真骨頂!ウリナラの作法ニダー!
      WTOの歴史上初、投票までゴネた候補者として、韓国の名を
      歴史上に残すニダー!! 誇らしいニダー!!

      1. だんな より:

        匿名希望の平民さま
        イーシャさんが、壊れたかと思ったニダ。

      2. 匿名猫 より:

        オリンピックで完敗なのに泣いて座り込んだ奴を思い出したわ。

      3. だんな より:

        匿名希望の平民さま
        やっぱり面白いから、座布団2枚。

        1. 匿名希望の平民 より:

          だんな様

          座布団、とてもうれしいニダ!

  5. 匿名 より:

    韓国がいいというよりWTOの活動を止められれば何でもいいのでしょう
    これも大統領選挙の結果待ちになるんだろう

  6. ボーンズ より:

    WTO事務局長の最終候補者が見えた段階でこうなることが見えておりました。
    表には上がっておりませんが、クアッド外相会議でも話題になっていたと
    私は考えております。
    国連のレームダック化が更に進みそうです。

  7. 心配性のおばさん より:

    先だって、こちらのコメント主様のお一人が示唆されていましたよね。韓国候補の支持は、アメリカのWTO潰しの一環ではないかと。あら!と思って、レスしようとしたのですが、睡魔に引きずられてしまいました。

    たしか、その方、日米連携プレイを示唆されておられました。Web主様もお気付きでしたのね。嬉しゅうございます。アメリカ大統領選の情けない攻防や、呪いの民族については、意識して遠ざかっておりますが、この視点には明るいものを感じました。

    情けないアメリカ大統領選はともかく、大統領府スタッフは着実に仕事をしているということですかしら?Web主様やこちらのコメント主様の読みが正しければ、人類にとって素晴らしいことです。嬉しくなってきました。

    1. だんな より:

      心配性のおばさんさま
      今日も調子が良さそうで、何よりです。
      このサイトは、コメントのレベルが高いので、大体誰かが「正解」を出してくれます。
      また、調子の良い時にコメント、お待ちしてます。

      1. 心配性のおばさん より:

        だんな様 ひと眠りいたしました(笑)。

        現在、私、痛みを薬でコントロール出来てからは、食欲も戻り、現世に復活いたしております(笑)。周囲からは憎々しく思われていると存知ます(笑)。

        でもね。自身の病気について、いい大人が不用意なカミングアウトしてしまったことについて、実は私、恥ずかしく思っておりますの。

        それ以前から、だんな様には、散々ご心配いただいたことを他のコメント主様から、お知らせいただいてからは、なおさらです。穴を掘って埋まりたいほどですわ(笑)。

        ですからね、内緒で、お願いします。しばらく、私の病気については忘れて頂けません?「おいおい、おばさん。そりゃないよ。」といったコメントのやり取りに戻りたぁ~い。

        1. だんな より:

          はい、分かりました(^O^)/

      2. 匿名 より:

        また また 内輪誉め・・。

  8. PONPON より:

    おそらく、既にアメリカ国務省は日本政府に対して韓国の候補を支持するよう圧力をかけており、日本以外の国に対しても同様だ。
    それは、米国の政治専門メディア「Politico(ポリティコ)」が報道したように、「国務省が在外公館の駐在国政府が兪氏を支持するかどうかを把握するよう指示した」、つまり、敢えて各国に支持を確認するということは、事実上要請するかしないかの「踏絵」を各国に迫ったということであり、事実上の圧力に他ならない。

    なぜアメリカ国務省はここまで韓国の候補を支持するのであろうか?
    ナイジェリアの候補が中国よりということだが、ナイジェリアはコロナ感染拡大で中国政府を提訴しており、またコロナに関してアフリカ人が中国で差別を受けていると強い非難をしており、決して中国一辺倒でないことはアメリカ国務省も解っているはずだ。

    そもそもアメリカ国務省は、日本政府による韓国に対する輸出管理の強化に対して強い反対をしてきた、対中国包囲網を強化するうえで日韓連携はかかせないからだ。
    しかし安倍政権においては、トランプとの強い信頼関係により韓国の誤りと日韓連携の有用性の低さをトランプに理解させることができ、国務省官僚筋の意向を跳ね返すことができていたのである。

    しかし安倍総理が退任し、また大統領選の最中、再び国務省官僚筋の力が強くなり、従って日本の韓国への輸出管理強化をストップさせることができる韓国候補を支持することになったのである。
    同盟国日本に対しては日本世論を敵にまわしたくないこともあり、「我がアメリカは日本に理解を示していたのだが、WTO事務局長の裁断で国に対する輸出管理が撤退されることになった、仕方アリマセンネ」といったところだろう。

    こういったアメリカ国務省筋の伝統的な日韓連携重視思想は、戦略国際問題研究所(CSIS)を代表とするGHQ以来のジャパンハンドラー(マイケルグリーン等)の人達の中に引き継がれいるものであり、以前はソ連、現在は中国という共産圏と対峙するために(実際はアメリカの国益を守るために)日本と韓国は強く連携しなければならず、そのために日本に韓国に対する贖罪意識を持たせて韓国に資金技術提供をさせ、それをベースに韓国は軍事最前線の役割を担うというものである。

    1. だんな より:

      PONPONさま
      アメリカ国務省が、「固い頭のまま、楽な仕事をしようとしている」といったところでしょうか。
      そうなると大統領選の影響を大きく受けそうですが、その辺も合わせて、今後の見込みをご教示いただきたいと思います。

      1. PONPON より:

        だんなさんへ

        国務省筋は、あくまでアメリカの国益に沿った判断をしているだけと思います。国務省を代表する伝統的なアメリカ政府にとっては日本も韓国も等しく重要な同盟国であり、特に韓国は軍事面で昔はソ連、現在は中国北朝鮮に直接対峙する最前線です。
        政治も世論も不安定な韓国が敵陣営に行かないために、アメリカは韓国を飴と鞭で手なずける必要があり、そのためにアメリカにとって日本は絶好の「利用価値のある同盟国」です。
        アメリカ等連合国史観では、日本は韓国を蹂躙支配した酷い国なので、その贖罪意識を日本に植えさせることで(戦後教育、左派マスコミ育成、学術会議設立等)、日本が韓国に資金援助や技術サポート等を行い、アメリカの懐が痛まない形で韓国の武装化、近代化を行い、共産圏に対する先兵とするといった戦略を取っているものと思います。
        こういったアメリカの戦略が、過去一方的に日本が韓国に譲歩し、韓国がそれを当たり前とする現在のいびつな日韓関係を生みだした一因であると私は考えています。

        但し、上記の伝統的なアメリカの戦略である「対共産圏日韓連携」は、選挙で選ばれないエリート官僚のものであり、必ずしもトランプ大統領等選挙で選ばれた政治家には当たらないと考えます。

        来月のアメリカ選挙ですが、トランプ大統領もバイデン氏も対中国では強硬政策ということで変わらないと思います。アメリカにとって中国は明らかに覇権を争う国であり、国益を大きく毀損しかねない敵国であり、世論もその認識ですし、根本的な国益擁護という点でアメリカは左右問わず一致団結する国であり、そこは日本と大きく違うところです。
        但しバイデン氏の方が国務省等の官僚筋の意見に従いそうなので、日韓連携をより重視するように思います。
        トランプ大統領は、おそらく安倍首相の影響で韓国を信用していないように思いますが、菅首相になった現在、国務省官僚筋の意見の影響がより強くなる可能性が高いと思います。

        以上結論的には、バイデン大統領であってもトランプ大統領になっても安倍政権時よりは日韓連携への圧力が強まり、韓国に対する輸出管理規制を解かざるを得ない状況になる可能性が高いと思います。
        但し、菅総理が安倍総理同様にトランプ大統領と個人的信頼関係を築くか、または「韓国に対して戦後一貫して続いてきた謝罪、譲歩外交」を強い意志で止めるならば、より良い道は開かれるものと思います。

        違いは多分、バイデン

        1. PONPON より:

          すいません、上記文章で以下余計な文言が残っていました。

          違いは多分、バイデン

        2. だんな より:

          PONPONさま
          丁寧なご説明、ありがとうございました。
          頭に入れて、見ていきたいと思います。

  9. G より:

    私の(妄想かも知れない)想定シナリオは以下のイメージです。

    以降、韓国候補以外をWTO事務局長に選任したり投票にかけたりという行動に対してはアメリカが拒否。

    韓国候補を選任する動きに対してはアメリカは黙認するが日本が断固拒否。

    アメリカは一切「WTO事務局長を選任するな」とは言いませんが事実上アメリカ、日本で全ての選任プロセスを拒否するのでWTOは事務局長を選べない。

  10. 引きこもり中年 より:

     独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (なにしろ、韓国と違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
     韓国メディアは、「アメリカがWTO事務局長選でナイジェリア人候補を支持せず」と喜んでいましたが、「アメリカが韓国候補を支持」と言わない限り、「アメリカはナイジェリア候補も韓国候補も支持しない」もあり得るのではないでしょうか。もしそうなら、(韓国政府は、アメリカの反対を梃に、支持を増やすとのことですが)アメリカも支持しない韓国候補を、さらに支持する国がどれだけあるか疑問です。
     駄文にて失礼しました。

    1. PONPON より:

      引きこもり中年さん

      アメリカは兪明希氏への支持を明確にしています。

      以下【ジュネーブ共同】
      世界貿易機関(WTO)が事務局長選でナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相(66)を推薦することを明らかにした28日の非公式加盟国代表会合で、発言した27カ国・地域のうち、米国だけが対抗候補の兪明希・韓国産業通商資源省通商交渉本部長(53)への支持を表明した。

      1. 引きこもり中年 より:

        PONPON様へ
        失礼しました。勉強不足でした。

  11. クアッド より:

    アメリカが時間稼ぎしているようにしか思えない。
    ただ本当にアメリカはWTOを脱退しても
    新しい国際機関を創設するような理想ももはや持っておらず、
    再度孤立主義に復帰するような気がしています。
    必要最低限かつクアッドのような軍事、経済体制の構築です。

  12. しきしま より:

    アメリカも韓国人局長がまともにWTOの仕事をするとは思っていないのでは。
    陰謀論っぽい話になりますが。
    韓国が喉から手が出るほど欲しがっている「国際機関のトップ」をエサに、巧みに罠に誘っているのではないでしょうか。すなわち、

    韓国人が局長になる

    当然不正をする

    徹底的に糾弾する

    という流れです。

  13. げそげそ より:

    米国通商代表のライトハイザー氏が望んでいるのは、紛争解決手続き(DSU)がないWTOに劣化させること(つまり昔のGATT)です。WTOで唯一まともに機能しているのがDSUだったのですが、上級委員会が事実上つぶれてしまったことで、DSUも死んだようなものです。つまり、もはやWTOは死に体となりました。次の事務局長は韓国だろうがナイジェリアだろうが、同じことです。
    結局、米国の望んだような形になってきたということではないでしょうか。もしバイデンが勝てば、民主党は伝統的に内向きであることから、さらに無関心度合いがひどくなるように思われます。「WTO体制」は多数の条約により構成されており、加盟していればメリットが大きいことから、米国が抜けるというのはあり得ません。ただ、米国は自分の力を思う存分振るうべく、WTOを骨抜きにしたいのです。TPPから抜けてなぜ2国間協定にこだわったかと言えば、そのほうが相手国を屈服させやすいからです。大国らしくない振る舞い、と言えばそれまでですが。

  14. 名無Uさん より:

    異次元でありますね…
    今現時点での世界は霧が深く、ほとんど見通しがききません。とにかく見通しが悪く、自分は役立たずです。
    『The shroud of the dark side』のためでしょうか?
    こういう時は『I have a bad feeling about this』としか言いようがありません。

    こういう時は下手な予想などせずに、妄想だけを述べておきましょう。
    アメリカの真の標的は、アメリカそのものでありました。これが看破できませんでした。
    アメリカはWTOそのものを破壊し、貿易紛争において調停するものがいない状態を目指し、対話と裁定の場を設けることなく、暴力的な方途にしか訴えることができなくなることを目指していました。『それは中共のせいである』と、いくらでも後付けはできるでしょう。

    WTO事務局長選において、韓国もナイジェリアも選出されない。
    これと同様のことは米大統領選においても繰り返され、トランプもバイデンも選出されないかもしれません。
    たとえ異次元であったとしても、もし、このシナリオを描いた者がいるとするならば、その戦法は似通ってくることが常というものです。(笑)

    ハンター・バイデン氏の醜聞が出た後、有権者から雲隠れしていたジョー・バイデン氏本人が24日に、『我々はすでに米国の政治史上で最も広範で包括的な有権者詐欺組織を結成したと思う』と暴露したことは偶然ではありますまい。
    これをまともに解析した者は現在のところ、日本では皆無です。あまりに恐ろしいものを見てしまい、思考停止に陥っているのでありましょう。アメリカの公式の歴史を見渡しても、皆無の事例であり、自分は思い当たることがありません。
    これは米大統領選後に、アメリカに反乱を起こしていくための仕込みなのでありましょう。

    NHKは、トランプ大統領が大量の支持者からの溢れんばかりの歓声を受けている映像を映し出しています。変わってバイデン候補は、本人が映る映像しか出さず、観衆の姿を映し出すことはけしてありません。さて、ここからが現時点で8,000万人を越えたという郵便投票の行方です。

    バイデン疑惑後「再投票」が検索ワード上位に。期日前投票“8000万人”突破も一部で心変わりか
    https://news.yahoo.co.jp/byline/abekasumi/20201030-00205479/

    もしこの郵便投票の不正の結果、バイデン候補が米大統領に選出されることがあるならば、アメリカで反乱が起こる可能性を舐めないほうがいいでしょう。アメリカの歴史上において、南北戦争以来のものです。
    菅直人政権で総務大臣政務官を勤め、石破茂元幹事長の支援で参議院議員となった『国際政治経済学者』の浜田和幸氏はこう述べています。
    『トランプ氏を支持する極右武装勢力(ミリシア)は銃火器を持って投票所に詰めかけて黒人などを威嚇し、トランプ氏敗北となったら暴動を起こすつもりです。一方、バイデン氏支持の左派はトランプ氏が当選したら、ニューヨークのトランプタワーを焼き打ちすると息巻いている。』(後略)

    この反乱の結果、最悪の場合、GAFAのサービスが停止し、ネット回線が寸断され、指揮系統を失って米軍が動けず、旗艦ブルーリッジにまで指令が届かず、同時に自衛隊も動けない。
    その瞬間を狙って人民解放軍が動く。
    こうした事態まで起こる可能性を想定に入れて備えておくことを、菅政権には申し入れたいものです。

  15. このWTO事務局長選で韓国は進退窮まっているようです。(笑

    そりゃそうですよね。WTOという国際舞台で世界中の国々から注目されている中で巨大踏み絵を迫られているのですから。中国はナイジェリア人候補を事務局長に据えるため韓国人候補に辞退させたい。韓国が望んでいた大型のスワップ協定を結んだのもナイジェリア人候補を当選させるため協力せよとの条件つきだったのではないかしら?そしてここへ来てBTSのコメントに難癖をつけて韓国製品の不買をしたり、税関で流入を押さえているのも「早く韓国人候補を降ろせ!」という圧力ではないかと思えます。
    一方米国は、中国封じの動きを強めている訳ですから中国の推す候補者に賛同はできないし、中国の影響力を削ぐためにもWTOの機能を形骸化しようとしていることもあるでしょう。そこで韓国人候補者の支持を打つ出したのです。韓国は名目上は米国の同盟国ですから名分は立ちます。
    さて、韓国は、一回目の選考を勝ち上がって もう少しで事務局長に手が届くところまできて、現在は不利な状況でも米国がバックについたので逆転してポストを手にすることができるかもと欲があります。それは政府だけでなく韓国民も同様でしょう。このタイミングで候補者に辞退をさせれば国内世論が収まりませんね。かといって辞退させなければ中国からボコボコに殴られると思います。何しろ韓国が中国の推す候補者が選ばれるための最大の障害になってしまっていますものね。そして候補者を辞退させて中国の推す候補者に決定させるような動きをすれば米国から赤組認定されて裏切り者としてキツ~イお仕置きをされると思います。
    さてさて、天災ムンムンこの難局をどう切り抜けるか?見ものですねえ。(WKWK)

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

ボーンズ へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告