日本製鉄の即時抗告、本当の狙いは「引き伸ばし」?
自称元徴用工判決問題で8月4日に公示送達の期日が到来したことを受け、報道によれば本日、日本製鉄側が即時抗告の手続を取ったそうです。韓国のように国際法違反をする国のことですから、「放っておけば良いじゃないか」、と感じる人も多いと思います。しかし、当ウェブサイトの見立てだと、今回の日本製鉄の動きには、日韓関係の膠着状況を敢えて引き延ばすという、日本側の都合も見え隠れしている気がしてなりません。
日本製鉄が即時抗告
日本製鉄側が、即時抗告したようです。
日本製鉄、韓国裁判所の資産差し押え命令に即時抗告状提出
日帝強制動員被害者に対する賠償判決を受けた日本製鉄(旧新日鉄住金)が韓国裁判所の資産差し押え命令を不服とし、抗告した。<<…続きを読む>>
―――2020.08.07 11:00付 中央日報日本語版より
韓国メディア『中央日報』(日本語版)などの記事によると、大邱(だいきゅう)地方裁判所は7日、日本製鉄側が即時抗告状を裁判所に提出した、などと報じています。
個人的には、裁判所がこの即時抗告を棄却するであろうことは間違いないと思っているのですが、①いつ棄却するか、②棄却後すぐに資産現金化に踏み切るかどうか、という点にも注目したいと考えている次第です。
今後の展開:資産現金化はあり得るのか?
もっとも、これまでに『8月4日が到来しても、恐らく「現金化」は実現しない』や『語るに落ちる:韓国側の狙いは「資産売却」ではない!』などを含め、ざんざん繰り返し説明してきたとおり、一般に、非上場株式の売却はきわめて困難です。
なぜなら、通常の法治国家であれば、最低売却価格の決定には財務デューデリジェンス(DD)の実施が不可欠ですし、また、譲渡制限株式を競売処分にしたとしても、落札者は株主名簿の書換を拒絶されるのが関の山でしょう。
そして、当ウェブサイトの見立てが正しければ、韓国の原告側が非上場株式という「売却困難な資産」をわざわざ差し押さえたのも、本気で売却するつもりはないという証拠でしょう。というのも、彼らの目的は「被害者の救済」にあるのではなく、「日本の永遠の贖罪」にあるからです。
つまり、今回の一連の公示送達という茶番劇も、「この株式を売却したら、日本企業としては困るだろう?」「株式売却までもう少しだけ時間をやるから、日本企業は謝罪と賠償をしろ!」という、原告側からのメッセージなのです。
したがって、もし今回の即時抗告が棄却されたとしても、資産現金化まで進むことはない、というのが、当ウェブサイトとしての見立てなのです。
むしろホッとしているのは韓国の側では?
というよりも、そもそも論として、『「資産売却」騙る弁護士のインタビュー=自称元徴用工』などでも紹介したとおり、少なくとも原告側弁護士に、「財務デューデリジェンス(DD)を実施して非上場株式の公正価値を算出し、競売手続で換金する」だけの知識や経験がないことは明らかでしょう。
ということは、もしここで日本製鉄側が即時抗告をせず、公示送達の効力が確定してしまったとしたら、韓国の世論的にも競売手続を進めざるを得なくなるるため、むしろ韓国の裁判所や弁護士の側が「困ったこと」になってしまいます。
日本政府はこの一連の競売手続自体が「国際法違反」だと警告し続けていますので、もしも競売手続が進むと、実際に換金まで至らなくても、どこかの段階で日本政府からの対抗措置(あるいは報復措置、場合によっては経済制裁)が発動されてしまうかもしれません。
だからこそ、今回、日本製鉄側が即時抗告をしたことで、一番ホッとしているのは韓国側の当事者(地方裁判所、原告側弁護士、あるいは韓国の裁判所の国際法違反行為を「三権分立だから介入できない」とうそぶく韓国政府関係者)なのかもしれませんね。
日本製鉄、あるいは日本政府の狙いとは?
では、なぜ日本製鉄側が今回、即時抗告をしたのでしょうか。
これについては、明確な報道は見当たりませんし、現時点において日本製鉄株式会社のウェブサイト上、何らかのコメントがなされているわけでもなさそうです。
ただ、あえて同社の立場を勝手に忖度して申し上げるならば、日本製鉄側の今回の即時抗告は、法治国家の企業としての矜持(きょうじ)を示したようなものでしょう。
一部の論者からは、「韓国が国際法を守らないのだから、日本製鉄側も韓国の法手続を無視してしまえ」、などとする主張が出てくる可能性はありますが、もしそれをやってしまえば、日本製鉄は国際法を無視する韓国と同じレベルに落ちてしまうかもしれません。
日本製鉄の今回の行動、悪く言えば「バカ正直」かもしれませんが、当ウェブサイトとしては、韓国国内での一連の判決や手続が国際法違反だからといって、日本製鉄側は韓国と同じレベルに落ちることなく、正々堂々と法手続によって対抗手段を講じていると考えます。
もっと大きな枠組みで考える必要がある
ただし、ここで少し視点を変えると、また違った見方もあるかもしれません。
それは、日本製鉄(あるいは同社や不二越、三菱重工などの「被告企業」と密接に協議しているであろう日本政府)の側に、何らかの「全体戦略」が潜んでいる可能性です。
当ウェブサイトではこれまでに何度か、自称元徴用工問題には理論上、「4つの落としどころ」しかあり得ない、と考えて来ました。
自称元徴用工問題の「4つの落としどころ」
- ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
- ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
- ③韓国が国際法を破り続け、日本が原理原則を貫き続けることで、日韓関係が破綻する
- ④日韓双方譲らずに現在の膠着が続き、これとまったく違う次元で日韓関係が破綻する
このうち、これまでの韓国の行動特性上、①については基本的に考え辛く、また、今回の日本政府は、上記②の姿勢についてはかたくなに拒否しています。そうなると、③か④の可能性が非常に高い、というわけです。
ただ、③、すなわち自称元徴用工問題で日韓関係が破綻するのは、日本にとっても好ましい話ではありません。なぜなら、産業のサプライチェーンで日韓経済は密接につながっているからであり、日韓関係が無秩序に破綻すれば、日本企業にとっても損害が多く発生する可能性があるからです。
このため、当ウェブサイトが「推奨」するシナリオは、④です。
たとえば、自称元徴用工問題で日韓双方の対立が長引き、そのあいだに日本企業や在韓日本人は徐々に韓国からの撤退を進め、そうこうしている間に米軍が北朝鮮の核開発を阻止するために「1発だけなら誤射かもしれない」と叫びながら「韓国を」攻撃する、となると、なかなか興味深い結果が生じます。
以前から当ウェブサイトで強調しているとおり、日韓関係とは、日米関係や米韓関係、あるいは日中関係などの従属変数に過ぎません。韓国が米中双方に良い顔をして、コウモリ外交を続けること自体、いつまでも続くものではないでしょう。
このため、自称元徴用工判決問題などの日韓対立を契機に日韓関係が疎遠になるのは、日本にとってはむしろ「願ったりかなったり」です。だからこそ、日本製鉄をはじめとした「被告企業」としても、時間を可能な限り引き延ばすことは、トータルで見て日本の国益を最大化するのに寄与する可能性があるのです。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もっとも、この問題をいつまでも引っ張っていると、思わぬリスクもあります。
米国でドナルド・J・トランプ大統領が再選されず、ジョー・バイデン政権が発足してしまうリスクに加え、日本も安倍晋三総理大臣が(予定では)来年9月に自民党総裁としての任期満了を迎えますし、その場合、内閣は総辞職を余儀なくされます。
だからこそ、韓国に対して奇妙な譲歩をする人間(たとえば岸田文雄・自民党政調会長など)を次期首相にしてはならない、という話でもあるのですが、この点を議論し始めると、話が本論から脱線してしまいます。
ただし、このあたりはほかの重要な論点(たとえば消費税や日本国憲法など)との関連で非常に重要でもあるため、機会を見つけ、また別稿でじっくり議論したいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
現金化されてしまえば、即座に制裁を発動しなければならなくなりますが、日本は別に現金化されないからといって、制裁を発動できないわけではありません。
条約に違反した状態は既にあるわけですから。
このニュースを見た時、違和感ありましたが、日本としては制裁を発動できるタイミングを自ら選べるようにしたのではないかと思いました。
じゃあそのタイミングは、というとわかりませんが、急速に米国が韓国の外堀を埋めていることと連動しているのかもしれないですね。
法治国家の企業としての矜持(きょうじ)を示した>
日本製鉄の関係者がこのサイトを訪問し新宿会計士様のこのコラムを読まれたとしたら、そのように見て下さる方もいるのだと、さぞや感激されることだろうと思いました。(笑)
まぁ私も企業としての「筋」は通そうとしたのだろう程度には考えておりました。日本製鉄がこの不当判決に何ら行動を起こすことなく判決を見守るだけだとしたら、ひょっとしたら株主訴訟すら招きかねない事案であったかもしれないからです。
無論巨額のの資産を保有する日本製鉄からすれば、今回の韓国内資産など吹けば飛ぶような金額に過ぎませんから訴訟沙汰にまでは及ばぬのかもしれません。しかし、それでも不当な判決により保有資産を毀損されることを黙って見ているだけならば、その不作為を株主総会で非難される可能性は全くゼロではないと思うのです。
少なくとも私が株主であれば、訴訟はともかく株主総会で抗議に及ぶなり、議決権行使書の余白に非難の文言を書くぐらいはしたくなる事案でしょうね。(笑)
今回の件を対岸の火事と見ず、リストアップされた他の300社あまりの関係各位におかれては、一日も早い
彼の国からの撤収を図って頂きたいものです。
仮にトランプ政権が継続しても、米国が韓国発のアジア金融危機を誘発するような日韓の全面対立を容認する事はないでしょうね。
トランプなら日本に過剰な譲歩を迫るような滅茶苦茶な要求はしてこないという希望が感じられる。
その程度でしょうか。
更新ありがとうございます。
日本製鉄が即時抗告をしました。
今回の日本製鉄の動きは、日韓関係の膠着状況を敢えて引き延ばすというのが会計士さんのお見立てですね。
これち
匿名は、めがねのおやじでした。失礼しました。
2020/08/07 at 16:05
更新ありがとうございます。
日本製鉄が即時抗告をしました。
今回の日本製鉄の動きは、日韓関係の膠着状況を敢えて引き延ばすというのが会計士さんのお見立てですね。
韓国は公示送達自体、「株を売却したら、日本企業は困るだろう?株式売却は待つから、日本企業は謝罪と賠償をしろ!」という脅迫だと。
韓国は、ほっとして日本は正直に法律内で手を打った。私は日本側にとって、もう少し良い手は無かったのかなと思います。
日本政府がこの問題の競売手続自体が「国際法違反」だと警告し続けています。という事は、即時抗告をすると相手の術中に嵌ったと言えませんか?即時抗告しても裁判所は却下する見込みです。韓国はなんだかんだと、現金化する(出来ないから)前にイチャモン付けるでしょう。
「無視」という選択肢は日本には無かったと思います。それをするのは北朝鮮や中国(もっともこの2国には絶対モノ言えない下朝鮮だが)。自由主義、民主主義の諸国は同じ様にするしか無いですかね、、。早くこの徴用工判決は息の根を止めたいです。
即時抗告で引き伸ばし。
日本にとって何かいい事有るとは、思えないですね。
日本の体勢を整える時間稼ぎなら、韓国にも同じ時間が与えられますからね。
韓国には、時間を与えずに次々と燃料補給してあげるのが、良いと思います。
新宿会計士様
初めてコメント致します。毎日楽しみに拝見しております。知的好奇心くすぐられる記事ばかり‼︎こんな内容を1日に何度も更新されるとは、本当に頭が下がります。ありがとうございます。
この記事に対するコメントではないのにすみません。今日下記のような記事を読み、もう憤ってしまいました!
https://www.asahi.com/articles/ASN873320N86UTIL01B.html
是非とも新宿会計士様のツッコミ(あっ関西人なのでつい漫才に‥)いえいえ、鋭い考察をお聞かせ頂きたく、どうぞお願い申し上げます。
アクビ様
初めまして。
あ〜こら悪質な情報操作ですな。ATMなど、新聞紙からの「情報を得る事が増えた」?笑わすな〜。
皆在宅、リモート増えてもテレビも減ってますよ(スポットCM)。新聞紙なんか手が汚れて捨てるの重いだけやん(失笑)。購読数減ってますう〜。こんなウソバラまいたら、もう倒産近いね!まずはMか?(爆笑)。
めがねのおやじ様
わざわざリプライ頂きまして、ありがとうございます^_^
はい、ひどい情報操作してますよね!
普段は、皆様のコメ欄ディベートを楽しく拝読しているだけで十分満足なのですが、もう腹立って!
義姉がいまだに朝日新聞を購読してます。(義兄は新聞読まない) 左翼なんやろか‥怖くて聞けません。でも、生ゴミ処分には新聞便利ですよね^^;
この、朝日新聞の記事に対する、あまり外れてはいないと思う私の個人的見解です。
〇まず、日本新聞協会が行った、この調査の対象者(=回答者)は、マクロミルモニタの会員(=ポイント獲得者=有償回答者)です。有償で回答してもらったこのアンケートの目的は、調査する側に有利なアンケート結果を得て、それを宣伝に利用することでしょうか。PCによく入ってくるTポイントの商品宣伝のアンケート調査と同じレベルで考えて下さい。日本新聞協会はそういう組織です。
〇たとえば、さらに言えば、新聞サイト(有料版)=37.5%というアンケートの結果がありますが、その100%は、回答者全数の何%に当たるのでしょう?普段、お小遣い稼ぎを行っているマクロミルモニタの会員の何%が、有料版の新聞サイトを見るのでしょう?少ない数値をいかにも大きく見せようとしている意図を感じます。「統計でウソを付く法」という本などがありますが、その実例題材だと思って記事を読むと、頭の体操になると思います。
新宿会計士 様
すみません。③と④はどう違うのでしょうか?
国際法も国際条約も企業間の契約も紳士協定も全て破り続ける韓国と、バカ正直であっても日本の国内法、韓国のパクリ国内法、国際条約、企業間の契約、不文律の紳士協定に至るまで守り続ける日本の間で膠着状態が起き、カントリーリスクを懸念して在韓日本企業が撤退しつつあるのが現状です。③でも十分に④を説明できそうですので、④をわざわざ分ける必要はなさそうですけど、いかがでしょうか?
今回の即時抗告では、法治国家の企業としての矜持を示したと同時に、少しだけ〔一週間程度〕現金化を早める効果が得られたのかもですね。
曖昧さの排除は、早期決着への布石なのかも・・。
申し立ての内容に、差押え株式の実質評価額のくだりがサラッと含まれてたりすれば現金化促進措置なのは決定的なんですけどね。
・・と、妄想はここまで。
実際には、こちら側の都合でコントロールできる態勢づくりでしょうか?
官民で呼吸を合わせて、
″マネージ″しないとね。
間違えなく引き伸ばしですね。日本側は利敵勢力を排除しないと後世に禍根を残します。国のために国の名で募集した私企業の責任にするならば二度と国のために協力する企業はなくなるでしょうね
> 間違えなく
間違いなく、です。
大統領秘書室長・秘書室の首席秘書官全員が辞意表明http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/07/2020080780153.html
て、何が起きているのでしょうか?
件の大法院判決が判例として生きている以上、抗告が却下されることは確実ですし、普通に考えれば却下までにそれほど時間を要するものではありません。その意味では、日鉄にとっての時間稼ぎという見方は当たらないと思います。日鉄にすれば、不当な裁決に抗議したという事実だけが重要なのであって、その効力に期待など一切してないでしょう。
ただし、韓国側が時間稼ぎに今般の抗告を利用してくる可能性は多分にあります。抗告内容を検討すると称して、公示送達の効力確定をズルズルと最大半年くらい引き延ばすこともできるでしょう。なにしろ、問題が「解決」してしまったら困るのは韓国側なので。
でも、だからといって、今回の日鉄の措置を悪手とか愚策などとは非難したくないなあ。
日鉄は当然為すべきことを為したにすぎません。そして相手が非常識で支離滅裂なことは日鉄の責任ではありません。なにもわざわざ韓国面…もとい、暗黒面に堕す必要はないと思います。
龍さま
良く分かりませんが、地裁に即時公告出来た訳ですよね。
嫌な話ですが、高裁に控訴も出来るんじゃ、無いんですかね。
ただ、チャーハンの話になっていくような。
安倍首相退陣までの時間稼ぎですね。
誰がなるのかわかりませんが就任すれば、韓国側が妥協案を持ち出し、実績つくりで妥協案に乗っかると算段してのことでしょう。
即時抗告ってわりと機械的にやるイメージ(歩を突かれたから取る、みたいな)なので、それ自体にはさほど深い意味はないと思いますが、俯瞰して見える方向性として、相手のペースに付き合ってダラダラやる感じなのかなーとは思いました。
日本だと即時抗告の結果はすぐに出るイメージですけど、韓国じゃ時間かかるんですかね。別に裁判繰り返すわけじゃないのだから、即日で決定出ても良いはず。
一般論として日本の対応は当事者が出てくることで、やりとりの面倒さを回避、現金化までの時間を早めようという戦術に思えます。
韓国はすべてに時間かかけてとにかく現金化しない、制裁されない状態を保ちたい。
自分の所用に書いた記事を転載させていただきます。
元記事を明記していないリンクをクリックすると私のブログ記事へ飛びます。ご注意ください。
===
日本製鉄が南朝鮮に即時抗告したようですね。
“日本製鉄が即時抗告 徴用工訴訟で韓国裁判所に不服申し立て” (産経デジタル 2020.8.7 11:12)
この理由としては、米韓為替スワップがあるうちに憐国から撤退をにも記したように、未だに捨韓できていない日本企業に撤退猶予を与えるためだという可能性が考えられます。
南朝鮮の実体経済は既にガタガタで、日本が軽く経済制裁しただけで即死するでしょうから。
このことに関しては、”2年間10億回分を作るコロナワクチン、日米英ではすでに13億回分確保” (中央日報日本語版2020.08.04 07:18) と報じられているように、自力では武漢肺炎ワクチンの確保もままならないとの嘆き節も聞こえています。
自称先進国で外貨準備が最高水準を更新し続けているはずなのに、おかしな話ですね。
ただ、日本製鉄が即時抗告したのは、日本企業のためだけでなく、国際協調のためであるようにも思えるのです。
南朝鮮は、世界中で悪行三昧を働き、忌嫌われています。
最近話題になっただけでも、
(1) イランに対して、ダヤニ一族への賠償金も原油代金も支払っていません (【読者投稿】韓国はダヤニ一族への賠償問題を解決せよ)
(2) インドでLG化学が起こした事故にも誠意ある姿勢を示していません
(3) Five Eyes の一員であるNZからは、性犯罪者が外交特権を悪用して逃亡しました
それ以前にも、ベトナムのライダイハンやフィリピンのコピノ、ラオスダムの崩壊など、南朝鮮は人道的犯罪や大事故を繰り返しては、ほおかむりを続けてきました。
それで押し通せた背景には、日米が南朝鮮を支えていたがために、虎の威を借る狐として振る舞えたことがあるのではないでしょうか。
しかし、文政権成立以来、南朝鮮は日米との関係を毀損し続け、もはや後ろ楯を失いました。
上の (1)〜(3) などに各国が堂々と声を上げているのも、南朝鮮の悪行が目に余るだけでなく、日米に突き放されたこともあるように思えてならないのです。
そう言えば、”韓国館が日本館の10分の1?独ベルリンの複合展示施設に韓国メディア懸念「誤解植え付ける」” (Record China 2020年7月30日(木) 11時0分) のように、南朝鮮は長年自立したことがなく古代遺物が存在しないという、ウリナラファンタジーを完全に否定した正しい歴史も、ドイツでありのままに展示されるようです。
せっかく、世界が南朝鮮の現実と悪行三昧を正しく認識し、言うべきことを言うようになったのです。
日本があっさりとトドメをさしてしまっては、他の国々が南朝鮮に謝罪と賠償を要求し、文殴る機会を奪ってしまうことになります。
それでは南朝鮮の思う壷かもしれませんし、何より他国に申し訳ありません。
日本は南朝鮮に対する生殺与奪の権を急いで行使するのではなく、
しばらく静観して
いたぶる見守るのもよいのではないでしょうか ?http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/07/2020080780153.html
大統領秘書室長・秘書室の首席秘書官全員が辞意表明
これ、面白いなぁ~…
誰も謎解きできないようで…
まだ少し様子を見ておかないとはっきりして来ないでしょうが、自分の『妄想』で良ければ…(これが危ない…)
一言で言えば、『文在寅大統領が狂ってしまい、側近がついていけなくなった』ということだと思います。
どう狂ったのか?
これまで北朝鮮LOVE一筋で、北朝鮮にビラを散布し、拡声器を向けたなら懲役3年というイカれた法律を通すほどの文在寅でしたが、側近にとっては正常そのもので満足のいく大統領の施策でした。
ですが、文在寅大統領が青瓦台としてこれから北朝鮮に対して敵対姿勢を明らかにしていくという方針を明らかにすれば、側近としては『我らが文在寅大統領が狂ってしまった』と思い、これ以上ついていけないと思うことでしょう。
文在寅だけには、北朝鮮から『表向き北朝鮮に対して敵対姿勢を明らかにせよ。プロレスを演じよ』という秘密指令が届いているのかもしれません。だが、周囲にそのことは知らされていません。
何故、北朝鮮は文在寅にプロレスを要請(命令)するのか?
それは、韓国には徹底的にレッドチーム諸国の振る舞いをしてもらい、ブルーチーム諸国に対する敵対姿勢をますます明らかにしてもらう。そして、この韓国の無法を止めるためには北朝鮮に口を聞いてもらうしかないと、ブルーチームに思わせる。ブルーチームに対して、北朝鮮を頼らせる方向へ持って行く。さらに、将来に大戦があるならばそれに備えて、北朝鮮はブルーチームに紛れこんでいこうとする。
ブルーチームがレッドチームに勝利した時には、ブルーチームの北朝鮮が戦勝国となり(もちろん、核戦力を保持したまま)、レッドチームたる韓国を懲罰し、併合、半島統一を成し遂げる。
こうした虚々実々の戦略を北朝鮮が採用する場合、韓国には北朝鮮と『表向きだけは』敵対姿勢を採ってもらわないと、諸外国を納得させることはできないでしょう。
だったら、ここで文在寅は現金化でヘタレている場合ではなかったでしょうが、現在、東アジアの情勢は激変状態に突入中。どうなるかはまだまだわからない。
様子をしばらく見ておきたい、という思惑もあったのかもしれません。
まあ、北朝鮮は実に戦略的に動いて来ています。舐めてはかかってはいけません。
本来なら、日本のファイブ・アイズ入りに激烈な反対をしなければならないところを、容認状態で動いて来ています。(笑)
んー、楽韓さんの見方が的を射ているように思います。
職務を継続するより、複数の不動産を所持していたいという仮説です。
http://rakukan.net/article/476718961.html
そんなに半島の不動産にしがみつきたいなら、難民にはなりにくいということ、で何よりです。
阿野煮鱒様へ
返信、ありがとうございます。
表向きの理由は不動産関連でいいと思います。それで韓国内や世界には説明がつくでしょう。
ですが、偽証がてんこ盛りの韓国では、陰謀論の仮説を提示しておける面白さがあります。楽韓さんは陰謀論を語ってはいけません。ですが、自分は勝手気ままに妄想まで言いたい放題です。(笑)
先月、超反日であった朴元淳・ソウル市長がセクハラを気に病んで山中で自殺したと報じられましたが、本当に自殺であったと信じている者がこの日本にどれだけいるのでしょう?
盧武鉉元大統領がミミズク岩から投身自殺したのも、自殺であったとまともに信じている者はいません。(笑)
北朝鮮の対外政策が激変してきていることを実感する中でのことで、朴元淳の存在が北朝鮮にとって邪魔になったのではないでしょうか?
新天地教会を朴元淳は潰すと表明していましたから、そのカウンターであったのかもしれません。尹美香議員vs.李容洙ハルモニをめぐる慰安婦界隈の内紛でとばっちりを受けたのかもしれません。
まあ、真相は闇の中です。
新宿会計士様
>③、すなわち自称元徴用工問題で日韓関係が破綻するのは、日本にとっても好ましい話ではありません。なぜなら、産業のサプライチェーンで日韓経済は密接につながっているからであり、日韓関係が無秩序に破綻すれば、日本企業にとっても損害が多く発生する可能性があるからです。
これは理屈としては仰る通りなのですが、井沢元彦風に言えば、言霊教徒である日本人の国民性として、日本人にとっては未だ起こっていないが今後に起こり得る危機を想定して予め準備し対処することが極めて苦手です。
逆に既に起こってしまった危機に対しては日本人ならではの協調性によって一致団結するので、日本人の対処能力は他の国民に比べて勝るとも劣ることはありません。
この日本人における起こっていない危機に対する準備能力の欠如は残念ながら一般人だけでなく多くの企業経営者(特に自分で事業を起こした起業家ではなくて大企業のサラリーマン経営者たち)にも共通しています。
ですから日韓関係破綻に対処するには実際に日韓関係が破綻しない限り日本企業には無理なのですよ。特に韓国に巨額の投資をして生産拠点などを整備し現時点で多額の利益を上げている企業であればあるほど。実際、最近に韓国から撤退したor撤退方針を表明した企業にはそういう生産拠点を置いて多額投資をしている企業はなかったと思います。(間違っていたら済みません)
そのことは例えば政府が音頭をとってやらせようとしている共産チャイナからの撤収にしても明らかです。日本が既に共産チャイナからこれだけ軍事的な脅威まで露骨に受けている現実がありながら、トヨタなど本当に共産チャイナに多額投資をして利益を上げている企業は撤収やリスク分散化をしようとは未だにしていません。トヨタなども共産チャイナが尖閣侵攻をして実際に日中関係が破綻してトヨタの対中投資が北京政府に接収され大火傷をするまでは、北京政府ベッタリの現状を改めることはできないのでしょう。
という訳で、危機を予測して予め対応を用意できないという日本人の国民性から判断すると、日本企業が韓国から撤収するには実際に日韓関係が破綻して痛い目に遭うしか術がない、ですから日本企業が韓国から撤退するには③しかないと私は思うのですよ。
単純に即時抗告しなかった場合、日本は認めたと言った流れになることを防ぐための対応なのかとも思いました。
日本企業の矜持などとは買いかぶりです。本音は「たいした金額でもないのでさっさと払って今まで通り商売したい」というものでしょう。ただ昔と違って今は政府が世論を気にしてうるさいので従っているだけなのですよ。経済界は商いのためなら国をも売るでしょうよ。