納得の鈴置論考「韓国は北朝鮮についていく下駄の雪」

昨日はデイリー新潮に、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が最新論考を掲載されています。今回のテーマは非常に大きく、「米中対立で朝鮮半島が『コップの中の嵐』に過ぎなくなる」というものです。非常に長文ですが、読みやすく、かつ緻密であり、納得の論考です。ちなみに鈴置氏は本日、愛知淑徳大学の真田幸光教授とともにBSフジ『プライムニュース』に出演されるそうですが、楽しみですね。

待望の鈴置論考

鈴置氏の最新論考は「米中対立と朝鮮半島」

正直、自分自身の文章力のなさには、ときどきうんざりします。後から読み返して、「もう少し書き方に工夫すれば良いのに」、と自分で呆れてしまうことが頻繁にあるからです。「言いたいことを簡潔にまとめる」というのは当然のこととして、その簡潔な言葉で相手に自分の考えが伝わらなければなりません。

優れた文章を読むと、とくにそれを痛感します。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、当ウェブサイトで普段から公言しているとおり、著者自身は優れた韓国観察者である鈴置高史氏の論考の大ファンであり、とくに『デイリー新潮』に掲載される鈴置論考については欠かさず読んでいるのですが、昨日は嬉しいことに、その最新稿が掲載されていました。

米中全面対決で朝鮮半島は「コップの中の嵐」に転落 日本の立場は

米中が全面対決する。南北朝鮮の争いは、もはや「コップの中の嵐」に過ぎない――と韓国観察者の鈴置高史氏は断ずる。<<…続きを読む>>
―――2020年7月7日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

「コップの中の嵐」!

なんだか今回もじつに興味深い表現が多々含まれていそうですね。

リード部分も含めて約7500字、ウェブページで4ページにわたるという結構な長文ですが、論旨明快で説得力に満ちた、読む人の知的好奇心を刺激する良文であることは間違いありません。当ウェブサイトとしては全文の転載をしませんので、ご興味がある方は是非、直接読んでいただきたいと思います。

本稿では鈴置氏の議論から気になった部分をピックアップしつつ、適宜補足しながら記事の流れを追いかけてみたいと思います。

鈴置氏の大失言!?「韓国は下駄の雪」

当ウェブサイトで先日、韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権が、北の「新たな独裁者」(?)である金与正(きん・よしょう)の支配下に入りつつあるのではないか、と報告しました(『金与正の瀬戸際外交による最大の成果は「韓国の掌握」』等参照)。

これについて鈴置論考では、まずは人事面から、国家情報院の院長に朴智元(ぼく・ちげん)前国会議員が指名された点の異常さを指摘します。

鈴置:韓国が北朝鮮に卑屈なほどすり寄っています。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は7月3日、情報機関である国家情報院(国情院)の院長に朴智元(パク・チウォン)前国会議員を指名しました。

この朴智元前国会議員なる人物は、北朝鮮に5億ドルを送金したとして有罪判決を受けたことでも知られています。このほかにも政権幹部・要職に北朝鮮特使を意識したとみられる人事が行われるなど、露骨な北朝鮮シフトは明らかです。

それなのに北朝鮮は、こうした韓国の「北朝鮮シフト」に対し、国営メディアが報じた北朝鮮の外務次官による談話で「韓国はでしゃばるな」と牽制した格好であり、鈴置氏はこれを次のように表現するのです。

鈴置:『我々は米国とのパイプを持っている。韓国は出しゃばるな』と揶揄したのです。ただ、文在寅政権はめげないでしょう。自分たちの存在意義は北朝鮮との関係改善にあると考えている。『下駄の雪』のように、どんなに踏まれてもついていくしかないのです。」(※下線は引用者による加工)

…。

鈴置先生!それはさすがに言いすぎですし、無礼です。下駄の雪に対して(笑)

というのは冗談ですが、今回の論考でも、たとえば北朝鮮メディアについて

日本語におかしなところがありますが、談話の一部をそのまま引用します。このところ、北朝鮮媒体の日本語力は落ちる一方です。

といった具合に読んでいて思わずクスリと笑ってしまう部分も多く、読み応えは抜群ですね。

恩知らずの本領発揮

さて、本稿も読みどころはたくさんあるのですが、そのひとつが、「受難のマッカーサー像」という節です。

マッカーサーといえば朝鮮戦争で仁川(じんせん)上陸作戦を成功させた、韓国にとってはまさに救国の英雄であるはずですが、最近、韓国国内の左派がタイミングを見計らっては韓国国民の反米感情を揺り起こし、米韓同盟の廃棄を訴えているのだとして、こんな話が紹介されています。

7月1日、左派は仁川(インチョン)のマッカーサー将軍の銅像の前で『米軍は出て行け』と主張する集会を開きました。左派が銅像前で集会を開くのは反米感情を煽る時です。親米保守にとって、マッカーサーは仁川上陸作戦を敢行し、韓国を共産化から救ってくれた恩人。しかし左派にとっては南北の統一を阻害した張本人なのです。この銅像は時々、火あぶりにされたりします。

…。

そんなに米国が嫌いなら、マッカーサー像を倒して、その後に金日成(きん・にっせい)像でも建てれば良いのに、と思ってしまいますね。

また、こういう恩知らずな行動を取る左派に対し、一般の韓国国民は目くじらを立てないのでしょうか。いや、目くじらを立てないからこそ、文在寅氏が大統領になったのであり、今年4月の国会議員総選挙で与党が3分の2近い議席を得たのかもしれませんが…。

そのうえで鈴置氏は、左派の『ハンギョレ新聞』(日本語版)に6月29日付で『韓米同盟を見直す時期だ』という記事が掲載されたという事実を紹介し、まさにいま、左派が「反米」のあおり時だと考え、米韓同盟の破棄を盛大に訴えかけていると説くのです。

正直、読んでいて呆れる部分ばかりですね。

自由・民主主義国としての恩恵を最大限に享受してあそこまで経済発展したくせに、その最大の「恩人」である米国に、国を挙げて後ろ足で砂をかけるような行動を取るような行動を取っているようなものです。

これで「G7」に入ろうという神経も理解に苦しみます(もっとも、鈴置氏はトランプ氏が韓国にG7入りを呼びかけたのは、後述するシステム半導体を中国企業に供給するなという牽制、あるいは懐柔策、と見ています)。

韓国を通して見る中国

国家安全法と米中対立

さて、ここで鈴置論考は視点が切り替わります。当ウェブサイトでもこれまで精力的に取り上げて来た論点のひとつである、香港の国家安全法です。ただし、鈴置氏らしく、「韓国」というフィルターを通してこの一連の騒動を概観することで、まったく違った姿が見えて来るのが興味深い点です。

つまり、同盟国を総動員し、中国包囲網を築き上げようとするドナルド・J・トランプ政権に対し、いつもの「コウモリ外交」で狡猾に逃げ回る韓国、という図式ですね。

当面の焦点は経済的な中国包囲網、EPN(Economic Prosperity Network=経済繁栄網)です。米国は韓国に参加を呼びかけていますが、韓国政府は『詳しい説明を受けていない』などと逃げ回っています。

まさに、コウモリ的な立ち位置で双方から「良いところ取り」を狙うという意味で、李氏朝鮮時代からまったく変わらない属国根性、といったところでしょうか。

ここで鈴置氏が出してくるのは、6月11日にEPNを担当する米国のキース・クラック国務次官が韓国からは東亜日報を選び、ほかにインド、ブラジルなど各国の報道機関とのあいだで実施した電話会談で、次のように述べた、という話題です。

  • (韓国が、中国の報復措置を受ける場合)米国は韓国を助けるために何でもする準備ができている。
  • 全世界が中国の脅威と報復に対抗するために立ち上がらなければならない。
  • 中国と米国のうち一方を選択しろということではない。選択は誰にでも開かれているが、結局どちらを信頼するかの問題。

鈴置氏はこれについて、「逃げ回る韓国政府に対し、東亜日報を使って米国が『どちらを信頼するのか』と選択を迫った」ものだと評しているのですが、その際気になるのは、クラック次官がサムスン電子についてわざわざ言及したという事実です。

これは、5Gで中国に通信覇権を握らせないために、華為との商取引を米国が寄生している流れと関連付けると、「クラック次官が華為にシステム半導体を供給しないように要求するために、わざわざサムスン電子に言及した」という評価につながります。

当然、中国も韓国への圧力を強めており、とくに全国人民政治協商会議の賈慶林(か・けいりん)常務委員長は韓国メディアが6月に開催したウェブシンポジウムで、

韓国の最大の戦略は中・米の間で中立を守ることであり、韓国が米国の中国封鎖に参加してはならない、というのが中国の立場。中国の核心利益を損なってはならない

などとドスが効いた脅しをかけたのだとか。

「国産化」はフェイクニュース

ただ、正直、ここまでの展開であれば、これまでの鈴置論考を丹念に読み込んでいれば、何となく想像が付く部分でもあります。米中が対立の度合いを強めるなかで、韓国のようにどっちつかずの態度を続けていれば、米中双方を怒らせるのは当たり前のことだからです。

しかし、今回の鈴置論考の着眼点で興味深いのは、韓国政府が中国側に寝返ったときの準備を進めているとする指摘です。

とくに、半導体は韓国にとっては核心的産業ですが、肝心の中間素材の国産化はできておらず、もしも韓国が中国に寝返った際には、日米は核心素材の対韓輸出をストップしてしまう、ということが考えられます。

だからこそ最近、韓国メディアからやたらと「日米メーカーがフォトレジストの韓国生産に踏み切る」などと報じているのですが、鈴置氏はこれらの報道を巡り、「フェイクニュース」の可能性が高いとして、次のように指摘します。

いずれも上場会社なので、本当に韓国生産を決めたのならその情報を開示するはずです。これから考えると、韓国政府は企業に圧力をかけつつ『韓国生産』のフェーク・ニュースを流して外堀を埋め、既成事実を作り上げる作戦と思われます。

相変わらずの「ウソツキ国家」ですね。

コップの中の嵐

もっとも、非常に困ったことに、韓国や北朝鮮は、米中対立局面が深化し、両国が相手を打倒すことに集中するようになれば、打つ手がなくなります。

鈴置:南北朝鮮はどうしようもなくなります。米中が朝鮮半島に関心を持つから、南北が立ち回る余地も生まれる。でも、その関心が薄れるのです。

これが、鈴置氏のいう、「米中全面対決局面における南北朝鮮の争いは『コップの中の嵐』」、という意味でしょう。非常に含蓄に富んだ表現です。

もしも米国が中国を下せば、中国は直ちに北朝鮮への援助を止め、北朝鮮の非核化はいとも簡単に達成できる。

もしも中国が米国を下せば、日米同盟も弱体化し、必然的に米韓同盟は自然に崩壊する。

どちらに転んでも、朝鮮半島は米中覇権争いの従属変数に過ぎなくなる、というのが、今回の鈴置説の要諦なのでしょう。

読後感

さて、今回の鈴置論考、末尾には「米中対立が深化すると、じつは日本の方が現在の韓国よりもつらい立場に立たされる」という点が指摘されているのですが、この部分については論旨も含め、直接ご確認いただきたいと思います。

この点、私たち日本として「朝鮮半島問題にどう向き合えば良いのか」という論点は、私たちの国・日本が今後、世界のなかでどういう振る舞っていくかという論点と同じであり、結局、私たち日本という国の生き様とも直結する論点なのだと思います。

というよりも、朝鮮半島問題と香港問題は、日本が海洋同盟国家として、中国共産党が支配する中国を含めた大陸国家群とどう付き合っていくかという問題と同義なのかもしれません。

ただし、このあたりを論じはじめると、少し大きすぎる話になりそうですので、当ウェブサイトとしてはもう少しの間、折に触れ、ミクロの視点から朝鮮半島問題や香港問題について議論していくことにしたいと考えている次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 匿名 より:

    マッカーサーはフィリピンで苛烈な植民地奴隷支配を行った人の息子だから像を建てるなんてとんでもないですよ_

    >(韓国が、中国の報復措置を受ける場合)米国は韓国を助けるために何でもする準備ができている。

    大韓帝国のとき裏切ったから信じないニダ!

    >米中が朝鮮半島に関心を持つから、南北が立ち回る余地も生まれる。でも、その関心が薄れるのです。

    50年前の南北共同声明を思い出しますね。

    1. 匿名 より:

      元記事読んだけど、キムチ汁で腹の中がタポタポになってそう。北に腹パン食らって全部吐き出す羽目に。

  2. イーシャ より:

    台風接近を思わせるような激しい風雨で、暗いうちに目覚めてしまいました。

    鈴置さんと意見が合ったかも。
    読者雑談専用記事通常版 2020/06/20(土) へのコメント より。
    > 踏みつけられるときが きっと幸せ

    ここもかな ?
    > 傷ついてもめげない
    > 北を目指す 勇姿 見せるよ

  3. 閑居小人 より:

    韓国はよく蝙蝠国家と言われていますが、日本も似たようなことをしているなと感じることがあります。
    戦後の日本の立ち位置からすれば中国が力をつけていくに従い何かにつけ敗戦国として精神的に押さえつけられています。個人的にはもう時効だと思っていますが。

    鈴置論考では
    >米中の覇権争いが激化するに連れ、制裁対象が広がるでしょうから日本の会社も日本も、いずれ板挟みになるのは間違いありません。下手すれば、韓国よりも日本の方がつらい状況に陥ります。

    韓国は属国に戻るだけだけど

    >一方、日本人は米国との同盟を失うわけにはいかない。中国の風下に立つつもりはないからです。結局、日本にとって米中板挟みが常態化するのです。

    鈴置論考はここで終わっていますが、昨夜のプライムニュースで桜井よしこさんが日米安保が支障をきたしたら中国に飲み込まれるか、そうならないように武装するかどちらかだとおっしゃっていました。

    憲法改正が急務であると思いました。安倍さんには最後の命を懸けた大仕事を期待したいです。

  4. 海コン より:

    日露戦争時の有名なジョルジュ・ビゴーの風刺絵《魚釣り遊び》の釣り糸の先、その魚を「どっちも釣りたくない」と橋の上で争っている感じなんでしょうか。

  5. 愛読者 より:

    韓国の左派が米韓同盟消滅を叫んで国民を扇動して,世論がそれに賛同しても,米国側の事情で米韓同盟消滅とはならないと思います。以前述べた通りですが,米中関係悪化で,韓国内の米軍基地の重要性が増してしまいました。今後,陸軍(対北朝鮮)の削減はあるかもしれませんが,空軍,特にミサイルシステムは非常に戦略上重要になるはずです。それで,アメリカは多少韓国に譲歩しても,韓国を同盟内に留めようとすると思います。これは,バイデン氏に替わっても同じでしょう。
    北朝鮮も中国とロシアの支援で何とか命脈を保っていますが,中露がヘソを曲げるような行為もしばしば実行してしまい,政権の安定性は非常に悪いと思います。保衛部と北朝鮮人民軍の動きがカギになるでしょう。政権が同様したときは,中国が真っ先に進駐すると予想しています。アメリカはどう出るでしょうか。

    1. だんな より:

      愛読者さま
      米国側の事情で米韓同盟消滅とはならないと思います。
      >私も以前から、「韓国内の米軍撤退は無い」と思ってます(削減はあるでしょう)。
      韓国は、これを機会として、北朝鮮への支援を進めると思います。
      その結果なんらかの制裁が、韓国に加わった場合は、「アメリカが悪いニダ」となり、反米が進むことになります。
      半島統一が目標である文政権としては、どちらに転んでも損はありません。

  6. 匿名 より:

    >一方、日本人は米国との同盟を失うわけにはいかない。
    >中国の風下に立つつもりはないからです。
    >結局、日本にとって米中板挟みが常態化するのです。

    単なる矜持の問題だけじゃなくて、日本が中国の風下に立つとなると、
    中国陣営の対米の最前線(しかも緩衝地帯無し)になってしまう。
    それだけは何としてでも避けたい。

  7. だんな より:

    鈴置論考読みました。
    いつもより長い文で、分かりやすいと思います。
    過去から韓国が、日米側に居て、中国との緩衝地帯だという考えが、有ると思います。
    実態は、中国側に居るのだが、日米に寄生して、利益を得ているのが韓国だという考え方に、そろそろ変わるべきだと思います。
    中国との最前線は、既に日本であり、韓国はその実態を隠しながら、日本国内で扇動活動を行ってる状況だと思います。
    韓国は敵か味方か?、無条件に味方だと思う人は、実態の変化に対応できていないと思います。

    1. 匿名 より:

      だんな さん。

      >韓国は敵か味方か?、無条件に味方だと思う人は、実態の変化に対応できていないと思います。

      「真に恐れるべきは有能な敵ではなく 無能な味方である」と言う言葉(ナポレオンのものだという説もありますが、正確には分かりません)がありますが、長らく自由主義陣営に寄生している韓国は、日本にとっても既に無能な味方どころか、有害な異物と化しています。そう思います。

    2. わんわん より:

      だんなさま
       味方なら侵略(竹島)しません w

  8. ブルー より:

    文在寅大統領は北朝鮮のエージェントであり、そのエージェントっぷりを際立たせないために北朝鮮はわざと文在寅大統領を名指して貶め、韓国政府を罵っている、と言ってる人も居ます。エージェントというのは別に文在寅大統領が明確に北朝鮮の機関に属した出自の人間である、という意味では必ずしもなく、かつての日本でのGRUのゾルゲと尾崎秀実のような関係を北朝鮮と持っている可能性がある、という意味です。
    真偽はいずれにせよ文在寅大統領は結果的にそのように人事も動かしていますね。

    私たちの国・日本が今後、世界のなかでどういう振る舞っていくかという論点と同じであり、結局、私たち日本という国の生き様とも直結する論点なのだと思います。

    同感です。時に間違いも犯すアメリカの言うなりではなく、日本も独自の外交を持つべき時が来たんだと思います。
    そのためには日本も米軍に依存しない独立した軍事力を整備するべきだし、憲法を言い訳にした「出来ない」ことを強調するネガティブ解釈を止め、「これは禁止されてない」というアクティブ解釈をするような機運を政治に作るべきだと思います。
    ミサイルを撃ち落とすのに、迎撃ミサイルの後段が落下してくるかも知れなくて危ないから配備を止める、などという、やってくるミサイルを度外視した本末転倒な議論も批判されるような土壌が必要だと思います。

  9. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    両大国は相手を打ち倒すことに集中します。当然、彼らにとって半島問題の優先順位は急落します。世界の覇権争いに勝てば、自動的に朝鮮半島でも有利な立場を確保できます。

    日本も他人の事は言えません。米国の傘の下で経済的発展を遂げたんですから。しかし、それを仇で返そう、米国に反旗を翻す日本人ではありません。アカの日共は別ですがネ。正に南朝鮮は『恩知らずの本領発揮』です。

    でも南北は所詮、従属変数です。日韓もやや似てますが、鈴置氏のいう、「米中全面対決局面における南北朝鮮の争いは『コップの中の嵐』」であるのは事実。

    直接やり合う対決に、敵は増やしたく無いが、どっちつかずでいいとこ取りするコウモリやカラスは、同時に一気になぎ倒されるかも知れませんし、南北とも無視されたら何の立場もありません。コップは何時、割っても替えは効くんです。

    しかしマッカーサー像も気の毒な事ですね。よりによって仁川とは(嘲笑)。左傾人が罵声浴びせて、キズ付けたりしてるんでしょう。米国は修復と賠償に、文に100億ドルを要求してはいかがですか(笑)?

  10. 匿名 より:

    更新ありがとうございます。

    > そんなに米国が嫌いなら、マッカーサー像を倒して、その後に金日成(きん・にっせい)像でも建てれば良いのに、と思ってしまいますね。
    これは「恨」の感情をコントロールしやすいからではないでしょうかね?
    残しておけば扇動ができ、倒してしまうと保守派からの「恨」を受けるという弊害があるので、左派としては残しておくほうが何かと便利だろうと思えます。

  11. りょうちん より:

    嵐の中で輝いて統一の夢をあきらめないで
    傷ついた文の背中のノムの霊 そっと抱いて抱いてあげたい

  12. ボーンズ より:

    日本は単純な米中の板挟みとはちょっと違う様に考えております。
    明らかに米国の従属が主体になっておりますので。
    大陸勢と海洋勢との境界線が日本海に下るのは時間の問題なので、早期の改憲と防衛装備の強化が必要なのは全く変わらないです。

  13. もう手遅れ より:

    徴用工判決の現金化後に、コロナ名分の渡航禁止状態の継続から国交断絶へのステップアップ過程で、戦略物資禁輸から金融関係撤退までの報復が想定されますが、鈴置氏の言から、米中対立激化の中では、南鮮北鮮は従属変数とみなされ価値の低下を自覚するでしょうから、南鮮蝙蝠の抱き着き作戦は益々激化の一途を辿ると思います。南鮮を抱き込もうとする米国は、懐柔策と踏絵で整理分類しますが、米国の南鮮懐柔策が日本を抱き込んだ上での支援策なら、またもや日本はATMに成るだけで先の展望は一切開けません。ですから日本は独自(実際は日米協議しながらも一線は譲らない)を前提に、もう二度と韓国に一切関わらないと言う覚悟が絶対に必要です。日本周辺諸国の天に唾する振る舞いに、日本は国家国民を守る意思と労力を憲法改正一点に注ぎ国を守る事を表明しなければ、保守自民党や保守系野党の存在意義はありません。憲法改正して敵基地も先制攻撃出来るごく普通の国に成る事。中国をこの様な妖怪にしてしまったのも、結果論ですが松下幸之助や田中角栄やパンダですからね。いい加減日本人もお花畑の見直しが必要です。

  14. H より:

    北に寄りたいから離米し反日全開
    8月4日以降が楽しみ
    文在寅ひよるなよ

    日本の立場も危うい
    つい最近まで習近平を国賓で招こう
    としてたぐらいだから、国内にいる
    親中派を黙らせないと足を引っ張
    られる

  15. ブルー より:

    仁川のマッカーサー像は2005年の盧武鉉大統領の時代から像を守ろうとする韓国の保守派と破壊を目論む左派のいさかいのタネでして、この時の騒ぎはアメリカ議会の知るところとなり、たまりかねた下院国際関係委員会のハイド委員長他5人の米国下院議員が「銅像を壊そうとする行為が続くのならば、アメリカにこの銅像を引き渡してほしい。」という書簡を韓国へ送っています。
    しかし韓国人がアメリカを恨むのも故無いことではなく、朝鮮半島が分断されてしまったのも、日本のポツダム宣言受諾に浮かれ、日露戦争での失地回復を目論み極東占領地の拡大を急ぐソ連の性急さに比べてグズグズと日本列島とフィリピン諸島で燻ってた米軍のせいでもあるといえるのですからね。
    何しろ終戦1日後の1945年8月16日にはソビエト地上軍第393師団は朝鮮半島北部の清津を占領していたのに引き比べ、アメリカときたら軍政当局は日本の朝鮮総督府から降伏を取り付けていたものの、占領主力の米国陸軍第10軍第24軍団は1945 年9月5日にやっと沖縄を出発するという体たらく。
    とりあえず話だけ占領区域は米ソとも最大で38度線分割(その分割地点も二人の係官が30分で決めたという)という話をソ連へ書簡で了解を取り付けたという有り様。
    まあ太平洋戦争終戦当時のアメリカはそのくらい朝鮮半島に関して関心が薄かった、ということなんですがね。

  16. 引きこもり中年 より:

     独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (なにしろ、自分に言い聞かせないと自分で自分を勘違いしそうなので)

     鈴置説によれば、「韓国は中国の属国に戻れば、今度は日本が米中の板
    挟みになる」とありました。(もしかしたら本日の『プライムニュース』
    で鈴置&真田ペアが出演されるので、そこで言及するかもしれません)
     ビジネス環境が変われば、その新しい環境に対応できなけれな、どんな
    に隆盛を誇った企業でも、倒産してしまいます。是非とも日本の経済界は
    そのことを忘れないでいて欲しいのものです。(もっとも、NHKのニュース
    が言うまで、ビジネス環境が変わったことを認めないかもしれませんが)

     蛇足ですが、昨日の『プライムニュース』の櫻井よしこ女史の発言です
    が、「カナダの巨大IT企業が、中国のハッキングで技術を抜き取られ、最
    終的に倒産してしまった」とありました。日本企業も(自分たちの村の不
    文律で、ハッキングが禁止しても)どんなにハッキングが嫌だといっても
    村の外にある中国や韓国が、ハッキングで技術を抜き取らないとは限らな
    いことを忘れないで欲しいものです。(アメリカの場合は、合法的な形を
    とって、技術を抜き取るかもしれません)

     駄文にて失礼しました。

    1. 心配性のおばさん より:

      引きこもり中年様 プライムニュース、私も拝見しました。

      >カナダの巨大IT企業が、中国のハッキングで技術を抜き取られ、最終的に倒産してしまった

      これ、日本のそれも防衛産業で現在進行形で起こっていることですよ。M重工では、設計情報が入っているPCごと盗難されたり、知人の中国人青年は英語と中国語(笑)が堪能ということで採用されています。彼に罪はありませんが、彼の出身国の事情に無防備なこれが、日本の防衛産業の現実です。

      同じく櫻井氏が言及されていたコロナ帰国の日本人には、防衛産業の機微な技術である半導体技術者がいたとか、彼らの出国を制限できない日本の現実は充分脅威です。

  17. 心配性のおばさん より:

    鈴置論考、早速拝見しました。

    結局、半島のDNAは中国属国に回帰するというのは、如何ともしがたいというか、理屈ではありませんのね。韓国は100年に足りない民主主義の甘い夢を見たというとこかしら?
    でも、韓国民は共産主義というのが、どういうものか知っているのかしら?その軍門に下る覚悟がどれほどあるのかしら?まあ、どうでもよろしいけどね。台湾が香港問題に際して、自らが民主主義陣営であることを鮮明にしたのとは対照的ですこと。

    日本も民主主義を掲げる国家である以上、米中対立で中国側に就くことはできない道理です。であれば、粛々と準備をするだけです。

    が、のほほんと事態を見ていた企業にとって厳しい時代が来るでしょうね。利益だけ追って、世界情勢に無頓着であった企業には、いい薬かも。

    企業活動というのは、国家による保護があって成立するものです。その依るべき自国が世界情勢のどういう立ち位置にあり、進出している国家が自国とどういう関係にあるかを考慮しない企業活動って…。

    ただ、鈴置論考には、嬉しいことを教えて頂きました。

    ≫韓国メディアはしきりに「米国や日本のメーカーがEUV用のフォトレジストの韓国生産に踏み切る」と報じます。

    ≫が、それら企業のホームページでは韓国生産に関する発表が見当たらないのです。

    過日、こちらに紹介のあった韓国メディアの報道の憤り、あろうことか、自民党のホームページに質問をしてしまいました(恥)。企業のホームページを確認すればよかったのですよね。

  18. たい より:

    下駄の雪ではありますが、東アジアを爆弾とすると、その信管ぐらいにはなるとは思いますので注意はしておいた方がいいのでしょうね。

  19. 名無しの権兵衛 より:

     韓国が日本の輸出管理適正化措置の撤回に固執するのは、フッ化水素のテロ支援国家への横流しのためということもあるかも知れませんが、鈴置高史氏の最新論考にもあるように、韓国が中国側に寝返った時の準備のためということがあると思います。将来、サムスン電子が華為(ファーウェイ)にシステム半導体を供給することになった場合に、アメリカの指示により、または日本自身の判断(例えば日本企業差押財産の現金化への対抗措置として)により、半導体関連3品目の輸出を禁止することを予防するためということがあるのではないかと思います。

  20. はぐれ鳥 より:

    米中対立の帰趨は定かではありませんが、日本が憲法改正等して真の独立国家になれるチャンスは、この帰趨がハッキリするまでの間のような気がします。というのも、贅言するまでもなく、半島国家もそうですが、米中共に日本の真の独立(いわゆる普通の国家化)は望んでいないことは自明だからです。

    ですから、日本にとっては、米中対立をいかに切り抜けるかも重要ですが、その間を縫って、いかに巧妙に普通の国家化するために利用できるかもそれに劣らず重要ということです。半島国家も、このドサクサを統一の機会と捉えているはずです。さらには、日本は半島統一を、半島国家は日本の普通の国化を相互に望んでいません。この競合関係も因子の一つとして頭に入れておく必要があるでしょう。あるいは、半島統一と日本の普通の国化がバーターされるなんてことも有り得るかも知れませんね。単なる妄想ですが。

  21. だいごろう より:

    日本語力の低下についてさらっと書いてますが、これって

    ●拉致被害者の高齢化及び死亡により日本語を教える人がいなくなったと言う意味では悪いニュース

    ●北朝鮮が日本に対して工作を仕掛ける能力・余裕が無くなったという意味では良いニュース

    なのではないでしょうか

    1. 新宿会計士 より:

      だいごろう 様

      コメント大変ありがとうございます。さっそく使わせていただきます。
      引き続き当ウェブサイトのご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

      1. だいごろう より:

        新宿会計士様

        コメントを採用頂きありがとうございます。
        金融は全くの門外漢なので悪戦苦闘しながら拝読していますが、どの記事も丁寧に解説していただいているので大変勉強になります。

        引き続き面白い記事の投稿を楽しみにしております。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告