相次ぐ「金正恩危篤説」、米中韓各国政府が否定的

北朝鮮の独裁者である金正恩が危篤状態にあるとする米CNNなどの報道については、先週も当ウェブサイトでは、『【速報】CNNによる「金正恩危篤説」と市場の反応』、『金正恩危篤説に反論する韓国は、まるで北朝鮮の代理人』などで紹介しました。ただ、不思議なことに、米中韓各国政府は、先週末時点で、少なくとも公式には「金正恩危篤説」を否定しているようなのです。これについてはいったいどのように考えるべきなのでしょうか。

金正恩の健康状態

金正恩危篤説の「続報」

以前から当ウェブサイトでは、北朝鮮の独裁者である金正恩(きん・しょうおん)が危篤である、といった報道について、話題として紹介して来ました(『【速報】CNNによる「金正恩危篤説」と市場の反応』、『金正恩危篤説に反論する韓国は、まるで北朝鮮の代理人』等参照)。

金正恩危篤説に反論する韓国は、まるで北朝鮮の代理人

これは、もともとは米メディアCNNが「米政府高官の話」として、金正恩が危篤状態にあると述べた、などとするものですが、これについてはドナルド・J・トランプ米大統領自身が「CNNの報道はフェイク・ニューズだ」などと述べ、いったんは「火消し」が図られたかにも見えます。

しかし、その「衝撃」はまだ続いているようであり、先週金曜日には「金正恩『植物状態』説」、という記事が出て来ています。

金正恩は「植物状態」に…? 関係者らが明かした「重病説」最新情報

北朝鮮の若き独裁者、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が倒れた。後述する情報が事実なら、満36歳と3ヵ月余りの若すぎる「政治的な死」である。<<…続きを読む>>
―――2020/04/24付 現代ビジネスより

記事の執筆者は『週刊現代』特別編集委員の近藤大介氏です。

近藤氏は記事の中で、「ある中国の医療関係者」が次のように明かしたと述べます。

金正恩委員長は、地方視察に出かけている最中、突然心臓に手を当てて倒れた。(中略)執刀した外科医は、ものすごく緊張して、手が震えてしまった。(中略)その間に、金正恩委員長は、植物人間と化してしまった。中国の医師団が到着して診察したが、もはや手の施しようがなかった

なにやら、にわかには信じがたい情報です。

金正恩「健在」説も!

一方で、こうした「金正恩重体説」、あるいは「金正恩死亡説」と並んで、「金正恩健在説」も生じています。ロイターは土曜日付の次の記事で、金正恩自身の健康状態に関する観測が交錯するなか、中国は北朝鮮に対し、医療専用チームを派遣したことを、「事情に詳しい3人」が明らかにした、と報じています。

Exclusive: China sent team including medical experts to advise on North Korea’s Kim

China has dispatched a team to North Korea including medical experts to advise on North Korean leader Kim Jong Un, according to three people familiar with the situation.<<…続きを読む>>
―――2020/04/25 7:10付 ロイターより

また、ロイターはこの記事で、「韓国の情報筋」がロイターに対し、「金正恩委員長が生きており、まもなく登場する可能性があるなどと伝えた」、とも述べています。該当する文章をそのまま抜粋しておきましょう。

On Friday, a South Korean source told Reuters their intelligence was that Kim was alive and would likely make an appearance soon.

毎度のことながら、北朝鮮の情報は、何が正しくて、何が間違っているのか、よくわかりません。

誰が「危篤説」を唱えているのか

ただし、これについては周辺情報を丹念に探っていくと、さまざまな興味深い事実が判明しますが、そのなかでもとくに注目したいのは、「危篤説はメディアやジャーナリストが流し、これに対して当局は否定している」、という事実でしょう。

まず、一次情報として「金正恩危篤」説などを流しているのが、現時点ではCNNなどのメディア各社に加え、一部のジャーナリストです(たとえば現代ビジネスの近藤氏もそうですが、ジャーナリストの篠原常一郎氏はかなり早い段階で金正恩重体説を唱えています)。

ジャーナリスト・篠原常一郎氏の金正恩「危篤」説(2020/02/14 15:50付 当ウェブサイトより)

ジャーナリスト・篠原常一郎氏の金正恩「危篤」説

もちろん、各メディアや各ジャーナリストらの意見発信を比較してみると、それぞれ「金正恩が事実上、執権できない状態にある」という大筋は一致しているものの、その原因(脂肪吸引手術なのか、心筋梗塞なのか)やその時期などにおいて、少なからぬ差異が生じています。

よって、これらのすべての報道などを、無条件に「正しい」ものとして扱うことはできません。

しかし、それと同時に年初来、金正恩自身がメディアにほとんど露出していないこと、金与正(きん・よしょう)を含めた金一族が続々と表舞台に立っていることなどを踏まえると、やはり金正恩の身体に何らかの異常が発生し、権力委譲プロセスが進行している証拠であるようにも思えてなりません。

米中韓の反応

危篤説を「否定したがる人たち」

これに対し、この「金正恩危篤説」を否定している(あるいは懐疑的な立場を取っている)のが、米国政府、中国政府、韓国政府です。

つまり、民間のメディアやジャーナリストなどがそれぞれ独自の情報源により「金正恩危篤説」を流し、これに対して当局がそれを否定しているという点からは、ひとつの仮説が導かれます。

それは、

金正恩の健康不安説を打ち消すことを、現時点では米国、中国、韓国がいずれも望んでいる

ということではないでしょうか。

とくに、強烈な個性で圧政を敷いて来た独裁者が倒れた場合、その後継者を誰にするのかを巡って内部で激しい権力闘争が行われることもありますし、また、周辺国もこうした争いに巻き込まれることがあります。

これについて考えるうえで、ひとつの「考え方」としては部分的に共感できたのが、次の記事です。

Heir unapparent: If North Korea faces succession, who might replace Kim?

North Korea has never announced who would follow leader Kim Jong Un in the event he is incapacitated, and with no details known about his young children, analysts say his sister and loyalists could form a regency until a successor is old enough to take over.<<…続きを読む>>
―――2020/04/26 20:03付 ロイターより

ロイターは、北朝鮮では1948年の建国以来、金日成(きん・にっせい)から金正日(きん・しょうじつ)、金正恩と、独裁者が「3代にわたって鉄のグリップを握り続けた」と指摘。

その北朝鮮で権力委譲に失敗し、権力に空白が生じることは、同国が開発しているとされる核兵器やミサイルなどを「誰がコントロールするのか」という問題に直結するとしたうえで、「万が一のときの、金正恩に代替し得る権力者」として、金与正、党の指導者、金一族、第4世代などを挙げているのです。

金正恩が健在であってほしい

ただし、ここから先は100%、著者自身の憶測なのですが、中国、韓国、米国が「金正恩危篤説」を打ち消している目的は、それぞれ異なっていると思います。

韓国の場合は、単純に、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領自身が「親北派」と思われますが、それと同時に現時点で北朝鮮で権力の空白が生じたともなれば、韓国主導で北朝鮮を救済・統一せよ、とする国際的な圧力が高まることを恐れているのではないでしょうか。

これまでのさまざまな報道では、南北統一のコストは数兆円、あるいは数十兆円に達するとの観測もあるようですが、これまでの韓国政府の行動を見る限り、韓国が自力で北朝鮮を統一する意志があるようにも思えません。

これに対して米中両国の場合は、金正恩体制の崩壊は、この地域を自陣営に組み入れる絶好のチャンスでもあるため、じつは金正恩の危篤説(あるいは死亡説?)を掴んでいながら、それを公表するタイミングを見計らっている、という可能性があります。

とくに中国にとっては、中国にとって北朝鮮は、米軍が駐留する韓国と直接国境を接しないための「緩衝地帯」という意味合いがあると思いますが(※著者私見)、だからといって自分の思い通りになるわけでもない北朝鮮は、何かと面倒臭い相手でもあります。

そもそも、金正恩が初めて習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席と会ったのは、2011年12月に金正日が死亡し、金正恩自身が権力を継承してから、じつに6年半も経過した2018年3月のことです(『中朝首脳会談の思惑と「6つのシナリオ」』等参照)。

しかし、金正恩がもし死亡したともなれば、これは中国にとっては北朝鮮を手中に収めるチャンスでもあります。

一方、米国は金正恩の実兄である金正男(きん・しょうだん、2017年2月にマレーシアで殺害)の長男である金漢率(きん・かんそつ、あるいはHansol-Kim)氏を匿っている、という情報を聞いたことがあります(個人的な記憶ベースですが、情報源は青山繁晴さんあたりでしょうか)。

つまり、金正恩体制の崩壊は、「切り札」(?)として米国が「匿ている」(とされる)金漢率氏を後継者に据え、米国が北朝鮮をコントロールするチャンス、ということなのかもしれません。

だからこそ、その準備が整うまでは、米国は金正恩の危篤説を掴んでいながら、あえて泳がせているのだ、という説明です。

経済は意外と「崩壊状態」ではない

以上、自分で書いていながら、ずいぶんと雑な考察だと思います。やはり、慣れない作業をすると、陰謀論めいてきて、説得力が非常に弱くなってしまいます(笑)。

ただし、北朝鮮社会は国際社会からの過酷な経済制裁を受けているわりに、意外と「しぶとい」こともまた事実でしょう。

アジアプレス・ネットワーク』というウェブサイトに公表されている『<北朝鮮>市場最新物価情報』のページを眺めると、先週金曜日時点で公表された北朝鮮の主要品目の物価が、やや安定する兆しを見せています(図表)。

図表 北朝鮮の物価変動(4/17→4/24)
調査項目価格変動騰落率
ガソリン12,319ウォン→11,160ウォン▲9.41%
軽油8,255ウォン→8,060ウォン▲2.36%
北朝鮮産米4,572ウォン→4,588ウォン+0.35%
トウモロコシ1,800ウォン→1,900ウォン+5.56%
中国1元1,270ウォン→1,240ウォン▲2.36%
USD1ドル9,039ウォン→8,791ウォン▲2.74%

(【出所】『<北朝鮮>市場最新物価情報』データより著者作成)

同サイトでは、北朝鮮国内の協力者の報告をベースに、北朝鮮国内の4品目の物価状況と為替相場を調べて公表しているのですが(※頻度は不定期)、直近の物価騰落率で見ると、一部品目に値上がりも見られるものの、物価はむしろ落ち着いています。

もちろん、昨年末時点と比べれば、さまざまな品目は10~20%上昇していますし、また、北朝鮮では中国からの入国規制を取ったにもかかわらず、防疫に失敗し、武漢コロナウィルスが蔓延している、といった情報も漏れ伝わります。

しかしながら、少なくとも物価だけで見る限り、北朝鮮経済が事実上崩壊状態にあるとまでは断言できません。

とくに、金正恩危篤説が流れた4月21日を挟んで、物価が驚くほど安定していることは、北朝鮮社会が(良い意味か悪い意味かはともかく)安定しているという証拠のひとつだ、ということでしょう。

北朝鮮崩壊に備える?

ただし、あくまでも個人的な印象ですが、金正恩がもう数ヵ月、公式の場に姿を見せていないことを踏まえるならば、「金正恩危篤説」にはそれなりの説得力がありますし、また、米中韓政府がそれを否定しているのは、それぞれの思惑があるに過ぎないのだ、とする説明が成り立つことは間違いないでしょう。

わが国では現在、安倍政権は武漢コロナウィルスの蔓延への対応に忙殺されているフシがありますが、それでも、日本人を拉致して返さない無法国家である北朝鮮で「権力の空白状態」が生じることは、核、ミサイル、拉致という「三点セット」を包括的に解決するチャンスに化ける可能性はあります。

ここで一番避けたいのは、北朝鮮が崩壊し、「復興支援」として日本に請求書だけが回ってくるという事態であることは間違いありませんが、それと同時に、今こそ考え直していただきたいのが「朝鮮半島生命線説」の間違いです。

「朝鮮半島生命線説」とは、先日の『韓国総選挙、「用日派」が打撃を受けたのは間違いない』のなかでも触れたとおり、

①朝鮮半島が日本の敵対勢力に入れば、日本の安全保障に深刻な脅威をもたらす。②だからこそ、日本は万難を排して朝鮮半島を『日本の勢力』や『日本の友好国』に引き留めておかねばならない

とする考え方のことです。

韓国総選挙、「用日派」が打撃を受けたのは間違いない

しかし、この「朝鮮半島生命線説」における①の部分はある程度説得力はありますが、②の部分については、①の部分と論理的につながっていません。

まず、①については、まったくそのとおりですし、理想論でいえば、地理的に近い韓国や朝鮮半島は、日本の「敵対国・敵対地域」であるよりも、「友好国・同盟国」であった方が良いに決まっています。しかし、だからといって国際政治の現実が日本にとってそう都合よく働くとは限りません。

むしろ日本としては、朝鮮半島の動乱の結果、朝鮮半島の全体が日本に敵対する国家となることに備え、今のうちに「対馬海峡が最前線になる」ことに向けて、国防体制、産業のサプライチェーンなどを急いで組み直すきっかけにできないものでしょうか。

その意味では、今こそ私たち有権者は「憲法第9条が日本を守ってくれている」という幻想を捨て去らねばならないのでしょう。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. イーシャ より:

    シュレーディンガーの豚。

    1. 閑居小人 より:

      早く覗いてみたいです。
      蓋を開けるのはC国、R国、K国、A国どこかな?

  2. ブルー より:

    各国首脳は否定しているがメガフォースの実在は明らかだ、っていう東宝東和系大袈裟B級映画宣伝文句を思い出してしまう状況ですが、なんか中国共産党中央対外連絡部(中連部)幹部が助言のための医療チームを引き連れて北朝鮮入りした、だのの話が欧州マスコミ経由で流れたり、本当に様々な臆測が流れてますな。
    陰謀論とはいっても「閉ざされたかまってちゃん国家」朝鮮民主主義(笑)人民共和国であるので周辺国に色んな思惑が生じるのは仕方がないところであり、北朝鮮という国の先読みをすればどうしても陰謀論といった装いになってしまうのは避けられないでしょう。北朝鮮それ自体が陰謀国家ですし。

  3. 農民 より:

     国家元首の動静をここまで秘せられるものなのかと、先の代替わりの時にも驚いたものですが。本当にどうとでも推測が成り立つほどなので、眉に唾して静観しています。

    >執刀した外科医は、ものすごく緊張して(中略)金正恩委員長は、植物人間と化してしまった。

     こちらの方がなんか気になりました。独裁者への執刀を想像すればありそうな気もする話ですが。一般人への執刀でもリスクが高い手術は多いし、人の命を左右する経験が豊富でまして独裁者の御典医を任される人間でこれはどうなのでしょう?
     「コレは…!全力を尽くしたが私にも手の施しようがない(すっとぼけ)」で見殺しによる暗殺の方がまだ説得力ありそうな。
     戦時の主君急死といえば、武田信玄の死を看取った医者も殺されたと言いますし、文在寅を上杉謙信として頼るとも思えませんね。(信玄は3年間死を秘匿し、上杉家を頼るように遺言していた)

    ※戦国時代・武田上杉ファンの方には、虎を豚に、龍を寅にと大変失礼な喩えをお詫び申し上げます。

  4. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    金正恩が長いことオフィシャルに姿を見せていないので、当然「何かあった」と見るべきです。これは私の期待値でもあります(笑)。

    30代半ばであの体型、若い頃から太っていたし心臓他臓器に負担はあるでしょうね。また親父似で酒呑み、ヘビースモーカー(チェーンスモーカー)。カラダに悪い事ばかり。

    実兄を謀殺したのも親父似。金正日はソ連に逃げていた子供の頃、池にはまった弟を助けもせず、見殺しにしました。こういう事をしてると、必ず自分にもいつかは災いが来ます。

    金与正に引き継ぐ段取りを組んでいるのか、正恩の子飼いや正日の同世代の高官で、脚を引っ張りそうな連中を追い出し又は粛清するか。

    正恩が「全快して」堂々たる行進拝謁など、二度と無いように思います。韓国文大統領にとっては、厄介かも。日本はこれまで通り、釜山が敵最前線、済州島が日本から見たら橋頭堡(攻める事は無いが)。

    9条護憲派の力を削ぎ、改憲による正規軍隊を持つ事がコロナ、財務省、NHKと同等の試練です。

  5. はんにばる より:

    更新いつも楽しみにしております。

    まさに、「麒麟が来る」を見ている様。当主となった妾の長男、斎藤義龍が本妻の弟二人を惨殺、400年以上前の出来事がすぐそばで現代に起きている事実。織田、今川他実の親である道三、NKはどうなるでしょうか?

  6. 七味 より:

    素朴な疑問なのですが金正恩氏の生死ってそんなに重要な情報なのでしょうか?

    もちろん北朝鮮のトップだから、交渉事とかへの影響があるという点では金正恩氏やその後継者と目される人の情報は重要だとは思うのです。ただ、それは金正恩氏が健在のときから集めとくべき情報で、金正恩氏が亡くなったと正式に確定してから使う情報なんだと思うのです。(都合のいい人を後継につける、そのために金正恩氏を積極的に亡き者にするというのも有りだとは思うのですが・・・・)

    金正恩氏の死をきっかけに何か対応することがある、例えば、氏が亡くなったタイミングでその間隙を突いて軍事侵攻をする、亡くなった直後にお悔やみの電報を打つ、みたいな行動計画がなければ、ジャーナリストが自分の情報収集能力を誇示するという以上の意味はなくて、それほど重要視するような情報ではないような気がするのです。

    1. はぐれ鳥 より:

      七味様

      >金正恩氏の生死ってそんなに重要な情報なのでしょうか?

      独裁制の国の統治機構は、民主制の国に較べ、リーダ(独裁者)がいないと無政府状態になり易いようにワザと設計されています。これは、国内に独裁者の競争相手となる組織・個人が生まれるのを予防するのが目的です。ですから、そのような国でリーダが突然倒れると、自然の成り行きとして、後継者争いで国内が混乱します。また、リーダの変則的交代は、その裁量権限が大きい分、大きな政策変更を伴いやすいのです。新たなリーダの登場により、その国は革命的に変貌する可能性すらあります。

      従って、北朝鮮の混乱・変貌で影響を受ける周辺の国々にとってはその情報が重要になるのだと思います。

      1. 七味 より:

        はぐれ鳥様

        返信ありがとうございます
        >従って、北朝鮮の混乱・変貌で影響を受ける周辺の国々にとってはその情報が重要になるのだと思います。

        というのは何となくわかる気がするのです。
        ただ、独裁者も何時かは死ぬ訳で、その時の混乱に備えておくのがまずは大切なんだと思うのです。
        「金正恩氏が亡くなったら、こんな情勢になるから、こうしよう。」という事前の準備というか検討の上で、今、生きてるのか、もう死んでいるのかという情報に意味があるんだと思うのです。
        多分そういうのはやっているとは思いつつも、そういう観点での情報があまりみない中で、ただ「もう死んでいる」「いや生きている」という情報だけが出てくるのが、変な感じがするのです。

        1. はぐれ鳥 より:

          七味様

          無論各国では、正恩が突然死ぬ場合の対応シナリオは用意しているはずです。用意はしているでしょうが、北朝鮮から出てくる情報は限られており、また失うものがない分、極端な選択をする可能性もあり、その予測可能性が余り高くありません。ですから、できるだけ早くその情報をとらえ、事前に準備したシナリオを微調整し対応する必要性があるのだと思います。

          で、多分、そのシナリオは、正恩の「死に方」を重要ファクターの一つとして分類されているのだと想像します。それ故各国は、彼の生死そのものよりも、「死に方」を注視しているでしょう。そしてその「死に方」を知るためには、まず、いつ・何処で死んだかを知ることが重要です。そして、死んでいれば、その時点での北朝鮮情勢と合わせ見て「死に方」をある程度推定できるはずです。なので、「死んだ」「死んでない」の情報が先走りするのだと思います。

        2. 七味 より:

          はぐれ鳥 様

          丁寧な返信ありがとうございます

          「死に方」という観点はありませんでした。確かに病死と暗殺だと、その後のシナリオなんかが変わってきそうですね♪

  7. 心配性のおばさん より:

    日本では武田信玄の死を秘したように、大陸ではチンギスハンの死を秘したように、金正恩氏が彼ら英雄と同じとは申し上げませんが、政治家の生死はお気軽に公表できるものではありません。

    さて、金正恩氏がどうなろうと、基本、何の痛痒も感じませんが、これが半島有事の火種となるということであれば、無関心という訳にも行きません。Web主様がおっしゃるように、氏の健在説/死亡説を唱えるには、それぞれの思惑と都合がある。ということですが私もそう思います。

    ここに来て、米中ほぼ同時に「コロナ制圧、経済復興」の動きとなっています。とても、そうは思えない、危険な賭けですが、ここに金正恩氏死亡の要素が加わると一気にきな臭くなります。

    日本も準備を急がなくてはなりません。安倍総理にはコロナ禍から顔を上げて、戦争有事に備えて頂きたい。いえ、私たちもそれを覚悟すべきでしょう。

    1. はにわファクトリー より:

      >安倍総理にはコロナ禍から顔を上げて(頂いて)

      コロナ鍋(なべ)コロナ渦(うず)に空目してしょうがありません。

      1. 心配性のおばさん より:

        はにわファクトリー様 からかうのは、お止しあそばせ(怒。ぷんぷん)。

        >コロナ鍋(なべ)コロナ渦(うず)に空目してしょうがありません。

        半島有事のやっかいなとこは、この時機、半島だけで終結しない怖れがあるからですわ。
        視点を半島から拡大してみると、コロナの怒りでトランプ政権が対中包囲網を作っているのが見えてきます。

        米仏の電話首脳会談 WHOの再編について協議
        https://jp.sputniknews.com/covid-19/202004277399447/https://jp.sputniknews.com/covid-19/202004277399447/

        WHOの再編とは言っておりますが、WHOすなわち中国共産党の事ですわよね。
        コロナ以前の米中経済戦争はアメリカ大統領選の事情もあり、膠着状態であったと認識しております。
        それが、コロナで情勢が大きく動いたと思っております。WHOの再編、すなわち中共への賠償要求は被害を受けた国全ての共通認識ですので、これをまとめて一気に中共を潰す動きではありませんの?
        ただそこに、金正恩の死亡をどう使うかです。アメリカを代表とするコロナ被害国とそれを糾弾される中国共産党がです。日本もこれをどう使うかで、未来が決まると思っておりますのよ。

      2. はにわファクトリー より:

        >からかうのは、お止しあそばせ(怒

        平にご容赦くださいませ。ぐるぐると目が回る感がありまして。

        WHO関係者の写真が報道記事に出るようになってます。「丸め込まれているひとたち」の面構えに何か共通するものを当方感じてしょうがありません。確信犯。自分だけよければこの世はオッケー。正論に対しては二やつきながらそれらを脇へ逸らす。不実なタイプなんでしょうか。「高級官僚」なんて。では、上位機関たるUNはどうでしょうか。当方はあまり信頼していません。

        城は内側から壊れると言います。対馬の警備を固めろではまるで片手落ち、内側のひび割れや蠢動に目を配っておかねばと痛感します。

        有形無形の援助を受けながら生活を立てて来ていた一部国内勢力は、近々はっきりする半島大乱において、むしろ生き残れなくなるのではありませんか。チャンスですね。

        1. 心配性のおばさん より:

          はにわファクトリー様 えっへん、許して差し上げます(笑)。

          >内側のひび割れや蠢動に目を配っておかねばと痛感します。

          ご心配のところは、解ります。私もそれには充分目を配るべきと認識しております。平時ならともかく、有事なのですから。

          唯一、望みがあるとしたら、奇しくも、隣国文在寅政権の不断のご活躍で、隣国に対する認識を多数の日本国民が持ったこと。

          中国については、コロナの発生源であるにかかわらず、その対応が世界に対する宣戦布告とも取れるものであったことから、世界各国、そして多数の日本国民もその認識を持ったこと。

          その認識と対比するかたちで、親韓、親中の面を被った売国議員があぶりだされ、メディアの論旨の不自然に私たちが気付いたことです。

          彼らから眼を放すことはありませんが、彼らを信頼することもありません。多数の日本人の意識が変わったのではないでしょうか。

          半島の有事をどう使うかで、未来が決まると申し上げました。
          それには、安倍政権が状勢をしっかり見定め、間違いのない手を打っていただく必要があります。
          安倍政権は内政は不得意ですが、外交には期待できます。
          コロナで内政が大変な時、それを支えるブレインが見当たらないのが不安ではありますが、この状況を逃しては、日本は大きなものを失う気がいたします。

  8. 匿名 より:

    これは非常に気になってました。近いうちに答えが出てくると思います。
    諸悪の根源とはいえ、(国内では)圧倒的な権力を持つリーダーを失うともっと酷い混乱を引き起こす可能性が十二分にあり、良い事ではないでしょう。

    ただ非常に勝手なことを言えば、日本が成長してきた時期は日本の近くで対立が深まった時期と重なっており、日本が戦場にならない限りはこれはプラスに作用すると思っています。

  9. 名無Uさん より:

    ≫なにやら、にわかには信じがたい情報です。

    ………(笑)
    その他にも北京の占い師の逸話など、近藤大介氏らしい暴走が盛りだくさん…(笑)
    自分もまともに取り上げる気がしませんでした。(笑)

    とは言うものの、米政府、中共政府、韓国政府、(恐らくは日本政府も)がそれぞれの思惑で、現時点での半島情勢の流動化を望んでいないことは事実でしょう。
    しかし、そんな各国政府の思惑など知ったことではない世界のメディアの思惑は、金正恩の動静を北朝鮮指導部に自供させてやりたいことも間違いないところです。
    まあ、北朝鮮指導部の今までの反応ぶりからは、限りなく『黒』の判定になりますが…
    本気で『服喪期間として、金委員長の政治的な死を◯年間秘する』ということを決めていてもおかしくは感じません。

    ここで一点だけ指摘を。
    世界の金融業界の思惑は、各国政府の思惑の方に沿うのか、それとも世界のメディアの思惑の方に沿うのか、という点です。
    なにやら、金融業界の思惑に沿う報道ばかり見せられてきたような気がするのですが…(笑)

  10. 愛読者 より:

    米中政府は金正恩氏の状態をつかんでいても,北朝鮮が公表するまでは,それを公表しないでしょう。発表してしまうと,今後の北朝鮮外交にマイナスになる,というのが理由です。ただ,水面下で,金正恩氏死去を睨んだ行動があるはずなので,そこを注視するしかないと思います。空軍の米韓合同軍事訓練を行ったことや,偵察機を飛行させていることから,アメリカは何かを知っているはずだと思います。
    誰かが金平一氏後継説を唱えていましたが,彼の現在の地位を調べても何も出てきません。金一族の血統といえども,法律的な手続きを経ないと後継者にはなれないわけで,現在金正恩氏に次ぐ地位(責任書記?)にある金与正氏が後継者になるしかないと思います。様々な役職に就任することを承認するために,また,党大会を開催する必要があるのかもしれません。保衛部は支持すると思いますが,軍のほうが問題でしょう。労働党や官僚組織は武力を持っているわけではないので,クーデターを起こすことは難しいと思います。中国が介入できるかというと,現在の北朝鮮の様々な組織が従来通り機能する限り,手出しはできないと思います。国外にいる脱北者組織が,何かする可能性は否定できないと思います。金漢率氏が後継者ということは,アメリカが軍事介入して,実質的に北朝鮮の政権を握った場合にのみ考えられると思います。

  11. ミナミ より:

    篠原常一郎氏は自身の得た情報にだいぶ自信がある様です。
    高英起氏は「そもそも影武者説も写真加工説もデタラメ」とまで言いだしていて「この人はダメ」認定しました。
    篠原氏は「金正恩は元山で元気にしてる」等の情報は時間稼ぎに過ぎないとまで言っていて、余裕綽々の様です。
    私は死亡or再起不能説の方が信憑性があると思ってます。
    第一線のジャーナリストでも無ければ、どの情報を、どの人を、確度の高い情報と信じるかというところですが、
    「医者では無いが、誰が名医かヤブかは分かる」センスは素人でも磨けるし、誰しもがそうすると思います。
    そういう意味合いで、篠原氏の方に軍配が上がる可能性が高いと思ってます。
    数年で50kgも太る生活をしていて、体に何かが起こらない訳が無いと思います。

  12. ブルー より:

    >中国にとって北朝鮮は、米軍が駐留する韓国と直接国境を接しないための「緩衝地帯」という意味合いがある

    という見方には同感で、そのため韓国人の悲願らしい「朝鮮統一」というのはどうあっても韓国人や朝鮮人たちの自由には絶対にならないと思います。
    もし仮に中共の現在の秘密支援も空しく北朝鮮が経済的にかクーデターなどの政治的なことか、いずれかの理由で旧東欧共産国のように短時間であっという間に崩壊してしまった場合、中共は民政保護だとか警察行動だとか様々な理由をつけて北部軍区陸軍の「快速反応集団軍」たる第39集団軍の自動車化歩兵師団や旅団を北朝鮮区域に派兵し、遼寧か吉林か黒竜江出身の朝鮮族の中共人を指導者にでっち上げた傀儡政権を立てるか、併呑して自治区に召し上げるかしてしまうでしょう。
    燃料と最新兵器機材が不足し中央指導部不在の北朝鮮人民軍国境部隊にこれに抗う術はありません。そもそも国境地帯に向かって広がっていく地形の朝鮮半島北部を満遍なく防衛する手段が北朝鮮人民軍にはない。
    朝鮮戦争でも旧満州国境地帯にむやみに北上してった国連軍があまりに大陸方面に向かって広がった地形により部隊配置の手薄な間隙を突かれて人民解放軍援朝義勇軍の侵入を許し包囲されてしまったような地帯が北朝鮮北部です。
    中共政府は2016年に中央の指導や支配の強化を図った形で、かつて7大軍区という編制だった人民解放軍を5大戦区に再編し、北朝鮮国境地帯の防備を担当していたかつての瀋陽軍区は、北京軍区の内モンゴル自治区除いた軍区域や済南軍区と統合され北部戦区となって巨大化しています。

    1. ブルー より:

      またこれは後見人国たる中共との国境地帯という事情からか、北朝鮮国境警備隊は一応、2008年に人民武力省国境警備司令部所属となった「軍隊」ではあるものの、実態はそれまでは国家保衛部に所属していて、武警と呼ばれていたような「武装警察」であり、多少の野砲や重火器は保有しているようではありますが、本格的な陸軍部隊に比べたら全般的に軽武装であり大国の軍事介入に抵抗出来るようなシロモノではありません。
      しかも北朝鮮国境警備隊は慢性的に兵力不足問題に悩まされており、その解決策として女性兵士の比率が非常に高く、かつまた国境警備での女性兵士比率を高めるにあたっては金日成が「海岸において目で発見することは、女子でも可能だ」と発言していて、明らかに任務の主眼が国境地帯防衛ではなく自国民流出防止にある組織です。その上いつも様々な支給カットの対象に真っ先になるところでもあるようで、そのため大変に士気が低い。

  13. 愛読者 より:

    今日(2/28)のニュースです。
    トランプ発言の日本語訳が,メディアにより異なるので,記者の要約形ではないトランプ発言の原文を捜してました。微妙なニュアンスなので英語のまま読んでみましょう。
    レポーターの「 Mr. President, do you have any update on Kim Jong-un’s health? Does he respond to your letter from March?」という問いに対してトランプ大統領の答えです。
    「I can’t tell you exactly — yes, I do have a very good idea but I can’t talk about it now. I just wish him well.」
    「I hope he’s fine. I do know how he’s doing, relatively speaking. We will see. You will probably be hearing in the not-too-distant future.」
    トランプ氏は基本的な単語だけを並べた英語を話す癖がある(単語を選んで使い分けない)ので,逆に意図やその裏の意味をくみ取るのが難しいです。トランプ氏も正確なことは知らない可能性もあります。

    1. 愛読者 より:

      一応,ちょっと悪意に満ちた私訳を付けておきます。
      レポータの「大統領。金正恩について何か新しい情報はありますか。3月の手紙の返事はありましたか」という質問に対して,トランプ氏は(そんなこと私に聞くなと思いながら)「細かいことは言えないよ。そう,いい考えがあるけど今は言えない(実は知らない)。健康だといいと思ってる」(ちょっと間を置いて)
      「元気だといいね。(本当は知らないけど)彼がどうしてるかは本当に知ってるよ。どちらかと言えばね。そのうちわかるさ。たぶん,ものすごく遠くない将来にはわかると思うよ」
      何故だかトランプ氏の発言が,小さな子が本当は知らないことを知ったかぶりをしている時の言い方に聞こえてしまうのですが。

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