【読者投稿】在韓日本人が見た、「韓国の通訳士」
当ウェブサイトでは「読者投稿」を常設化しており、読者の皆さまからの寄稿をお待ちしています。なお、(投稿要領につきましては、『必ずご確認ください(2019/12/16日版)』にまとめて掲載しています)。さて、大好評をいただいている「韓国在住日本人」のハンドルネームの読者様から、またしても投稿を頂きました。本稿で通算17回目です。前回、『【読者投稿】在韓日本人が見たGSOMIA騒動既視感』では「通訳士」という単語が出て来ましたが、今回はこれについて詳細に記していただきました。
読者投稿
以前から『お知らせ:読者投稿を常設化します』などでお知らせしているとおり、当ウェブサイトでは読者の皆さまからの寄稿を受け付けております(投稿要領については、当ウェブサイトへの読者コメントなどとあわせ、『必ずご確認ください(2019/12/16日版)』に統合しています)。
また、以前、とくに韓国在住日本人様の読者投稿に対し、「過去の投稿が読みたい」というリクエストを頂きましたので、『過去の読者投稿』というページを設けました。あわせてご活用ください。
過去の読者投稿
在韓日本人シリーズ
さて、「読者投稿」シリーズでもとくに人気が高く、回を追うごとに好評を博してているのが、「韓国在住日本人」と名乗るコメント主様から投稿ですが、これを当ウェブサイトでは「在韓日本人シリーズ」として公表しているところです。
韓国在住日本人様の論考の魅力は、なんといっても「現実に韓国で暮らし、働いている」という立場から出てくる、「現地の目線」にあり、世間の嫌韓サイトとは明らかに一線を画す論考です。
第17回目となる本稿では、前回の『【読者投稿】在韓日本人が見たGSOMIA騒動既視感』の「続編」として、「通訳士」について寄稿して下さいました。
(※これ以降が韓国在住日本人様からの投稿です。)
韓国の通訳士
前回の投稿で、通訳士について少し話をしましたので、今回は韓国でお世話になった通訳士について簡単に書いてみます。
タイトルは「韓国の通訳士」です。
経験のある方も多いと思いますが、外国人が他国で仕事をする場合、最も障害になるのが言語です。
2016年に “World Economic Forum” が発表した “The most powerful languages in the world” というデータがありますが、これによると、最も有用な言語は英語であり、次に有用な言語は中国語(Mandarin)であるとされています。
ちなみにこのサイトは結構面白く、次のとおり、日本の特殊性を示すような内容も含まれています。
“Four of the 10 most competitive economies have English as an official language. The remaining six have high shares of English speakers and/or a high proficiency in English, with the exception of Japan.”
「最も競争力のある10か国のうち4ヵ国は公用語として英語を使用しています。 残りの6ヵ国は日本を除いて、英語を話す人の割合が高いか、英語が堪能です。」
こうした日本の特殊性は、誇るべきものなのか、それとも悲観すべきものなのか、という議論はさておき、いずれにせよ、英語がある程度理解できないと、外国で働くには結構大変です。
この点、小生が韓国に来た当初は、「韓国では日本より英語を話せる人が多い」と思っていました。しかし、実際に来てみてわかったのですが、英語がわかるのは高等教育を受けた人間のみであり、一般の韓国人はほとんど英語を話せません。
小生は韓国に来るまで韓国語に興味がありませんでした。したがって、韓国に来た時も韓国語に対する読み書きが全くできず、会話もほぼ不可能な状態でした(このままでは生活に支障が出ると思い、韓国にやって来てから慌てて、加齢で硬くなった頭を必死に使い、韓国語の勉強を始めたほどです)。
そういう事情もあるのでしょうか、日本人が韓国で就職すると、たいていの場合は日本語が堪能な従業員がパートナーになるか、「通訳士」があてがわれます。とくに、韓国に来て最初のうちは「通訳士」などの助力は必須です。
小生は韓国に来るまで「通訳士」という専門職の方と出会ったことはなく、中国や台湾でも「日本語の出来る従業員」が日本からの出張者らを担当しておりました。こうした事情もあり、実際に出会うまでは、「通訳士」とはテレビで出てくるような稀有な存在と思っていたのです。
もっとも、小生の場合は徐々に通訳士なしでも韓国語でやり取りができるようになってきたのですが、そのせいでしょうか、現在は通訳士をあてがわれることがなくなり、逆に自らの仕事が増えることになったのが悔やまれます(苦笑)。
通訳士の立場
前置きが長くなりましたがここからが本題です。
通訳士は会議や電話の通訳はもちろん、翻訳作業や生活面でのサポート(VISAの更新、病院への付き添い等)もしてくれます。
このような通訳士は一般的に派遣社員で正社員ではありません。したがって、会社の経営状態や日本人の人数によって、契約が見直されます。会社の経営状態が悪くなると、コスト削減のため通訳士が切られたり、採用が見送られたりします。
韓国の法律ではこのような派遣社員の場合、最長2年までしか同じ職場で働くことはできません。それ以上働く場合には正社員にする必要があります。したがって、2年毎に通訳が変わります。これは非常に困ったことです。最も困る事は、いくら有能な通訳士といえども、専門用語に精通している人は稀だからです。
特に小生のような職種の場合、日本で派生した単語(いわゆる業界用語)がいくつもあります。
中には通訳できない言葉もあります。少々専門的になりますが、例えば「過酸化水素水」は省略して「過水」と言います。「水酸化ナトリウム」は「苛性曹達(カセイソーダ、英語ではCaustic soda)」あるいは単に「カセイ」と言ったりします。
日本ではかつて炭酸を作る際、「炭酸水素ナトリウム(重曹:重炭酸曹達)」が使われていました。その名残から、炭酸飲料を「ソーダ」と言うようになったようです(蛇足ですが「水酸化カリウム」は「苛性加里(カセイカリ)」といいますが、英語では「Caustic potash」といいます)。
あるとき、入社したての通訳士に通訳を依頼したことがあり「苛性曹達」が「仮性サイダー」になり「偽物のソーダ水」みたいな話になって会議が迷走したことがあります。初めて会った通訳士が「過水」や「苛性曹達」などの単語を知るよしもありません。
したがって、いくら有能な通訳士でも、その通訳士自体を鍛える必要があります。このように通訳士を鍛えてやっとまともに使えるようになるのに1年以上かかります。ところが、やっと使いものになると思った矢先に契約切れになり、新しい通訳士に変わったりすると、また最初からやり直しになります。
通訳士の質
通訳士にもピンからキリまでおります。
韓国では通訳の修士課程を持つ大学が、「韓国外語大学」、「ソウル外語大学」、「梨花女子大学」の3校です。一般の大学や短大、専門学校卒の通訳士は韓国の大手企業ではあまり採用されません。実際に通訳や翻訳の能力は修士を持つ通訳士とそれ以外では基礎学力の違いが大きく出ます。
例えば、日本で長年生活した経験故、日本語がかなり堪能な人であっても、通訳士としては全く使い物にならない場合が多々あります。業務の理解力、専門用語の習得力、そして何より小生の考えを把握し、端的な言葉で伝える能力を保持していることが重要です。
特に会議等での同時通訳の場合、質疑応答ではどのような内容の話しが出るか分かりません。それを即座に理解し小生に伝え、小生の考えを理解して相手に伝える能力が必要ですが、韓国人との会議等で迷走する場合は、通訳士の質も関係していることもあります。
最も困るのは通訳士としての能力が劣っていることを悟られないようにするため、通訳の最中に勝手に話を捻じ曲げたり、嘘の内容を通訳したりする場合があることですが、これはどちらかが片方の言語を全く理解していない場合にそのような事が多々起こります。
ちなみに、韓国人と日本人の両方がある程度言語を理解しているような場合には、通訳士の声が小さくなったり、通訳を拒否したりすることもあります。小生も入社して数年後には通訳士に何度か通訳を拒否されたことがあります。
さて、「有能な通訳士」とは、日本的な表現を使えば「地頭が良い人」のことです。この「地頭が良い人」はそれなりに学力も高いので、修士課程のある大学に進学します。実際に通訳や翻訳をさせると、この差は大きく、短大卒などは、ハッキリいって使い物になりません。
ただし、困ったことに、修士号を持つ通訳士は非常に自尊心が高い傾向にあります(やはり、通訳士といえども韓国人だからでしょうか)。
例えば韓国では人を呼ぶときに「○○シ(日本語では○○さん)」と呼びます。また職級があればその敬称をつけて「○○課長様(韓国では社の内外を問わず様を付けます)」と呼びます。ところが通訳士は従業員ではないので、社内では「○○シ」と韓国人は呼びます。
これに気分を害したある通訳士は「私は通訳士ですから、今後は○○通訳士と呼んでください」と韓国人スタッフにメールを回したことがありました。しかも、面白いことに、「では小生もそう呼びます」というと、この通訳士は「日本人は(そう呼ばなくても)良いんです」というのです。
通訳士からすると、「○○シ」という呼ばれ方は、同じ韓国人から下に見られているような気になるみたいですね。
通訳士同士の関係も面白いです。仲の良い通訳士は大体年下、または同学の出身です。また、たまに通訳士同士も仲が悪くなることがあります。通訳士は常に他の通訳士の実力を測っているので、自分よりも下手な通訳や発音等をする通訳士を、とても貶めます。
招請も、こうした通訳士同士のトラブルに巻き込まれることがありました。というのも、通訳士からときどき、小生に対して「相談に乗ってくれ」と依頼されるからです。関わり合いになりたくないので、当たり障りのない形で話をし、最後に「Fighting」で終わらせるようにしてましたが…。
通訳士との関係
小生があがわれた通訳士はすべて女性でした。これは採用する人事の都合もあるのでしょうが、通訳士は女性との固定観念があるみたいです。また、年齢もほとんどの通訳士が20代中盤から30代中盤にかけての女性です。
小生が以前に投稿した『【読者投稿】韓国在住日本人が見た「韓国人のタイプ」』や『【読者投稿】「韓国女性?無理!」』でもでも述べたように、韓国人は日本人に比べて距離感(パーソナルスペース)が近いです。
これは通訳士でも同じなので、いい歳した日本人が勘違いをして、会社でセクハラ問題を発生させることが度々起こります。また、ほかの女性も同様に距離感は近いのですが、実際に日本語で会話ができるということは、勘違いを生む大きな要因となっています。
女性通訳士との関係は良好な距離を保つことが重要で、小生はとにかく何かを与えることにしてました(小生はこれを「餌をあげる」と称していました)。日本からのお土産や、時間がある時には食事(といっても昼飯程度)に誘ったり、会議の後は飲み物やアイス等をおごったりしてました。
また、離職するときは送別会を行いますが、これはとても重要です。なぜなら、通訳士は通訳士同士の繋がりがあり、外国人技術者に悪い噂が立つと、新たに入社する通訳士がその噂を聞いている場合があるからです(小生も実際に経験したことがあります)。
このため、嘘でも「この外国人技術者は人格者」という芝居を演じておくことが、自らの仕事の能率を上げます。特に女性にだらしのない日本人技術者は通訳士から徹底的に嫌われます。
また翻訳作業を依頼する際にも、小生はカタカナをほぼ使用しません。その理由は2つあります。1つは、カタカナには外来語が多いため、日本語と韓国語の発音の違いが発生し、変な翻訳なる可能性が生じること、もう1つはカタカナを苦手とする通訳士もいるためです。
このため、カタカナを使用せず、英語等に翻訳して文章を作成すれば、意味を調べる必要がなくなり、それなりに通訳士の負担が軽減されます。
さらに、通訳の仕事が終わった後などは常に褒めることを心がけていました。通訳士にとって日本人から日本語の発音や文章の言い回し等を褒められるのは非常い嬉しいことだそうです。
ただし、褒めすぎても問題が起こる場合があります。
ある時、会議の通訳で小生が話した内容以上の韓国語をしゃべっているので、理由を尋ねると、
「在住さんならこのような考えをお持ちなので、私なりに詳細な説明に変えました」
と述べた、ということがありました。これに対し小生は、
「何を勘違いしているのか知らないが、貴方は通訳士ですので、余計な話はせず、あくまでも小生の話した内容を伝えることが仕事です」
というと、さすがに落ち込んでました。褒めることも適当なレベルまでが重要なポイントです。色々と面倒臭いのですが、そうすることで良好な関係が維持でき、翻訳等の仕事も進んでこなしてくれるなら安いものです。
最後に
ただ、近年、韓国では通訳士(特に日本語通訳士)の仕事は、ほぼなくなりつつあります。
毎年100人前後の修士を持つ日本語通訳士が社会に送り出されるわけですから、その就職先も限られきます。このような通訳士の最も就きたい教職や研究職といった職種は、かなりの年齢まで在職が可能ですので、空きのポストなど皆無です。
また、在韓日本企業に就職する人もいますが、ほとんどが四大卒、または専門学校卒が就職し、修士を持った通訳士は就職しません。これも「私は研究や教職に相応しい実力の持ち主」という、変な自尊心を捨てることができないためです。
とはいえ、ある程度年齢を重ねるとそうも言ってられなくなり、語学塾や個人的な家庭教師に落ち着く人も多いです。
駄文にて失礼します。(了)
読後感
…。
前回の「無能な部長のエピソード」を思い出し、ひとりニヤニヤしながらも、またしても一気に読んでしまいました。
韓国在住日本人様は、いまや通訳士に頼らず、日常的に韓国語で仕事をされている、ということなのでしょうか。英語どころか日本語すら怪しい私にとっては、二か国語を自在に操るとは、じつにうらやましい気がします。
ただ、本論ではありませんが、紹介して下さった “The most powerful languages in the world” に出てくる「日本の特殊性」については、個人的には「日本の強み」ではないかと思っています。というのも、日本ではほとんどの高等教育が母国語である日本語で受けられるからです。
むかし大学時代に知り合った東南アジア出身の留学生が、
「私の母国では自国語で高等教育を受けることができません。高等教育を受けるためには英語学習が必須なのです。日本人に英語がしゃべれない人が多いのは、日本に暮らしていたら英語が不要だからです。」
と語っていたことは、今でも印象に残っています。
いずれにせよ、肌感覚として韓国を知る方からのレポートは非常に貴重であり、本当にありがたい限りです。韓国在住日本人様、本稿も大変ありがとうございました。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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高等教育が旧宗主国のことばでなされる国は世界にいくらもあります。近代的な教育構造教育方式が宗主国から持ち込まれ今を導いているからです。共通語公用語をそう定義するほかなかったという事情もあります。近代中国人は日本語で書かれた図書を英語図書同様に珍重しています。なにげで読めるからです。現代用語は政治であれ科学技術(科技)であれの相当量が和製単語そのままで現地化しています。当方は近い将来また反転して逆の流れもあるのではと期待しています。
韓国在住日本人さま
日本語の通訳士さんの収入は、派遣社員でも、一般社員と同程度なのでしょうか。
最後に新宿会計士さんが、母国語の優秀性に付いて書いてますので、ハングルの劣等性の議論になりそうですね。
私は、テレビで韓国人(特にヨンさま)の話す日本語が、気持ち悪いと思ってしまいます。
だんな 様
修士を持っていれば学歴社会の韓国では給料は当然高くなります。
ただ、どの程度かというと、詳細な部分は口外しないので分かりません。これは小生の様な日本人技術者も同様で、口外してはいけないことになっています。
ただ、色々な会話から想像するに、修士卒の通訳士の給料は約25~30万円/月程度と思われます。
駄文にて失礼します。
韓国在住日本人さま
ご回答ありがとうございました。
結構貰ってますね、というのが感想です。
韓国在住日本人様のエピソードは毎回面白いですね。
通訳士の扱い方などニヤニヤしながら読んでしまいました。
私も仕事柄、一時期必死になって英語の習得をした口ですが、日常的に使っている英語はemailやSNSでのやり取りが大部分なので、聞き取りだけ苦手意識を持っています。それでも何とかなるのは、専門用語だけはすっと頭に入ってくるからです。
逆にプロの通訳は仕事を受けると予習が必要だといいますし、専門性を必要とする業界が多数あるので大変だと思います。昔は完ぺきな英語に憧れたこともありますが、もう必要なだけ使えたらいいやと諦めてます。
今後は韓国の通訳士に限らず、AIに優位性のある仕事はパイの取り合いになるかもしれません。他人事でなく、付加価値が必要な世の中になってきそうです。
ピークを過ぎたソフトエンジニアさま
私の業種では、専門用語の英単語が、ほぼカタカナで代用可能です。
英語通訳は、専門用語と周辺知識が無いので、聞き取れなかった時しか、殆ど役にたちません。契約書の翻訳には、役に立ちます。
業種に専門化したAI翻訳が出てくると、便利でしょうね。
高そうですけどね。
だんな 様
膨大が専門用語に満ちたマニュアルの英訳をする必要もあるので、弊社には翻訳専門の担当がいます。一緒に仕事し質疑応答しながらやってもらってますが、いまだに質問が絶えません。それもそのはず、いくら翻訳してもマニュアルが増え続けてますので。
今のところ、まだまだAIの出番は無さそうですが、先日、自分で書いた英文を試しにネット越しに自動翻訳させてみたら、こちらの意図をくみ取るような翻訳結果が出てきて、びっくりしました。
今までは応答性の問題から翻訳ソフト(10年ぐらい前のもの?)を入れて使っていたのが、結果に大きな差がついている感じです。
ピークを過ぎたソフトエンジニアさま
これから翻訳の進歩が、加速するんじゃないですかね。
マニュアルが、増える理由は、製造物責任の為でしょうか?
設定や操作が難しくなるからでしょうか?
私の場合はMSDSが、増えた時に大変でした。
英語が出来る理系は、大体理系だけで、食っていけますから、翻訳の派遣は、大体英語しか出来ない人でした。
だんな 様
>マニュアルが、増える理由
たくさんありますが、思いついたものを挙げてみます。
・機能の充実(悪く言えば複雑化)
・種類の増加(ニーズには勝てません)
・使用部品の変更(しょっちゅうディスコンになります)
・トレーニング用教材などの追加
他にもリリースノートだとか設定マニュアル等もその都度作ってますね。
MSDSとか安全仕様だとか面倒なものは他部署に振ってます。
ピークを過ぎたソフトエンジニアさま
レスありがとうございます。
多分、私の大変の十倍以上は、大変ですね、
韓国在住日本人様
当該分野の専門知識の不足故というならともかく、自分の思惑で勝手に通訳というか、話を捏造してしまうなど、最悪としか言い様がないですね。韓国との交渉、協議が、言った、言わないの応酬に終わるのがお約束となる理由のひとつは、この辺にあるのかなと思わせてくれるお話でした。いつも面白い話題のご提供、ありがとうございます。
韓国側の通訳が勝手に語彙を捻じ曲げてるってのは結構ありそうですね。
それで気になったんですが、2国間の対話とか協議の場合って「話者が発言→相手側の通訳が翻訳→相手側に伝わる」
って手順になるんですかね。
韓国在住日本人様
いつも楽しみにしています。今回も一気読みしました。あえて読後感を一言で言うと、【疲れる国】ですね(笑)。
まず、通訳士は大学3校しかない。女性がやるもの(笑)。えッ?
私の感覚なら通訳(中国語としましょうか)するのに、四大卒以上の院修士(マスターコース)終了がなぜ重宝されるのか、分かりません。
スキルはプラス2年で上がるでしょうが、本人の努力次第で修士の方と同等の通訳士になれるのでは?それと修士修了はプライドが高い?
韓国人は何か勘違いされてるような(笑)。すべて自分を大きく見せる勲章なんでしょうね。私など捻くれ者で、【通訳は一生の仕事に非ず】と思ってます。(日本人の方で職に就いている方、すみません)
もちろん完璧なネイティブスピーカーになれれば、それ自体素晴らしい事ですが、業界専門用語は分からない、込み入った話を電話で伝えられない、2年でチェンジなら仕事の背景も分からないのが普通だろうし、なら、はて、通詞とはなんぞやって思ってしまいます。
それなら母国語(日本語)が世界的にはマイナーだが、優位にあるなら、他の実学、金融や法学や研究者、工学、建築、医薬等に進路を決めた方が良いと思いますね。
語学はある程度年齢重ねてもカタコト、日本語風外国語はマスター出来ると思います。足りない分は長い事、任地に住んでいる日本人、日本に生まれ育った外国人、そして通訳士の補助で良いと思います。
しかし、個人的相談を若い女性にされたら、勘違いするヤカラも出るでしょう(笑)。
通訳の御話でしたが、翻訳も同様に、大変な作業です。
英文科御出身の方に訳して頂くと、往復する時に大きな問題が発生する様です。例えば、antenna → 空中線 → aerial wire 、往復すると、元に戻らない。
また、アンテナ(複数形) → antennae という事例も、これでは「触角」になってしまいます。
普通に antennas で良いのですが、英文科の方は、ラテン語系の知識も豊富に御持ちの様で。
カタカナ用語は、仰る通り要注意です。
>ただ、本論ではありませんが、紹介して下さった “The most powerful languages in the world” に出てくる「日本の特殊性」については、個人的には「日本の強み」ではないかと思っています。というのも、日本ではほとんどの高等教育が母国語である日本語で受けられるからです。
おっしゃる通りです。
日本では昔から、階級が低い人間にも教育を受けさせる習慣がありました。
最下層に近い人間でも、教育を受けてある程度は勉強していました。
最低限の勉強をしなければ、「権利」の裏付けとなる「義務」が果たせないからです。
最低限の教育を受けておらず、教育の機会を与えても勉強せず、さらに日本に対して反抗し、日本人としての最低限の「義務」も果たさず、面倒を見てもらうばかりだったのにもかかわらず、ある日突然日本人になったからといって「日本人と同じ権利が与えられないから差別だった」などと言う某民族の子孫たちは、筋違いも甚だしいです。
そのような集団に選挙権を与えるなどということを、一体、誰を納得させられたというのだ。
当時の日本の子供たちだって、納得するわけがない。
この投稿も本題から少し逸れたかもしれません。
どうも、すいません。
通訳士に限らず、実務経験の伴わない知識や資格は使い物にならないことが多いんですよね。
私自身もサラリーマンだった頃に技能手当の受給を目論んでいくつか資格も取得したんですけど、名刺のスペースが少し黒くなっただけで全く使いものにならなかった覚えがあります。
やはり何事も現場で磨かれてこその「業(わざ)」なのだと思います。
*****
韓国在住日本人様は、現地の言語をある程度理解しながらもあえて万全を期するための通訳士なんですよね。(イチロー選手みたいですね。)
カタカナ言葉の訳は通訳士さん泣かせなのでしょうが、通訳士さん無しでは成り立たなかったりするのだと思っています。
例えば、私なんかが昼食を問われてカタカナ言葉で「Lice Ball(翻訳無用)」なんて受け答えた日には、きっとその場の空気が凍り付き、冷たい風が吹き荒れるに違いないのですから・・。
*次回の掲載も楽しみにしています。
こんばんは。
ちょっと感想とはかけ離れてしまいますが、日本語についてちょっと。
東南アジア出身の留学生が「自国語で高等教育を受けることができません」という理由について、思うところがあります。
それは、日本では高等教育に必要な専門用語がほぼ日本語に翻訳されており、専門書もほとんど日本語で読めるものが揃っているからです。それは解体新書の和訳から始まり、明治期の日本人が西洋文明の言葉や概念を日本語へ翻訳翻案し続けた先人達の努力のたまもの、です。
つまり日本人は、ほぼ日本語のみで複雑な抽象概念や専門的事象を考察出来るわけです。
でも、英語圏以外の国では、自国語ではそのような考察は出来ない、というか、言葉からして存在していないので難しいのだと思われます。
余談ですが、ノーベル賞受賞者が英語圏と日本に偏っている理由もその辺にあるのではないでしょうか。
また、韓国が英語教育に熱心なのも、高等教育や専門教育には英語が不可欠だから、というか、日本語か英語の二択になるので英語を選択するしかないからだと思います。なんというかハングルのみでは高等教育は不可能だから、というか、ですねー。
韓国人は東南アジアの国々を蔑視する傾向があるようですが、言語ではハングルも東南アジアの国々の言葉と似たりよったり、どっこいドッコイのレベルにあるんじゃないかと。
つまり、韓国の近代化は日本が発明した和製漢語とともにあり、それ以前には存在していなかった近代的文明も概念もハングルには説明出来る範囲にはなかった、というか。
日本語って、日本人が気付いていないのですが、世界中の言語の中でも、高度な概念も説明し理解しうる、バラエティーに富んだ言語だと思います。
ちかの 様
>韓国が英語教育に熱心なのも、高等教育や専門教育には英語が不可欠だから、というか、日本語か英語の二択になるので英語を選択するしかないからだと思います。
韓国の高校では第二外国語の授業があり、日本語、中国語、独逸語を選択して受けないといけないそうです(その他の言語もあるとは思いますが、詳細は不明です)。
また、韓国のエリートはほぼ英語がペラペラで、それがステータスであり、入社の際にも影響を及ぼします。TOEIC800以上なんてざらにいます。
韓国で英語が重要視されるのは就職のためであり、その他の理由として韓国脱出があげられます。
あと、何度か小生の専門分野の専門書を見たことがありますが、全て韓国語で書かれており、至る所に漢字が挿入されていました。恐らく、日本の専門書の丸写しだと思われます。つまり、一応ハングルでもそれなりの教育はされているということです。
駄文にて失礼します
韓国在住日本人様
御返事※ありがとうございます。
仰るところの意味はわかりますが、漢字混じりのハングル解説文は漢字の素養無しでは理解が覚束ない点が、ハングルのみの思考ではありませんよね。
言いたかったのは、高度な専門的研究や思索には純粋にハングルのみでは難しいだろうということ。特に英語や日本語の素養無しには、です。
一義的に就職のために英語を学ぶ、のは、その通りだと思います。
でも、何かを専門的に研究したいと希望しても、英語や日本語を学ばないと、より高度な知識には触れ得ないのではないかと思います。
ちかのさま
日本語にはカタカナが有りますので、極論すると翻訳する必要は有りません。英語の発音のまま、カタカナにすれば済みます。
ハングルのようにも思えますが、漢字やひらがなと独立して、単語として認識可能です。
中国語は、漢字で同じことをしようとしてますが、独立した単語としては、見にくい問題が有ると思います。
日本人が日本語しか出来ないのは、日本語が出来れば、生活に困らないからだと思います。
韓国人が、英語、日本語を勉強するのは、仕事に就くために必要だからだと思います。
内需の差が、ここに現れているように思います。
だんな様
日本人も英語をよく学ぶので、カタカナ語はたくさんあります。
言いたかったことはおわかりだと思いますが、主に明治期の日本人が開発した和製漢語の素晴らしさです。経済、哲学、科学、などなど、中国に逆輸入されて、人民も共和国も和製漢語だという指摘もあります。
仰るように、日本語は中文やハングルに比べて、漢字ひらがなカタカナ混じりのため非常に視覚的に読みやすい(書くのは手間ひまかかります)のが特徴だと思います。
韓国在住日本人様へのレスにも書きましたが、何が言いたいのかといえば、日本語の守備範囲の広さ、です。
日本人が日本に住んで暮らすには、日本語だけで十分なのは当たり前ですが、特に英語を学ばなくてもより高度な教育や勉強を続けることが可能なのはかなり特殊な環境下にあるんじゃないかと思います。例えば、ノーベル賞級の研究をする場合でも、自国語、母語である日本語で思考して研究出来るのは大きなメリットですから。残念ながら、ハングルなどは、あまりそのような研究に向いてない言語ではないでしょうか。
うまく言えないのですが、日本語はある意味解像度の高い言語だと思います。
漢字を使いこなし、英語はじめ西洋文明を和製漢語に移し替えながら理解しようとし、このような言語は珍しいのでは、と思うのです。日本語がわかれば、生活に困らないだけじゃなくて、研究にも困らないわけですから。
ちかのさま
考えていることは、一緒だと思います。
解像度の高い言語と言うのは、良い比喩たと思います。考える為には、イメージする必要があり、正しい現状認識をする為に、単語の定義が重要で、その解像度が高い事は、正しくイメージしやすくなると思います。そのため、日本語で考えて、論文を書く時だけ英訳する事が、十分可能です。
私は、今回ハングルの劣等性を指摘しませんでしたが、防水と放水の区別がつかない言語では、生活にも問題が出るレベルだと思っています。言葉(単語)の定義が緩いから、中身も緩い。嘘をついて、誤解ニダとか言う、国民性に釣り合った言語だと思います。
後は、日本語の自由度が高い事も挙げられると思います。言葉の乱れと非難する人もいますが、言葉に流行り廃りが有るのは当たり前。若い人の言葉が分からなくなってますが、自分でも似たような事をしていたかもしれません。日本語の自由度を多様性、豊かさだと考えれば良いと思います。
このシリーズのご投稿を毎回興味深く読ませていただいています。私も、もう30年ほど前になりますが、中国で、通訳連れで仕事した経験があります。私の場合、期間が1.5か月ほどと短かったのですが、鮮烈な経験として今でも記憶に残っています。
その通訳さん(当時30代後半?の既婚女性、紅衛兵世代と思われる)は、普段はその地域を訪れる日本人観光客の通訳ということで、工業技術上の知識はなく、私も韓国在住日本人さんと似たような苦労をした憶えがあります。ただ場所が中国ということで、難しい技術用語でも漢字で書けば、翻訳無しで相手に理解してもらえるという利点はありましたね。ただ、難しいのはやはり技術的なカタカナ言葉だったです。自分でも、原語が何語で、どんなスペリングか知らなければ辞書も引きようがありません。ですから、先ず、この言葉を純日本語で言い換えればどうなるか考え、それから通訳さんに翻訳してもらうようなこともありました。
で、彼女個人について言えば、学歴は高卒程度ではなかったかと思います。日本語は、紅衛兵世代であることもあり、十分な教育機会もなく独学+OJTだったと聞いたような記憶があります。ですが、日本語の一般的会話においては、全く支障は感じなかったです。また当時は日中関係が良好で、日本人という事でのわだかまりは持っていないように見えました。またプライドが高いというような印象も無く、私が仕事していた職場の連中ともフレンドリーに付き合っていた気がします。
他の中国人に比較すれば気立てが優しく、日本人っぽいなと思ったりもしました。日本人と接する機会が多いせいだったのですかね。ただ、時々、「それは違います!」とか「~はこうすべきです!」のような、キツイ断定口調が出ることがあり、ああ、やっぱり中国人だなと思う事もしばしばでした。彼女自身も、何かの折に、日本語を使うと優しい言葉遣いになるというような事を言っていました。彼女とは、その後会ったことも音信もありませんが、今どうしているでしょうね?
以上、本投稿を読ませていただき、ひと時、自分の若かりし昔の、懐かしい思い出にひたることができました。有難うございました。