台湾・蔡英文総統「一国家二制度失敗」指摘を支持する

香港で連日続くデモ活動により、中国共産党による「一国家二制度」の矛盾が表面化して来ました。いや、「一国家二制度の矛盾」というよりも中国共産党の存在自体の矛盾、というべきでしょうか。こうしたなか、昨日は「中華民国建国108年」を祝う「双十節」で、台湾の蔡英文総統が香港情勢について、「一国家二制度の失敗」と言及しました。これは、「一国家二制度」のもとでの中台統一を拒絶する姿勢と見るべきでしょう。

香港統治は中国の矛盾の象徴

香港政庁が中国本土への容疑者の引き渡しを可能にする、いわゆる「逃亡犯条例」の改正案を出したことを受けて、今年6月から自然発生的に始まった香港のデモが収束の兆しを見せていません。

香港で今、何が起きているのか

これについては連日のように続報が出て来ますが、とくに酷いのは、『香港発砲事件と中国共産党の野蛮さの本質、そして日本』でも触れたとおり、警官がデモ参加者の男性の左胸めがけて発砲した事件により、「一線」を越えてしまった格好です。

香港発砲事件と中国共産党の野蛮さの本質、そして日本

やはり、本質的なことでいえば、「一国家二制度」自体に無理があったことは間違いないでしょう。

この「一国家二制度」とは、同じ国(この例でいえば「中華人民共和国」)内に異なる2つの制度を設けるというものですが、その本質は中国共産党による一党軍事独裁国家である中国が、英国の植民地統治下で自由主義の味を知ってしまった香港を取り込むための方便です。

いちおう、英国との約束では、1997年の香港返還から50年間は旧英国統治時代の制度を維持することとされているようですが、実質的には20年少々で一気に矛盾が噴出した格好です。

台湾が何を思うか

ところで、中国が「一国家二制度」のもとで台湾の併呑を目論んでいることは周知の事実ですが、まずはそれに向けて台湾を外交的・政治的に追い込んでいるという話題については、先日、『台湾を追い込めば台湾独立が現実味を帯びるという皮肉』のなかでも紹介したとおりです。

台湾を追い込めば台湾独立が現実味を帯びるという皮肉

ただ、それと同時に台湾は世界に冠たる自由・民主主義国家でもありますし、その意味では日本にとっては近隣諸国のなかで最も信頼に値する国家のひとつです(『まずは日台スワップとGSOMIAを目指しませんか?』参照)。

まずは日台スワップとGSOMIAを目指しませんか?

このように考えると、香港の惨状自体は非常に痛ましいものですが、台湾国内で「一国家二制度」への懐疑的な見方が広まること自体は、決して悪いものではありません。

こうしたなか、台湾の蔡英文(さい・えいぶん)総統は昨日の「双十節」(10月10日、つまり中華民国建国記念日)で「建国108年」とする祝が式典に臨み、一国家二制度を拒絶する意向を示したのだそうです。

台湾で「建国108年」の祝賀式典 蔡総統は「一国二制度」を拒絶(2019年10月10日 22:07付 AFPBBニュースより)

AFPBBニュースによれば、蔡英文氏は

台湾の主権は台湾人の『圧倒的な総意』

だと述べたのですが、台湾人が「台湾の主権」を総意として持つならば、それを尊重しなければならないのは当然のことでしょう。

一国家二制度の大失敗ではなく…

蔡英文氏は、いわば、香港の「一国家二制度に基づく中国による統治」が大失敗だったと指摘した格好ですが、ここでいう「失敗」、あるいは「一国家二制度の矛盾」とは、単なる「一国家二制度に基づく中国による統治の矛盾」に留まりません。

どちらかといえば、この21世紀の世の中において、中国が共産党一党独裁を頑なに続けようとしていることの矛盾が、中国のなかで数少ない「自由都市」である香港で表面化したに過ぎないのです。

その意味で、香港とは「港人治港」(香港は香港人が統治する、という自治原則)だけでなく、「そもそも中国共産党が存在して良いのか」という疑問を、地球上の人類が抱いている、という証拠ではないでしょうか。

そういえば、最近、米国政府がウイグル族弾圧を巡り、中国当局者に対するビザ発給の制限を発表した、という出来事がありました。

米、中国当局者のビザ発給制限 ウイグル族弾圧巡り(2019 年 10 月 9 日 07:39 JST付 WSJ日本版より)

そもそも自国の民衆や異民族を独裁体制と強制収容による弾圧で抑え込むこと自体、自由と民主主義を愛する人類の普遍の理念に反しています。

(※そういえば、日本国内で「アベは独裁者だ!」「アベはヒトラーだ!」などと批判する連中は、「本物の独裁者」である習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席に対しては批判しないというのも不思議でなりません。)

そして、自由な香港、自由な台湾を渇望する人々の思いが、やがては中国共産党という邪悪な存在を際立たせることになることは間違いないでしょう。

その意味でも、当ウェブサイトとしては、まずは蔡英文総統のこの姿勢を強く支持したいと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 墺を見倣え より:

    2047年になれば、自動的に一国二制度が無くなる香港で、この様なデモが起こっている事は、若干不思議でした。

    2047年が2020年に前倒しされるとか云った、時間軸上の話でしかなく、自由が必要なら、台湾でも米国でも、好きな国に移住すれば良いだけの話でしょ。

    しかし、最近の香港のデモの合言葉は、「死なばもろとも」だという話を聞いて、ナルホドと思いました。

    1. 福岡在住者 より:

      香港の方々には気の毒ですが概ね賛同致します。
      しかも暴力デモ・暴動では大陸側に武力介入の口実を与えてしまいます。(既に大陸側の工作員も入っているのでしょうが、、、) たぶんプライドが許さないでしょうがここは韓国を見習ってロウソクあたりで留まるべきです。

  2. だんな より:

    日本国内で「アベは独裁者だ!」「アベはヒトラーだ!」などと批判する連中は、「本物の独裁者」である習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席に対しては批判しないというのも不思議でなりません。
    >それは、安倍首相批判をする人が、中国や北朝鮮の工作員もしくは、その実働部隊だからです。

    1. 自転車の修理ばかりしている より:

      だんな様

      もう一つの理由。
      安倍首相にどんな酷い言葉を投げつけても実害はありませんが、習主席を批判すると生命の危険がありますので。

      1. だんな より:

        自転車の修理ばかりしているさま
        それもそうですね。まあ、独裁者が悪いと思っているわけでは無い、ただのレッテル貼りですからね。

  3. 心配性のおばさん より:

    過日、こちらで申し上げたことがあるのですが、香港問題は、香港だけでは成功しません。中国内陸部の自治区や中国国民を巻き込み、中国共産党の瓦解にターゲットを絞らなくては成功しないと考えています。
    そのためには、台湾や、欧米、日本を利用する必要があります。国家という組織は自国に必要であるという条件が揃えば、そのように動きます。今回、台湾は香港に対する中国の脅威を、自国の未来と受け取っています。お気付きではないかと思いますが、日本もそうあるべきです。

    現在、アメリカは覇権を争って中国と対峙しています。この状況も利用できます。
    中国内陸部は、ネットワークなどに厳しい情報規制が引かれていますが、中国の周辺国には通用しません。
    例えば、チベット自治区にはインドが、ウイグル自治区にはカザフスタンが、モンゴル自治区にはモンゴルが、隣接しています。それらの周辺国から、いっせいに蜂起を支援すれば、中国共産党は対応できません。

    1. 団塊 より:

      逆ですよ。
      香港は香港だけを考えているから
      『イギリスとの約束を守れ』

      要求してるだけだから、まだ支那共産党解放軍に戦車で踏み潰されていない。

      数民族解放を言い出したら即座に香港は血の海になる。

      1. だんな より:

        香港の人は、自分達の身の安全だけで手一杯。ウイグルなんて他民族ですから、二の次ですよね。

        1. 心配性のおばさん より:

          皆様。私が申し上げたいのは、香港は独力では、無傷の中国共産党に勝てないということです。
          悲劇として、歴史に散るだけを目指しているならこのままいけばよろしいでしょうが、彼ら香港人は夢想家ではありませんでしょう?

          中国共産党に勝ちたければ、周辺国を介して他の自治区と呼応し、中国共産党の瓦解を誘わなくては。
          弱った中国共産党は放っておいても、国際社会が貪り食います。
          ちょうど、鮫が弱った仲間を貪り食うように。

    2. 理系初老 より:

      心配性のおばさん様

      私はあなたの元コメントに賛成です。香港と香港人のことを知らずに平和な日本から上から目線でものを言う他の方のコメントが残念でした。香港の援護かつ中国対抗策にもなるので、日本は台湾のTPPとホワイト国への参入を早く進めるべきだと思っています。

      ところで別コメントにて、「(韓国があまりにひどいので)貞子のようになっている」とおっしゃっていましたね。確かに「そうでしたかしら。おほほ」的な余裕の発言がなくなってきているようにもお見受けしましたが、気持ちは分かります。ご自愛ください。

      (どうでもいいことですが私はいまだにブログ主様とのご関係を密かに疑っています)

    3. ひろた より:

      おっしゃる通りだと思います。
      香港問題は中国共産党が瓦解しない限り解決しないと思います。
      しかしながら解決するには時間がかかります。
      武力制圧の前に経済、政治で侵略されすぎでしまいました。
      香港を武力制圧する必要はもうありません。
      中国からしてみれば放って置けば良いだけだったのに長官が余計なことして騒ぎ大きくしてしまったのです。
      香港は疲弊しますが中国も疲弊していきます。
      きっかけにはなるかと思います。
      中国政府は何てことしてくれてんだよ。と思っていることでしょう。
      香港への侵略はもう最終段階ですし、次は台湾、沖縄です。とっくに始まってます。

  4. 外人 より:

    移住すればとのご意見ですが、市民権を得るには1996年(香港返還の前の年)でカナダ移住に2000万円必要でした。これはオーストラリアでもあまり金額では変わらなかったと思います。これだけの金額を払って、現地での仕事は、香港でしていた仕事とは比べられない仕事でした。このため私の友人の香港人も、カナダに家族を残し、逆単身赴任?で香港に戻ってきました。だから簡単にはいかないんですよ。
    2000年になった数年は中国政府も大陸の中国人が香港に入るには、厳しく制限していましたが、今は1日500人が定住できるように変わっています。この状態が続けば、10年くらいで人口の2割近くが大陸の中国人になってしまいます。まさに真綿で首を絞めるように中国化が進んでいるんです。
    また反共産党政権の本を扱っていた本屋の店主がある日突然いなくなり、大陸に連行されていました。
    こういったことは香港に住んでいれば、誰にでも起こり、今回大騒動になったのは香港人だけでなく、外国人が危機感を持って反対しているんです。
    日本のニュースでは出ませんが、香港に駐在している友人いわく、腰に拳銃をつけてる私服警官ぽい(もしかすると中国の武装警官)人間が火炎びんを投げている映像がアップされているそうです。ニュースではデモ隊がやっているように報道されてますが。

    1. gommer より:

      諸々含めて、中国が今までやって来た事の焼き直しですね。

      市民権を買うほどの財力のない人は1980年頃から米、加、豪などに子供を留学させ、現地で職を得て家族を呼び寄せるなどの遠大な方法を採っていましたね。上手く行かなかったケースも多いようですが。

      香港は国ではないものの、国家が崩壊すれば自分の身は自分で守るしか無くなるのだという、忘れがちだけれど当たり前の事を見せてくれています。

      日本は支援するべきかも知れませんが、移民を受け入れると確実に工作員が混じって来るうえに、朝鮮半島からの流入を前に悪しき前例となりそうで、難しいところです。

  5. なんちゃん より:

    香港の行政長官が中国共産党の意向に逆らえない(であろう)ことを考えると、デモ隊の要求は彼女の権限を越えています。

    そんなことがわからない香港の人々でもないと思いますので、それでもデモと要求を続けるのは、

    「どうせ香港の自由が奪われるんなら、人民解放軍の軍事介入で奪われた方がよっぽどマシだ」

    くらいに思ってるんじゃないかと思います。やるんならさっさとやりやがれ、と。

    共産党が折れるとも思えず、そういう結末しかイメージできないんですよね。
    こうなったら、台湾の人々へのインパクトは相当なもんでしょうが。

    デモ隊の人々はというと、解放軍がやってきたら、「家に帰って寝てる」って言ってるそうです。

    1. 自転車の修理ばかりしている より:

      なんちゃん様

      日本を含む西側諸国は、口では中共を非難し香港を援護しますが、実際に手を動かすことはないでしょう。そして悲劇的結末を迎えた後で、香港を英雄として讃えるのです。
      中国の悪者性を一層際立たせるために。
      フランスが、自分でイギリスに売り渡したジャンヌ・ダルクが焚刑に処せられた後で、英雄として祭り上げたように。
      扱いやすい英雄は、死んだ英雄だけです。

      香港人が、そこまで達観していればいいのですが。

      1. なんちゃん より:

        先進国が言う人権問題はダブスタの象徴だと思います。
        手を出すときは、勝てる相手か、経済的なメリットがあるときだけでしょう。
        香港の場合は、せいぜい口先介入までだと思います。

        解放軍で押さえつければ、しばらくはそのネタで揺すれるでしょうね。

        >香港人が、そこまで達観していればいいのですが。

        個人レベルでは様々でしょうが、多くの人がどんな見通しを持っているのか聞いてみたいものです。
        香港には行きませんけど。

  6. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    このままでは、香港は共産党に占領されますね。何とか香港の自治確保と、近未来は中国大陸の一党独裁を潰したいですし、中国はいくつかの国に分割されれば、他国へのリスクは減ります。

    そら香港は99年間も英国領、租界?だったところなので、かなり自由社会が育っています。しかし香港人にも私は言いたいことがある。

    80年代後半から、今後の香港を心配する声はありました。富裕層を中心に香港人は英国、米国、豪、瑞西等に移った人が多いです。中国が嫌だから。

    残った人も在留しながらそれらの国籍を取り、何かトラブルあったら、海外に逃げ出すつもりです。家族でありながら米国、英国、豪州、加、露国と、それぞれバラバラな人も居る。ここがちょっと日本人の私の感覚からは離れてます。

    つまり「貴方がたは、故郷、国籍、生まれというものを大事にしないのか?」と。何故、香港人を選ばないのか。中国にいずれ吸収されるからか。

    香港人としての誇りは無いのか。その頃、民主国家として立ち上がろうというのは、聞いた事が無かった。だから中華華僑というのは、何処の国にも生息して同族だけで金を回す。現地の国には落とさない、吸うだけ。華僑はある意味、嫌われ者なんです。

    中国支配になった時に、拒否して立ち上がるか、さっさと出ていくのがベターだったでしょう。50年間保証なんて、共産党に通じますかいな(嘲笑)。

    台湾も「中国」という名前は無くして「台湾国」で良いと思うのは外部者だけでしょうか。島国の台湾は、絶対守らなければなりません。その次に沖縄が狙われます(狙いやすいかな 笑)。

    1. gommer より:

      めがねのおやじさん

      以前、旅先で日本に留学経験のある中国人に聞いたのですが、中国人の国への帰属意識は日本人の愛社精神より小さいそうです。
      人民にとって国とは自分達を支配するだけのもの。歴史的にずっとそうだったので、自分たちの国という感覚は無いそうです。

      連綿と続く国への愛着に共感する人のほうが世界には少ないのでは無いでしょうか。

      多くの国では愛国心を殊更に煽りますが、裏返せばそうで無ければ国への愛着を維持出来ないからとも言えるかも知れません。
      高々数百年の歴史しかない国であれば、作り変えたり逃げ出したりといった事への抵抗感が薄いのもなんとなく理解できます。

      おそらく、日本人の方が特殊なんですよ。
      人様に向かって誇る事なのかは分かりませんが、内なるモノは大切にしたいですね。

  7. 酒が弱い九州男児 より:

    これだけ中国に多かれ少なかれ経済を依存しちゃった状態だと、本気で介入できる国はないんじゃないかな。
    やれても口先くらいだけ。残念ながら日本もそうだと思う。

  8. 迷王星 より:

    >ただ、それと同時に台湾は世界に冠たる自由・民主主義国家でもありますし、その意味では日本にとっては近隣諸国のなかで最も信頼に値する国家のひとつです。

    さあ、台湾に関してはそう簡単に言い切れるでしょうか?
    確かに現在の蔡英文総統による民進党政権に関しては上の文章は正しいと思います。ですから、蔡英文総統による現状の台湾統治が続く保証があれば日本は台湾を信頼し深い相互依存関係へと進めることも可能かも知れません。

    しかし現状の蔡英文総統によるのと同様の台湾統治が続く保証など全くありません。例えばですが、その前の馬英九総統による国民党政権はどうだったでしょうか? もちろん、東日本大震災の時には普段の日本に対する厳しい態度を捨てて馬英九総統自らがテレビの前で大震災への募金を募って下さったことを私は忘れておりません。しかしながら、仮に東日本大震災がなければ台湾は韓国や共産北京ほどではないにしても日本に対して様々な点で対決姿勢を示していました。

    戦後に共産党との戦いに敗れて大陸から逃れて来た外省人主体の国民党は「一つのチャイナ」を党是とし、その一つのチャイナが現在の台湾つまり中華民国の憲法にも明記されています。そして馬英九総統が採っていた政策は台湾と共産チャイナとの経済的な一体化を強力に推し進める政策、つまり正に「一つのチャイナ」という国民党の党是を実現させようとする政策で、我が国の国防にとっては危険極まりない政策を台湾はやってくれていたのです。我々日本人は台湾に関して考える際に、以上の事実を決して忘れてはなりません。(もちろん、それと同時に日本に批判的であった馬英九総統でさえも自ら震災への募金を募り莫大な寄付金を寄せて下さった恩と台湾の人々の温かい心根も忘れてならないのは言うまでもありません)

    台湾がこの「一つのチャイナ」という国是を(そして、出来ることならば、その国是を象徴している現在の正式国名の一部を成す「中華」という言葉も)捨てて、真の意味で大陸の共産チャイナから独立しない限り、日本もアメリカも台湾を心の底から信頼することは出来ませんし、従って台湾問題に深入りすることも不可能です。

    震災の時に示してくれた台湾の人々の心優しさと彼らに対する恩とは我々日本国民として決して忘れてはならないのは言うまでもありませんが、だからと言って、台湾の問題を、現在の蔡英文総統の言動や外交政策だけで判断するのは非常に危険であり間違っているのです。

    我が国としては台湾が独立してくれる時に向けてアメリカやEUへの協調行動の働きかけ(台湾が独立宣言した場合には文字通り時を措かず一斉に揃って独立国「台湾」を承認するという趣旨の秘密協定を予め結んでおく等)の準備を整え、その時に北京の共産チャイナによる妨害を許さず独立した台湾が無事に世界の外交シーンへの船出を出来るように自由民主主義世界側の態勢をしっかりと確立しておくことだけが、現時点で台湾のために我が国が行える全てなのです。

    全ては台湾自身が「一国二制度」を批判するだけでなく「一つの国で異なる制度は本来不可能なのだ」という至極当たり前の事実を認めて「自分達が大陸チャイナの共産主義を受け容れられない以上は袂を分かつ以外に道は無いのだ」と考えて「一つのチャイナ」という建前の国是を捨てて真の独立国として勇気を持って独立宣言するか否かに掛かっています。

  9. ひろた より:

    国民党。正式名称は中国国民党。
    議席数は35%あります。
    歴史はもちろん、党員数も少なくありません。
    現政権は民主的ではありますが、前回の選挙は大敗しましたし、
    どこまで政権維持できるかはまだわからないです。

    中国はもう手は打っています。
    軍隊で制圧しなくても経済、政治で制圧しています。
    香港はもう終了。次は台湾、その次は沖縄です。

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