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韓国への対抗手段は経済制裁ではなく、経済焦土化作戦なのか

安倍政権はいったい何を考えているのか――。保守を自称する一部の過激な意見の持ち主は、「韓国からあれだけの侮辱を受けておきながら、経済制裁1つできないアベは腰抜けだ!」といった批判があるようです。私たちの国・日本が韓国から受けているさまざまな侮辱、不法行為が、とうてい看過できないものであることは事実ですが、ただ、「仕返しを欲する心理」とは、非常に厄介です。ここで、少し心を落ち着けて、もう少し広い視野で物事を見ると、また違った景色が目に入ってくるのではないでしょうか?

「韓国への仕返し」を戒める

「倍返しだ」、「この紋所が目に入らぬか?」

先日、当ウェブサイトでは『韓国への経済制裁あれこれ、そして日本が持つべき覚悟とは?』のなかで、いわゆる自称徴用工問題を巡る「韓国に対する経済制裁メニュー」を議論しました。

ただ、この記事を執筆したあとで、インターネット空間を中心に議論されている「韓国に対する経済制裁」論を眺めていて気付いたのですが、最近だと、「自称元徴用工」問題だけでなく、「韓国に対する報復としての対韓経済制裁論」が唱えられているようなのです。

こうした対韓経済制裁論が出て来る背景には、わが国で、韓国に対する「人々の怒り」が広範囲に広がっているという事情もあるのではないかと思えるのですが、確かに現在の韓国は、少なくとも日本に対しては明らかな「無法国家」として振る舞い始めています。

たとえば、昨年12月20日に発生したレーダー照射事件では、明らかなウソをついたうえで、次々と供述を変え、しまいには「日本の哨戒機が低空威嚇飛行を仕掛けてきた」ことにされてしまいました。

このときも、一部のメディアには「日本政府がレーダー照射事件を受けて1月中に韓国への経済制裁に踏み切る」とした言説が流れたことがあります(これについては『韓国側の主張に呆れるが、「月内に制裁発動」の可能性は低い』のなかで批判的に取り上げています)。

また、『旭日旗騒動再び 多くの人々を傷つけた韓国人の罪深い行動』で触れましたが、韓国人は旭日旗を嫌うあまり、「旭日旗のように見える模様を塗りつぶさせようとした」という事件もありました(ここまで来ると、韓国はもはや日本だけでなく、全世界に対する立派な「加害者」だといえるでしょう)。

こうした「無法行為」のためでしょうか、世の中の論調を眺めていると、「どうして日本政府はさっさと韓国に経済制裁をしないのか!」といった感情的なものが目立つ気がします。

とくに、日本国民の多くが大好きな勧善懲悪ドラマではありませんが、日韓関係を巡っても「悪人をバッサバッサやっつけてくれて、最後に印籠を出してくる正義の味方」が都合よく出現してくれることへの期待もあります(ここでいう「印籠で悪人をひれ伏させる役割」とは、米国あたりでしょうか?)。

あるいは、某人気ドラマのように、「やられたら倍返しだ」、とばかりに、日本政府に「仕返し」を期待する人が増えているのも間違いなさそうです。「正義の味方」が出現してくれないのであれば、せめて安倍総理が「倍返し」をしてほしい、と思う人もいるでしょう。

仕返しをしてほしい、という視野狭窄

一方、これに対する日本政府の動きは、いかにも緩慢です。

たとえば、昨年10月30日の「徴用工判決」問題を巡っても、日韓請求権協定第3条第1項に基づく外交的交渉を申し入れたのは、判決から2ヵ月以上が経過した今年1月9日のことでしたし、第2項措置(仲裁付託)を通告したのはさらに4ヵ月後の今月20日のことです。

また、自称元徴用工の問題やレーダー照射事件、慰安婦財団解散事件や上皇陛下侮辱事件などを巡って、日本政府は明示的な経済制裁措置を一切発動している形跡がありません。

こうした状況に不満を抱いた、保守派を自称する一部の過激な主張の持ち主の間では、韓国に対する不満が高じるあまり、その不満が安倍政権そのものに向かいつつあることもまた事実でしょう。

当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』でもこれらの韓国の不法行為をリアルタイムで追いかけていますが、某匿名掲示板を含めたインターネット上の反応などを眺めていると、穏当なものでも「韓国に経済制裁すべきだ」、酷いものになると「今すぐ韓国に攻め込むべきだ」、といったものもありました。

これこそまさに危険な兆候です。

確かに、「日本政府が断固たる対応を取らないからこそ、韓国がつけあがる」という側面があることも事実ですし、韓国政府の言い分があまりにもめちゃめちゃで、聞いていて腹が立つと感じた日本国民が多かったのではないでしょうか?

だからといって、国益を無視して、「韓国に仕返しがしたい」といういっときの感情で溜飲を下げるために韓国への懲罰的制裁を主張するのは、それこそ単なる視野狭窄です。

国益と経済戦争

経済制裁ではなく「経済戦争」、本当の目的は「国益最大化」

改めて申し上げておきますが、経済制裁の目的は「報復」、あるいは「仕返し」にあるのではありません。

当ウェブサイトでは、基本的には、日本政府のすべての行動は「国益」を重視すべきだ、というスタンスで一貫しているつもりであり、経済制裁も「日本の国益」に適ったものであることが必要です。

ここで、「国益」とは、平たく言えば、平和と繁栄のことです。

韓国に対して経済制裁を適用することが、結果的に日本の国益(日本の平和と繁栄)のためになるのであれば、躊躇なくそれを適用すべきですし、逆に韓国に対して経済制裁をすることが日本の国益に反するならば、経済制裁は控えるべきです。

では、この場合、どちらが正しいのでしょうか?

結論から言えば、それは結局のところ、「経済制裁」の目的によって答えが異なります。

韓国の不法行為に「仕返し」をして溜飲を下げるための経済制裁であれば、私は反対です。たしかに、韓国の行動には腹が立つのですが、目的を明確化せず、ただ単に感情的に経済制裁を発動するというのであれば、結局、やっていることは韓国とさして変わりません。

しかし、現在の韓国が日本の国益を破壊することを目的に、さまざまな不法行為を仕掛けて来ているのであれば、日本はむしろ積極的に、韓国に対して経済制裁を活用すべきです。

いや、もう少し正確に言えば、これは「経済制裁」ではなく、「経済戦争」、と呼んだ方が良いでしょうか。

一部の自称保守派が一時の感情を満たすために、レーダー照射だの、自称徴用工問題だの、上皇陛下侮辱事件だのといった「個別案件」に対して「仕返し」をするための経済制裁を主張していますが、本気で経済制裁を繰り広げるならば、それこそ個別案件への仕返しを目的とすべきではありません。

韓国の邪悪な産業構造

このこで、「経済戦争」という過激な言葉を持ち出した理由は、きちんとした理由があります。

それは、経済制裁も、究極的には、「日本の存立を危うくする根本原因の除去」を目的とすべきだからです。現時点の日本は、国際紛争を解決する手段として、軍事的な戦争を使うことはできません。だからこそ、経済制裁を、あたかも「経済戦争」のようにして活用することを検討せねばならないのです。

この点、現状で見る限り、韓国は(見た目だけは)自由民主主義国家であり、法治主義国です。

しかし、韓国の産業構造といえば、日本から資本財(製品を作るための部材)や素材を購入して加工することで、日本企業の製品を模倣し、やがては全世界の市場で日本企業の製品を放逐することで市場を奪うというダンピングを基本としています。

もちろん、それだけだったらまだ「日本の産業界の自助努力が足りない」で話が終わるのですが、現実にはもっと大きな問題があります。それは、高額の報酬をエサに日本企業からノウハウごと人材を引き抜いていることです。

とくに、わが国には、産業スパイを含めた「スパイ防止法」が存在しません。

韓国は日本の貴重な技術、知識を盗みたい放題盗んでいて、それによって日本の産業は競争力を徐々に喪失し、30年前だと「世界に名だたる企業」だった総合電機メーカーの多くが凋落したのですが、そのことは韓国の産業構造と無縁ではないのです。

また、韓国は米国の同盟国でありながら、中国と組んでみたり、北朝鮮に擦り寄ってみたり、と、外交的な軸がブレまくっていて、日本が米国とともに「開かれたインド太平洋戦略」を推進するうえでは、あきらかに障害となりつつあります。

とくに、北朝鮮の核開発問題を巡っては、韓国政府がこれを公然と支援しているとの疑いも濃厚ですが(※私自身は、現在の文在寅政権は北核開発を事実上支援していると考えています)、韓国が経済大国のままで北朝鮮と合邦すれば、「核武装した経済大国の出現」という危険性も出て来ます。

これこそ、まさに私たちの国・日本の存立を危うくする事態なのです。

経済的焦土化作戦を検討する理由

すなわち、現在の韓国は、日本の経済的利益と軍事的安全をともに侵害するという意味で、非常に由々しき敵対行為を日本に対して仕掛けて来ているのです。

もちろん、隣国であれば、ともに手を取り合い、未来に向けて発展して行けるような関係を築くのが理想的ですし、私自身も過去には「日韓がお互い友好国として、EUのように自由に往来でき、相互の国民がお互いの文化や言葉を学ぶような時代が来ればよい」、と素直に感じていた時期もあります。

しかし、韓国が日本との本当の意味での友好関係を望んでいないどころか、むしろ「寄生虫」のように日本から産業を奪い取ろうとしていること、日本の仮想敵国である中国や北朝鮮を利する行動を取っていることから、現在私は、韓国との「価値と利益を共有する関係」はあり得ないと考えています。

それどころか、将来、韓国が北朝鮮との事実上の連邦国家を形成する可能性(あるいは中国の属国化する可能性)を踏まえるならば、これ以上、韓国に経済大国としての地位を享受させるべきではないとすら考えています。

ただし、さまざまな制約から、日本は韓国に対し、軍事的な手段(爆撃など)を講じることができません。

そうであるならば、中・長期的には韓国の産業競争力を徐々に弱め、日本にとっての脅威ではない状態にするという意味での「経済焦土化作戦」についても検討しなければならない局面ではないでしょうか。

具体的に何を見るべきか

具体的な経済制裁のメニュー

ところで、改めて、当ウェブサイトが考える「韓国に対する経済制裁の具体的なメニュー」を見てみましょう。

積極的な経済制裁

日本政府が自称元徴用工訴訟問題やレーダー照射事件などの個別懸案を巡り、韓国に対して個別・具体的な経済制裁措置を講じること。「ヒト・モノ・カネの制限」という観点からは、たとえば次のようなパターンが考えられる。

  • ①日本から韓国へのヒトの流れの制限
  • ②日本から韓国へのモノの流れの制限(外為法第48条に基づく輸出規制など)
  • ③日本から韓国へのカネの流れの制限(外為法第16条に基づく送金規制など)
  • ④韓国から日本へのヒトの流れの制限(入国ビザ制限など)
  • ⑤韓国から日本へのモノの流れの制限(関税引き上げなど)
  • ⑥韓国から日本へのカネの流れの制限

ただし、上記①については、現在の日本の法制度上、適用が困難であり、⑥については日韓のカネの流れに照らしてあまり意味がないため、事実上、機能するのは②~⑤である。

サイレント型の経済制裁

上記「積極的な経済制裁」と異なり、日本政府が「今から韓国に経済制裁を適用する」と宣言せずに実施する、韓国に関してのみ、わざと行政手続を厳格化するなどの実質的な経済制裁(あるいは嫌がらせ)。具体例としては、次のようなものが考えられる。

  • ①ヒトの流れの制限(韓国国民に対するビザ発給をわざと拒否する、厳格化するなど)
  • ②モノの流れの制限(外為法上の輸出許可手続を厳格化する)
  • ③カネの流れの制限(外為法上の送金許可手続を厳格化する)
  • ④その他の嫌がらせ(在日企業に対する税務調査の頻発、在留資格更新の拒否など)
諸外国との協調制裁

日本が積極的に音頭を取るのではなく、外国が韓国に対して経済制裁を掛けるタイミングで、日本もこれに便乗する形の制裁。たとえば、米国が韓国に対し、「北朝鮮の核開発を事実上、幇助している」と判断した場合に、日米で協調して韓国に対する経済制裁を適用することが考えられる。

消極的な経済制裁

韓国が何らかの困難な状況に陥ったときに、あえて助けないで見放すような形の制裁。具体例としては、次のようなものが考えられる。

  • ①韓国が通貨危機に陥った際、韓国側から日韓通貨スワップ協定待望論が出て来たときに、わざとその要望を無視する。
  • ②韓国以外の国(たとえばマレーシアや台湾、ニュージーランドやデンマークなど)と、これ見よがしに通貨スワップ協定や為替スワップ協定を締結する。
  • ③韓国・北朝鮮以外の国(ASEAN諸国や台湾など)とのハイレベル経済対話を常設化する。
セルフ経済制裁

韓国の日本に対する度重なる不法行為に嫌気して、自然と日本企業が韓国から距離を置くようになることで、結果的に日本が何らかの経済制裁を加えたのと同じような結果が生じること(具体例としては、『セルフ経済制裁の恐怖:「脱コリア」の流れは続くのか?』等を参照)

いかがでしょうか?

日本政府が主体的に対策を講じることができるとすれば、積極的・明示的な経済制裁(とくにヒト・モノ・カネの流れの遮断)だけでなく、サイレント型の経済制裁(こっそり経済制裁すること)、諸外国を巻き込んで経済制裁することなど、多数のメニューがあります。

また、韓国が「自爆」することが前提ではあるものの、「韓国が困ったときにあえて助けない」という意味での消極的な経済制裁や、「セルフ経済制裁」なども広い意味では経済制裁の一種と捉えることもできるかもしれません。

焦る必要がない2つの理由

さて、私自身、日本政府の対応は腰が重く、やるべきことを十分に尽くしているとは言い難い、という側面があることは否定しませんが、それと同時に、日本は焦って「伝家の宝刀」を抜くべき局面ではないというのもまた間違いないでしょう。

それには2つの理由があります。

1つ目は、実際、『徴用工と瀬戸際外交:放置すれば日本の選択肢が増えるのも事実』でも報告したとおり、時間が経過すればするほど韓国側に選択肢がなくなり、日本側に選択肢が増える、という側面がある、という点です。

つまり、日本政府が時間稼ぎをすればするほど、日本国内に対しては韓国という国の異常性を周知することができますし、また、日本政府がわざわざ手を下さなくても、放っておけば焦った韓国が自爆して、結果的にどんどんと自国を不利な状況に追い込んでいくことが期待できるからです。

その具体例とは、キャピタル・フライト(資本逃避)の動きです。最近の株式・為替市場などを眺めていると、韓国からのキャピタル・フライトの前兆の疑いが生じていて、韓国ウォンの対米ドル相場(USDKRW)も韓国株式総合指数(KOSPI)も怪しい動きを示しています。

かつて韓国からのキャピタル・フライトが生じたとき(1997年や2008年)には、国際社会(とりわけ日本)が積極的に韓国に支援の手を差し伸べました(※余談ですが、そのときに日本の支援が遅かったという文句を付けてきた国が、韓国でもあります。下記記事をご参照ください)。

「韓国が厳しい時、日本が最も遅く外貨融通」(2009年07月07日08時07分付 中央日報日本語版)

金融市場では、「どうせ今回も日本が助ける」という暗黙の前提が置かれているふしがありますが、もし次回、キャピタル・フライトが始まったタイミングで日本が韓国救済に動かなければ、それだけでキャピタル・フライトが加速する可能性も考えられるのです。

時期は「いま」ではない?でも意外と時間もない

一方、2つ目の理由は、米国との関係にあります。

米国は現在、米中貿易戦争やインド太平洋戦略で、どの国を仮想敵国とし、どの国を同盟国とするかという選別の過程にありますが、「おまえは米国につくのか、中国につくのか」という「踏み絵」を迫る相手という意味では、韓国も同じことです。

この点、日本はすでに、安倍晋三総理大臣の働きもあり、「日米同盟を基軸として、インド太平洋を中心とする自由民主主義諸国との同盟を拡大しつつ、中国・ロシアなど仮想敵国との偶発的な衝突を防ぐ」という大戦略を確立させています。

つまり、韓国が近い将来、中国にひれ伏すにせよ、北朝鮮と統一国家を形成するにせよ、日米陣営から離反することは、日米側としても織り込み済みではないでしょうか。

ただし、その時期は「今すぐ」ではありません。

韓国軍大将、「戦作権の移管」条件の検証に向けた第一段階の演習を主管(2019-05-29 08:54付 ハンギョレ新聞日本語版より)

韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)の記事によると、現在、韓国軍への「戦時作戦統制権」移管の手続が進められており、その第一段階にあたる「当初作戦運用能力」の検証が今年8月に実施され、10月に米韓軍事委員会に報告されるのだそうです。

ハンギョレ新聞によれば、その後、2020年には「完全運用能力評価」、2021年には「完全任務遂行能力」が評価され、順調に行けば、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領の任期が終わる2022年までには戦時作戦統制権の韓国への移管が実現するのだそうです。

ただし、米国が戦時作戦統制権の韓国への返還を待たずに、米韓同盟の破棄に動く可能性も否定できません。次のようなタイムテーブルに照らすならば、現在の安倍、トランプ両政権にとって、残された時間はそれほど長くないからです。

  • 2020年 東京五輪、トランプ氏再選?
  • 2021年 安倍総理、任期満了
  • 2022年 戦時作戦統制権の韓国への移管
  • 2024年 トランプ氏、任期満了

とくに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック(9月6日まで)と、アメリカ合衆国大統領選の投票期日(11月3日)の間の2ヵ月弱は、トランプ氏が北朝鮮に対する軍事的オプションを決断するには、ちょうどよいタイミングでもあります。

もしかすると、朝鮮半島情勢が大きく動く可能性もあるのかもしれません。

イラン訪問は米国の優先順位変更が目的?

さて、安倍総理は来月、現職の日本国総理大臣としては41年ぶりに、イランを訪問することを検討しています。

安倍総理が米国と対立するイランを訪問することについては、国賓として訪日していたドナルド・J・トランプ米大統領自身が期待感を示していたほどですので、米国の了解が取れていると見て良いでしょう。あるいは、安倍総理のイラン訪問は、むしろ、米国の要請を受けたものなのかもしれません。

また、次の産経ニュースによると、イラン外務省は安倍総理の訪問を「二国間関係の転換点になる」としたうえで歓迎する意向を示しているのだそうです。

安倍首相の訪問「転換点」 イラン外務省(2019.5.28 19:48付 産経ニュースより)

イランは2015年に、米国に加えて英国、フランス、ドイツ、ロシア、中国とのあいだで核合意に署名。

しかし、この核合意の内容に大きな問題があるとして、2018年5月、米国は離脱を表明し、あわせてイランと取引をしている国に対する経済制裁(セカンダリー・サンクション)を発動すると警告しています。

米国が欧州に警告、イラン制裁迂回なら米金融システムから排除も(2019年5月30日 1:54 JST付 Bloombergより)

つまり、もしここで安倍政権が米-イラン間の仲介に成功すれば、非常に大きなメリットが日本にもたらされますが、すぐに思いつくだけでも少なくとも3つはメリットがあります。

1つ目は、米国に政策の優先順位を変更させ、イランよりも北朝鮮に目を振り向けさせることができる、という点です。

2つ目は、日本は2015年の核合意の当事国ではありませんでしたが、再核合意が形成されれば、日本がその中心国の1つになる可能性が高い、という点です。

そして3つ目は、イラン産の原油が再び日本に入ってくる、という長所です。

このうち、1つ目の点に関していえば、安倍総理のイラン訪問は、朝鮮半島情勢ともきわめて密接に関連していることは間違いありません。

いずれにせよ、6月に入れば、この安倍総理のイラン訪問に加え、G20、さらには「消費税解散」など、注目点がいくつもあり、来月も話題は盛りだくさんになりそうです。

新宿会計士:

View Comments (45)

  • このまま文在寅が大統領のまま、続けてくれるのは、最大の韓国への報復です。

    名前も挨拶もミス、韓国メディアが報じる文大統領の認知症疑惑
    https://www.news-postseven.com/archives/20190530_1379434.html

    認知症でなくとも経済、外交、政治は確実に韓国を崩壊に導いています。
    以前は1人当たりGDPが台湾まで下落と考えましたが、勢いは北朝鮮、李氏朝鮮を目指しそうです。
    経済崩壊は何時起きても不思議ではない。
    ノービザ出来ている韓国人が難民化し日本に居座る可能性も多いので、
    中国、韓国人はビザ復活を是非してもらいたい。

  • 最近では、毎日同じ様な内容の記事がある様な気がしています。
    投稿する事を目的として書かれた様に思います。
    もう少し厳選した記事を望みます。

    • 嫌韓ネタはそれだけでアフィサイトが成り立つ分野ですからね。
      なにしろ次から次とバカにできるネタを頼まれもしないのに供給してくれるので、楽なのです。
      基本正論で論破できてしまうので(論破してもまったく効果が無いので意味はない行動なのですが)、その意味でも「楽」です。
      この楽さに染まってしまうと「フォースの韓国面」と呼ばれる同一化までそれほど距離はありません。
      嫌韓は用法・用量を守ってお使いくださいなのです。

      このブログのエッセンスはやはり事実関係やデータを元に分析するというところだと思います。
      最近ちょっとアラが目立つ様になったかなという感想は私も感じなくはありません。

      ところで、「焦土化作戦」ということばは、一般的ではありません。
      「焦土作戦」というロシアの伝統芸が有名すぎるため、「日本経済を焼け野原にして旨い汁を吸えなくする作戦か」と誤解されかねません。
      第二次世界大戦での日本やドイツの様に「国土が焦土化する」という意味では単なる「戦略爆撃」くらいしか用語がありません。「飢餓作戦」はまた違いますし。

    •  独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。

       完全なる個人的意見ですが、みなさん、どう韓国に対応するかの方針が
      はっきり見えず、また(日韓関係で)何の動きがないので、じれているの
      ではないでしょうか。

       駄文にて失礼しました。

  • 日本は焦る必要はありませんが、時間があると、狡猾な韓国から日本国内を切り崩される危険性もあります。いろんな種類の(あえて言いますが)非国民が、日本国内には多数いるようです。「内部から切り崩される」のが心配です。選挙終わった後などに・・・

  • コピーと盗みでダンピングは中朝のお家芸。アメリカと一緒になって両方とも叩くチャンス。出自の怪しい政治屋が嫌がるスパイ防止法も検討して。

  • いつもに増しての力作ありがとうございます。

    >経済制裁ではなく「経済戦争」、本当の目的は「国益最大化」
    おっしゃるとおりだと思います。
    相手に痛い目を見せたいと思うあまり、自分が痛い思いをするのは避けたいですね。
    相手が痛い思いをして自分は儲かる、これが理想です。

    日本の反韓感情の高まりはすごいものがありますね。
    私の人気のないブログでさえ、韓国に関する記事は他の物よりもアクセス数が多いですから。
    あれだけ日本の嫌がることを続けるのですから無理もありません。

    しかし、ひょっとすると、韓国は日本の反韓感情を徹底的に煽っているのかもしれません。
    煽り続けて、日本が爆発するのを待っているということだって考えられます。
    そんなのに引っかかってはたまりません。

    国の舵取りを誤ると取り返しが付きませんので、慎重の上にも慎重に、常に国益第一優先であるべきですね。

  • サイレント型の制裁は賢明でしょう。

    二国間の関係ならば、最も効果的なのはしっぺ返し戦略というのをゲーム理論が明らかにしています。
    つまり、韓国が日本に敵対的な行動をとれば、そのたびに間髪入れずに日本も韓国に敵対的な行動を取るというものです。これを繰り返すことで韓国は日本に敵対的な行動をとりにくくなっていきます。
    中国は韓国に対してこれを実践しています。

    しかし、このしっぺ返し戦略には大きな問題があります。それは第三国からみた時、日韓双方がどちらも悪いように見えてしまうということです。
    実際、日韓の不仲は双方に原因があると世界の多くの人は思っています。日本人からみれば、腹立たしい事実誤認ですが、米国を含む多くの国の人間にとって日韓の関係は正直どうでもいいことです。
    人間、たいして関心もない二者が諍っていると、どうせ双方が悪いのだろうと短絡的に考えがちなものです。

    私達日本人もイギリスとアイルランドの仲が悪いのは双方に理由があるのだろうと思うのと同じです。

    これを避けるためには、日本は第三国から見て韓国に制裁してないように見える制裁をしなければならないのです。これはなかなか難しいですが、今回の韓国食品に対する検査の強化などは好例です。
    大義名分のもとに表面上は制裁ではない、実質的な制裁を加えていくのが日本の国益にかなっているでしょう。

  • 仕返しと言えば聞こえは悪いが 国家間では「仕返し」は常識なのでは?何もしないで我慢する国はあるのかな?

  • 仕返しをして留飲を下げるのが目的ではなく 「仕返し」をしなければ永遠に無法な言動が止められないからですよ。抑止力も軍備もそのためです。

    • 溜飲を下げてくれるならまだマシ
      あいつらは仕返ししながら唾吐きかける

  • 仮にですよ、もうすでに中国と韓国は連合を組んでいるとします。
    そして、役割として、中国は米国と全面的に争い、韓国は日本と全面的に争う、ということになっていたらどうでしょうね。

    その一方で、中国は日本を刺激しない、韓国は米国を刺激しないようにして、うまく行けば日米分断を図る。

    とまあ、そんなことはないだろうと思いますが、国家間の争いですから、「腹が立つからぶん殴ってやる」的な単純な思考だと失敗するでしょうね。

    • 中国は戦略的に刺激を避けることはできるでしょうが、韓国はその「存在」自体が刺激以外の何物でもないので無理です

    • 中国は、尖閣周辺に連続して大型船を侵入させ続けています。日本が弱い刺激に馴れて鈍感になった頃にパクッとモノにする算段ですかね。オールドメディアの論調も「米国側に付くと中国から怖い反撃があるぞ」と言いたげで、内部まで乗っ取れているだろうなという印象。日本企業が中国で稼いでも外貨引き出し出来ないんじゃ、単なる人質・モノ質です。進出企業は、チャイナリスクの管理を出来ているんですかね。

    • 隠居爺様へ

      >中国と韓国は連合を組んでいるとします

      多分心情的には韓国は中国と連合或いは同盟していますね。
      ただ、米中と言う大戦争(米は割と本気)の中で、日韓が局地戦を戦うことになると思います。丁度大東亜戦争という枠の中で、オランダ軍とインドネシア軍が戦うようなものでしょう。
      なので日韓が戦うについて日米離反になる恐れはあまりなく、むしろ米中戦争の成り行きを読みながら共同戦線を張るという形になると思っています。

      もちろんこれは熱戦ではなく経済戦なので、韓国が中国の迂回ルートとならぬよう、日本は資本財の禁輸などを通じて韓国の産業を機能不全にしておかなければなりません。
      そう言う意味では焦土作戦を実行することになると思います。

  • 更新ありがとうございます。

    なるほど、韓国にはいろいろな制裁方法が増えてますね。私は文大統領かが、早まった事をせずに任期終了までやればいいと思います。あんな出来損ないを。むざむざ辞めさすのは勿体ない。

    韓国最後の大統領として、ズタボロになるまでやって貰いましょう。サイレント制裁、他国との協調制裁、何でも適宜選択。直接単一事案を抉るのもアリ。但しその場合は慎重に。

    日本政府の対応が緩い、弱腰というクチだけ過激右派にはなーんも実行力無し。無視。

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