外国人献金問題 立憲民主党はどう見てもダブル・スタンダード

立憲民主党の国対委員長という要職者でもある辻元清美衆議院議員(大阪10区)が外国人から献金を受けていた問題については、本人が昨日、記者団に対してその事実を認めたようです。昨年の「もりかけ国会」や財務省の公文書偽造事件、財務省事務次官のセクハラ疑惑などの不祥事を巡り、麻生太郎副総理兼財相に辞任を求めたのが立憲民主党であり、それを後押ししたのが朝日新聞ですから、当然、立憲民主党は辻元国対委員長と枝野幸男代表が同時に辞任しなければおかしいですし、朝日新聞もそのような論陣を張るのが筋ではないでしょうか?

外国人献金問題の続報

辻元清美衆議院議員(立憲民主党、大阪10区)が外国人から献金を受けていた問題については、当ウェブサイトでも昨日、『「疑惑の総合商社」・立憲民主党の辻元議員の外国人献金疑惑』で紹介しました。

「疑惑の総合商社」・立憲民主党の辻元議員の外国人献金疑惑

これは、産経系のメディア『zakzak』が同氏の2013年と2014年の政治資金収支報告書を追及していたところ、判明したものだそうですが、本日までにNHKや朝日新聞などを含めた複数のメディアが報じています。

ただし、外国人からの寄付金を受け取っていた時期については、朝日新聞などは「2013年に1万円」と報じていますが、『zakzak』の当初報道では「2013年から少なくとも2年間」とされており、メディアによって内容に食い違いが生じています。

『zakzak』によれば「時効は3年と見られる」とありますが(※おそらく「公訴時効」のことでしょう)、「公訴時効3年」とは、「『外国人から寄付金を受け取る』という犯罪行為が行われた日から3年経過すると、刑事罰を課すことができなくなる」、という意味でしょう。

政治資金規正法でいう「外国人からの寄付の禁止規定」(同第22条の5第1項本文)に違反していた場合の罰則は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」(同第26条の2第3号)とされています。

これについては、刑事訴訟法(第250条第2項第6号)の規定では、「長期五年未満の懲役もしくは禁錮または罰金に当たる罪」の時効は3年で完成すると定められているので、「2014年にも外国人から寄付金を受け取っていた」という『zakzak』の報道が事実であっても、時効が完成しているようです。

立憲民主党ならではの責任の取り方

しかし、刑事罰を課せられないからという理由で、本件について何の責任も取らないというのは、極めて不自然です。立憲民主党といえば、昨年のゴールデンウィークを挟んで、有権者に何の説明もなく、「審議拒否」と称して20連休を謳歌した主犯だからです。

そして、その「武装闘争路線」を主導していた人物こそが、辻元清美・国対委員長です。

立憲民主党は「もりかけ国会」に加え、昨年4月に財務省の福田淳一事務次官(当時)に浮上した「女性記者に対するセクハラ疑惑」を巡り、「任命権者である麻生太郎副総理兼財相の辞任」などを求めて審議拒否を行いました。

そのときのロジックは、「疑われた側に疑念を晴らす責任がある」、とするものです。

困ったことに、このロジックは立憲民主党だけでなく、民進党や、当時の「希望の党」、さらには朝日新聞などの大マスコミも乗っかって、「安倍政権は説明責任を果たせ」と叫んでいたのです。

ということは、当時の立憲民主党の騒ぎ方に照らして、立憲民主党が今すぐやらねばならないことは、最低でも

  • 辻元清美氏に、外国人から受け取った寄付金をきちんと返金したことを、誰にでもわかるように立証させること
  • 辻元清美氏を立憲民主党の国対委員長から今すぐ辞任させ、また、衆議院議員の辞任を勧告すること
  • 枝野幸男代表は辻元氏を国対委員長という要職に任命した責任を取って、今すぐ党代表を自認すること

の3点ではないでしょうか?

また、「もりかけ国会」であれほど安倍政権を批判した朝日新聞ですから、当然、今朝の社説でも大々的な論陣を張り、辻元清美氏と、同氏を国対委員長に据えている立憲民主党、さらには任命責任を有している枝野幸男代表に辞任を求めたに違いありません。

…と思って、今朝の朝日新聞の社説を覗いてみると、掲載されているのは、『米朝再会談へ 真の成果へ結びつけよ』、『大阪教員評価 学力競争の弊害直視を』、という具合に、辻元疑惑とはまったく関係ない社説ばかりです。

いや、天下の朝日新聞様のことですから、社説の執筆には時間がかかるので、本日は間に合わなかっただけでしょう。明日こそはきっと、辻元氏や枝野氏の辞任を求める社説を掲載するに違いありません(笑)。

不可解な点は残る

ただし、昨日も『「疑惑の総合商社」・立憲民主党の辻元議員の外国人献金疑惑』の末尾で申し上げたのですが、本件については不可解な部分もあります。

まず、辻元氏の政治団体「市民と平和プロジェクト」が総務省に提出した2017年度の政治資金収支報告書を見てみると、収入総額(本年の収入額)は16,495,199円であり、この収入総額に比べて年間10,000円という金額は少し小さすぎる気がします。

生コン疑惑を抱え、「ピースボート」設立などの派手な活動で知られる辻元氏が、外国人からの寄付金というリスクを冒してまで、年間たかだか1万円少々の寄付金を欲しがるとも思えません。

別に私は「疑惑の総合商社」である辻元氏を擁護するつもりはありませんが、本件についての不自然さについては、今ひとつ、すっきりしない気がしてならないのです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 埼玉県民 より:

    毎日の更新ありがとうございます。
    この前科者は、モリカケでも超ダブスタ発揮中です。
    こいつ(恐らく関生がらみ)のせいで、死人が二人出ています。

    森友学園問題で工事関係者2人が謎の死を遂げる これは日本の闇なのか?
    https://matome.naver.jp/odai/2149079632506158101

    (森友土地隣接の) 豊中市・野田中央公園が14億円が(辻元清美国土交通副大臣時)実質2000万円になった経緯
    http://dametv2.cocolog-nifty.com/blog/2017/03/post-659f.html

    近畿財務局の自殺も、野党のパワハラが直接の原因ではないかと推測しています。 こちらもたせば3人になります。

  2. より:

    >枝野幸男代表は辻元氏を国対委員長という要職に任命した責任を取って、今すぐ党代表を自認すること
     たぶん自認されているかとw
     辞任の誤記ですね。

    1. https://ameblo.jp/yukibakda/entry-12438466629.html

      立憲民主党の福山哲郎幹事長殺人を起こした
      極左暴力集団、マル青同こと「がんばろう、日本!国民協議会」会合に、
      2018年2月18日、8月6日、8月30日12月6日
      会合に出席平成23年12月6日の国会質疑で
      警察庁警備局が極左関連で監視対象と答弁
      枝野も92万献金されてた模様
      蓮舫さんの選挙応援をしてた団体

      呼び掛け人には・ヘリ基地反対協の安次富、仲村渠(なかんだかり)政彦 ・関西生コンの武建一
      狭山意見広告運動よびかけ人沖縄

  3. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    大阪10区の皆さん、貴方がたの責任大ですヨ!高槻市、島本町です、小選挙区で4回も通しやがって、いや当選させてますが、松浪とか他も大した事無いのは理解します。しかしもし次回も懲りずに出たら、キッチリ落トシテ下さい。

    ま、しかし韓国にしろ立憲民主党にしろ、最近はタナボタで得点重ねてますネ〜(誰が?笑)。アレだけ『疑われた方が証明を出せ』なら、今回はどう決着つけるのかな?韓国籍弁護士とは知らなかった?ふーん。そんな知らない人からも金貰うんだ(笑)。乞食並みダネ!

    辻元は国対委員長辞任、議員辞任は当然。枝野氏もトップを辞任するべし!役立たずの野党様、今選挙したら当選議員数、半減間違いなし!

  4. 心配性のおばさん より:

    こんなレベルの議員が、野党第一党(?)の議員として、大切な議会の時間を食んでいるのかと思うと、国防上の危機とも思う。(笑)
    犯罪なのか、陰謀なのか。なんて、前にも言いましたが、私的にはどうでもいい。要は、この状況を自浄できない立憲君主党の自己矛盾です。
    そんな姿勢では、早晩、国民に見切られますよ。前回の衆院選では、日本人独特の”判官びいき”もあって票を集めることができたかもしれませんが、2度目はないです。

    この意見は、前の記事にもコメントしましたが、立憲君主党は、議員の能力と抱えている問題を比較判断したほうがいいですよ。たとえば、

    ○○ポウ議員:国籍問題は本当にクリアしましたか?
    ○○清美議員:週刊誌ネタ中心に論戦していますが、もっと、しっかりした仕事をする気になりませんか?
    ○○志桜里議員:男性関係は整理できましたか?

    等々。ゲンナリしてきたので止めます。

  5. みんみん@碁打ち @minmin_neko より:

    私は枚方市の住人です。大阪10区は自民党と大阪維新が保守分裂しているため、大阪府でただ一人、立憲民主党の候補者が小選挙区で勝っているのです。隣の選挙区民として、ずっとオカシイと思っております。
    自民党と維新で候補者調整しろと維新の議員に言うているのですが実現していません。

    1. どらねこ より:

      大阪市民です。辻本が頭おかしいのは昔からですが、大阪自民も昔から頭おかしいです。特に維新が結党されてから顕著になりました。もっとも維新設立の理由の一つが大阪自民の余りにも酷すぎるからという、卵と鶏の理論みたいな物ですが。

      1. みんみん より:

        >維新設立の理由の一つが大阪自民の余りにも酷すぎるから

        そこをマスコミが報じないんです。他所の人は維新ができた経緯を知らんのが残念です。

  6. R より:

    辻元議員は終わっていると思いますし、大嫌いですが、1万円のために辞任すべきというのも、騒ぎすぎな気がします。

  7. とくめい より:

    見識が高い新宿会計士さまが連日にわたり「不自然」と掲載されましたので、あえて投稿します。

    辻元議員の説明(産経2019.2.6)によれば以下の通り。
    平成25年1万円:2019.2.5に返金
    平成26年1万2千円:外国籍人と気付いて「後援会費」に直す。
    平成27年?円:「後援会費」で受け入れ。

    ①他のメディで本件の出し手は大阪のH弁護士とのことであり、弁護士であれば政治資金規制法を知らないでは済まない。
    ②辻元議員は事務所費問題で有罪判決を受けており、政治資金の処理を相当に慎重にする立場である。
    ③前原氏は「たかが5万円」で外務大臣を棒に振り、田中法相も役を降り、野田、菅も在日韓国人からの献金問題が露呈した。(菅の北朝鮮からの献金は地震で有耶無耶のままだ。)つまり、辻元議員には外国人からの献金がヤバイとの認識が充分にある。
    ④上記の説明から、平成25年分は不詳だが、H弁護士からの資金は、後援会メンバーとしての会費の支払いとみられる。
    ⑤そして意味不明な発言として、辻元議員は後援会費に直すことを「別の会計処理」と言っている。

    ここからはフィクションとして妄想だが、真実に近い推測を。辻元議員の周辺には多数の外国籍人が加入できる、政治資金規制法の届けの必要がない団体・後援会が存在する。その会費なりの会計処理をミスったのではないのか?つまり、合計2万2千円とは会費として多額に集まった氷山の一角ではないのか?即ち、これら団体・後援会のすべてがガラス張りにならなければ、辻元議員に対する外国籍人からの資金提供の実態が不明のままである。

    さて、主さまの「外国人献金を受け取った罪を被ってもらう」との策略、出し手の国籍を戸籍やパスポートで確認しない限り、その可能性は排除できない。ここでは以下2点を指摘する。
    ①政治資金規制法の問題、ザルと言われて云々。
    ②通名と本名の問題、不当とか差別とか、どこかで整理を。

    1. りょうちん より:

      いつも通り、「迂回献金」するつもりが、「うっかり献金」にしてしまったという話ですねw。
      これはシンプルでわかりやすいです。

  8. りちゃ より:

    この話は闇が深いですね

    辻元清美に献金したのは北朝鮮系朝鮮人・林範夫という公安の調査対象だった! – さくらの花びらの「日本人よ、誇りを持とう」 – Yahoo!ブログ
    https://blogs.yahoo.co.jp/bonbori098/35392876.html

    この中で「たかが2万数千円程度の話じゃない」という話があるが、
    おそらくは、そうなんでしょうね

  9. 匿名 より:

    >そのときのロジックは、「疑われた側に疑念を晴らす責任がある」、とするものです。
    別の人を立てているなら言い訳できますが、
    別の人でなく当人なのだから、そのロジックで解決します、私はホワイトですと言い張るべきですよね。

    こういう事案があったらこう法律を直しましょうと開き直るぐらいの勢いがあれば、
    ダブスタを避けられるでしょうに。

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