「米政府、日韓に歩み寄り促す」?それは「韓国に」言うべき

これはさすがに「筋が違う」と思います。週末、産経ニュースと共同通信が、「韓国政府が日韓合意に基づく慰安婦財団を解散すると発表したことを受け、米国政府が日韓両国に協力を促した」と報じたのですが、文句を付けるべき相手は日韓合意を一方的に反故にしようとしている韓国政府であり、合意を100%履行した日本政府の方ではないからです。もっとも、これらの報道については、現段階で米国務省のホームページ上、原文を確認することはできませんでしたが、それでも安倍政権におかれては、韓国だけでなく米国に対してもキッチリと牽制するという努力をお願いしたいと思います。

2018/11/26 13:30 追記

①記事を改題しました。

  • (改題前)産経・共同「米国が日米に歩み寄り促す」、韓国に言うべき
  • (改題後)「米政府、日韓に歩み寄り促す」?それは「韓国に」言うべき

改題前だと主語、目的語が間違っていて、不適切なので、題名自体を変更しています。

②記事本文中で、「日韓」と書くべきところを「日米」と書いている箇所がありましたので修正しています。

推敲が足りないと、どうしてもこうなります。「猫好きおやじ」様、匿名のコメント主様、ご指摘を賜り大変ありがとうございました。

産経と共同、「米国が日韓協力促す」

週末、産経ニュースと共同通信に、相次いで気になる報道が掲載されています。

米政府、慰安婦財団解散で日韓の協力促す 対北朝鮮での連携弱体化を警戒(2018.11.24 11:02付 産経ニュースより)
米国務省、日韓に連携促す声明/慰安婦財団の解散で(2018/11/24 06:57付 共同通信より)

産経と共同で報じ方はやや違うのですが、共通点があるとすれば、どちらも韓国政府が慰安婦財団を解散する方針だと発表したことを受け、米国務省報道官が23日、「日韓両国に対して協力・連携を促した」とするものです。

産経ニュースでは「米国務省報道官」が「日韓政府が協力して慰安婦問題の解決に向け対処していくことを促す立場を改めて打ち出した」としつつ、次のような内容の「声明を発表」したとしています。

米政府は長きにわたって全ての当事者に対し、歴史上の繊細な問題に関して癒やしと和解、相互信頼を促進する方向で取り組んでいくよう働きかけてきた

一方、共同通信は「米国務省の報道担当者」が23日、「日韓両政府に連携して対応するよう促す声明」として、次のような声明を明らかにしたとしています。

機微に関わる歴史的な問題に、癒やしと和解を促進し、相互の信頼を高めるような方法で取り組むよう全ての当事者に働き掛けている

これについて、どう考えるべきでしょうか?

米国は「韓国政府だけに言え」

正直、米国務省が本当にこんな内容の発表をしたのならば、失望を禁じ得ません。

日本が慰安婦問題という「やってもいない罪」を事実上認める形で、韓国に対して譲歩したのが2015年12月の日韓慰安婦合意です。そして、その合意の裏には米国からの強い圧力があったという報道もあります(たとえば次の東洋経済オンラインの記事など)。

日韓最終合意の裏で米政府が進めてきたこと/米国は日韓の和解へ向け努力を重ねてきた(2016/01/10 6:01付 東洋経済オンラインより)

米国側に「日韓の和解に向けた努力」とやらがあったことは事実でしょうが、百歩譲ってその努力を認めるにしても、今回の動きは明らかに、韓国側が一方的にこの「日韓の和解へ向けた努力」を反故にするものです。文句は「日韓双方」に対してではなく、「韓国に対して」言うべき筋合いのものでしょう。

そして、そもそも論として、慰安婦問題は朝日新聞が捏造した記事をベースに、主に韓国側で

①1941年12月8日から1945年8月15日の間、②日本軍が組織としての意思決定に基づき、③朝鮮半島で少女20万人を誘拐し、④戦場に強制連行して性的奴隷として使役した問題

という与太話に仕立て上げられたものであり、その本質は過去、現在、未来に及ぶすべての日本人に対する誣告(ぶこく:ウソの罪の告発)であり、名誉棄損でもあります。

米国がこの問題でこれ以上、日本に譲歩を迫るなら、米国みずからが日米同盟を破壊しているのと同じことになります。

米国務省のウェブサイトに該当記事なし?

ただ、なにごとも原文を見て確認するのが理想的ですが、不思議なことに、米国務省のホームページを読みに行ったところ、これに該当する「声明文」(press release)のたぐいは確認できません。

産経と共同の2メディアによれば、日付は23日、発表者は米国務省の報道官、あるいは報道担当者と記載されています。

このことから、ヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官が発言したのかと思い、プレス・ブリーフィングのページを読みに行ったのですが、ナウアート報道官による23日付の発言は確認できません。

もっとも、週末を挟んでいることと、現時点でまだ米国は日曜日の夜であることから、国務省のウェブサイトには該当記事がアップロードされていないだけかもしれませんが…。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、以前から当ウェブサイトをご愛読いただいている皆様であればお気付きだと思いますが、日韓関係の見直しには米国との話し合いが必要です。

今回、韓国政府が慰安婦財団を解散すると発表したこと自体、日韓関係に深刻な打撃をもたらしたことは事実ですが、それと同時に、日本の方から「日韓断交だ!」などと叫ぶことはできません。建前上は、日米韓3ヵ国連携が重要だとされているからです。

もっとも、韓国政府は38度線上の哨戒所を撤去するなど、北朝鮮に対する武装解除の作業を勝手に進めており(『北朝鮮に呑まれる韓国:本気で日韓の往来制限も検討すべき?』)、こんな国は北朝鮮と対峙するうえで信頼できる相手ではありません。

私自身、米国政府がマトモならば、すでに韓国を「連携相手」とは見ていないはずだと信じたいところですが、ただ、現在の米国政府(あるいはドナルド・J・トランプ大統領)の行動を見ていると、いまだに韓国を同盟相手として信頼している節があるのが気がかりな点です。

いずれにせよ、日本政府は現在、慰安婦合意を巡っては韓国政府に対して「合意の着実な実施が必要だ」と言い続けている状況ですが、いつでも経済制裁措置を発動できるように準備するとともに、米国に対する根回しもしっかりとしてほしいと思います。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. ユキ より:

    アメリカの立場からしたら、仲立ちしたとはいえ第三者だしね。
    あの性質でもって反日のエネルギーを反米に持ってこられても迷惑だし面倒だしね。
    韓国に逆ギレされてとばっちり受けたくない、でしょ。
    アメリカがちゃんと韓国を叱れよってのは甘えよね。
    韓国をなだめようと日本に大人の対応を迫ることをしなかっただけで感謝。
    オバマを思えば。
    日本だって、国益害してまで先生役やりたくないよ。

  2. 菜々子 より:

    原爆の正当性の件もあり、アメリカとしては日本の主張する歴史は肯定し難いのでしょう。
    もう一つ恐らくは、韓国側の長年の周到なロビーの積み重ねにより
    アメリカ政府内にも韓国の主張する捏造史を支持する人の方が多いんじゃと思われます。

    よってアメリカの言い草には、『お前が悪いんじゃ、頭下げて金払って許しを請わんかい』
    という意味もかなりこもってると思います。

    1. 愚塵 より:

      アメリカは一枚岩ではありません。
      民主党(日本に原爆投下)は仰る通りかもしれませんが、共和党は日本への原爆投下に反対した政党です。
      アメリカ国内の様々な意見を考察する必要はありませんか?

      1. 菜々子 より:

        いやいやどうも^^
        気が短いせいか、煮え切らん我が政府みてると
        イライラが募って感情的になり、キーボードに
        叩きつけがちです。

        私もおっしゃるとおりだと思いますよ。
        ただ、日本政府も頑張ってロビーするべきだと思います。
        そういう連中の地道な努力(彼らにとって)が
        今実を結んでるからこそ、膠着状態が続いてるのでは?
        と思ってる次第です。

        韓国系の場合、たとえ一般人であっても韓国政府の肝いりってのが多いです
        日系人と違って、積極的にアメリカの政治に関わろうとします。
        日系人はアメリカでは、WW2の敵性移民扱いもあり
        未だに政治に積極的ではないと聞きます。

  3. あにまる豚 より:

    毎々の執筆、ありがとうございます。

    結局、米国は米韓・日米韓 関係をどうしたいのでしょう?

    想像することしか出来ないのですが、韓国に米軍(=国連軍)を駐留させ続けるために、
    韓国へ甘い反応せざるを得ないのかな。とも思えますし、
    撤収の準備待ちなのかな。とも思えます。
    撤収させるには、恐らく日本の憲法改正(9条問題)が絡んでくるでしょうし、
    その上で国境警備のあり方を変えていかなければならないでしょう。

    失礼しました。

    1. 阿野煮鱒 より:

      その通りだと思います。米国は韓国を何としてもブルーチームに留めて置きたい、そのためには少々の負担や犠牲はやむを得ない、それらは日本に被せるのが一番楽だし、いということでしょう。
      この辺り、しつこいくらい書いてきたのでもう書きませんが、憲法改正、早く実現させたい! とだけ叫びます。

  4. spaceman より:

    更新ありがとうございます。

    例えば米中軋轢について、日本は当然アメリカサイドにいるわけですが、もし何か声明を出すとして一方的かつ名指しで中国を責めるようなことができるかといえば、否です。
    それが外交というものではないでしょうか。

    アメリカが韓国を疎ましく思っているであろうことは様々な状況証拠から推測できますが、現段階では一方的に関係を切るということはないでしょう。アメリカにとって韓国は「いざとなればどうにでもできるレベルの国」であるからこそ、鬱陶しいことは適当にあしらいつつ、「関係しておくこと」によって得られるメリットを簡単には手放さないと思われます。

    1951年に、ダレス国務長官を通じてアメリカから再軍備の強い要請を受けたとき、日本はきっぱりと拒否しています。もちろん、ここで拒否したことが後々複雑な状況を生んでいくわけですが、それはともかくとして、日本はアメリカにけっして「NOと言えないわけではない」と私は思うのです。

    韓国との様々な関係の裏にアメリカからの圧力があったのかどうか、あったとしたらどのようなものだったのか──そのあたりは今後歴史が詳らかにしていくでしょう。しかし、日本がその圧力を甘受したのだとすれば、それはただ圧力に負けたということではなく、日本にもメリットがあるとの判断が働いたからでしょう。あるいは別な形で「そうすべきだ」との判断があったからでしょう。あくまでも日本自身の責任においてそうしたわけです。これでアメリカを責めるとしたら、まるでお隣の国と同じになってしまいます。

    アメリカでも、ルトワック氏のような戦略的頭脳にあたる人々は、日韓の「構図」を理解しています。わかっている人はわかっているということです。それさえ、こちらから期待すべきことではないと思いますが、ただ、「頭脳」というべき人の推論や判断と、国としての対外的な声明とは別のところにあると考えるべきでしょう。

    アメリカの公式声明による「韓国成敗」を期待すべきではないと私は思います。

  5. たけ より:

    歴史の真実がどうあれ、
    最終的かつ不可逆的に解決済みであることは事実で、
    この合意を履行することにあたっては、アメリカは韓国に履行を求めるべき立場のはず。

    最終的かつ不可逆的→納得できないからムービングゴールポスト
    ってなんやねん…。
    日本はもう、何の約束も合意も韓国とはできない。たとえアメリカの圧力があろうとも。
    だって無駄だもの。
    どうせゴールポスト動くし。

  6. ゲンじい より:

    産経新聞の記事によると、
    米国は「歴史上の繊細な問題に関して癒やしと和解、相互信頼を促進する方向で取り組んでいくよう働きかけてきた」とあり、今までの日韓2国に対する米国の対応について述べているだけです。

    ところが、中央日報の記事を見ると、書いている内容は産経とそれほど変わりがないのに、米国が韓国側の肩を持っていると思わせるようなタイトルになっている点に非常に違和感があります。

    「米国務省、韓日に和解・癒やし財団解散に協力して対処するよう要求」
    https://japanese.joins.com/article/470/247470.html?servcode=A00&sectcode=A10
    中央日報2018年11月26日06時34分

    日本は韓国に和解・癒やし財団解散に協力するなどと一言も言っていません。中央日報による意図的な情報歪曲です。

    こうやって誤った情報を擦り込んでいく韓国メデイアの姿勢にいつもあきれます。

  7. 猫好きおやじ より:

    新宿会計士様

    記事の何ヵ所か「日韓」と書くべきところが「日米」になってます。

    それはそうとして、このニュースがフェイクでなければ日韓両国に対して「合意を破棄するようなことだけはくれぐれもしないでくれよ」くらいのニュアンスであって欲しいですね。

    それでもやるべきことをやっている日本が言われる筋合いはありませんよね。

    今後も日本の対応がぶれないことを祈るばかりです。

    1. 新宿会計士 より:

      匿名のコメント主様

      コメントありがとうございます。また、貴重なご指摘、大変ありがとうございました。
      さっそく修正致します。
      引き続きご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

  8. YT より:

    他の投稿にも書いていますが、いつもだったら、日本に一方的に歩み寄れというアメリカが、今回は双方に歩み寄れなので、十分日本よりの回答です。アメリカさんに韓国を叱ってもらおうと期待するとは、日本の甘えです。
    今回はアメリカが不干渉宣言をしているので、日本はフリーハンドで解決すべきです。

  9. 匿名 より:

    本当に声明発表があったかどうかは別として、余所から見ると所詮は他人の喧嘩ですので、「また日韓がなんか揉めてるなあ」くらいにしか感じないのかもしれないですね。
    政府はアメリカをあてにせず、かつ対外的にも、きっちり言うべきことは言ってほしいですね。

  10. 匿名 より:

    すみません表題ですが
    産経・共同「米国が日米に歩み寄り促す」、韓国に言うべき…でしょうか?

    産経・共同「米国が日『韓』に歩み寄り促す」、韓国に言うべき…?

    1. 新宿会計士 より:

      匿名のコメント主様

      コメントありがとうございます。また、貴重なご指摘、大変ありがとうございました。
      さっそく改題致します。
      引き続きご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

  11. とゆら より:

    個人的に思っていること。
    日本は他国と国益や価値観の衝突により、過去、同盟を組んだり、一方で戦争をしてきました。
    日清、日露(準々々決勝戦)、第一次大戦(準々決勝戦)、第二次大戦(準決勝戦)、冷戦(決勝戦)
    この結果現在は、覇権国のアメリカを頂点とする国際秩序となっており、
    アメリカ式の価値観が席巻し日本を含め多くの国が表面上ながらも同調しています。
    将来、日本とアメリカが価値観の相違が大きくなれば、衝突することもあるでしょう。
    (戦争するとは言っておりません)

    例えば、原爆の正当性や慰安婦、靖国や皇室、GHQ、自由貿易など揚げたらキリがありませんが。
    この度の韓国の慰安婦問題でのアメリカ報道官の日韓の歩み寄りを云々でもそうですが
    アメリカと韓国は日本軍慰安婦はsex slaveであるとアメリカ式価値観を共有しています。
    原爆も戦争を終結する手段としての大量破壊兵器の使用は両国ともどちらかと言えば肯定派です。

    「日韓両政府に連携して対応するよう促す声明」はアメリカの価値観や国益からしたら当たり前の発言です。
    価値観戦争のラスボスはアメリカですよ。
    (戦争をするとは言っておりません)

    日本はアメリカを日本式価値観に近づくよう常に働きかけをする努力をしていかないといけません惜しんではいけません。

    1. 愚塵 より:

      アメリカは一枚岩ではありません。
      民主党(日本に原爆投下)は仰る通りかもしれませんが、共和党は日本への原爆投下に反対した政党です。
      アメリカ国内の様々な意見を考察する必要はありませんか?

      1. とゆら より:

        返信ありがとうございます。

        なぜ政党が出てくるのか理解できません。
        決定権者が数ある選択肢の中から決断したことです。

      2. 愚塵 より:

        とゆらさんの「個人的に思っていること」に書かれている「アメリカ式価値観」は「米国民主党的先入観」にすぎないと感じたので、「アメリカは一枚岩ではありません」と返信いたしました。
        「決定権者が数ある選択肢の中から決断したこと」についても、断言できる根拠は見当たりません。

    2. 愚塵 より:

      お言葉ですが、
      「日本はアメリカを日本式価値観に近づくよう常に働きかけをする努力」
      はムダではないでしょうか?
      https://monqu.web.fc2.com/ohgchib.html#dohtok

      ただし、アメリカ国民の多くの方々に、日本文化を知っていただく努力は必要だと考えます。
      http://www.gutenberg.org/files/12096/12096-h/12096-h.htm

      1. とゆら より:

        愚塵さんにとっては無駄ということですね。尊重します。
        ご意見ありがとうございます。

  12. ミナミ より:

    嫌な話ですが、やはり「アメリカ次第」なのでしょう。
    「該当記事なし?」とありますが、アメリカが嘴を入れたかどうかは、
    今後の日本政府の言動によって明らかになるでしょう
    ハッキリした記事が出ない場合は、現象を見る事で裏で起こっている事を判断するしか無いでしょう

    唐突と感じられるかも知れませんが、日本が自主防衛を行っていない(認められていない)、
    「属国」であり、アメリカに防衛を依存せざるを得ない構造にされている事から、外交の自由も制限され、
    こういういつ終わるとも知れないフラストレーションに見舞われているのだと思うのです

    「属国」であるというのは、私自体も腹立たしく認めたくない事ですが、事実だと思います。
    アメリカにとって公式に自国の世界覇権を脅かす可能性がある国というのは、
    誰にとっても明白な様に、中露の2国です。しかし決して表明しませんが、現象から判断すれば、
    本音は中露に日独を加えた4国だと考えているのは間違いないと思います

    表では「日本は最重要の同盟国」「日米連携し中国と対峙」と我々日本人に耳当たりの良い事を言います
    しかし「在日米軍は日本に自主防衛力を持たせない為のビンの蓋」と言った、在日米海兵隊司令官が居ましたが
    あれが思わず出た本音であり、米国の国家政策であり、日本人には言わない密教なのです
    日独には自主防衛をさせず頭を押さえつけ、甘言を言いながらソフトに支配する
    実際の現象を見ましょう。日本は射程300kmの巡航ミサイルすらやっとあるかどうか程度です
    韓国すら1500kmまでの通常弾頭ミサイルを保有しているのに、です
    日本は中露(ソ)に対して有効な兵器、例えば対潜兵器や制空戦闘機、通常型潜水艦は持たせてくれます
    米国に役立つ範囲と種類の軍備のみは保有を許可される訳です
    しかし中共が、北朝鮮が核武装しようが、日本にはせいぜいBMD止まりです
    来月、新防衛大綱・中期防が発表されますが既に「敵地反撃能力保有は見送り」などと記事が出ています
    言動でなく、現象で見ましょう、現象で判断しましょうというのはこういう事です

    射程300kmの巡航ミサイルすら持てないのは、公明党が反対しているだけではなく、公明党とアメリカの
    利害が合致しているからであり、防衛費が増えないのは、財務省が認めないからだけではなく、
    財務省とアメリカの利害が合致しているからだと考える方が合ってると思います

    ドイツはもちろんそれに気付いていて、昨今の「EU軍」構想は独仏≒欧州としての自立への意志だと思われますし
    日本と違って欧州にはフランスの核があるので、それを独仏≒欧州の核として自立へと向かいたいのでしょう

    長くなってしまいました。現時点での結論を言いますと、私は当然「日米安保維持論者」です
    その点で「アメリカの支配ガー」をいうパヨク連中とは180度違う事を言っておきます
    その上で、現行の安倍政権の様な、今までの枠組みの中で何とか自主防衛・自立方向に安全に漸進させるのと、
    日本の自主防衛とは結局は自前の核武装に帰結する訳ですが、いっその事、インドの様に超難関だが、
    核武装という本丸を目指す方が結局は正解なのか、ここはまだ結論が出ていません。
    吉田ドクトリンの軽武装路線は、世間では評価されていますが、その後60年経っても、自主防衛も
    憲法改正もできていないのですから、あれが正解だったのかは怪しいです。急がば回れという様に
    国家の根本政策に近道なんか無かったのではないか、それなら超難関でも核武装(英国の様な対米同盟と核武装の両立)に向かうのが、
    日本が「普通の国」になる正解の道ではないのか、とその様な気もしています(本当に長文失礼)

    1. 平凡なサラリーマン より:

      そうですね。世界のガキ大将に鍵を渡していつでも好きなように自分の家に出入り自由にしているような感じがします。先ずは自分の家の鍵は自分自身でしっかり持ち、玄関で誰かたしかめて家に入れるようにならないと・・・

    2. りょうちん より:

      >唐突と感じられるかも知れませんが、日本が自主防衛を行っていない(認められていない)、
      >「属国」であり、アメリカに防衛を依存せざるを得ない構造にされている事から、外交の自由も制限され、
      こういういつ終わるとも知れないフラストレーションに見舞われているのだと思うのです

      定義ですが、日本が本来所有すべきである自主防衛戦力とは一体何のこと指しているのですか?
      後段の一例では巡航ミサイルの所有ですか?
      しかし、別に日本が長射程の巡航ミサイルを開発・配備することには、一切米国からの制限は存在しませんよ。
      (韓国が明確に制限されてるのとはまったく違います)
      SRBMだって、西側で所有しているのは台湾だけですが、別に日本の所有が外的要因によって制限されているわけでは無く、開発や配備をしていないのは日本の憲法からくるドクトリンの制限です。
      莫大な金を湯水の様に費やしているBMDにかけるリソースをこれらの開発に回せれば、技術的な難易度的には配備はどうと言うことは無い事柄なのです。

      ヘンリー・C・スタックポールの「瓶のふた」や中国大好きクソ爺キッシンジャーの思想が今でも米国の主流であるというのも、懐疑的です。たとえば一方でジョセフ・ナイ、リチャード・アーミテージの存在をどうお考えですか?
      オバマは確信犯的に日本に軍事的負担を押しつける方向に舵を切り、トランプはたぶん深く考えることも無く、「日本は自分の金で軍備を整えるべきだ」くらい思いついて(あえて考えてとは書かないw)放言しています。

      >吉田ドクトリンの軽武装路線は、世間では評価されていますが、その後60年経っても、自主防衛も憲法改正もできていないのですから、あれが正解だったのかは怪しいです。

      え、あれは「当時の状況において正解だった」に決まっているでしょう。
      ただ何十年も経って「正解では無くなった」のに自ら変化することから逃げてきたのは後生の日本人達の責任です。
      吉田茂のせいにするのは、とても韓国人っぽくて嫌です。
      軍備はお金がかかって大変ですが、憲法改正の方は汗を流せばどうにでもなった観念的な問題です。
      それが2007年に安倍政権が国民投票法を通すまで、改憲に関する具体的な動きはまったくなく、右も左も空理空論をこねこねしていただけです。

      あとは非核三原則・武器輸出三原則とか別に外国に求められたわけでもないのに、自縄自縛したこととか戦後と言うより、戦後がほぼ終わってからの数年前までの時代のアフォな事・・・。

      1. ミナミ より:

        りょうちんさんへ

        >定義ですが、日本が本来所有すべきである自主防衛戦力とは一体何のこと指しているのですか?

        正直言ってそれの定義は大変難しいです。私の知識不足も大きいです。日米安保が明日なくなっても、
        周辺国に逼迫せられずに何とか国益を守れる外交の基盤となる戦力という事に言葉ではなると思いますが、
        現在の北東アジア情勢の中でそれに当たるものと言えば、筆頭が英仏並みの核弾頭200発前後とSSBN最低4隻という話になると思います
        流石にそれは近未来には現実的でないと言うなら、短期間にそれに移行できる核レディ体制の強化と、
        中共主要部に届く核なしSSBN(原潜+BM)保有という辺りがまず考えられます

        >しかし、別に日本が長射程の巡航ミサイルを開発・配備することには、一切米国からの制限は存在しませんよ。

        ええ、全てが米国のせいなどとは言っていません。公明党や財務省の事も書きました。自民党内左派議員の影響も大きいでしょう
        最も大きいのはもちろん日本の世論が戦後教育と平和ボケの為に軍備強化や憲法改正を強くは志向していないからでしょう

        >莫大な金を湯水の様に費やしているBMDにかけるリソースをこれらの開発に回せれば、技術的な難易度的には配備はどうと言うことは無い事柄なのです。

        そりゃそうです。技術的な事だけで言えば、日本はまず英仏中ぐらいの位置までは問題無くキャッチアップできるでしょう
        そんな事は周知の事で、問題は常に政治的な問題ですので、わざわざ言うべき事でも無いでしょう

        >ヘンリー・C・スタックポールの「瓶のふた」や中国大好きクソ爺キッシンジャーの思想が今でも米国の主流であるというのも、懐疑的です。たとえば一方でジョセフ・ナイ、リチャード・アーミテージの存在をどうお考えですか?

        おっしゃる通り、アメリカの対日政策関係者の意思が一枚岩の訳は無く、国家意思というものがどこにあるか、
        そもそも統一されたそんなものがあるのかも分かりません。分かりませんが、漏れ出る証言や情報と、
        実際に何が行われているか、ここでは日本の防衛政策ですが、から推し測るしか無いと思います
        そして私は「ビンの蓋」理論も、日本の防衛力を一定以下に押し留めるという、正に名前を出された
        キッシンジャーの「米中密約」が存在しているし、現在も米中共通の利益として機能しているのだと思っています
        確証など無いですが、推し測る中からだと存在する可能性の方が高いと思っています
        密約の交換条件は中共の核戦力を一定以下に自重する事でしょう。中共の米東海岸に届く核戦力は、
        潜在的な生産能力からして著しく低く保たれていますから

        ナイやアーミテージは、正に前コメで書いた「表で日本に甘言を言いながら、裏では将来も変わらず日本を米帝国内の有力な臣下としてコントロールしようとしているジャパンハンドラー」の典型と認識しています

        >え、あれは「当時の状況において正解だった」に決まっているでしょう。
        ただ何十年も経って「正解では無くなった」のに自ら変化することから逃げてきたのは後生の日本人達の責任です。
        吉田茂のせいにするのは、とても韓国人っぽくて嫌です。

        その通りですよ。勘違いされているようですが、正解か不正解かというのは倫理の問題ではありません
        歴史を観察する時に道徳倫理の話などあまり興味ないですから。朝鮮戦争があり、共産党が9条反対であり、
        戦犯の赦免の国会決議が全会一致で可決されていた、今より遥かに国民の国防意識が健全であった
        吉田政権の時代は現在より遥かに9条改憲の難易度が低かったであろうし、改憲を敢行していてくれれば
        現在、改憲でこんなに苦しむ必要が無いのになという技術論でしか無いです

        >あとは非核三原則・武器輸出三原則とか別に外国に求められたわけでもないのに、自縄自縛したこととか戦後と言うより、戦後がほぼ終わってからの数年前までの時代のアフォな事・・・

        私が書き過ぎて誤解を招いたかも知れません。日本の国策という様な巨大なものがいわゆる「米国幕府の意思」
        などという単純化された一つの要因で決定される訳はありません。それは陰謀論の世界です。
        全ては複合的に決定され遂行された結果として現在があるのでしょう
        ここに至ったもっとも大きい原因は日本国民の意思、というつまらなくて幻滅する結論に至るのでしょうね

        1. りょうちん より:

          概ね認識の齟齬がない部分は置いて、いくつか補足します。

          >筆頭が英仏並みの核弾頭200発前後とSSBN最低4隻という話になると思います

          うーん。ちょっと日本の能力を過信しすぎな感がありますね。
          何十年も核報復能力を維持してきた英仏を甘く見すぎだと思います。
          英国はSLBMを米国から供与されていますが、日本が供与されない場合は、MIRV化された近代的なSLBMは夢また夢でしょう。
          むしろ、インドさんあたりが現実的な師匠なのでは。
          日本の場合、日本海から数百キロで構わないわけなので、インドが一生懸命開発したパキスタンまでしか届かないSLBM相当のものでも構わないでしょう。

          >勘違いされているようですが、正解か不正解かというのは倫理の問題ではありません
          >歴史を観察する時に道徳倫理の話などあまり興味ないですから。朝鮮戦争があり、共産党が9条反対であり、
          >戦犯の赦免の国会決議が全会一致で可決されていた、今より遥かに国民の国防意識が健全であった
          >吉田政権の時代は現在より遥かに9条改憲の難易度が低かったであろうし、改憲を敢行していてくれれば
          >現在、改憲でこんなに苦しむ必要が無いのになという技術論でしか無いです

          私も国益の話をするときに倫理的であるかどうかなど一切の興味はありません。
          もちろん「倫理的であることが国益に合致する」という状況自体は評価しますが。
          私は吉田茂が当時、再軍備を値切ったのは国益に合致していたし、その後、日本が豊かになったにも関わらず、GNP1%枠などと言うふざけた「思想」で軍備をケチり続けていたのが国益に反していたと思うだけです。
          いくら技術的に困難でも必要であればやるのが政治家の責任です。

  13. めいそう より:

    米軍による某国兵の扱いマニュアル
    強気で押せ。抵抗する場合は大声で命令しろ。
    理由は聞くな。どうせ大したことは言っていない。
    相手を3才児と思って信用したり頼りにはするな。重要な仕事は任せるな。

    その甘やかしが増長させた結果が現在
    裏切りの歴史未だ認識していない?

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