【夕刊】安倍総理の圧倒的存在感:日米首脳会談の滑り出しは上々

安倍総理が訪米し、日米首脳会談の滑り出しは上々といえます。一方で、次期国務長官に指名されているCIAのポンペオ長官が極秘で北朝鮮を訪問していたと、WPとWSJが相次いで報道するなど、米朝首脳会談の実現に向けて、情勢は急速に動き出しています。

動き出した北朝鮮情勢

米メディア「ポンペオ氏が北朝鮮訪問」

米国メディアは相次いで、次期国務長官に指名されているCIAのポンペオ長官が極秘で北朝鮮を訪問し、北朝鮮の独裁者・金正恩(きん・しょうおん)と面会していたと報じました。

CIA Director Pompeo met with North Korean leader Kim Jong Un over Easter weekend(米国夏時間2018/04/17(火) 19:54付=日本時間2018/04/18(水) 08:54付 WPより)
CIA Director Mike Pompeo Met North Korea’s Kim Jong Un to Discuss Summit(米国夏時間2018/04/17(火) 22:02付=日本時間2018/04/18(水) 11:02付 WSJオンラインより)

第一報はワシントン・ポスト(WP)が報道(最新版記事の公表時刻は日本時間の今朝9時前)し、これにウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が続いた格好です。

これらによると、ポンペオ氏が訪朝した時期を「オーバー・イースター・ウィークエンド」としか記載しておらず、その具体的な日付は明らかではありませんが、今年の「イースター」が4月1日(日)だったことから、訪問時期は3月末から4月初め頃だった可能性があります。

WPによれば、これは2000年にオルブライト国務長官(当時)が訪朝して金正日(きん・しょうじつ)と会って以来、最もハイレベルな米朝接触だとしています。ただし、CIA、ホワイトハウス、北朝鮮の国連代表はいずれもコメントを控えているそうです。

また、WSJによれば、今回のポンペオ氏の訪朝は、6月初めまでに予定されている米朝首脳会談に向けた「予備会談」としての位置付けであるとしています。これらの報道が事実かどうかは知りませんが、米朝当局者が水面下で接触していることは事実でしょう。

ただし、北朝鮮の核放棄プロセスを巡って、米朝間で依然として深い齟齬がある点についても忘れてはなりません。日米が主張するのは「完全、検証可能、そして不可逆的な方法による核・ミサイルの廃棄」であり、南北朝鮮が主張するのは「段階的な核放棄」です。

この両者はまったく異なります。そのことを抑えておく必要はあるでしょう。

日米首脳会談、滑り出しは上々

その一方で、フロリダのマー・ア・ラゴで行われた日米首脳会談を巡って、さっそく、ホワイトハウスが動画サイトYouTubeにその様子を掲載しています。

今回以降、安倍総理、トランプ大統領の両者はお互い「ドナルド」「シンゾー」と呼び合う関係になったようです。どうもこの動画を観る限り、「貿易問題で安倍・ドナルド両氏の関係が悪化した」という報道は、事実に反するように思えてなりません。

トランプ大統領は北朝鮮問題を巡り、「日本と立場が非常に統一されている」(very unified on the subject of North Korea)と強調。いわば、滑り出しは上々といえるでしょう。

「日本」を強調する米メディア

こうした中、日米首脳会談に関連し、先ほども示したWSJの記事には、興味深い記述がいくつかあります。

たとえば、WSJは「トランプ氏は米朝首脳会談について、おそらく6月初旬までに行われるとの見通しを述べた」「首脳会談の場所として、現在、米国を除く5つの候補地が検討されていると述べた」などと報じたくだりで、「日本の安倍晋三総理大臣との会談の場で」、「安倍総理の横で」、など、やたらと安倍総理の名前を記載しています。

また、安倍総理による「南朝鮮(※)における冬季五輪以降、北朝鮮の振る舞いに重要な変化が観察される」とする発言についても報道しています。

(※韓国の国名は、英語メディアでは「南朝鮮」(South Korea)と報じられることが一般的です。安倍総理が日本語で「南朝鮮」と発言した、という意味ではありませんのでご注意ください。)

また、WPの記事の方も、

 “We have had direct talks at very high levels, extremely high levels with North Korea,” Trump said Tuesday during a bilateral meeting with Japanese Prime Minister Shinzo Abe at Mar-a-Lago in Palm Beach, Fla.(仮訳)トランプ氏は火曜日にフロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴで日本の安倍晋三総理との二者会談の場で、「我々は非常にハイレベルな、きわめてハイレベルな協議を北朝鮮と直接、行った」と述べた。

という具合に、安倍総理の名前をわざわざ出したうえで、トランプ氏の発言を引用しています。

以前だと、日本の首相が訪米していても、米国の新聞はそれこそ1行も報じないことが一般的でした。ところが、安倍総理に代わって以来、日本の総理大臣が訪米しているという事実を、米国のメディアが注目する機会がすっかりと増えました。時代も変わったものです。

私は安倍総理の政策に100%同意しているわけではありませんが、安倍総理が日本の国益の最大化に尽くしていることは間違いないと考えています。

ハシゴ外しには要注意

ただ、あくまでも私の主観ですが、トランプ氏は「政治家」というよりは「ビジネスマン」に近い人物です。安倍総理が外国首脳の中でもっとも厚遇されていることは間違いありませんが、だからといって、日米首脳会談の場で調子の良いことをポンポン喋っておきながら、後になって手のひらを返す、という可能性も否定できません。

私が最も懸念しているのは、米国が「6月までに行われる米朝首脳会談」の場で、金正恩に対し、「米本国に届くICBMを持たないなら、北朝鮮の核保有を認めてやろう」、「日本の拉致問題は日朝両国で協議すれば良い(米国は関わらない)」、などと約束してしまうことです。

日米両国首脳が密接に連携しているという事実を全世界(とくに南北朝鮮と中国、ロシア)に見せつけることは重要ですが、その一方で、米国によるこうした「ハシゴ外し」には、十分な注意が必要でしょう。

そして、それを米国が行った場合、影響は、日本が北朝鮮からの核の脅威に晒されるだけではありません。全世界がアメリカ合衆国のことを信頼しなくなり、やがては全世界への核の拡散が発生してしまいかねません。

北朝鮮も、核兵器を開発する目的は、「日本に向けて撃ち込むため」というよりはむしろ、北朝鮮以外のテロ支援国家やテロリストに転売するためでしょう。そうなれば、北朝鮮製の小型核が北京の中南海やモスクワのクレムリン前で炸裂する日がくるかもしれません。

それこそ、全世界が「核テロ」に怯えながら過ごさなければならなくなるのです。

北朝鮮の核保有は、絶対に認めてはなりません。これは日米両国だけでなく、人類の利益のためです。トランプ氏には、そのことを忘れてほしくはないと思います。

読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

     < 3度目の更新ありがとうございます。
     < 動画を拝見しましたが、とても両首脳とも胸襟を開いたフレンドリーな発言ですね。トランプ大統領は、しきりに安倍首相の名前を出して、イチオシしてます。PGAツアーで日本の小平智選手が一昨日、優勝した事にも言及しています(本当にゴルフ好きだね)。また安倍首相も他の首脳には見せない笑顔(作り笑顔ではない)を見せ、会談にも余裕が見られます。
     < ところで、会計士様ご指摘の通り、『日本に対する梯子外し』は絶対にあってはなりません。韓国辺りはそれをヘンに期待しているようですが、外されてるのは韓国でしょうが。無論6月かどうか分かりませんが、米朝会談の行方で①米国大陸に届かないIRBM等、短距離~中距離ミサイルは黙認する②拉致被害者問題は日朝で解決せよ、では大変困ります。今、トランプ大統領が「拉致被害者の解決も全力を上げる」「米日は北朝鮮問題について、完全に一致している」と言われても、そこはリップサービスも割り引かなくては。あとで「シンゾー、拉致問題はダメだったよ。アイムソーリー」では日本はかたっぽの羽を取られたのも同然です。
     < 短中距離ミサイルの黙認と拉致問題が棚上げになると、日本は合法的に北を攻撃するしかありません。すなわち憲法改正です(そういう流れなら、世論はもっと改憲に注目すると思うし、護憲派の勢いは減る)。小型、限定の核爆弾と短距離ミセイルの開発(日本なら1年あれば可能)、大掛かりな拉致被害者の救助・保護を行なえる。しかし、周辺国やそれ以外も核保持を目指し、地球規模で収拾が取れなくなるので、この事態は本当は私も避けたいです。
    < 最後にポンペオ氏が極秘に北朝鮮入り、金正恩氏と会っていたとの報道。4月の始め、何処から入ったんだろう?北京・上海かバンコクかクアラルンプールかモスクワかハバロフスクかクェートぐらいからしか旅客定期便は無い。会談の下準備だろうが、「完全検証な形で、不可逆的な核開発廃絶」を譲ってません。米国の態度がコケオドシではない事は金も理解できたはず。韓国とどういう悪知恵働かして殲滅されるか、あるいは中国に泣きつくか、多いに見ものですね。
     < 失礼します。

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