「円の国際化」に向けたメガトン級のニュース
昨日の日経に、「円の国際化」という「メガトン級のニュース」が掲載されています。いわば、アジアに円通貨圏を創設するという、日本の長年の夢が、実現に向けて一歩動き出した格好です。ただ、ニュースには専門用語の解説が欠落しており、記事を読んだだけではその意義がわからないという方もいらっしゃるでしょう。そこで、本日は外為市場について解説するとともに、なぜこれが「ビッグ・ニューズ」なのかについて説明したいと思います。
目次
円の国際化という朗報
円外国為替市場創設という「メガトン級ニュース」
久々の「朗報」です。円の国際化に関するプロジェクトが進み始めました。
円とアジア通貨に直接交換市場 財務省、ドル介さず(2017/6/7 1:29付 日本経済新聞電子版より)
日本経済新聞電子版の報道によれば、財務省は日本円とアジア通貨の直接交換市場を創設するための包括策をまとめたそうです。おそらく、財務省の担当者から、直接、日経の記者が入手した情報を基にしているのでしょう。
日経の報道だと、やや事実関係が不正確ではないかと思われる下りもありますが、私自身の文責により記事を補足しながら要約すると、概要は次の通りです。
- 財務省は日本円とアジア諸国通貨の直接取引市場の創設を柱とした包括策をまとめ、来週にも開く審議会で提案する
- 手始めにタイ・バーツと日本円を直接交換する市場を創設すべく、タイ当局と協議に入る
- 具体的には、タイ側に対し、外国銀行の自国通貨保有上限規制を現行の3億バーツ(約10億円)から緩和することを要望する
これは、外国為替取引に詳しくない人が読んでも今一つピンとこない内容ですが、実は、メガトン級の重大ニュースです(ただし、「事実であれば」、ですが…)。なぜなら、事実上、アジアに「円経済圏」を作るという宣言でもあるからです。
これについて考える前に、「外国為替市場」の仕組みを理解しておきましょう。
外為市場は眠らない
まず、外為「市場」と呼んでいますが、外為の世界に「取引所」が存在する訳ではありません。全世界共通ですが、外為取引は銀行やブローカーなどの店頭で行われています。株式市場や債券市場だと、証券取引所が稼働している時間でなければ取引できませんが、外為市場の場合は、極端な話、銀行が営業していれば、常にどこかの銀行の店頭で取引することができる、ということです。
具体的には、先進国で一番早いニュージーランドのオークランドから始まり、オーストラリア、日本、香港、シンガポール、フランクフルト、ロンドン、ニューヨークなどで順次取引が開始されます。このため、日本の感覚からすれば、月曜日の早朝から土曜日の早朝まで、24時間取引が可能です。各市場において外国為替取引が朝8時から夕方5時まで取引可能だと仮定し、日本時間の何時に当たるかを一覧にすると、図表1のとおりです(ただし、夏時間は考慮していません)。
図表1 主要市場の朝8時と夕方5時の日本時間(夏時間は考慮しない)
場所 | 朝8時 | 夕方5時 |
---|---|---|
オークランド(ニュージーランド) | 05:00 | 14:00 |
シドニー(豪州) | 07:00 | 16:00 |
東京(日本) | 08:00 | 17:00 |
香港 | 09:00 | 18:00 |
シンガポール | 09:00 | 18:00 |
フランクフルト(ドイツ) | 16:00 | 01:00 |
ロンドン(英国) | 17:00 | 02:00 |
ニューヨーク(米国) | 21:00 | 07:00 |
つまり、私たち日本人にとっては、月曜日の早朝5時(※夏時間の場合は4時)にニュージーランドで市場取引が始まり、土曜日の早朝7時(※夏時間の場合は6時)までの時間帯において、間断なく世界のどこかで取引が行われているのです。
外為市場は「通貨ペア」
ただし、このような「24時間の取引」が行われている通貨には、一つの条件があります。それは、「世界で広く流通する通貨同士であること」、という条件です。このように「国際的に広く流通する通貨」のことを、私は「ハード・カレンシー」と呼んでいます。そして、ハード・カレンシーに対し、国際的に通用しない通貨の事を、私は「ソフト・カレンシー」と呼ぶことにしています(人によっては「ローカル・カレンシー」とも呼びます)。
たとえば、事実上の世界の「基軸通貨」である米ドルは、国際的には最も広く通用する通貨であり、多くの通貨が「米ドルとの為替相場」を基準に定めています。一方、国際的に広く通用している通貨としては、ほかにも欧州の共通通貨であるユーロ、日本の通貨である日本円、英国の通貨である英ポンド(パウンド・スターリン)などがあります。そして、国際決済銀行(BIS)が3年に1度公表する統計によると、それぞれの「通貨ペア」が世界の外為市場で占めるシェアは、図表2のとおりです(BISが集計対象としているのは通貨同士の交換取引であるため、合計欄は「100%」ではなく「200%」です)。
図表2 外為市場の取引高(OTCデリバティブ等を含む)
通貨 | 2013年 | 2016年 |
---|---|---|
米ドル(USD) | 87.0% | 87.6% |
ユーロ(EUR) | 33.4% | 31.3% |
日本円(JPY) | 23.0% | 21.6% |
英ポンド(GBP) | 11.8% | 12.8% |
豪ドル(AUD) | 8.6% | 6.9% |
スイス・フラン(CHF) | 5.2% | 5.1% |
加ドル(CAD) | 4.6% | 4.8% |
人民元(CNY) | ― | 4.0% |
その他 | 26.4% | 25.9% |
合計 | 200.0% | 200.0% |
(【出所】国際決済銀行(BIS)が公表する“Triennial Central Bank Survey”)
これを見ると、外為市場において圧倒的なシェアを誇っているのは米ドルですが、これにユーロ、日本円が続きます。なお、統計上は2016年以降、人民元が登場していますが、シェアは4%に過ぎません。そして、外為市場で最も取引量が多い通貨ペアは、
- 「ユーロと米ドル(EUR/USD)」
- 「米ドルと日本円(USD/JPY)」
- 「英ポンドと米ドル(GBP/USD)」
- 「ユーロと日本円(EUR/JPY)」
などです。しかし、ハード・カレンシー以外の通貨の場合は、多くの場合、いったん米ドルと交換して、再度その通貨と交換する、というプロセスが必要です(図表3)。
図表3 ハード・カレンシーとソフト・カレンシーの違い
この場合、両替をしたいと思う人は、銀行取引を2回行わなければならず、為替手数料も2回取られる、ということです。
ソフト・カレンシーという問題点
さらに、ソフト・カレンシーにはもう一つ、大きな問題があります。それは、取引時間が限られている、ということです。
例えば、お隣の韓国では、「ソウル外為市場」なるものが(いちおう)存在します。そして、その外為市場では、韓国ウォンと外貨(米ドル、日本円など)の両替が行われている(らしい)のですが、韓国ウォン自体、外国への持出規制があるため、韓国ウォンの外為市場は日本時間の夕方3時には終了してしまいます。
一方、中国の通貨・人民元のうち、「中国本土で流通する人民元」(CNY)については、外為「市場」が成立している訳ではありません。中国人民銀行が市場原理によらずに米ドルと人民元との交換レートを毎日決定しています。この価格決定メカニズムは極めて不透明であり、前日の交換レートを参考に、そこから大きく乖離し過ぎないように決めているようです。また、「中国本土外で流通する人民元」(CNH、いわゆるオフショア人民元)については、いちおうは市場原理に基づいて取引されている(らしい)ものの、オフショア市場における人民元の流通量が少なく、事実上、中国人民銀行(中国の中央銀行)が常時、為替介入を行っている模様です。
そして、この中国や韓国は資本の持ち込み・持ち出し規制が厳しく、債券市場も発展していません。さらに、例えば韓国企業が南米企業と取引をすることを考えてみると、韓国の通貨・ウォンは日本時間夕方3時で取引できなくなってしまいますが、その時間、まだ南米の外為市場は開いていません。ということは、韓国ウォンと南米通貨(たとえばアルゼンチン・ペソ)を直接両替することはできない、ということです(厳密には、無理やりできなくもないのですが、非常に高いコストが掛かります)。
つまり、ソフト・カレンシー同士は「同時決済」ができないがために、妙な為替リスクを負ってしまうという問題点もあるのです(余談ですが、私はこれを「決済リスク」と呼んでいます)。
アジア通貨市場の夢
アジア金融リーダーシップを狙う日本
ところで、冒頭の日経の記事に戻りますと、私はこのニュースについては、相当に確度の高い話だと考えています。というのも、麻生太郎副総理兼財相が先月、東京で開かれたアジア開発銀行(ADB)総会の場で明らかにした、極めて野心的なプランと整合しているからです。
これについて、『金融リーダーシップを狙う日本』でも触れた内容を要約しておきますと、次の通りです。
- ①日本として、アジアの金融セーフティ・ネットの枠組みであるCMIMの機能を強化する
- ②ABMIによる現地通貨使用拡大を促進する
- ③最大4兆円規模の円建てでの二国間通貨スワップ取極(BSA)の仕組みを創設する
- ④既存のBSAについても、ドル建てだけではなく円建てでの引出を可能とするよう提案する
そして、今回の日経の報道は、具体的には②に関連する提案であると考えられます(なお、CMIM、ABMI、BSA、円建てBSAの詳細については、関連するリンクをご参照ください)。
アジア通貨危機以降、ASEAN諸国は通貨危機を防ぐために、日本に対してリーダーシップを取ることを強く求めて来ました。しかし、日本の財務省は、不思議なことに、米国に遠慮するためでしょうか、円のこれ以上の国際化に及び腰だったのです。しかし、ここに来て日本政府が日本円という「世界最強の通貨」のさらなる国際化を推進することは、間違いなく日本の国益に役立ちます。とくに、人民元という「インチキ通貨」をアジアから駆逐することで、ASEANを中心に、事実上の「円経済圏」を創設することも夢ではありません。
100円札と10万円札を創設せよ!
ただし、円の国際化戦略において、日本が行うべき課題が2つあります。1つは、日本円には、紙幣の額面単位が大きすぎるという欠点がある、という点です。
私は以前、『100円札を発行せよ!~カジュアル通貨論~』と題した記事を公表したことがあります。この中で私は、千円紙幣、五千円紙幣、一万円紙幣の3種類の紙幣は、「日本国内では」うまく流通しているものの、海外の物価感覚からすれば「高額紙幣すぎる」と主張しました。とくに、外国で強い需要があるとしたら、まずは小額紙幣ですが、ユーロ圏では5ユーロ、米ドルでは1ドル紙幣が存在します。
ということは、日本円でいえば、過去に廃止されてしまった百円紙幣や五百円紙幣を復活させる、ということです。
次に、外国人から見た日本円の魅力とは、安定した貨幣価値にあります。ということは、日々の決済手段として使うという需要だけでなく、「蓄財需要」(つまりタンス預金としての用途)がある、ということです。
日本の最高額面は一万円ですが、ユーロ圏には500ユーロという高額紙幣があります。そこで、私はこの際、五万円紙幣や十万円紙幣を発行することを提案したいと思います。
つまり、現行の千円紙幣、五千円紙幣、一万円紙幣に加え、百円紙幣、五百円紙幣、五万円紙幣、十万円紙幣を加える、ということです。これを行うことで、日本円の利用価値はさらに上昇するに違いありません。
余談ですが、シンガポールでは「2ドル」「5ドル」といった小額紙幣から、「100ドル」「1000ドル」といった高額紙幣、そして「1万ドル」という世界最高額面の紙幣までを取り揃えています。こうしたシンガポールの取り組みは、日本にとっても参考になるでしょう。
円建てBSAを拡充せよ!
もう一つ、日本円の国際化に当たっての課題は、BSA(二国間通貨スワップ協定)の拡充です。
現在、日本が通貨スワップ協定を締結している相手国は、現在交渉中のマレーシアを含め、次の5カ国です(図表4)。
図表4 現時点のBSA一覧(未発効分含む)
相手国 | 契約条件 | 契約日 |
---|---|---|
インドネシア(片方向) | 日→尼 227.6億ドル | 2013年12月12日 |
フィリピン(双方向) | 日→比 120億ドル 比→日 5億ドル | 2014年10月6日 |
シンガポール(双方向) | 日→星 30億ドル 星→日 10億ドル | 2015年5月21日 |
タイ(双方向) | 日→泰 30億ドル 泰→日 30億ドル | 2017年5月5日 |
マレーシア(双方向) | 日→馬 30億ドル 馬→日 30億ドル | ― |
(【出所】財務省ウェブサイト「アジア諸国との二国間通貨スワップ取極」等より著者作成。いずれも全額を引き出すには、IMFプログラムの存在が必要。なお、上記のうちマレーシアとのスワップ協定は基本合意段階であり、現時点で協定は発効していない)
ただ、これらのスワップ協定は、インドネシアとフィリピンを除けば、いずれも金額が30億ドル程度と非常に少なく、また、ASEAN諸国を網羅している訳ではありません。
私は、このBSAについて、少なくとも台湾、カンボジア、ベトナム、ラオス、ブルネイ、ミャンマー、インド、スリランカ、パキスタンなどに拡大すべきだと考えています。あるいは、中国が唱える「一帯一路構想」の範囲に含まれている国(特に中央アジア諸国)やロシアとも、通貨スワップを締結することが重要です。
また、円建てのBSAについても早急に創設し、とくに重要な国に対しては、1ヵ国あたり3~5兆円程度を提供すべきでしょう(ただし、日本と領有権争いを抱えるロシアの場合、通貨スワップの金額は数十億ドル程度にとどめるべきです)。
これらはいずれも、つい先日上梓した『日本は通貨スワップでAIIBに対抗せよ!』と同じ主張ですが、重要な主張なので繰り返しておきたいと思います。
日韓通貨スワップを「締結しない」こと自体が重要なメッセージ
ついでに申し上げておくならば、通貨スワップ(BSA)の締結相手は、日本の国益に資する国でなければなりません。具体的には、過去に「恩を仇で返した国」とは、絶対に通貨スワップ協定を締結してはなりません。
通貨スワップ協定自体、日本としてその相手国と友誼を結ぶという意思表示でもありますが、逆に、「特定の国とだけスワップ協定を締結しない」という事実自体が、その国に対する強いメッセージにもなります。
韓国が改心して、日本に対して平身低頭し、これまでの行いを謝罪するのであれば、日本としてはごく少額の通貨スワップ協定を締結してやってもよいでしょう。ただ、私は日本政府が「あえて韓国とはスワップを締結しないで、韓国以外のアジア諸国(中国・北朝鮮を除く)とスワップを締結する」などの高度な外交テクニックを使ってほしいと考えてしまうのです。
金融は軍事と並ぶ国益実現手段だ!
当たり前の話ですが、金融とは、一国の経済にとっては「血液」のようなものであるとともに、外国に対しては国益最大化の手段の一つです。そして、日本には「世界最強の通貨」である日本円という武器があります。どうしてこれをもっと積極的に活用しないのか、どうしていままで円の国際化を推進して来なかったのかが、私にとっては不思議でなりません。
ただ、米国が環太平洋パートナーシップ(TPP)から離脱したことで、日本は「米国抜きの11カ国」でTPPを発足させようとしています。私は、こうした試みについては日本にとって非常に大きなチャンスだと思いますが、それと同時に、肝心の金融の部分で日本円を活用しなければ意味がないと考えています。
今回の日経の記事は、扱いも小さく、注目度も高くないようですが、私はアジアから人民元を駆逐して、日本円が本来の実力を発揮する貴重なチャンスだと考えています。その意味で、今回の財務省の試みについては、全面的に支持したいと考えているのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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私の個人的意見ですが、私は諸外国の通貨と日本円を直接交換する市場を創設することや、国同士の日本円でのBSAに関しては賛成ですが、諸外国の通貨との対応を考えて、日本の紙幣の種類を増やすという意見には良い印象を持っていません。
低額紙幣を作ることは、労働賃金が安い諸外国からの労働力としての人の流入が増える素地になると感じます。特に、今の日本には民主党時代におこなった難民法の改正で、偽装難民が流入しやすい状況が出来てしまっています。
安易に労働賃金の安い諸外国の労働力を使った先には、職場を奪われて若年失業率が高まっている韓国や、移民が国の治安に悪影響を及ぼしかねないドイツなどの危険性を増長します。日本には日本にあった経済安定のモデルがあると思います。
名目GDPにばかり目を向けず、内需を拡大する方向で進んいる今の状態は決して悪くないと思っています。
民主党一の経済通などと言われた野田内閣時代は、財政出動を抑えて消費税増税という、とんでもない政策を唱えていましたが、自民党に政権が移って財政出動を増やしている現状は望ましいと思っています。もっとも財務省に押し切られて、あのタイミングで消費税を増税したのは安倍政権の最大の失政だと思っていますが…。
まあ、私の個人的に見解です。
いつも愛読させていただいてます。
日本がアジアの通貨リーダーシップ、円通貨圏を作ろうということですね。日経の記事の扱いは小さいので、それほど「メガトン」級の話と思いませんでした。確かにソフトカレンシー同士なら2回も手数料がかかり、手間です。アジア経済圏で、中国元という通貨を駆逐するのも狙いです。
高額紙幣と低額紙幣を作るという件ですが、5万円、10万円はいいとしても、500円、100円はいかがなものでしょうか。私の感覚ではかつてあったものの(つまり今の5,000円→旧500円、1,000円→旧100円ぐらいの価値でしょうか)、使用頻度に耐え切れず、すぐシワくちゃになって日銀に回収されるように思いますが。もう40年以上経ってますので、何か特殊な印刷技術で克服できればいいですね。
円経済圏の創設ってすごいね。メガトン級かどうかは知らんが扱いが小さすぎるのは明らかにおかしい。為替いちばとスワップにそういう関係があったのも知らなかった。人民元とかスワップの話が今日のエントリーでつながった気がする。
ただ、上の方で通りすがりさんも指摘しているが、紙幣の種類を増やすのには反対。せいぜい500円札までだと思う。100円札というのはやりすぎ。紙幣を作るコストがかかりすぎるし、不法移民が日本に来るかもしれないからね。50000円とかになるとマネロン?の心配もあるでしょ?
>通りすがり
>あのタイミングで消費税を増税したのは安倍政権の最大の失政だと思っていますが…。
全く同感。
こんにちは!毎日楽しく拝見させて頂いてます。
円の国際化についてはとても夢のある話ですね!!
これこそ、本来の大東亜共栄圏ができますね!
ただ、高額紙幣を作ることに対して疑問を覚えました。
東南アジアを旅行すればわかると思うのですが、1000円札はかなりの高額紙幣となってしまうので500円、100円の紙幣があればとても良いと思いますが、10万円の高額紙幣を使った場合、偽札が出回った場合のリスクがかなり大きいのではないのかと思いました。
できれば、高額紙幣を作るメリットがあれば知りたいです。
忙しい中記事をまとめるのは大変だと思いますが、応援しています!
メガバンクも仮想通貨を扱う時代に、あえてアナログに少額紙幣を発行する意義があるのでしょうか?カード決済、キャッシュレス、Tポイント(笑)のご時世に。
タイ・バーツと日本円の直接交換市場創設は、蟻の一穴ですけどいい方向性ですよね。できることなら日本円と交換するたびにTポイントつけてあげればいい(笑)
勿論アメさんには仁義通した上でやってるんでしょうけど、アジア通貨基金のようにポシャらなければいいんですがね。あん時は根回しする時間的余裕がなかったのが悔やまれます。AMFができてれば、AIIBなんてインチキ集金ペーシステムもできなかったのに。
日本円の国際化のメリットがいまいちわかりません。米ドルを調達する手間を省いて日本円の決済ができる方が海外貿易の決済がやりやすい、というのはあるでしょうけど、それ以上のメリットはあるのでしょうか?
タイとスワップ協定を結ぶのは勝手ですが、タイバーツなんかもらっても使い道がありませんし、日本円をただ取りされるのもなんか嫌です。現地の日本法人の資金繰りを円滑にするなら、通貨スワップではなく、為替スワップで十分ではないでしょうか?通貨スワップを結ぶ事でその国の経済を支配下におけるなら悪くはありませんけど、通貨スワップはそういう性質のものではないでしょう?
500円札ならまあ悪くないでしょうけど、100円札まではどうですかね?
アジア各国では1ドル相当の金額は紙幣を使いますから、1ドル紙幣と10元紙幣が受け入れられるのでしょう。
ただし、日本円の紙幣や硬貨はアジア各国の都合のために存在するのではなく、日本国民の利便性を第一に考えて発行されるべきです。自動販売機が広く普及した日本で、かさばって使い勝手が悪く、破損しやすく、紙詰まりのリスクもある百円札など邪魔で仕方ありません。半世紀もなじんできた百円硬貨の方が大きさといい、使い勝手の良さといい、デザインといい、あらゆる面でベストです。
また、現状でも日本の紙幣の原材料の枯渇が心配されますので、百円札まで作るのは無理でしょう。ポリマー紙幣なら話は別ですけど。
10万円紙幣には反対です。今後も検討されるべきではありません。
1985年(昭和60年)に天皇陛下御在位六十年記念十万円硬貨が発行された際、10万枚以上の偽造硬貨が作られる事件がありました。
当時は金地金の価格が1g 2500円前後と安く、20gの金貨を偽造するのに5万円あればできたのです。額面が10万円だったので被害額は100億円を超えました。これ以降、政府は高額の紙幣や硬貨の発行をやめてます。
欧米でも高額紙幣は偽造の被害を受けるリスクが強く認識されてます。
500ユーロ紙幣は偽造件数が特別に多い訳ではないのですが、1件あたりの被害額が大きいです。また、テロ組織が資金を運搬するのに便利であったため、「ビンラディン紙幣」とあだ名がつけられました。それを重く見た欧州中央銀行は昨年、500ユーロ紙幣の発行を中止。一部の国は回収が始まってます。
アメリカでも偽造被害を防ぐため、100ドル紙幣と50ドル紙幣は嫌われます。そのため高額決済はVISAかMasterCardによるクレジットカードで、少額決済は20ドル以下の紙幣や硬貨を使います。アメリカで20ドル紙幣やクウォーターコインのような中途半端なものがよく使われるのはそういう事情があります。
今後は東南アジアでもデビットカードやQRコード決済によるキャッシュレス決済が普及するでしょう。100円札、10万円札を発行するよりは、国内に乱立する電子マネーやQRコード決済を統一し(主導するのは日銀でもメガバンクでもJR東日本でもいいです)、SwishならぬJ-Cashみたいなものを作って、ICカードでもQRコードでも金額無制限で利用できるよう、今すぐにでもやるべきです。そしてそれを外国に輸出・普及させればいいです。
うかうかしてると支付宝や微信支付に東南アジアを乗っ取られてしまい、日本人も東南アジアでの使用を余儀なくされます。そして買い物や公共交通機関で使用するたびに履歴が中共にリアルタイムで把握されてしまいます。