ついに主要メディア調査で軒並み支持率が不支持率を上回った
唐突ですが、私自身、「国民の意見」があますところなく示される一番確実な手段は、マスコミ各社が実施する世論調査などではないと考えています。さて、その「国民の意見」が確実に示される手段とは、いったい何でしょうか?こう書いてピンと来た人もたくさんいると思いますが、答えを見る前に、まずは私の内閣支持率の「定点観測もどき」を紹介したいと思います。
目次
たかが内閣支持率、されど…
内閣支持率調査のフォロー・アップ
主要なマスコミ各社は、たいてい、内閣支持率調査を実施しています。ただ、私自身は、この内閣支持率調査では国民の正確な意見を拾い上げることはできないと考えています。なぜなら、実施する会社によって、質問項目や方法、公表する内容などが微妙に異なるからです。
だいたいどの会社でも、「あなたは現政権を支持しますか、しませんか?」といった尋ね方をしていますし、会社によっては支持率を高めたり、低めたりする方向にバイアスを掛けるなどしているため、「国民の正確な意見を確実に拾い上げる」手段としては適していません。
では、私が考える「国民の正確な意見を確実に拾い上げる手段」とは、いったい何なのでしょうか?もったいぶって非常に恐縮なのですが、その答えを述べる前に、本日は「内閣支持率の定点観測もどき」を紹介したいと思います。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
当ウェブサイトでは、今年4月の「もりかけ国会」のころから、主要メディアによる内閣支持率調査を観測しています。
といっても、個人で運営しているウェブサイトなので、「組織的・大がかりな定点観測」ができるわけでもなく、また、メディアによっては内閣支持率調査の実施タイミングが非常に不規則だったりするので、全メディアの調査を網羅しているわけでもありません。
ただ、極力、読売新聞、朝日新聞、ニコニコ動画などの主要媒体に加えて、毎回、その時点で手に入る、できるだけ多くの調査結果を並べる努力については継続しているつもりです。そして、最近では、「各メディアの調査は絶対的に正確なものとは限らない」という前提を置いて議論するように努めています。
要するに、できるだけ定点観測に近いかたちで、メディアが実施する内閣支持率の「傾向」を掴むことができれば良い、という感覚で、この内閣支持率調査をフォロー・アップしているのです。
もっとも、当ウェブサイトで「報道各社の内閣支持率調査」を紹介する際には、「主要メディア」(たとえばNHKなど)の調査が欠落している可能性がある点や、過去記事と連続性が保たれていない部分がある点などについては、どうかご了承いただきたいと思います。
ついにほとんどのメディアで「支持率」>「不支持率」に
こうした制約はあるものの、最近の内閣支持率調査を調べてみて、私自身が強く興味を感じたのは、ほとんどのメディアで内閣支持率が不支持率を上回りつつある、という点です。現時点までに私が調べた最新の世論調査結果について、支持率が高い順番に並べ替えると、図表1のとおりです。
図表1 各メディアによる最新の内閣支持率調査(クリックで拡大)
(【出所】各社報道等より著者調べ)
(※なお、小数点以下1桁で表示しているのですが、読売、産経、日経、朝日新聞の各調査では元記事で小数点未満が表示されていないため、やや不正確である点についてもご了承ください。)
これらの調査の中で、唯一、インターネットを使った世論調査がニコニコ動画(8月23日実施)のものですが、ニコニコ動画で支持率が不支持率をダブル・スコア以上で上回っているのは「いつものこと」であり、別に驚くに値しません。
ただ、ここに示した調査は、ニコニコ動画の調査を除けば、いずれも電話世論調査です。携帯電話も調査対象に付け加えられているものの、固定電話への調査も大きな比重を占めているであろうと想定されるため、必然的に、調査対象の母集団が日本国民の世論を正確に示しているという保証はありません。
(※もちろん、それを言い出したら、ニコニコ動画の調査にしたって、インターネット・ユーザーのみを対象とした調査であるため、調査対象の母集団が日本国民の世論を正確に示しているという保証がない、という点についてはまったく同じですが…。)
その調査ですら、少なくとも図表1に示したもので見てみれば、いずれも内閣支持率が内閣不支持率を上回ってしまった、ということがわかります。
内閣支持率はじわじわ上昇している!
各メディアが調べた内閣支持率を比較すると、朝日新聞などが低めに、読売新聞などが高めに出るという傾向はありますが、今年に関して一貫していえることがあるとすれば、今年4月を底にして、どの会社の内閣支持率も上昇基調にある、ということです。
ためしに今年4月時点の内閣支持率調査についても確認してみましょう(図表2)。
図表2 2018年4月時点の内閣支持率調査(クリックで拡大)
(【出所】著者調べ)
図表1と図表2を、じっくりと見比べてみてください(といっても、前述のとおり、2つの図表に登場している会社が異なっていますが、この点についてはご容赦ください)。
今年4月時点だと、「政権寄り」と見られる読売新聞ですら支持率は39%しかなく、不支持率は53%にも達しています。さらに、おなじ読売系でもNNNの調査だと、支持率は26.7%であるのに対し、不支持率はそのちょうど2倍の53.4%(!)に達しています。
NNNの世論調査が日本全体の国民世論を正確に代弁しているのだとすれば、安倍政権は今年4月に、明らかに「危険的な状況」にあったのです。
(※余談ですが、ニコニコ動画の調査については、この2018年4月の時点においてすら、支持率は不支持率のほぼ2倍以上で安定していました。NNNとニコニコ動画で調査結果が真逆になるのは、不思議としか言い様がありませんね(笑)。)
2018年4月時点から9月時点まで、ちょうど半年ほど経過していますが、内閣支持率がおしなべて上昇し、不支持率も抑え込まれていることが、よくわかると思います。
政権に批判的な朝日新聞社による調査ですら、「もりかけ問題」がピークだった2018年4月と比べ、内閣支持率は10%ポイント上昇していますし(31%→41%)、内閣不支持率は14%ポイント下落している(52%→38%)ほどです。
それなのに、次の朝日新聞の社説に代表されるように、マスコミ各社は、安倍晋三総理大臣がいまだに「もりかけ問題」を巡って「説明責任を果たしていない」とわめいています。
(社説)総裁選討論会 これであと3年ですか(2018年9月15日05時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より)
「天下の朝日新聞さん」の社説によれば、「もりかけ問題」とは、「行政や政治への不信を招き、今なお多くの国民がその説明に納得していない」問題なのだそうです。もし本当にそうならば、この内閣支持率をどう説明すれば良いのでしょうか?
日本国民は実は賢い
なぜ内閣支持率は上昇するのか?
不審な点は、これだけではありません。つい先日、共同通信などの世論調査で「自民党総裁選では現職総裁の安倍総理に対する支持が低下し、挑戦者である石破茂氏への支持が急激に追い上げている」と報じられたばかりです(『自民党総裁選でもマスコミ偏向報道が影響しているのは確実』参照)。
もしこの共同通信の「挑戦者である石破茂氏が現職である安倍総理を急激に追い上げている」という調査結果が事実であれば、「内閣支持率が上昇基調にある」というマスコミ自身の世論調査結果とは、けっしてうまく整合しているとはいえません。というか、唐突感、違和感がアリアリです。
おそらく、内閣支持率が上昇している理由は、安倍政権がこの半年で何か特別な功績を挙げたからではなく、安倍政権に対する内閣支持率を人為的に引き下げて来た特効薬の効き目が切れて来たからではないでしょうか?
考えてみればわかりますが、「もりかけ問題」とは、そもそも
「安倍晋三(氏)が内閣総理大臣としての地位を悪用し、友人が経営する学校法人に違法な便宜を提供した疑い」
のことだったはずです。ただ、朝日新聞を筆頭とするマスコミ各社は、安倍総理が何という法律の第何条に、いつ、どう違反したのか、そして、これがどういう犯罪に該当するのかについて、現時点に至るまで、ただの1行も解説していません。
ツイッター上では、日本共産党関係者のツイートに引っ付いて安倍批判を繰り広げる頭の悪いツイート主さん(笑)がたくさんいるようですが、彼らのツイートなどを読んでみても、安倍総理の「罪状」が何なのか、常人にはまったく理解できません。
早い話が、「もりかけ問題」とは、憲法改正などの重要な議論を妨害するためだけに、朝日新聞社などが仕掛けた妨害ノイズであり、この問題に乗っかって大騒ぎしている勢力こそが「ノイジー・マイノリティ」であり、「国益を阻害する国民の敵」なのだと思います。
そして、この「ノイジー・マイノリティ」たちの仕掛けるプロパガンダにまんまと乗っかったのが、2018年4月時点でNNNなどの調査に応じた人たちだったのであり、その記憶が薄れて来れば、政権支持率が勝手に上昇してしまうのも仕方がない話なのかもしれません。
衆院最大野党・立憲民主党の支持率が…!
ついでに、この「もりかけ問題」で最も大騒ぎして来た野党が、立件民主党…、じゃなかった、立憲民主党です。先ほどの図表1で示した各社の内閣支持率調査と同じ記事から、立憲民主党に対する支持率を紹介すると、だいたい次のとおりです。
主要メディアの調査による立憲民主党の支持率
- 時事通信…4.4%(前月比▲0.2%ポイント)
- ANN…6.7%(前月比▲4.0%ポイント)
- 産経・FNN…9.0%(前月比▲1.7%ポイント)
- 朝日新聞…5%(前月比▲1%ポイント)
- 読売新聞…4%(前月比▲4%ポイント)
※調査時点は図表1を参照
なんと、立憲民主党が「大好き」なはずの、朝日新聞やANNの調査結果ですら、最新の政党支持率はヒトケタ台に沈んでいるのです。むしろ、「政権寄り」として知られる産経・FNN合同調査で出ている9%という値が、ここに示した5社の中で最も高いくらいです。
立憲民主党の支持率がここまで低迷しているのは、ある意味で興味深い現象です。なぜならば、立憲民主党は間違いなく、衆議院では最大野党の地位にありますし、参議院でも国民民主党に次ぐ野党第2党であり、議席数だけで見れば有力政党だからです。
立憲民主党の支持率低迷は必然
産経ニュースは先月、立憲民主党の支持率が減少しているのは「国会戦術が先鋭化しているためだ」とする指摘を掲載しています。
立憲民主、国会戦術先鋭化で支持率減 政権批判取り込めず8月は過去最低(2018.8.31 00:16付 産経ニュースより)
これについては、まことに僭越ながら、私自身、産経ニュースに先立つこと約2ヵ月前に『【昼刊】辻元清美議員の妨害戦略を許すな』の中で、辻元清美氏が国対委員長を務めているがために、立憲民主党がテロリストのような「武力闘争路線」を取っているという点を指摘させて頂いています。
要するに、政界を見ている人間であれば、誰でも辻元清美国対委員長の武力闘争路線が国会の足を引っ張っていることに気付くぐらいに酷い戦略である、ということでしょう。
ただ、この辻元清美氏を巡っては、産経と同じフジメディアホールディングス系のFNNが運営している『FNNプライム』が先月末頃、「女傑」などと持ち上げる記事を掲載しています。
野党国対“女傑”の半年 ~立憲民主・辻元氏の素顔と評価(2018年8月29日 水曜 午後6:00付 FNNプライムより)
私個人的には、「女傑」という男女差別的な意識を丸出しにしたタイトルも嫌ですが、私に言わせれば、辻元氏は「女傑」ではなく「テロリスト」です。そういえば、『「辻元生コン疑惑」と絶望的に頭が悪い人罪の宝庫・立憲民主党』でも触れましたが、生コン疑惑にはいつ説明をしてくれるのでしょうか?
また、立憲民主党が国民に対して真摯に説明しなければならないのは、「生コン辻元清美」だけではありません。
色恋沙汰でいえば、セクハラを行った初鹿明博、青山雅幸の両衆議院議員、息子が性犯罪者である小川勝也参議院議員、地球6周分のガソリンプリカと不倫騒動で知られる山尾志桜里衆議院議員なども、まったく説明責任を果たしていません。
それどころか、文科省の汚職事件を巡り、吉田統彦(よしだ・つねひこ)衆議院議員とのかかわりについて尋ねられた枝野幸男代表、福山哲郎幹事長らも、ただひたすら逃げるだけで真摯に説明責任を果そうとしていません。
これで立憲民主党の支持率が伸びると考える方が、無理があるというものでしょう。日本国民も実は賢いので、ちゃんと見るべきところを見ています。その意味で、私は立憲民主党の支持率が低迷していることについては必然だと考えているのです。
国民の本当の意見が示されるのはXXである
さて、ここで冒頭のクイズに戻りましょう。
ピンと来た方もいらっしゃると思いますが、「国民の意見をもっとも確実かつ正確に吸い上げる手段は何か?」という問題に対する答えは、
選挙
です。
日本という国は民主主義国家です。ということは、私たち日本国民こそが、日本という国の主人公なのです。そのように考えていけば、私たち日本国民の意見は、マスコミごときに歪められるのではなく、あくまでも私たち日本国民が示すべき筋合いのものです。
私が執筆しているこのウェブサイトが「正しい情報」を示しているという保証など一切ありませんが、それでも、読者の皆様が投票行動を考える上で、いくばくかであっても参考になる点があれば嬉しいと思っているのも事実です。
もちろん、私が「選挙は大事だ」と申し上げると、なかには
- 自分1人くらい選挙に行っても行かなくても結果は同じだよ。
- 民主主義に全幅の信頼を寄せるのは危険だ。
- 韓国のように未熟な国が民主主義を行使すれば衆愚政治に陥る。
といった批判、反論などを多数頂戴するのですが、これはこれで意見としては興味深いものだと思います。
これらのコメントのご指摘通り、民主主義とは「万能の仕組み」ではありません。ナチスを台頭させたドイツの例を見るまでもなく、人々のメンタルが弱まってしまえば、おかしな政党、政治家が躍進してしまいます。
ちなみに、現代の日本社会において、民主主義の最大の破壊者(つまり「国民の敵」)といえばマスコミであり、立憲民主党や日本共産党に代表される反日野党であり、財務省に代表される利権官庁です。民主的に選ばれた安倍政権といえども、こうした「国民の敵」といきなり対峙して勝てるとは限りません。
結局、民主主義とはまことに壊れやすい仕組みであり、だからこそ、私たちは大切に民主主義を守り、育んで行かないといけないのだと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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