意味不明な記事を書き逃げする日刊ゲンダイを笑い飛ばそう
極端な「反アベ・タブロイド紙」として知られる日刊ゲンダイというメディアに、今週も、安倍総理に対する「逃げ恥」だの、「地方票6割で敗北」だの、めちゃくちゃな記事が掲載されています。ただ、これらの記事に対しては、「けしからん」「いい加減なことを言うな」と怒るのではなく、「またゲンダイか(笑)」と笑い飛ばすのが良いでしょう。
目次
日刊ゲンダイ「アベに逃げ恥ブーイング」
最近、本業の方が多忙を極めていることに加え、子供が頻繁に熱を出すなどの事情が折り重なり、当ウェブサイトの記事更新頻度は低下しています。ただ、そうこうしているあいだにも、「ネタ」の方は待ってくれません。数日前に発見し、紹介しようと思っていた記事が、『日刊ゲンダイ』のこの記事です。
鹿児島で26日出馬表明 安倍首相“逃げ恥”日程にブーイング(2018年8月23日付 日刊ゲンダイDIGITALより)
日刊ゲンダイといえば、「アベ嫌い」を「社是」のようにしていて、露骨な「反アベ記事」を日々、掲載していることで有名です。その日刊ゲンダイが、安倍総理に対して「逃げ恥」だの、「ブーイング」だのと批判しているのですが、これはどういう内容でしょうか?
9月7日に告示され、20日に投開票が予定されている自民党総裁選を巡っては、事実上、現職の安倍総理と石破茂・元幹事長の一騎打ちと見られていますが、これについて日刊ゲンダイは、安倍総理が「失点を抑えるため」に石破氏との「徹底討論を避けている」と批判しているのです。
「圧倒的勝利で3選を目指す安倍首相は失点を抑えるため、石破氏との徹底討論を避けている。その意向が反映されたのか、選挙管理委で提示された日程素案は討論会2回、街頭演説3日程度。5人が立候補し、安倍首相と石破氏との決選投票までもつれ込んだ前々回2012年と比べると、その差は歴然だ。」
本当でしょうか?その直後に、このようなくだりもあります。
「安倍首相がロシア極東のウラジオストクで開催される東方経済フォーラム(9月11~13日)に出席するため、その外遊日程に配慮したものだというが、とってつけたような理由。「逃げるは恥だが役に立つ」選挙戦となりそうだ。」(下線部は引用者による加工)
この「逃げるは恥だが役に立つ」の下りが、タイトルの「逃げ恥」に繋がっているのでしょう。
しかし、日刊ゲンダイ自身も指摘しているとおり、安倍総理は22日、夏休みを切り上げてドナルド・J・トランプ米大統領と電話会談したともあるとおり、別に安倍総理は石破氏との討論から「逃げている」わけではありません。単純に多忙過ぎるということでしょう。
ただ、タイトルにあった「ブーイング」という単語は、日刊ゲンダイの記事には遂にヒトコトも出て来ませんでした。いったい誰が誰に対し、どうブーイングしているというのでしょうか?安倍総理にブーイングしているのは、日刊ゲンダイなど、ごく一部の「反アベ界隈」だけではないかと思います。
「地方票6割で安倍敗北」!?
アベ嫌い過ぎて意味不明ですよ、ゲンダイさん!
『日刊ゲンダイ』を題材に取り上げるなら、今週のこの記事についても触れておきましょう。
石破氏に総裁選勝算あり 地方票を4割取れば安倍首相マッ青(2018年8月22日付 日刊ゲンダイDIGITALより)
タイトルからして意味不明です。現在のように、国会議員票の7~8割を安倍総理が固めている状況で、仮に石破氏が地方票を4割取ったとしても、石破氏に勝算はないからです。言い換えれば、日刊ゲンダイは、「安倍総理が地方票を6割取ったら敗北だ」、と主張しているのです。
日刊ゲンダイは「一般有権者の42%が『次期自民党総裁は石破氏』と答えた」とするANNの世論調査を持ち出して、
「国会議員は7~8割が安倍支持なので焦点は「地方票」だが(中略)一般有権者は明確に「安倍NO」だということが分かる」
と指摘。そのうえで、「ある自民党のベテラン職員」が
「やはり、ですね。世論は安倍さんより石破さんを選んだ。つまり、『このまま安倍総裁で来夏の参院選を戦ったら、自民党は勝てない』ということを意味します。」/「地方はそんなに甘くないでしょう。石破さんが地方票を4割取ったら、事実上、勝利ですよ」
などと述べた、と報じています。
果たしてこの「ベテラン自民党職員」とやらは実在するのでしょうか(笑)ま、残りの自民党の議員や職員にもいろんな方がいらっしゃいますから、この部分は敢えて「そんなことを言っている自民党職員がいた」ということだと認めましょう。
それはさておき、自民党総裁選の半数は国会議員票ですが、その国会議員票の「7~8割を固めている」状態で、地方票の6割を取れば、圧勝であることに変わりありません。「石破氏が国会議員票の2~3割、地方票の4割を取ったら事実上勝利」とは、いかなる意味なのでしょうか?
私も圧倒的多数の日本国民と同様、この「日刊ゲンダイ用語」が今ひとつ理解できないのです。
「お灸を据えられた」のはむしろ有権者自身だった
ところで、「石破氏が地方票4割で勝利」(つまり「安倍氏が地方票6割で敗北」)という意味不明なゲンダイ記事の末尾には、「政治評論家の野上忠興氏」の次のようなコメントも紹介されています。
「参院選を考えれば、地方組織は安倍首相に少しお灸をすえておきたいと考えるでしょう。国会議員票でも地方票でも圧勝すれば、安倍首相はこれまで通りのやりたい放題を加速させるばかりで、世論の反発を招き、参院選で苦戦することになりますからね。安倍首相があれだけ地方議員と頻繁に会って締め付けている中で、石破さんが地方票を3割取るだけでも善戦ですし、4割取ったら大変。安倍首相はパニックに陥るでしょう。たとえ総裁選に勝利しても政権基盤の脆弱化は避けられず、レームダック化する」(下線部は引用者による加工)
はて、そうですかね?(笑)
国会議員票と地方票でともに圧勝すれば世論の反発を招いて参院選で苦戦する。
地方票で石破氏が3~4割を取れば安倍総理はパニックに陥り、政権基盤が脆弱化してレームダック化する。
この政治評論家氏のロジックも、私には到底理解不可能です。「アベ嫌い」はよくわかりますが、妄想だけでモノを語るのではなく、もう少し現実を見た方が良いと思います。
それはそうとして、この「安倍総理にお灸を据えてやりたい」という下りを見て、私が真っ先に思い出したのは、民主党が圧勝して政権を奪取するきっかけになった、2009年8月の衆議院議員総選挙です。当時のマス・メディアが、「自民党政権にお灸を据える」という表現を使っていたことを思い出します。
では、2009年8月の衆院選で民主党を圧勝させたことで、国民は誰に「お灸を据えた」のでしょうか?
それは違います。わずか3年3ヵ月の民主党政権が終わるころには、原発事故の衝撃に加え、東京の空は節電で真っ暗でしたし、政権公約にもなかった消費税の増税も可決成立しました。さらに、日米、日中、日韓関係は最悪になり、失業率も株価もGDPも散々な状況となっていました。
国民は、有権者は、いったい誰にお灸を据えたのか。
これでお分かりでしょう。国民が「お灸を据えた」のは、自民党ではありません。「有権者自身だったのだ。」私は、そう考えているのです。
自分の頭で考えるべし
カネを払うか、払わないか。それが問題だ
さて、『日刊ゲンダイ』といえば、タブロイド紙の中では「反アベ」の急先鋒の1つとして、独自の地位を占めているメディアです。
私自身、今から30年近く前に、東京都内で「朝日新聞奨学生」として、新聞配達をして生計を立てていました。もう時効だから言って良いと思いますが、当時の店舗の取扱い紙に『日刊ゲンダイ』が含まれていて、その日刊ゲンダイの配達先が、非常にエキセントリックな人物だったことを思い出します。
「類は友を呼ぶ」と言いますが、今になって考えてみれば、私の経験上、『日刊ゲンダイ』や『東京新聞』などの読者には非常に変わった人が多く、配達でも集金でも変なリクエストが多くて非常に苦労した記憶があります。
それはさておき、私は別に『日刊ゲンダイ』を定期購読もしていませんし、街で見かけてもまず手に取ることはありませんが、現代社会は非常に便利なもので、インターネットにつながる環境さえあれば、多くのメディアの論調の一端をうかがい知ることができます。
日刊ゲンダイのようなメディアを、わざわざカネを払ってまで読みたいとは思いませんが、インターネットで無料公開されている記事を眺める分には、犠牲にするのは時間と電気代と通信費だけです。そうなれば、興味本位で(あるいは「怖いもの見たさ」)で読んでみようと思う人がいても不思議ではありません。
わざわざカネを払ってまで『日刊ゲンダイ』のようなメディアに手を出す人は、「好きで日刊ゲンダイを読んでいる」という人たちですが、インターネットのおかげで、「カネを払ってまで日刊ゲンダイを読みたくない」と思っている人にも日刊ゲンダイが読まれるようになっているのは、彼らにとっても意外な現象かもしれません。
ただ、同じ記事であっても、「日刊ゲンダイにカネを払っている人」が読めば「説得力もあるし、満足な記事だ」と思えたとしても、「日刊ゲンダイにカネを払っていない人」が読むと、「何じゃこりゃ?」と思われるのが関の山ではないでしょうか?
珍説も役に立つことはある
一方で、珍説など世の中から消えてしまえ、と思う人もいるかもしれませんが、そうした考え方は、間違っています。
私は、日刊ゲンダイのような考え方が世の中の多数派を占めることはないと思いますが、世の中の意見は多様であれば多様であるほど良いことは間違いないとも考えており、日刊ゲンダイのように「ポストが赤いのもアベのせい」という極端な「反アベ・タブロイド紙」はあっても良いと思います。
何より、私自身は安倍政権に対してさまざまな不満を抱いているのですが、それでも日刊ゲンダイの「反アベ記事」を読んでいれば、逆説的にではありますが、「安倍政権は総合的に評価して素晴らしい政権だ」という点に気付くことができる、というメリットもあります。
これが日刊ゲンダイのような珍説を許さない社会だと、有権者の側も、思考が凝り固まってしまうおそれがあります。
習近平(しゅう・きんぺい)国家主席に対する批判が許されていない中国社会、独裁者・金正恩(きん・しょうおん)に対する批判が許されていない北朝鮮社会などと比べると、日刊紙が毎日、自分の国の首相に対する根も葉もない噂を満載しているというのは、何と自由な社会なのでしょうか(笑)
そういえば、以前、全米の600の新聞が、社説でいっせいにドナルド・J・トランプ米大統領を批判したという事態が発生しましたが、米国では、有権者の支持を失っているのはトランプ大統領ではなく、むしろ新聞の方でしょう。
折しも、わが国でも新聞・テレビが「もりかけ問題」で安倍政権を攻撃しまくったがために、新聞・テレビだけに情報を依存する「情報弱者層」と、インターネットから自分で情報を得ている「情報強者層」の分断が発生しつつあります。
『朝日新聞、「ネット層ほど内閣支持率が高い」とついに認める』でも紹介しましたが、今年7月に行われた朝日新聞の世論調査では、SNSなどインターネットから情報を得ている層ほど有意に内閣支持率が高く出る、という記事が紹介されていました。
新聞やテレビの偏向報道によって退陣に追い込まれた麻生太郎総理は、常々、「日本の新聞記者は勉強不足だ」とご指摘になっていますが、私もまったく同感です。
ですが、「勉強不足の新聞記者が書いた不見識な記事」を読んで、「それではいっちょ、添削してやろうか」と思わせる効果があるのだとしたら、それはそれでゴミクズ記事にも社会的な存在意義があるといえるのではないでしょうか?
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
民主主義の本家、イギリスでもタブロイド紙はひどいからね。日刊ゲンダイは日本のタブロイド紙と思った方がよいのかも。娯楽に一つと考えれば別に腹もたたないだろう。
< 日刊ゲンダイは、昔のサラリーマンの帰宅時の暇つぶし、子供の漫画誌の付録みたいなもんでしたね。面白いとこだけ読んで、ポイッ(笑)。
< まあ、今デジタル版でもわざわざ検索して読むはずもなし、と思ってコチラに掲載している分だけ、眺めてます。なかなか、かなり酷い内容ですね(笑)。
< 安倍嫌いもここまで来たら、偏執狂。では、ここで勝手に自民党票開票します。
○国会議員票 安倍80% 石破10%
○地方票 安倍70% 石破20%
< まあ、こんなもんでしょう。
石破に票を入れた方は冷や飯(役職、大臣等無し)、あるいは飯抜き(離党勧告)。地方は安倍首相の遊説無し。県連は党費倍額(笑)。こんなペナルティーでどうですか?
政争は関係のない第三者からみたらおもしろいね。「えげつないことしよるな。」なんてのがあるとおもしろそう。しかし、政治家も小粒になったね。昔は冷や飯なんか覚悟のうえでやっていたから。石破、情けない。
20年近く前に日刊ゲンダイを読んでいました。
連日の批判や文句の記事、ダブルスタンダードな記事ばかりで「おっさんの愚痴」を聞いている嫌な気分になりいつしか読むのをやめました。
あれは日々鬱積した怒りのはけ口がないおじさんのガス抜き新聞なんですよ。
報道の質は極めて低質ですが単なるガス抜きと考えれば社会的意義は少しはあります。
でも安倍首相や自民党を批判するのは結構ですが、そもそもそれらを選択した有権者を何故批判しないのでしょうねえ(嘲笑)
コメントさせていただきます。
(ネタ元はどこかの雑誌の記事だったと思いますが)一部のマスコミは、一般の読者向けではなく、確実に買ってくれる
愛読者向けに記事を書いているというものがありました。
確かにビジネスモデルとして考えるのなら、100人中の1人が買ってくれるのと、1人中の1人が買ってくれるのと
では、同じ意味があります。
(マスコミ業界のことはよく分からないので)私の想像になりますが、スマホ普及で(帰宅途中のサラリーマンに読んで
もらうという)タブロイド紙のビジネスモデルが崩れてきた現在、自身の定年までの10年だけ確実に続けば良いとい
う考えなのかもしれません。
また、新しいビジネスモデルを打ち出そうにも、成功する保証がないため、上を(あるいは仲間を)説得できないのかも
しれません。とりあえず、現状では何とかなっている状態では、特にそうです。
兎に角この日刊ゲンダイは、一国の首相をあることないことごっちゃ混ぜにして、エキセントリックに騒ぎ立てている。民主的な選挙で選ばれた一国の総理大臣をこんなに貶めて、何の利益があるのか?混とんとした世界情勢を見れば、しっかりとして考え方を持っている宰相を望むべきで、基地問題にしても防衛上の観点から現実的に判断すべきで、平和ボケをしてるマスコミや一部野党にはこの国の将来や防衛が見えていない。
最近の日刊現代は、国民まで馬鹿にしている
コンビニなどで店頭に並んでいるだけで不快な気持ちにされるので、さっさと消えてほしい
ここって講談社系列なんですよね
仮にもそれなりに有名な出版社の系列の企業がこれって
この前もここに在日系の人が事件起こしましたけど、
在日=反日ではないですけど、講談社にいる人はそっち系なのかと疑ってしまいますね