プーチン大統領の支持率は83%
プーチンが支持率のために戦争を利用しているのなら、極めて危険
西側諸国によるロシアに対する連日の厳しい経済・金融制裁とその後続措置にも関わらず、現在のところ、プーチン大統領に対する支持率は83%に達しているようです。ロシアの世論調査機関「レバダセンター」によると、プーチン大統領への支持率は、クリミア半島などの併合が行われた2014年3月にも上昇したのだそうですが、プーチン大統領が戦争を支持率のために利用しているのだとしたら、これは大変に危険な行為です。
連日出て来るロシアへの経済・金融制裁
ロシアによるウクライナ侵攻の開始から1カ月以上経過しました。
長引く戦闘でウクライナには多くの人的・物的損害が生じていると考えられ、本当に現地の人々の無事を祈らざるを得ません。
ただ、それと同時に今回の戦争では、西側諸国がロシアに対する厳しい経済・金融制裁に踏み切っており、これに加えてクレジットカード各社、あるいはマクド社を含めた西側諸国の多くの企業も、ロシアでの事業の中止または終了を表明しています。
これに加えて金融面ではほぼ毎日のように何らかの動きが報じられている状況であり、日本時間の本日付で、「S&Pが公表する11のインデックスからロシアやベラルーシの債券を除外した」、などとする報道も出てきている状況にあります。
S&P removes Russian and Belarusian bonds from its 11 indices
―――2022/03/31 07:34付 タス通信英語版より
西側諸国はすでにロシアの政府、政府関連企業などに対する新発債の発行を禁止する措置を適用していますが、今回のS&Pの動きは、既発債の流通市場においても、ロシアなどの債券の価値をさらに低下させる可能性があるものと考えて良いでしょう(著者私見)。
現在のところ、支持率は83%に
いずれにせよ、ロシアがハード・カレンシーを奪われ、旅行・交通・輸送手段を奪われ、西側諸国からは製品の輸出規制をかけられ、マクドなどが営業を停止し、砂糖もなくなり、クレジットカードも使えなくなるという状況で、ロシアの国民生活にはさぞや大きな影響が生じているであろうことは、想像に難くありません。
ただ、それでロシア国民がプーチン政権に不満を抱いているのかと問われれば、そこは微妙です。ロシアの世論調査機関である「レバダセンター」の調査によると、プーチン政権の支持率が前月比12ポイント上昇して83%に達したのだそうです。
ОДОБРЕНИЕ ИНСТИТУТОВ, РЕЙТИНГИ ПАРТИЙ И ПОЛИТИКОВ
―――2022/03/30付 レバダセンターHPより
厳密には「支持率」ではなく、「あなたはプーチン大統領の活動を承認するか( “ОДОБРЕНИЕ ДЕЯТЕЛЬНОСТИ ВЛАДИМИРА ПУТИНА” )」という質問項目であるようですが、それにしても非常に高い支持率であることは間違いなく、不支持率も前月比12ポイント減少の15%に留まっています。
ロシアでは報道統制が強いとされる一方、若年層ではインターネットを通じて外国の情報を直接に入手する人もいる、などとする指摘もあるのですが、少なくともこの世論調査結果を見る限りにおいては、ロシア人はむしろプーチン政権を強く支持している、ということです。
プーチンは支持率を利用している?
ただし、その他の質問項目を見ると、ロシア国民の世論は先行きを楽観しているとは限りません。
たとえば、「国が正しい方向に進んでいるか」という質問に対しては、「正しい方向に進んでいる」が69%(前月比+17ポイント)、「間違った方向に進んでいる」が22%(前月比▲16ポイント)でしたが、プーチン大統領に対する支持率ほどには高くありません。
また、「ロシア政府に対する活動を承認するかどうか」に関しては「承認する」が70%(前月比+15ポイント)、「不承認」が27%(前月比▲15ポイント)で、こちらもプーチン大統領に対する支持率と比べてやや低下します。
さらに、ミハイル・ミシュスティン首相に対する支持率は71%(前月比+11ポイント)、不支持率は23%(前月比▲12ポイント)で、首相に対する支持率も高いと言えば高いのですが、プーチン大統領に対する支持率と比べれば見劣りします。
ちなみに、そもそもこのレバダセンターの調査、過去からの結果を眺めていくと、たとえばロシアによるクリミア半島・セバストポリ市の併合がなされた直後の2014年3月以降、支持率が60%から80%台に跳ね上がり、2018年4月頃まで80%前後の状況が継続していました。
このあたり、プーチン政権には「支持率が低下したら戦争で支持率を挽回する」、といった傾向でもあるのかもしれません。
この点、ロシアに限らず、一般に対外戦争はその国の指導者に対する支持率を高める効果をもたらすと想定されるのですが、もしもプーチン大統領が自身への支持率を高めるために戦争を利用しているのだとしたら、これは極めて危険な行為であり、世界の平和と安全に対して脅威をもたらしています。
西側諸国の経済・金融制裁やウクライナへの武器供与は、ロシアの戦争遂行能力を低下させていることは間違いないにせよ、制裁の影響がロシアの実体経済に及んでくれば、国民の不満がプーチン政権に向かい、こうした状況でプーチン大統領がさらに強硬な対応を講じる、といったシナリオも考えられます。
いずれにせよ、状況については引き続き慎重に見守るしかなさそうです。
本文は以上です。
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素朴な疑問ですけど、今はプーチン大統領の支持率が83%かもしれませんが、ロシア軍が負けた場合(あるいは、ロシア軍が勝てなかった場合)、その支持率はどうなるのでしょうか。(もっとも、これはロシア国民に限った話では、ないのかもしれません)
負けの程度と負け方次第でせうか…
グーグル翻訳ですが、
> 調査は回答者の自宅で個人面接の方法で実施されます
と、独裁国家の調査なので、プロパガンダの一環なのかと考えてしまいます。
ソビエトロシアでは回答があなたに調査する!
ロシアでの選挙投票での不正疑惑を見る限りは、この支持も怪しくは思いますね。
私は記事に近い考え方をしています。
軍事も政治の一分野という考え方を措くとして、今回の戦争は安全保障を名目に政情不安の解決が目的にあったのではないかと思います。
判る方にはアムリッツァ会戦に至る経緯といえば通じやすいかもしれません。
ならば経済制裁は戦争目的(ロシア国民の支持)を転倒させる施策と理解できます。
戦争名目の安全保障確立は支持を訴えづらく、得点としての領土を稼がない限りロシアが引けないとすると、領土割譲に否定的なウクライナとの和平は未だ遠く、アムリッツァ会戦後の反乱に同じくロシア国内の政治的挫折を待つしかないのでしょうか。
考証あるSFどころかスペースオペラの筋書きを現実がなぞるのは笑えませんし、私のあてずっぽうが外れることを願っています。
「不支持っと……おっと、誰か来たようだ」
正直に答えて”不慮の事故”に遭ったりしたくないので、もし私がロシア国民であったら承認・支持と回答するかもしれません。
風聞に拠りますと、ロシアでは長年のプーチン一派政権下で有力な(或いは有力に成りそうな)政敵(及び政敵候補)は払底されておるそうで、野党といえば極右が少々だとか
極右野党に極端な発信をさせてプーチン一派が宥める三文芝居で保守与党に票を集めておるとのコトです
そら極端な選択肢は採りにくいですわな
…ガチだったらどっかのくにの状況も各点の座標こそ違えど似た構造とイエナクモナイ??
ロシアの支持率調査が、本当にロシア国民の支持を反映しているのか疑問があります。レバダセンターは独立系世論調査機関となっていますが本当にそうなのか。
筑波大学の中村逸郎教授が数ヶ月前、ウクライナ侵略が始まる前にテレビ出演して話していたのを見ましたが、「ロシアの選挙の投票率は100%を超える。」「ロシアの選挙では、投票後すぐに誰に投票したのかスピーカーから音声が流れる」というような事情のようです。
独裁国家の支持率調査や、選挙結果というのは、ふーんと鼻をほじりながら聞くぐらいでいいんじゃないでしょうか。
やはりロシアと言う国民は専制を求める文化があるように思います。
我々日本国民は言論の自由により専制は忌避する事になるのですが
結論、ロシアをこのまま大きい国(集団)にしておくことは次期が来れば何度でも侵略を繰り返す。これは明白です。
今回の戦後処理をどうするかですがこの点が非常に気になります。
英国 The Sun 紙による Youtube 動画に本日 3/31 こんなもの(約1分50秒)が投稿されました。
https://www.youtube.com/watch?v=kV9DLy2NI_8
『’Russian conscripts’ complain of being ‘thrown into the s**t with 1940s rifles that do not work’』
ロシア兵士たちが人員輸送車で移動中に口々に不平を言うところを携帯電話で録画したもの。公開したのは Telegram とあります。
こんな戦争に何の意味があるのか、支持者たちはどうかしているとしか言いようがありません。
▼ロシア軍兵士かく語る
「We’re members of the armed force from Donbass.
「Ordinaries workers.
「Kids, we’re just kids.
「They took us at 18 years old.
「We found ourselves on Russian territory.
「They f****ed us.
「What we are doing here?
「Many of us died.
「We’re attacking Sumy.
「There’re videos on Youtube where our comrades were taken as prisoners of war.
「At Sumy we were basically surrounded on three sides.
「A lot of us died.
「What we are doing here?
「The Russian Ministry of Defence has not idea about us or what we’re doing here.
「They’re throwing us directly into s***.
「They illegally took us out of Russian territory without weapons, without documents, without f**cking anything.
「We’re just normal people.
「They’re sending us with rifles against GRAD, artillery, mortal shells.
「We’re asking you to spread this.
「Our rifles are from 1940sw. They don’t fu**ing fire!
「We’re ordinary students that they’re sending into war.
「(inaudible) has been in contact, they’ve thrown everything at this.
「They said, ‘die ****!’
「119th Division, 4th Battalion, 1st and 2nd Companies.」
ライフル銃だけ持たせられて前線に放り出されたが、オンボロ銃は弾が出ないと怒ってます。
そう遠くない時期に崩壊必死の
プーチン朝ロシア帝国の状況を観察すると
いわゆる大本営発表的なものは
戦時においてはどこでもあるものなんだなあ
と気付かされます。
権勢誇ったプーチンさんも
後世での歴史の中では
ウサマビンラディンやサダム・フセインや
カダフィ大佐と同一線上の運命なのが
もはや見て取れるのですが
思い上がりのロシア国民は早く気づいて
プーチン排除をしないと、
そのリカバリーはとてもたいへんなのにと
心配して差し上げます。
とはいっても広い世界には
プーチン支持する北の将軍様やならず者国家、
日本では鳩ぽっぽさんとかはいるのですが
そんなならず者とは友愛結ぶ少数の人達は
民主主義に目覚めた世界の人たちを向こうに回しての
山賊追い剥ぎ根性であらがってみても
みっともないだけだと同情してさしあげます。