韓国経済団体「日本は新政権発足機に輸出規制撤回を」

昨日の『輸出管理適正化をいまだに「輸出規制」と勘違い=韓国』でも触れましたが、日本政府が2019年7月に発表した対韓輸出管理適正化措置を巡っては、日韓貿易にほとんど影響を与えていなかったというのが実情でしょう。ただ、そうであるにも関わらず、今度は韓国の経済団体から、「岸田政権の発足を機に、韓日相互輸出規制の撤回が必要だ」などとする見解が出て来たようです。

経済制裁と輸出規制

経済制裁としての輸出規制と輸入規制

政権も変わったことですので、改めて、日本における経済制裁の概要と問題点を指摘しておきたいと思います。

当ウェブサイトでこれまで何度となく取り上げて来た論点のひとつが、「貿易規制」(輸出規制と輸入規制)です。

これは、一般に相手国への経済制裁として発動されるものですが、現実に日本が外国に対して適用している貿易規制の事例としては、経済産業省ウェブサイトの『対北朝鮮制裁関連』に掲載されている、北朝鮮への制裁がわかりやすいでしょう。

経産省によれば、北朝鮮を仕向地とするすべての貨物については輸出が禁止されており、また、北朝鮮を原産地または船積地域とするすべての貨物についても輸入が禁止されています(※ただし人道目的等に該当するものは例外)。

また、この措置に伴い、①仲介貿易取引(北朝鮮と第三国との間の移動を伴う貨物の売買、貸借又は贈与に関する取引)、②輸入承認を受けずに行う原産地または船積地域が北朝鮮である貨物の輸入代金の支払、についても同様に禁止されています。

ずいぶんと、厳しい措置です。

そして、現実に財務省税関などが発表する『普通貿易統計』を確認しても、近年、日本と北朝鮮との輸出入はほとんど行われていないことがわかります。

唯一の例外として、ここ5年に関しては、2019年2月に北朝鮮から「書籍・新聞・雑誌」が239.6万円分輸入されていますが、逆にいえば、普通貿易統計上、輸出入がそれぞれ毎年70~80兆円に達するなか、日本と北朝鮮との貿易高は2019年2月の239.6万円に限られている、というわけです。

根拠規定は外為法に設けられている

この点、日本は法治国家ですので、法律に規定がないことはできませんし、法律に規定があったとしても、その条件を厳格に満たしていないことを実行することはできません。こうした北朝鮮制裁については、ちゃんとした根拠規定が存在しています。

外国為替及び外国貿易法第48条第3項(輸出規制)

経済産業大臣は、前二項に定める場合のほか、特定の種類の若しくは特定の地域を仕向地とする貨物を輸出しようとする者又は特定の取引により貨物を輸出しようとする者に対し、国際収支の均衡の維持のため、外国貿易及び国民経済の健全な発展のため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するために必要な範囲内で、政令で定めるところにより、承認を受ける義務を課することができる。

外国為替及び外国貿易法第52条(輸入規制)

外国貿易及び国民経済の健全な発展を図るため、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、又は第十条第一項の閣議決定を実施するため、貨物を輸入しようとする者は、政令で定めるところにより、輸入の承認を受ける義務を課せられることがある。

こうした経済制裁をホイホイ発動することができれば、ずいぶんと日本の外交力も上昇するはずです。

著者私見ですが、経済制裁というものは軍事力を使わない戦争の一種であり、そして、「日本はいつでも経済制裁を発動することができるぞ」という姿勢を外国に対して示すことができれば、そのこと自体、日本が外国から侵略されにくくなる、というわけです。

外為法の問題点は第10条第1項の使い勝手の悪さ

ただ、こうした経済制裁はいくつか存在しているのですが、それと同時に第48条第3項、第52条の条文を眺めていただくとわかるとおり、非常に残念なことに、かかる経済制裁を発動することができる条件は、とても限られています。

経済制裁を発動するための条件
  • 国際収支の均衡の維持
  • わが国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため
  • 国際平和のための国際的な努力にわが国として寄与するため
  • 外為法第10条第1項の閣議決定を実施するため

このうち「国際収支の均衡の維持」を除外した残り3つが、いわゆる経済制裁の発動条件であり、とくに最後の「外為法第10条第1項の閣議決定」が、わが国が独自の動きとして、外国に対し、経済制裁を発動することができるという条件です。

外為法第10条第1項

我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、閣議において、対応措置(この項の規定による閣議決定に基づき主務大臣により行われる第十六条第一項、第二十一条第一項、第二十三条第四項、第二十四条第一項、第二十五条第六項、第四十八条第三項及び第五十二条の規定による措置をいう。)を講ずべきことを決定することができる。

これについては『経済制裁の発動要件を緩和すべし』を含め、当ウェブサイトでかなり以前から繰り返している論点であるため、ご存知の方も多いでしょう。

使い様によってはパワフルなのに…もったいない!

しかも、この外為法第10条第1項の規定は、使い様によっては、極めてパワフルな制裁の発動が可能です。

そもそも第10条第1項では、わが国が独自に経済制裁を発動するための条件を規定していて、この条文を使って発動することができる具体的な経済制裁としては、次の7つが挙げられています(⑥と⑦が先ほど例に挙げた貿易規制です)。

外為法第10条第1項の閣議決定で可能な経済制裁
  • ①第16条第1項措置…日本から外国への支払の制限
  • ②第21条第1項措置…日本と外国との資本取引の制限
  • ③第23条第4項措置…日本から外国への対外直接投資の制限
  • ④第24条第1項措置…いわゆる「特定資本取引」の制限
  • ⑤第25条第6項措置…役務取引(技術移転など)の制限
  • ⑥第48条第3項措置…輸出規制
  • ⑦第52条措置…輸入規制

(【出所】著者作成)

ただ、第10条第1項の規定を眺めると、これらの措置を発動するためには、「わが国の平和と安全の維持のため特に必要がある」と言えなければならず、使い勝手が良いとはいえません。

したがって、外為法第10条第1項については、現行の条件に加え、たとえば韓国の国際法違反や中国の人権弾圧などに対する制裁の発動を可能とするように、次のように条文を書き換えるべきではないかと思うのです。

外為法第10条第1項改正私案
  • <現行>我が国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときは、
  • <改正案>我が国の平和及び安全の維持のため、国際法秩序の維持のため、我が国の利益を保護するため、その他これらに類する事情として政令で定める事実に基づき、特に必要があるときは、

(【出所】著者作成)

韓国から「輸出規制撤回要求」

輸出規制と輸出管理はまったく別物

ところで、輸出規制に関連し、現実には輸出規制でもないものを「輸出規制だ」と言い張っている国ないしメディアが存在します。

これまでに何度も何度も指摘してきたとおり、日本政府が2019年7月に発表した対韓輸出管理の厳格化措置、韓国側では「日本が韓国の『強制徴用問題』に対する貿易報復」と完全に信じ込まれているのです。

そもそも「強制徴用問題」という用語自体、自称元徴用工問題の誤った呼び方ですが、対韓輸出管理の厳格化ないし適正化措置のことについても、同様に「輸出規制」と呼んでいます(※同様に一部のわが国のメディアも輸出管理適正化措置を輸出「規制」と呼んでいるようです)。

なんとも呆れます。

日本国民の1人としては、「そろそろ韓国に対する経済制裁を発動しても良いのではないか」、などと言いたくなる気持ちもないではありませんが、非常に残念ながら、「韓国の国際法違反」を理由に日本が発動できる対韓経済制裁の種類はかなり限られているのです。

(簡単に発動できる経済制裁っぽい経済制裁といえば、入国制限くらいでしょうか。)

さて、昨日の『輸出管理適正化をいまだに「輸出規制」と勘違い=韓国』でも触れましたが、日本政府による対韓輸出管理適正化措置は、実際の韓国に対する輸出高に、大きな影響を与えていなかったと考えて良いでしょう。

輸出管理適正化措置自体がべつに経済制裁でもなんでもない以上、これは当たり前の話です。

韓国「全経連」の「分析」

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には昨日、こんな記事が掲載されていました。

韓国全経連、日本の輸出規制から2年間の両国競争関係変化を分析

―――2021.10.05 11:47付 中央日報日本語版より

これは、韓国の経済団体である「全国経済人連合会」が5日、日本で岸田文雄内閣が発足したことを契機に、「輸出『規制』」から2年間における該当品目の貿易高などを分析した、とする話題です。

中央日報によると、韓国によるフォトレジスト、エッチングガス、フッ化ポリイミドの3品目の対日輸入総額を、2017年7月から2019年6月の期間と2019年7月から2021年6月の期間で比較すると、0.67%減少した、などと述べています。

正直、誤差の範囲でしょう。

しかも、「両国間で全般的に貿易減少が起きた」、などとして、韓国の日本製品に対する依存度が低下したなどと述べていますが、これについては『輸出管理適正化をいまだに「輸出規制」と勘違い=韓国』でも指摘したとおり、日韓貿易高の減少は日本の輸出管理適正化措置を原因としたものではありません。

日本の主力輸出品目である「一般機械」、「電気機器」などの対韓輸出高自体、2017年1月以降は大変に水膨れしていたという統計的な事実を、どうして無視するのか、理解に苦しむ点です。

そもそも対韓輸出管理適正化措置の原因は韓国が作った

というよりも『対韓輸出管理の厳格化は日本を守るために必要だった?』を含め、これまでに何度となく指摘してきたとおり、日本政府がこの措置を講じた理由は、自称元徴用工判決問題に対する対抗措置ではありません。韓国における輸出管理に不備があったからです。

輸出規制と輸出管理だと、そもそもの根拠条文自体が異なりますし、また、日本は韓国を「(旧)ホワイト国」(現在の用語でいう「グループA」)のリストからは除外しましたが、いまだにグループBという優遇対象国に設定し続けています。

もし本気で、日本が韓国に対して「経済制裁」的な位置付けで輸出管理適正化措置を発動したのであれば、「グループB」ではなく「グループC」などに区分しているべきですし、また、輸出許可対象品目をもっと広く設定したはずです。

結果的に「経済制裁シミュレーション」にもなった?

以上が、当ウェブサイトでも何度となく繰り返してきた、「なぜ日本の対韓輸出管理適正化措置が経済制裁ではないと判断できるのか」という理由の一端です(※もちろん、これら以外にもまだ理由はあります)。

ただ、ここでもうひとつだけ「異見」を提供しておくならば、今回の日本の対韓輸出管理適正化措置については、仮に日本政府が韓国に対し、何らかの対抗措置ないし経済制裁を発動した場合、韓国がいかなる対応をするかという意味での「シミュレーション」だった、という可能性はあるでしょう。

実際、日本政府がこの措置を発表した直後から、韓国側の反応は、ある意味でわかりやすいものでした。

これまでに当ウェブサイトで何度となく申し上げて来ましたが、韓国や北朝鮮は、インチキ外交が大好きです。

【参考】韓国や北朝鮮が大好きな5つのインチキ外交
  • ①ウソツキ外交…あることないこと織り交ぜて相手国を揺さぶる外交
  • ②告げ口外交…国際社会に対してロビー活動を行い、相手国を貶める外交
  • ③瀬戸際外交…協定・条約の破棄などの不法行為をチラつかせる外交
  • ④コウモリ外交…主要国間でどっちつかずの態度を取る外交
  • ⑤食い逃げ外交…先に権利だけ行使して義務を果たさない外交

(【出所】著者作成)

日本の対韓輸出管理適正化措置以降に韓国政府が見せた反応をいくつか事例として列挙すると、見事にこのインチキ外交のパターンに嵌っています。ここでは3つほど事例を挙げておきましょう。

パターン①ウソツキ外交

7月12日に経産省が韓国の求めに応じて「事務的説明会」を開催したが、韓国は一方的に「第1回目の日韓協議」「韓国は日本に立場を伝えた」などウソの内容を発表し、経産省が即否定して韓国に強く抗議した(『信頼に値しない国 やはり「言った言わない」の展開になった』等参照)

パターン②告げ口外交

7月24日にWTO一般理事会で韓国政府が日本の輸出管理に関する運用体制変更の「不当性」を訴えたが、主要国から無視された(『現代版「ハーグ密使事件」?WTO直訴事件の当然の顛末』参照)

パターン③瀬戸際外交

8月23日に日本に対し『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(俗称「日韓GSOMIA」)の終了を通告し、11月22日に事実上の撤回に追い込まれた(『韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが…』等参照)

すなわち、韓国は日本に対し、インチキ外交を駆使し、この輸出管理適正化措置を撤回するように執拗に求めたのです(もちろん、日本として輸出管理適正化措置の撤回に応じることは不可能ですが…)。

この点、日本政府としては、韓国が「輸出管理に関する政策対話」に誠実に応じることが、輸出管理の緩和の条件であるとくどいほど示してきましたし、そうした政策対話に応じず、インチキ外交で「輸出規制の撤回」を目指す韓国の姿勢は、不誠実極まりないものではないでしょうか。

輸出「規制」の今後

困っていないならそのままでも良いのでは?

さて、先ほど紹介した中央日報の記事を読んでいると、「日本の輸出『規制』」を契機に「韓日の全般的な相互不信感拡散」による両国の貿易高減少、フッ化水素の輸入量における日本製品のシェアの低下などが生じた、などと指摘されています。

このあたり、「素材・部品・装備(素部装)の国産化が進んでいる」だの、「素部装の国産化は道半ば」だの、さまざまな報道が韓国側から流れて来ますが、いつも非常に疑問なのは、韓国が日本の輸出「規制」に「困っていない」のならば、なぜ執拗に韓国側が輸出「規制」の解除を求めて来るのか、という点です。

中央日報によると、「全経連」の「国際協力室長」は「2019年7月からの約2年間に史上初の韓日間経済対立は実際の3大輸出規制品目の対日輸入減少はわずかだったが、反日・嫌韓感情など否定的効果などにより両国間の貿易・直接投資・人的交流などを減少させ経済的影響だけ育てた」と述べたのだそうです。

対日輸入減少がわずかだったというのならば、それで良いじゃないか、と思ってしまいますね。

輸出「規制」撤回で日韓関係はよくなるのか?

もっとも、日本で最近、韓国に対する否定的な感情が広まっているという点については、各種世論調査からもうかがえる点ではあります(『アフリカ・中東より低い、中国・ロシアへの「親近感」』、『言論NPO調査から見えるのは「日本の対韓無関心」?』等参照)。

図表 日本の韓国に対する親近感

(【出所】過去の『外交に関する世論調査』を参考に著者作成。なお、内閣府のオリジナルの調査では、2020年の調査については単純比較を行っていない)

しかし、日本の対韓感情の悪化は、「日本の韓国に対する貿易報復」(?)、「韓国の日本に対する再報復」(?)といった応酬でもたらされたものなのかといえば、それは大いに疑問です。

やはりそもそも論として、ありもしない歴史問題をいつまでもしつこく追及し続ける姿勢、国際的な法や約束を守らない無法ぶりなどに対する嫌悪感が、国民レベルに浸透して来たという側面は否定できないのではないでしょうか。

中央日報によると、この「国際協力室長」は、次のようにも要求したそうです。

日本の新政権が発足しただけに実効性を喪失した韓日相互輸出規制は外交問題と分離して両国の通商当局間の公式交渉を通じ早急に終えなければならない」。

意味がわかりません。

日本は対韓輸出管理適正化措置について、最初から外交問題とは無関係だと一貫して言い続けていますし、外交問題・防衛問題と勝手に絡めてきたのは韓国の側でしょう。

それとも、「経済制裁としての実効性がない」とおっしゃるのであれば、べつに韓国の側に不都合は生じていないじゃないか、という気もしますね。

いずれにせよ、日本が対韓輸出管理適正化措置を撤回したら、日韓関係が改善する、といった単純なものではないことだけは間違いないでしょう。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. イーシャ より:

    韓国が毎週のように、何度も何度もフッ化水素などの国産化に成功したと発表を繰り返したのも、面白いウソツキ外交でしたね。

    > 対日輸入減少がわずかだったというのならば、それで良いじゃないか、と思ってしまいますね。
    いえ、それではいけません。
    「選択的」不買などという恥ずかしいことを、韓国がしていることになるからです。
    「もう日本には負けない」と文大統領が大見得を切ったのだから、韓国は No JAPAN を徹底させなければなりません。

    さて、私からの提案です。
    「日本は新政権発足機に韓国への優遇撤廃を」

    韓国経済団体の要求と、上の提案と、どちらが支持されるか、衆議院選挙と同時に国民投票にかけて欲しい気がします。

    1. 都内都民 より:

      >何度も何度もフッ化水素などの国産化に成功したと発表を繰り返したのも、面白いウソツキ外交でしたね。
      最近、続報がなくさびしいです。
      マーク・トウェインが「禁煙なんか簡単だ。私はもう1000回も止めた」と言っていたそうですが、10000000回くらい成功したと報道するころには(もしかしたらひょっとしたら)成功するかもしれないので、めげずに報道してほしいです(棒

      1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

        金ぴか時代という小説を書いた作家だっけ?

    2. だんな より:

      イーシャさま
      取り敢えずは「在日朝鮮人の優遇撤廃」から。

      1. イーシャ より:

        だんな 様
        それが最優先ですね。

  2. 匿名 より:

    フッ化水素の輸入量が減ったのは韓国のフッ化水素使用量が減ったからなのに。

  3. 門外漢 より:

    なぜ政権が変わったら政策が転換すると思うんでしょう?
    立民・共産連合政権にでもなったのなら自公政権の政策は大転換でしょうけど、同じ自公政権が続いてるんですから、精々レジ袋を無償化するくらいしか変わらんでしょう。
    自分達の政権交代なら前政権の全否定だからと言って、民主主義国の政治も同じだとは思わない方が良いでしょうね。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      韓国でも、同じ政党が続けて大統領になれば
      前の大統領とそう変わらない政策だったりするからね

  4. だんな より:

    >「日本の新政権が発足しただけに実効性を喪失した韓日相互輸出規制は外交問題と分離して両国の通商当局間の公式交渉を通じ早急に終えなければならない」

    日本側から、日本をホワイト国に戻せという話は
    出て来ませんので、皆さん忘れているかも知れませんが、日本も韓国からホワイト国から格下げされています。
    また、韓国が逆ギレした後のWTO提訴の手続きは、進んでいないと思われます。

    >韓国が日本の輸出「規制」に「困っていない」のならば、なぜ執拗に韓国側が輸出「規制」の解除を求めて来るのか

    貿易統計上、実効性が無い輸出管理強化について、「ホワイト国に戻すニダ」の主張が続く事には、韓国の対面を保つ為、軍事転用可能な物の横流しをする為など仮説が有ります。
    東京オリンピック時の文大統領来日交渉の際にも、韓国の最優先事項は、「ホワイト国に戻すニダ」でしたので、その拘りに理由があるのは間違い無いと思います。

    ここから妄想です(何度か書いてますが)。
    既に韓国は、中朝工作機関に乗っ取られた傀儡政権で有り、中朝が規制により入手出来ない、入手出来なくなる物品の窓口としての機能を要求されている。
    現状では米中問題が紛争化した際に、韓国は自由民主主義側の制裁を受けにくい環境です。
    中朝はそれを利用し、中朝の主張の拡散や自由民主主義側の情報収集をする「トロイの木馬」が、韓国だという妄想です。

    信じるニカ、信じないニカ?

  5. taku より:

    一つの行為に複数の目的はよくあるので、いわゆる”輸出規制”の性格も多様な解釈がありえます。ただ私は、これは徴用工判決に対して何ら対応をとろうとしない韓国政府への、報復ないしはエスカレート防止が主目的であり、WTO等で問題にならないよう形式を整えたものだと考えております。結果として、韓国政府は立ち止まりましたし、日本から韓国への3大輸出規制品目の輸出減少はわずかだったということで実害も少なかった(第三国を経由しての迂回コストは韓国企業が負担していると思われる)、という意味で大成功だったと考えています。従って、徴用工問題に対して問題を起こした韓国側から納得できる解決案が提示されない限り、本件の解除もありえません。そして本格的な日韓関係の回復には、常識的な2ケ国関係(原則平等だが、国力に応じ、弱い方が少し譲る)に、韓国民が納得することが必要です。それにはまだまだ時間がかかります。長い目で見ていきましょう。

  6. りょうちん より:

    中国が、オーストラリアのなにかの些末な行為に対して、石炭の輸入禁止という対抗策を採ったら、火力発電所が困窮して電力不足になって、大打撃を受けているそうでwww。

    しかし、その勢いだけはスゴイですね。

  7. 愛知県東部在住 より:

    本日の論考を読み、かつてアメリカには「スーパー301条」なる強烈な通商法があったことを思い出しました。2015年に全面改正されたそうですが、極めて印象的な条項だったと記憶しています。誠にむくつけき理不尽な対日経済制裁であったと考えています。

    これは貿易相手国の「不正」に対して協議に於ける問題解決がなされない場合に発動される輸入規制であり、事実上の対日輸入制限でした。あの頃の日本の対米輸出にどのような「不正」があったのか、現在のアメリカ人に問い質したい気持ちでいっぱいです。1980年代には自動車でやられ、90年代には半導体でやられました。かつてのABCD包囲網なんてことも連想されたやり口でした。

    この間隙をついて、韓国は現代自動車やサムスン電子が世界シェアを伸ばしてきたと認識しております。

    思うにアメリカはある意味、20世紀から現在にいたるまで対アジア戦略をことごとく誤ってきたと思うのです。対中国はもちろんのこと、対ベトナム及び対朝鮮半島戦略も見事なまでに失敗しまくっていますね。

    そろそろ日本も覚醒した方がいい頃合いだとは思います。あの頃のアメリカほど露骨なやり方ではなく、よりソフィスティケートした方法での輸出管理の厳格化であれば、少なくとも米英を始めとする(特定の国は除いて)西側諸国からは、大きな反論は出ないと思われるのですが。

  8. 匿名 より:

    ふと思いついたのですが、南の輸出規制を撤廃したなら次は北の規制を撤廃だ!
    という流れを期待しているんじゃないでしょうか
    だから輸出規制と言っていたほうが都合が良い

  9. より:

    この問題に限って言えば、韓国の本音は「グループAに戻してほしい」ということだと思います。しかしながら、「お願いですから、どうかグループAに戻してください」などと日本に対して懇願してみせるのは、対国内向けという意味ではほぼ不可能です。「日本に対して頭を下げて懇願するとは何事だ!」とばかりに、猛烈な非難を浴びるのは確実ですから。
    そのため彼らは「不当な輸出『規制』を撤廃せよ」と叫ぶしかないのです。これならば、これまでの韓国の輸出管理の問題点などに触れることもなく、すべて日本側が悪いということにできますから。つまり、それほど「輸出管理の適正化」とか「厳格化」というのは、彼らにとって都合が悪いのです。ゆえに、今後とも彼らは「規制」と言い続けるでしょう。

    韓国がグループAへの復帰をそれほど熱望するのは、単に体面の問題だけなのか、それとも第3国との間で交わした密約に支障があるせいなのかはわかりません。どちらであったとしても、日本としては「そんなん知るか!」という話なので、今後ともスルーするか、あるいは「そもそも我が国は『規制』などしていませんので、存在しない『規制」を撤廃することは不可能です」とだけ返答するようにするか、いずれかの対応で十分です。

  10. M1A2 より:

     日本からの輸入が大して減っていないのなら、それは日本が韓国に対して輸出規制をしていないという証拠になると思うのですが、その事に気づく韓国人はいないのでしょうか?
    日本政府は最初から輸出規制ではないと言っていたのに、「輸出規制なんてけしからん!日本製品の不買運動で報復ニダー!!」と騒ぎ立ててしまった手前、振り上げた拳を振り下ろす先が無くてどうしていいか困ってたりするのかな?知らんけど。

  11. カズ より:

    防疫上の観点からではなく、報復措置として施された対日入国制限。
    安全保障上の問題ではなく、報復的に施された対日オフホワイト措置。

    相互主義を大義名分にせず、報復的に発動しちゃったもんだから、日本が措置を撤回するまでは、手の降ろしどころが見つからないんですよね。(セルフ制裁ですね)

  12. クロワッサン より:

    >「日本の新政権が発足しただけに実効性を喪失した韓日相互輸出規制は外交問題と分離して両国の通商当局間の公式交渉を通じ早急に終えなければならない」。

    外交問題にしろ貿易問題にしろ、先進国を自称する韓国が先進国に相応しい遵法姿勢を取らないから問題なのであって、結局『ボールは韓国側にある』なんですよね。

    貿易問題は韓国が輸出管理をまともに出来ていないからだし、外交問題は韓国が約束を守らないからだし。

    そして、戦後は国際秩序を保つ方法として『国家間の争いはICJに委ねて判決に従う』という戦争回避策が採用されているのに、韓国は日本からのICJでの解決を拒否し続けているし。

    先進国を自称してて外観は立派だけど中身はすっからかんなところ、ある意味韓国らしいなって受け止めています。

  13. sey g より:

    韓国の管理が信用できないとか、今までの行いを振り返れなど事実を言っても、韓国人が納得し黙ることはないでしょう。
    なぜ、韓国人が騒ぐのか?

    今までは、日本から安値で手に入れたフッ化水素を高値で横流ししてたのが出来なくなったからです。
    半導体製造に必要な分量が手に入ってもそれは当たり前。
    今まで手に入った濡れ手に粟のあぶく銭が手に入らないから騒いでるのです。
    韓国政府にしても、外貨獲得の主力が無くなったなら困るでしょう。
    韓国人が騒ぐのは、全てに金が絡んでいます。
    正義なにそれ、おいしいの?

    慰安婦も、徴用工も、輸出管理も全て 金です。

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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
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