経済原理に反するオールドメディアの真っ暗な未来

数日前の『麻生太郎総理、「憲法改正なら4選覚悟せよ」』『麻生総理が「対韓金融制裁」に言及したことの意味』で、文藝春秋デジタルの記事を引用・紹介しました。こうしたなか、ふと感じたのですが、日本という国でこれまで、非常に限られた数のオールドメディアが情報発信を独占してきたことは、経済学の鉄則に照らせばいかにも不自然であり、異常な事態だったと言わざるを得ません。また、「公共放送」を騙る組織にも問題は山積しています。こうしたなか、インターネットの発達にともない、オールドメディアのなかにもウェブサイトを開設せざるを得ない社が増えていますが、そうなると、インターネットという共通のプラットフォームで彼らが戦って行けるのかについては見物のひとつだと思います。

ホテルに見る、自由主義経済

自由主義経済のルールは、きわめて簡単です。

消費者は、数ある商品のなかから、もっとも値段と品質のバランスが取れた商品を選択する。

これだけです。

たとえば、旅先でホテルを選ぶときのことを考えましょう。

北朝鮮などのような特殊な事例を除けば、たいていの場合、どんな国、どんな街に行っても、ホテルは必ずあります。そして、世界的な観光地であれば、それこそホテルは千差万別であり、超高級ホテルからドミトリーの安宿に至るまで、さまざまな種類の宿が提供されています。

もちろん、無限におカネを持っているなら、何も考えずに最高ランクの超高級ホテルに泊まれば良いと思います(そういえば、2018年6月には、人民が飢えているのにシンガポールの超高級ホテルに宿泊した独裁者がいました)。

しかし、多くの場合、私たち一般人は「無限の大金持ち」ではありませんから、たまに旅行に出かけるとしても、自分が希望する条件(街の中心部に近い、部屋がキレイ、眺めが良い、朝食が付いているなど)と値段との兼ね合いでホテルを決めるしかありません。

具体的には、

  • ①自分の希望する条件に合うホテルのなかから、一番安いものを選ぶ。
  • ②予算の範囲内で、一番自分の希望する条件に合っているホテルを選ぶ。

といった行動が考えられます。

たとえば、ビジネス上の出張であれば、多少殺風景な部屋であっても、場所が便利で美味しい朝食が付いていれば満足、という人もいるでしょう。また、レンタカーを借りて家族旅行をするなら、多少不便な場所であっても、のんびり、ゆったりできる宿を選ぶと良いかもしれません。

いずれにせよ、ホテルひとつとってみても、消費者は需要と予算に応じてさまざまな選択肢の中から最適なものを選ぶことができるのです。

奇妙なJ国のホテル事情

ホテル経営者も大変だ!

ただし、私たち消費者にとって選択肢がたくさんあるというのは良いことですが、これをホテルの側から見たら、大変です。

たとえば、あなたはとある観光地で、ホテルを経営しているとしましょう。

ホテルの側はサービスの水準と料金を自由に設定することができますが、それと同時に先ほど、「消費者は自分の希望する条件に合うホテルから一番安いものを選ぶはずだ」、「消費者は予算の範囲内で、一番自分の希望する条件に合うホテルを選ぶはずだ」、と想定しました。

ということは、ホテル経営者が自分のホテルの宿泊料金を決めるときには、通常は自分のホテルの年数、立地、サービス、さらには近隣競合ホテルの宿泊料金なども参考にしつつ、季節変動なども加味して、「利益水準を確保しつつもお客さんがたくさん入る」ような値段を探るはずです。

とくに厳しい経済競争を勝ち抜き、ホテルの稼働率を高めるためには、値段を下げるか、クオリティを上げるか、そのどちらか(あるいはその両方)を選択しなければならない、ということでもあります。

ホテルの稼働率を高めるためには:
  • 値段を下げる
  • クオリティを上げる

サービスの水準も低いのに、やたらと高い値段を設定すれば、だれもお客さんが泊ってくれなくて潰れてしまうかもしれません。また、サービスの水準が高過ぎるのに値段が低ければ、採算が取れなくなり、やっぱり潰れてしまうかもしれません。

結局、ホテルの世界では、常に最適なサービス水準と値段を設定し続けなければならないのです。

大手ホテルが国に5件しかなかったら…?

さて、ここで少し、知的なゲームをしてみましょう。

もし、人口1億人を超えるJ国に、大手ホテルチェーンが5社しかなかったとします。そして、そのJ国には47の都道府県があり、各都道府県に5社が1軒ずつホテルを出店していて、その都道府県の地元資本が経営するホテルが1~2軒あるだけだったとします。

たとえば、関西の港町で政令指定都市でもある神戸の場合でも、アサヒホテル、ヨミウリホテル、ニッケイホテル、サンケイホテル、マイニチホテルという5つの全国チェーンのホテルと、地元資本の神戸ホテル、合計6つしかない、という状態です。

しかし、神戸のような街だと、ビジネス客、観光客を問わず、「ホテルに泊まりたい」という需要が常に存在しているでしょう。

このような状態だと、ホテル経営者はどういう発想になるでしょうか。

間違いなく、サービスの水準は低下しますし、さらに、「きめの細かいサービス」が、その街から姿を消します。なぜなら、「ホテルに泊まりたい」という需要が存在しているのに、肝心のホテルが6社や7社に限られているのであれば、ホテルにとってはきめ細かいサービスを設定する必要がなくなるからです。

極端な話、J国では、ホテルが全国まったく同じ値段で、まったく同じ間取りの部屋に、まったく同じプランで泊らされる、というケースも発生するかもしれません。ビジネス客であろうがレジャー客であろうが、単独客であろうが家族客であろうが、まったく同じ料金でまったく同じタイプの部屋に泊まらされるのです。

公共ホテルの存在

もちろん、「ホテルの全国チェーンが日本に5社しかない」だの、「その都道府県の地元資本ホテルが1社、2社くらいしかない」だのといった想定は、非現実的で、荒唐無稽です。日本は共産主義国ではないのですから、ホテルの開廃業も自由です(※開業できるエリアなどの規制はありますが…)。

ただ、せっかく非現実的な想定を置いたのであれば、ついでにもうひとつ、荒唐無稽な想定を置いてみましょう。

このJ国にはもうひとつ、「公共ホテル」なるものがある、というのです。

この「公共ホテル」とは、「営利を目的とせず、公共の福祉を追求するための施設」だそうで、J国の国民は、この「公共ホテル」に宿泊しないときであっても、常に宿泊料を払わなければならない仕組みになっているものとします。

この「公共ホテル」が宿泊料を国民から広く徴収する理由は、「公共ホテル」が政府から独立し、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的として設立された公共の経営主体だから、だそうです(※自分で書いていても意味が分かりませんが、これについては後述します)。

日本マスコミ村の異常さ

「供給する業者が限られている」とは、どれだけ異常なのか

いかがでしょうか。

ホテルに泊まりたいと思う人はたくさんいるはずなのですが、J国だとホテルの経営者の数が6~7社に限られていて、しかもホテルの値段は高く、サービスも画一的だとすれば、正直、その国のホテル文化は非常に貧しいものといわざるを得ません。

また、宿泊してもいないときであっても、国民が常に宿泊費を負担しなければならない「公共ホテル」という存在は、正直、まったくもって意味不明です。読者の皆さまのなかにも、「コイツは何を言っているんだ!?」と疑問に感じながら、ここまで読み進めた、という方が多いのではないでしょうか。

ただ、勘の良い方ならお気付きと思いますが、この「ホテル経営が少数業者に独占されているJ国」とは、わが国のオールドメディアの状況を指しています。

オールドメディアとは、新聞、テレビ、雑誌などのレガシーメディアのことです。

このうち、雑誌は比較的新規参入が容易であり、また、創刊・休刊・廃刊なども一般的に見られるのですが、新聞、テレビの場合は、新規参入が非常に困難であるとともに、滅多なことでは新規参入・廃業が行われない、という特徴があります。

ためしに、おもな全国紙(読売、朝日、産経、毎日、日経)と、民放の在京キー局、在阪・在名の準キー局、NHK、通信社などを列挙しておきましょう(図表

図表 「日本マスコミ村」の8つの企業集団による情報独占
グループテレビ局新聞・通信社
読売グループ日本テレビ(東)、よみうりテレビ(阪)、中京テレビ(名)読売新聞社
朝日グループテレビ朝日(東)、朝日放送(阪)、名古屋テレビ(名)朝日新聞社
フジサンケイグループフジテレビ(東)、関西テレビ(阪)、東海テレビ(名)産経新聞社
毎日グループTBS(東)、毎日放送(阪)、CBC(名)毎日新聞社
日経グループテレビ東京(東)、テレビ大阪(阪)、テレビ愛知(名)日本経済新聞社
NHKグループNHK
共同通信社(※全国の地方紙などに記事を配信)
時事通信社

(【出所】著者作成。なお、グループ名は便宜上、著者が名づけたもの)

いかがでしょうか。

日本の場合、民間の新聞社とテレビ局は、基本的に5つ資本系列に所属していて、これに「公共放送」という正体不明のNHKが加わります。

また、実際には新聞社の場合、各都道府県に地元メディアが存在していますが、これらの地元メディアも結局は共同通信と時事通信から記事の配信を受けていますので、結局のところ、日本では事実上、8つのグループがオールドメディアを支配しているのです。

すべてを知ることは必要なのか?

ただ、先ほども指摘しましたが、ホテルのケースだと、ビジネス客の出張需要と、家族客のレジャー需要では、求められる部屋のタイプ、サービスの内容はまったく違いますし、値段も地域やシーズンによって変動するのが普通です。

しかし、オールドメディアのうち、とくに新聞の場合は、全国一律で購読料が決められており(※夕刊がない地域の場合は少しだけ安くなるようです)、また、究極的には全国紙と全国ネット局がたった5つしか存在していないため、どの局、どの紙も似たり寄ったりの構成になってしまうのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、当たり前の話ですが、わが国は民主主義社会です。そして、民主主義社会においては、政治家・最高権力者は、私たち国民による選挙を通じて選ばれます。ということは、私たち国民は、どの政治家がどんな思想を持ち、どんな行動をしてきたのかについて、できるだけ正確に知らねばなりません。

そこで、「こんな政治家がこんな行動を取った」という事実を、私たち国民のあいだに知らしめるという機能が社会的に必要になって来ますし、私たち国民の側も「知りたい」という欲求を持っています。

しかし、現実にわが国においては、「知りたい」という「需要」はたくさんあるのですが、「知らしめる」という「供給」の役割が、大手新聞・キー局系列5社、「公共放送」であるNHK1社、通信社2社の、都合8社体制によって、長年、独占されてきたのです。

これが日本の「オールドメディア体制」でしょう。そして、社数が圧倒的に少ないがために、「架空のJ国のホテル事情」のような異常事態が、日本の言論界で常態化してきたのが実情だといえます。

ちなみにホテル・旅館の世界だと、高級ホテルから大衆ホテル、大規模なホテルから小規模なホテルに至るまで、さまざまな種類のホテルがさまざまな立地で営業しているのが普通であり、私たち消費者としては、これらのホテルのなかから最も値段とサービスの内容が合致しているものを選びます。

しかし、テレビの場合だと、どのチャンネルを回しても同じような時間帯には同じような番組ばかり、新聞の場合だと、だいたいどんな新聞を見ても、紙面の構成は似たり寄ったり、です。

(※ただし、新聞の場合、読売や産経のように比較的保守派が好む新聞もあれば、「ATM」と呼ばれる老い先短い新聞もあるなど、論調には若干のバリエーションが見られるようですが…。)

「公共放送」、意味がわかりません

さて、先ほどの「J国のホテル事情」という説明に、「公共ホテル」という考え方を、無理やりねじ込みました。

  • 「公共ホテル」とは、営利を目的とせず、公共の福祉を追求するための施設である
  • 「公共ホテル」として国家から独立するために、J国の国民は、宿泊していようがいまいが、常に宿泊料を払わなければならない

この「公共ホテル」、説明が正直支離滅裂であり、書いている自分自身でも「意味がわからない」と思いましたが、この支離滅裂な文章を作るに当たっては、ちゃんと「元ネタ」が存在しています。それは、NHKの「よくある質問集」のページに設けられている、『公共放送とは何か』というQ&Aです。

公共放送とは何か

電波は国民の共有財産であるということからすると、広い意味では民放も公共性があるということになりますが、一般的には営利を目的として行う放送を民間放送、国家の強い管理下で行う放送を国営放送ということができます。これらに対して、公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送といえるでしょう。

NHKは、政府から独立して受信料によって運営され、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立された公共放送事業体であり、今後とも公共放送としての責任と自覚を持って、その役割を果たしていきます。

―――NHKウェブサイト『公共放送とは何か』より

…。

要するに、「公共性がある」から「政府から独立しなければならない」ということなのですが、この説明のどこがおかしいか、おわかりでしょうか。

まず、日本は民主主義国であり、政府の最高責任者である内閣総理大臣は国会議員のなかから選ばれる、という視点が、完全に欠落しています。「政府から独立」していれば、その時点で、「国民から独立」していることになりかねないからです。

もちろん、裁判所のように、「政府から独立」している組織があっても構いませんが、その場合であっても、その組織におけるカネの使い方、番組制作などを巡って、国民による監視が行き届く仕組みが必要です(たとえば最高裁の裁判官は国民審査を受けることが義務付けられています)。

果たしてNHKは、国民からの審査を受けているのでしょうか?

そして、「公共の福祉と文化の向上に寄与する」ことを目的とした組織が存在しても構いませんが、現在のNHKが「公共の福祉と文化の向上」に「寄与している」といえるのでしょうか?

正直、NHKが制作する番組には中立性に疑義が生じるものも多く、また、決して品質が高いとはいえない番組もあるなど、「NHKが公共の福祉と文化の向上に寄与している」と思わない人は、非常に多いのではないかと思います。

時代は変わる!

必要な情報だけを購入する時代へ

さて、唐突に、こんな話題を長々と記載したのには、理由があります。

先日の『麻生総理が「対韓金融制裁」に言及したことの意味』を執筆するために、『文藝春秋デジタル』の配信記事を参照した際、興味深いことに気付いたからです。

麻生総理が「対韓金融制裁」に言及したことの意味

該当するのは『麻生太郎副総理が激白 「安倍総理よ、改憲へ四選の覚悟を」』と称する記事なのですが、残念ながら途中までしか読むことができません。続きを読むためには『文藝春秋デジタル』を購入する必要があるのです。

ただし、紙媒体としての『文藝春秋2019年1月号』は980円で手に入りますが、『文藝春秋デジタル』の値段は月額900円だそうであり、電子媒体の方がちょっとだけ安いようです(※ただし、詳しい購読条件については、直接、『文藝春秋デジタル』でお調べください)。

これは、なかなか興味深いことです。

既存メディア(とくに新聞社)のなかには、デジタル版を創設する社も増えて来ましたが(たとえば『朝日新聞デジタル』や『読売新聞オンライン』など)、いずれも購読料は非常に高く、紙媒体の新聞を読んでいるのとさして変わらない料金が掛かるケースもあります。

しかし、ウェブ配信というプラットフォームに乗った以上は、私たち消費者としては、朝日新聞や読売新聞、日経新聞などに高いカネを払って記事を読むか、それとも現在のところは無料で読める『新宿会計士の政治経済評論』の記事を読むか、自由に選択することができるようになった、ということです。

実際、『教育新聞』というウェブサイトに掲載された次の記事によれば、学習塾の栄光が小中学生の保護者を対象に実施した調査で、5割の家庭が新聞を購読していなかった、という結果も出ているそうです。

5割の家庭が新聞未購読 子供の情報収集を調査

もはや、新聞社の苦境は明白でしょう。

消費者に、もっと「取捨選択の自由」を!

誤解して欲しくないのは、当ウェブサイトとしては、「新聞、テレビの社会的役割は終わった」、と、頭から決めつけるつもりはない、ということです。

新聞社、テレビ局を中心とするオールドメディアの経営が軒並み苦境にある(※NHKを除く)というのは事実ですが、これについては新聞、テレビという媒体そのものがローテクであるという問題と、それらの媒体を使ってオールドメディアを経営している社の体質が腐敗しているという問題は、分けなければなりません。

新聞、テレビはたしかに「ローテク」ですが、音楽・動画のネット配信全盛の世の中に、蓄音機で音楽を聴きたいと思う人がいるのと同じで、新聞やテレビが世の中からなくなってしまうということはあり得ません。

しかし、たった8社グループで情報発信を独占してきた時代の発想をそのまま引きずり、世の中のニーズから乖離してしまった古臭い経営者が率いるメディアについては、結局、容赦ない自然淘汰の時代に、消えていくしかありません。

だからこそ、『不動産の稼ぎで「科学否定の硬派な新聞」発行しては?』や『朝日新聞社の新聞事業は想定以上に深刻だった』で報告したとおり、あそこまで財務体質が良好な朝日新聞社ですら、最近は人件費抑制、早期退職募集などに追い込まれているのではないでしょうか。

朝日新聞社の新聞事業は想定以上に深刻だった

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

さて、文藝春秋デジタルの記事、月額900円というのは正直「高い」と感じてしまう人もいると思いますが、それでも、かさばる紙媒体を毎月980円払って手に入れるよりも、電子版で読み放題なのだとしたら、考え様によってはお得です(※くどいようですが、詳しい購読条件を調べていません)。

現在のところ、まだまだ「カネを払ってまでウェブの記事を読みたい」と思う人は多数派であるとは思えませんが、それでももう少し料金が下がってくれば、「読みたい記事だけを、たとえば1記事10円で読む」、といったことができる時代が到来するかもしれませんね。

そうなれば、まさに腐敗したホテル建屋がある日突然倒壊するかのごとく、日本のそこここでオールドメディアが音を立てて崩れ始める姿を見ることもできるのではないでしょうか。

もっとも、NHKの場合は法律を傘に着て、「公共放送」を騙りながら、私たち消費者から選ばれていないにもかかわらず、巨額の受信料を事実上、テレビを設置した家庭からなかば強制的に巻き上げていることは、まっさきに改めなければならない問題である、という点については、改めて強調しておきます。

オマケ:英国で受信料廃止も?

さて、本稿は以上で締めるつもりだったのですが、もうひとつだけ、「オマケ」として、次の話題を紹介しておきます。

BBCの受信料廃止も ジョンソン英首相が検討表明(2019年12月11日06時24分付 時事通信より)

時事通信によると、ボリス・ジョンソン英首相は総選挙の直前に、英国版の「公共放送」であるBBCの「受信料制度の廃止」を検討すると表明したそうです。時事通信はこれについて、

視聴する分だけお金を払う有料放送型の課金制への移行が軸となる

などと述べています。

英国の事情を肌感覚として知っているわけではないため、迂闊なことを申し上げるべきではありませんが、やはり英国でも「公共放送」「受信料制度」などに不満を抱く国民はいるのでしょうか。

当ウェブサイトとしては、「公共放送の役割」自体を否定するつもりはありませんが、それと同時に、「現在のNHKには、公共放送の役割を担う資格はない」、「NHKは廃局、民営化、スクランブル放送化のどれかを選択しなければならない」と考えています。

 

英国における議論については、続報が出てくるようであれば、どこかで取り上げてみたいと考えている次第です。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. 匿名ちゃん より:

    それが民主主義なんでしょ。

    人には生まれ持った能力差がある。
    それを全て無視して多数決にすると、
    「どうやって無能者を扇動するか?」が問題の本質になってしまう。

    それが民主主義なんでしょ。

  2. クロワッサン より:

    NHKの強みは、受信設備があれば強制徴収ってとこですよね。
    民放の魅力ある番組にタダ乗りしている、とも言える訳で。

    電気水道ガスは利用した場合に徴収だし、「最低限の文化的生活を得る権利はヤクザであろうと有する」が故に刺青を入れた者を入湯拒否出来ない公衆銭湯も利用した場合にお金を取られる訳だし、NHKも視聴する場合のみ課金して、選挙や災害時の放送と民放と変わらぬ通常の放送を分ける時代に来ていると思います。

  3. 愚塵 より:

    https://shinjukuacc.com/20191213-01/#i-11
    「5割の過程」は「5割の家庭」ではありませんか?

    1. 新宿会計士 より:

      愚塵 様

      ご指摘大変ありがとうございました。さっそく修正いたします。
      引き続き何卒よろしくお願い申し上げます。

  4. 愛読者 より:

    スマホとかPCでニュースを読んでいる人達には常識だと思いますが,特定の1社にだけお金を払って有料記事を読むより,あちこちのメディアの無料部分だけ読んで比較するほうが,正確で有用な情報が得られます。どうしても有料部分が気になったときは,少し時間をかけて検索すると,多くの場合は知りたい情報が得られます。
    海外ニュースの場合は,日本のメディアより海外メディアのほうが詳しい情報を流していることが多いですね。検索するとほとんど全部の国内メディアが同じ配信会社から記事を買っていて,中身が全部同じ場合が多く,唖然とします。
    ここ1週間くらいの北朝鮮情勢は,日本より韓国とかアメリカのメディアの記事のほうがずっと参考になって,韓国の新聞は偏向はすごいし誤報もあるけど,記者の取材根性(能力)は日本人より上か,と思ったりします。各新聞の特性を知って,補正して読めば,結構意義のある情報が得られます。

  5. めがねのおやじ より:

    更新ありがとうございます。

    まずは最初のホテルの件、地元の神戸市では今年すでに5〜6店、来年〜再来年にはそれぞれ10店舗以上、新規オープンの予定です。大阪市ほどではないですが、質、バリュエーション、規模とも2〜3年前からは信じられないほどの増えようです。

    それは2025万博と神戸空港の発着拡大による規制緩和のおかげですが、公共の宿泊とは国民宿舎、かんぽの宿あたりでしょうか?話を元に戻します。

    お客様(国民)がテレビ、新聞とかの選択が僅か8社程度で、それも「何でも国のやる事ハンターイ」社が、産経、読売(いずれも新聞のみね)だけとは、自由主義国家とは言えません。

    たった8社で情報発信を独占し、偏向ニュースを垂れ流して来た発想をそのまま引きずり、世の中のニーズから乖離してしまったメディアについては、消えていくしかありません。

    何で新聞を取るのか?と聞いたら、よく地元のお悔やみ情報が知りたいといわれます。しかし、今後ますます高齢化社会、当然亡くなる方は増えるでしょう。また会葬もいまや短縮化簡素化されてます。故人が望まないからです。

    じゃああと新聞取る理由は?ラテ面が欲しい?そんなのテレビの番組表に載ってます。「なんとなく」ならなんとなくやめても分からんでしょう(笑)。

    テレビも同じような時間帯には同じような番組ばかり、新聞の場合だと、だいたいどんな新聞を同じ見出し。消費者は必要な情報だけ、ジャストタイムで得られればいいのです。

  6. ピークを過ぎたソフトエンジニア より:

    テレビの普及期にはNHKのように安定した財務で利益にとらわれないコンテンツを放送する局が必要だったことは理解します。BSもぎりぎりその理屈(=普及のため)で認められなくはないです。
    しかし、ネット同時配信はネットの普及に貢献するわけでもないので、単なるコンテンツビジネスです。見たい人に対価を支払ってもらえばいいだけで、それ以上の大義名分はありません。

    既にテレビは普及促進どころか「受信設備」という固定概念は衰退期に入っているので、コンテンツそのもの以外のNHKの必要性は限りなく小さい。
    そもそも、受信料のような極めて質の悪い既得権益を無期限で与えるべきではなかった。将来民営化することを前提にするべきだった、と思います。
    尚、スクランブル化も民営化と同質の議論だと考えています。

    そして、前にコメントにあった、客観的事実のみを淡々と伝える目的の国営放送を創設してはどうかと提案します。それを国の監査機関と、寡占メディアに民営化したNHKを加えて、頑張って監視すれば、それなりに客観性は担保できるでしょう。

    1. ピークを過ぎたソフトエンジニア より:

      一応補足しますが、ここでいう民営化は受信料抜きの経営という意味です。

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