ルーブル価値は千分の1…対日関係改善逸した露の末路
8月15日は終戦記念日です。「ロシアの通貨・ルーブルが30年で千分の1になった」というのは、そんな終戦の日に、ある意味では相応しい話題といえるかもしれません。中国も韓国も日本との関係改善により経済発展した国ですが、ロシアは日本との関係改善に失敗し、経済発展のチャンスを失った国といえるかもしれません。いずれにせよ、ロシアという無法国家が国際社会からどう退場していくのか(あるいはしぶとく生き残ろうとするのか)については、我々日本人にとっても高い関心を払う価値があるテーマのひとつでしょう。
目次
ロシアの通貨・ルーブルが下落、利上げは濃厚な情勢に
終戦記念日に、ある意味で相応しい話題といえるかもしれません。ロシアといえば、自ら対日戦の「戦勝国」だと騙る国ですが、そのロシアの通貨・ルーブルが米ドルに対し、さらに下落しているようなのです。
WSJのマーケット欄の情報によると、ルーブルの対ドルレート(USDRUB)日本時間の14日夕刻時点で1ドル=100.95ルーブル、同夜9時過ぎで101.29ルーブル、10時過ぎで102.16、などと表示されていますが、ルーブルが1ドル=100ルーブルを突破するのは1年5ヵ月ぶりのことです。
こうした状況を受けてでしょうか、ロシア大統領であるウラジミル・プーチン容疑者の経済アドバイザーを務めるマクシム・オレシュキン氏はロシアのタス通信に対し、ルーブル安の原因が金融政策にあるとの認識を示したのだそうです。
Kremlin blames loose monetary policy as rouble slides past 100 vs dollar
―――2023/08/14 17:01 GMT+9付 ロイターより
ロシアの政策金利は、ウクライナ侵攻直後に9.5%から一気に20%に引き上げられましたが、その後は為替相場などが落ち着いたことなどに加え、戦争による経済の疲弊などもあってか、昨年9月19日以降は7.50%で推移してきました。
しかし、これが今年7月25日に入り、8.50%に引き上げられたばかりです。
ロイターによると、ロシア中銀の次回の政策決定会合は9月15日を予定しているのだそうですが、政府側から「ルーブル安に対処しろ」という要望が出てきた以上は、この1ヵ月後の会合(あるいはもっと早い段階で開催されるかもしれない臨時会合)でさらなる利上げが決定されるかもしれません。
ただでさえ経常収支黒字が減り、西側諸国から物品が入って来なくなるなどして経済が疲弊しているわけですから、通貨安を防ぐためだけの理由で高金利を導入すれば、国民経済がさらに疲弊することは間違いありません。
ウクライナ戦争の先行きは見通せませんが、戦争が続く限り、ロシアはしばらく通貨安と金利引き上げ、経済疲弊と金利引き下げ、といったちぐはぐな金融政策運営を強いられることでしょう。
USDRUBの30年分の動きを確認してみた
さて、せっかく通貨の話題が出たところですので、本稿では少し興味深いデータを紹介しておきましょう。
図表1は、国際決済銀行(BIS)のデータをもとに、ここ数日分のデータをWSJのマーケット欄で補って手入力した、USDRUBのここ20年間の動きです。データを20年程度に限っている理由は、これ以上のデータを収録しても、それ以前の数値が小さすぎて、うまくグラフ化できないからです。
図表1 USDRUB
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, US dollar exchange rates (daily, vertical time axis) データを参考に著者作成。なお、8月8日以降のデータはWSJのマーケット欄を参考に手入力)
この手のグラフ自体は、当ウェブサイトでこれまでも頻繁に取り上げてきたものでもあるため、「見覚えがある」という方は多いでしょう。ただ、このグラフを作成する基となるBISのデータ自体は、もっと前から収録されており、ロシア・ルーブルに関しては1992年7月1日から遡ることができます。
そこで、ルーブルの対米ドル相場を約30年分示してみたいと思います。ただし、そのままでグラフ化すると非常にわかり辛いので、本稿では縦軸を対数表示にしたものを紹介したいと思います(図表2)。
図表2 USDRUB(対数表示)
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, US dollar exchange rates (daily, vertical time axis) データを参考に著者作成。なお、8月8日以降のデータはWSJのマーケット欄を参考に手入力)
この30年で「千分の1」に!
この2枚、とりわけ後者の対数のグラフから判明するUSDRUBの動き、なかなかに面白いものです。ルーブルは経済危機のたびに暴落し、一時的に落ち着くもその後レートはほとんど戻っていなかったことが、如実に示されているからです。
たとえば1992年7月1日に1ドル=0.12526ルーブルだったそうですが、そこからルーブル相場はぐんぐんと切り上がり(=ルーブル安となり)、93年6月2日に1ドル=1.05ルーブルと初めて等価(パリティ)を突破します。
続いて94年7月8日に2.011ルーブル、94年10月21日に3.015ルーブル、95年1月27日に4.004と順調に下落し、95年4月14日には5.029ルーブルを付けて以来数年は1ドル=5ルーブル前後で推移していましたが、98年1月19日には6.0005ルーブルと6ルーブルの大台を突破してしまいます。
そして目まぐるしい動きを見せたのが、1998年8月以降です。
8月21日に7.005ルーブル、98年8月31日には(8ルーブル台を飛ばして)一気に9.3301ルーブル、98年9月1日には10.8833ルーブル、同2日に12.8198ルーブル、3日に13.4608ルーブル、4日に16.99ルーブル、7日に18.9ルーブル、そして8日にとうとう20.825ルーブルを付けます。
その後はいったん10ルーブルの大台を割り込んだこともあったのですが、再び20ルーブルの大台を突破し、2001年に12月7日に30.072719ルーブルと、30ルーブルの大台に達し、その後はルーブル相場が落ち着き、リーマン・ショック直前までは20ルーブル台で推移していたのです。
そのルーブルは2014年3月のウクライナ・クリミア半島併合とG8からの追放の影響か、同年10月8日に1ドル=40.009885ルーブルと、初の40ルーブル台を突破。同12月1日に52.350469ルーブル、12月15日に60.173588ルーブル、翌・16日に72.99992ルーブルにまで下落しています。
もっとも、その後は60~70ルーブル近辺で推移し、2015年には50ルーブル台を割り込むルーブル高となる局面も見られたのですが、昨年2月24日のウクライナ戦争直後に再び急落し、3月11日に120.38ルーブルにまで下落していました。
なんとも値動きの激しい通貨です。
ルーブルのおもな「変曲点」
- 1992/07/01…**0.1253ルーブル
- 1993/06/02…**1.0500ルーブル
- 1994/07/08…**2.0110ルーブル
- 1994/10/12…**3.9260ルーブル
- 1995/01/27…**4.0040ルーブル
- 1995/04/14…**5.0290ルーブル
- 1998/01/19…**6.0005ルーブル
- 1998/08/21…**7.0050ルーブル
- 1998/08/31…**9.3301ルーブル
- 1998/09/01…*10.8833ルーブル
- 1998/09/02…*12.8198ルーブル
- 1998/09/03…*13.4608ルーブル
- 1998/09/04…*16.9900ルーブル
- 1998/09/07…*18.9000ルーブル
- 1998/09/08…*20.8250ルーブル
- 2001/12/07…*30.0727ルーブル
- 2014/10/08…*40.0099ルーブル
- 2014/12/01…*52.3505ルーブル
- 2014/12/15…*60.1736ルーブル
- 2014/12/16…*72.9999ルーブル
- 2016/01/20…*80.8660ルーブル
- 2022/02/28…103.1201ルーブル
- 2022/03/04…111.7564ルーブル
- 2022/03/11…120.3785ルーブル
(【出所】The Bank for International Settlements, “Download BIS statistics in a single file”, US dollar exchange rates (daily, vertical time axis) データを参考に著者作成)
ロシアといえば、旧ソ連時代には「米ソ両超大国」の一角を占めていて、また、(メルカトル図法による誇張はあるとはいえ)今でも世界最大の国土面積を誇る「大国」であるはずです。クリミア併合で追放されるまではG8の一角も占めていました。
ところが、「通貨」だけで見てみると、ロシアが歩んだこの30年の歴史は、1992年7月1日の1ドル=0.12526ルーブルに始まり、これが2022年3月11日に120.3785ルーブルへと、およそ「千分の1」(!)に下落した歴史だった、というわけです。
日本との関係改善のチャンス逸したロシア
かつての超大国、そして私たち日本から領土を不法占拠し、日本人をシベリアに拉致し、違法な強制労働に従事させた無法国家・ロシア――。
そのロシアを経済面から見たら、この30年間だけで、激しいインフレに何度も見舞われ、通貨価値が暴落する歴史の繰り返しだったことがわかるのです。
ちなみにロシアが名実ともに経済大国になるチャンスは、何回かあったはずです。その際のカギとなるのは、日本との関係改善だったのではないでしょうか。
冷戦終了・ソ連崩壊時点において、日本はGDPで世界2番目の経済大国でした(※現在は世界3位に後退)。ロシアはその日本と海上で国境を接しており、第二次世界大戦終了のドサクサで不法占拠した樺太、千島、北方4島などの領土問題を解決するチャンスはいくらでもありました。
たとえば、ウラジミル・プーチン容疑者の台頭以前にロシア大統領を務めていたボリス・エリツィンは1998年4月、静岡県・川奈の日露首脳会談で当時の首相・橋本龍太郎と取り交わした「川奈合意」あたりは、領土問題が解決に向けて最も近づいた時だったかもしれません。
もしもロシアが(千島、樺太全島とはいわないまでも)せめて日本が領有権を主張している北方4島を日本に返還していたならば、日本との関係は飛躍的に良くなり、石油・ガス・石炭依存のモノカルチャー経済から脱却できていた可能性すらあります。
しかし、ロシアは領土問題解決と日露関係改善のチャンスを逸しました。
結局、北方4島は日本に引き渡されず、国後島や択捉島では、現在でもロシア人が乏しい社会インフラのなかで、貧しく暮らしているようです。
中国も韓国も日本との関係改善で大いに発展した
ちなみに現実の日露関係を「数字で」読んでみた結果については、以前の『数字で読む「隣国同士とは思えないほど薄い日露関係」』などでもまとめたとおり、「ヒト、モノ、カネ」の交流関係から見るならば、正直、とうてい隣国同士とは思えないほどの薄さです。
同じような経済規模の韓国が、1965年の日韓国交正常化以来、日本から莫大な支援を受け、一気に世界の先進国レベルにまで発展したことを思い出しておくと、日本との関係改善が実現していれば、ロシア経済がどれだけ発展していたか、容易に想像がつきます。
あるいはいまや米国の世界覇権を揺るがそうとしている中国にしたって、1990年代前半は天安門事件などの余波で西側諸国から経済制裁を喰らっていました。そんな中国が制裁解除により経済発展するきっかけを作ったのもやはり日本だったのです。
(中韓両国を経済発展させたことが日本や世界にとって良いことだったかどうかは別として、)自力でろくに経済発展する力もなかった中韓両国が力強く経済発展したという事実は、間接的に、日本の存在の偉大さを示唆しているのです。
いずれにせよ、日本の40倍という巨大な国土を持ちながら、北方4島、千島列島、樺太など、ロシアから見たら取るに足らないほどちっぽけな領土の保有に拘り続けたがために、日本との関係を損ね続けて来たというのも、なかなかに愚かな国です。
もちろん、ロシアにとってはオホーツク海を「内海」にするという目的があるため、千島列島を日本に「侵食」されたくはない、という事情もあるのかもしれません。
ただ、日本人が覚えておかねばならない事実があるとしたら、ロシアが千島列島に攻め込んだのは、昭和天皇による「玉音放送」が流された1945年8月15日よりもかなりあとの話だ、という点でしょう。
独立行政法人北方領土問題対策協会ウェブサイトの『ソ連の占拠』というページの説明によると、ソ連軍が千島列島北端の占守島(しむしゅとう)に上陸したのはなんと8月18日のことであり、択捉島上陸は8月28日、歯舞群島までの占領を終えたのは9月5日のことです。
わかりやすい!日本国民の対露感情
ちなみに日本国民の対ロシア感情は、いったいどうなっているのでしょうか。
これについては内閣府がほぼ毎年のように実施している『外交に関する世論調査』という調査によれば、日本国民のソ連、あるいはロシアに対する感情(親近感など)は、調査開始以来、一貫して非常に悪いことがわかりますし(図表3)、ロシアとの関係を「良好でない」と認識している人も多い(図表4)のが実情です。
図表3 ロシアに対する親近感の推移
図表4 ロシアとの関係が良好かどうかに関する認識の推移
(【出所】『外交に関する世論調査』をもとに著者作成)
日本国民の親近感が中国や韓国よりも低い相手国といえば、ロシアくらいなものでしょう。
また、日本にとっても領土問題を解決するうえでは、ロシアとの下手な関係改善を図るよりも、ロシアという国がこのまま国力を喪失し、弱体化するのを待った方が良い、という判断も成り立つかもしれません。
ちょうど日本人拉致事件を解決するために、北朝鮮と関係改善を図るのではなく、北朝鮮を経済的に締め上げ、国家崩壊に持ち込む方が良い、というのと同じような考え方といえるかもしれません。
故・安倍晋三総理大臣と異なり、現在の日本の首相にそこまでのインテリジェンス(知力)や胆力、プリンシプル(政治家として大事にすべき原理原則)が据わっているかどうかは極めて疑問ではありますが、これからの日露関係は、日露二国間ではなく、あくまでも国際社会との文脈で決めるべきです。
日本はすでに安倍晋三総理大臣の時代に、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という道を選びました。よって、日本が中国、ロシア、北朝鮮など、近隣の4つの無法国家と手を組むことは、金輪際、あってはならないでしょう。
その意味で、私たち日本国民も、このロシアという無法国家がどのように国際社会から退場していくのか(あるいはしぶとく居残ろうとするのか)を、じっくりと観察し、その動向を見極める価値があることについては、間違いないといえるのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
よい視点だと思います。
鈴木宗男をはじめとする
「奇妙に共産圏の肩をもつ人たち」
には、こういう視点が根本的に欠落してますな。
サンフランシスコ講和にも未だに不参加。
その結果、自業自得なルーブル安。
他国から収奪することしか考えてない。
その結果、他国と仲良くやるよりも自分が貧しくなる。
童話でいうならば「北風と太陽」を地で行く状況ですよね。(笑)
自虐史観でエコーチェンバーな人たちは、
「日本と仲良くしたら豊かになる」
「日本と喧嘩してると貧乏」
という現実から目を反らしてますね。
とくに韓国ダイスキ!な人たち。(笑)
ソ連の事情のみからしたら「8月15日」には意味が無いとは言えます。対日宣戦と戦闘開始は8月8日-9日にすでに行われています。
しかしどちらかというと問題点は、
・そもそも(翌年まで期限のある)日ソ不可侵条約の「不延長」しか通告していないこと。途中破棄に関する規定が無かったためゴリ押しした。
・条約破棄と武力行使の根拠は、日本がソ連と同盟である米英と交戦したことや日独伊同盟という「背信行為」をしたため(ただし当時は何も言わずにこの段階でやっと文句を言った)、米英との約束や国連憲章に基いた平和維持作戦として日本を攻撃する、といった建前にも関わらず「8月15日」に日本がポツダム宣言を受諾し公表、武装解除命令をしたにも関わらず武力行使をしていること。
・大戦がかなり落ち着いた9月上旬まで侵略を続けていること。
・侵略に虐殺強盗強姦がさも当然かのようについてまわっていること。
・現地判断で(貧弱な)武装を解除をしなかった日本軍の抵抗にあって、戦力差からしたら考えられないほどの損害と遅滞を受けていること。
等々。
なまじっか軍が底なしに弱かった中国やそもそも抵抗すらしていない韓国に比べ、45年8月以降のソ連は相当な禍根を残したと言えます。イデオロギー抜きでも、戦後しばらくの日本人の印象は改善しきれたかどうかあやしいものです。
しかしながら「中韓とは違って」と言ったものの、何やらやり口や発想は中韓ととてもよく似ていてやはりあちら陣営だなという感もあります。また今現在ウクライナにしていることとも大差が無い(虐殺強盗強姦、ついでに謎の大苦戦)。
北方領土返還はロシア健在時にはありえないと思っていましたが、このままウクライナ事態によってロシアが崩壊までいこうものなら、思わぬところで結果的に日本の長い長い貸しを剥ぎ取れるやもしれません。
ここまで書いて、個人はまだしも政治家が「親ロシア」という発想がどうして可能なのか、いまいち理解できませんね……親中韓にしても。
農民様
>>ここまで書いて、個人はまだしも政治家が「親ロシア」という発想がどうして可能なのか、いまいち理解できませんね……親中韓にしても。
わたしは、個人にしても理解できません。
耳は節穴なのか?視力大丈夫なのか?ちゃんと言葉が理解できるのか?
とか思ってしまいますね。
プーチン大統領には「西欧によるロシアの経済植民地化」を一時的にしろ防いだ功績があると感じますが、西欧諸国による経済侵略に屈する日を先延ばししただけで終わりそうですね。
日本にしろ西洋にしろ、フェアトレードをもっと推し進めないと、「身体で資本主義を学んで反資本主義となった人々」が増えて、社会の秩序と安定にマイナスとなりそうなんですよね。
つまりは『通貨信用=国家信用』なのかと。
ルーブルの対外相場は青天井の様相ですね。
頼みの、「中露通貨スワップ」は維持されるのでしょうか?
通例通りの期間3年であれば、今年の11月迄なのですが。
*前回の更改で、期間5年に延長されてたりしてるのかな??
旧東独の崩壊に伴って、同国内に駐屯していたソ連軍が撤退していった際、釘一本残さず持ち帰ったというはなしを聞いたことがあります。もちろん、W杯の試合後、日本人サポーターがスタンドに散らかったゴミを回収してから退場するというのとは、動機は全く異なります。
少しでも隙あらば掠め取ることを習い性とし、いかにそれに不道徳なものであっても、一度握ったものは戦争で敗れでもしない限り、決して手放さない。その辺のところは、互いの利害損得を計り、両者ともに不満のない落としどころを探るのを良しとする商慣習の常識が、当然のごとくに通用する国では、守銭奴根性とよばれ、軽蔑の対象となるのですが、長い歴史の蓄積の中で形成された民族性ですから、この先矯正されることはおそらくないでしょう。つまりこの国は、常に近隣国家から敵視、警戒され続け、また自らも対抗姿勢として強権国家の体を崩すことが出来ない。そういう歴史をこれからも刻んでいくしかないのだと予想します。
ルーブルの対ドルレートの推移は、相反する価値観がもたらす中長期的帰結と言えるのでしょうが、ロシアが経済運営のやり方を小手先で多少いじってみたところで、どうにもならないはなしに思えます。対日関係の改善によって経済発展の道を選択できた機会もあったはずという、サイト主さんのご意見も、ロシア人という民族の価値観、道徳観からして、まずあり得なかっただろうなという気がします。
ロシアに限らず、近隣に、おそらく西側諸国で広く通用する商道徳的常識より、心性の点でロシアにより近い国が、どうやら3カ国ほどは存在する事実は、日本にとっては大いなる不幸と言わざるをえないでしょう。しかし、本記事で詳述されているルーブルが辿ってきた没落の歴史は、CNY、KRWの今後を予言しているとも考えれそうです。当面その脅威に備え、適切にマネージメントしておれば、その悪影響は次第に低減していくと期待できるのかも知れません。
伊江太 様
>釘一本残さず持ち帰った・・→ハイエナ国家とでも揶揄せざるを得ない所業ですね。
ルーブルは凋落に先立ち、保有米国債(換金能力の担保)を大幅に減らす過程がありました。
”どうやら3カ国ほど” の中の主要な通貨(CNY、KRW?)も、ロシアに倣え的な様相ですね。
「無法国家の人民元」の信用は、保有米国債(換金能力の担保)によるものだと思っています。
>日本が中国、ロシア、北朝鮮など、近隣の4つの無法国家と手を組むことは、金輪際、あってはならないでしょう。
3つしか名前がありませんが・・・。
>日本が中国、ロシア、北朝鮮”など”・・
謎解きにちょうせんも、こりゃあ解らん!
* 「など」 は深まるばかりですね・・。
>謎解きにちょうせんも、こりゃあ解らん!
これは難し過ぎですよね。
読者に対して不親切かも。
表現改善をかんこくいたします。
>>中国、ロシア、北朝鮮など、近隣の4つの
は、普通の表現のように思います。
>>中国、ロシア、北朝鮮、近隣の4つの
であれば、数が合わないですが。
「など、近隣の」で、自明ではないですか?
「近隣の」毎度お馴染みの国なんですから。
まあ、一応、意見を書いてみました。
洗練された芸術文化、卓越した科学技術力、素朴で優しい大衆と助け合いの風習など、仲良くなれたら豊かな世界があるのだろうなとロシアに対しては感じることがあるものの、盗んだわずかな島々を惜しみ比較にならない大きな獲物をロシアは逃したものだと思います。