鈴置氏「韓国人にとっての中国は日本にとっての地震」
待望の鈴置高史氏と大山聡氏の対談動画の第3弾が、昨日公開されました。「韓国にとっての中国は、日本にとっての地震のようなもの」。米国陣営にありながら中国に立ち向かおうとしない韓国を表現するには、なんとも言い得て妙ですが、それだけではありません。台湾有事が生じた場合の米国の行動と、それに伴う北朝鮮の動きなどについても、大変に興味深いと言わざるを得ないのです。
目次
鈴置氏出演動画:過去2回のリンク
先週の『鈴置氏、半導体チャンネルで「4つのNO」などを解説』と先々週の『鈴置氏が動画で半導体産業巡る「米中股裂き状態」説明』では、YouTubeの『チップワンストップチャンネル』というチャンネルがアップロードした動画を紹介しました。
これは、全4回を予定しているシリーズで、半導体に詳しい大山聡(おおやま・さとる)氏と韓国観察者の鈴置高史氏が対談するというものですが、これが大変に面白くてならないのです。
まだ視聴されていない方は、第1回目と第2回目のリンクを貼っておきますので、是非とも視聴なさってください。どちらも10分弱の比較的短い動画であり、また、朝鮮半島問題だけでなく半導体問題などに関心がある方であれば、ぐいぐい引き込まれるであろうことは、間違いありません。
第1回『韓国メーカの中国工場はいずれ止まる』
第2回『「4つのNO」で中国が韓国を恫喝』
待望の第3弾が公開
さて、昨日はその待望の第3弾が公開されていました。
第3回『強がっても韓国は中国には逆らえない』
今回も全部で10分弱の動画であり、気軽に視聴できるのですが、内容としては決して気軽なものではありません。前2回と比べて、鈴置氏が話しているパートが多いのですが、論点が盛りだくさんだからです。
その全文を当ウェブサイトで紹介するのは避けますが、気になったパートをいくつか紹介すると、こんな具合です。
1:11 中国に逆らえない韓国の苦しい裏事情
かつてウェブ評論サイト『日経ビジネスオンライン』に寄稿していた内容、あるいは最近だと『デイリー新潮』に寄稿している内容でも明らかですが、鈴置氏は長らく、韓国が中国に決して逆らえない国であることを警告し続けて来た人物です。
今回の動画では、面白いたとえが出てきます。
「韓国人にとっての『中国』とは、日本人にとっては『地震』だ」。
つまり、「嫌でも来る」、「なんといおうと避けられない」、「戦って勝つわけにはいかない」という意味で、まさに韓国にとって中国は「地震」そのものだ、というのです。
このあたり、当ウェブサイトの読者コメント欄では先週、「日本は免震構造などの技術を通じて地震を克服しようとしているが、韓国は中国を克服しようとしていないじゃないか」、といった趣旨の鋭いご指摘もあったのですが、これはまったくその通りでしょう。
ただ、鈴置氏の指摘は、あくまでも「韓国人のメンタリティの説明」にあります。鈴置氏に言わせれば、韓国人にとっての中国とは要するに、天災のようなものなのだ、ということではないでしょうか。
台湾有事が勃発すると…米国は台湾問題に集中する
また、鈴置氏の重要な指摘は、ほかにもいくつもあるのですが、本稿で取り上げておきたいもののひとつが、これです。
4:29 台湾有事が勃発するとどうなる?
たとえば台湾有事が発生した際には、半島有事が生じる可能性が高い、というのが鈴置氏の説明です。在日・在韓米軍などは台湾有事にかかりっきりになってしまい、米国の半島防衛が手薄になるからです。そのときに米国は「韓国よ、自分の防衛は自分でやれ」、という態度を取る、というのが鈴置氏の予想です。
その理由としては、米国にとっての最大の敵は中国であり、北朝鮮は大きな敵ではないからです。
つまり、台湾防衛は中国の伸長を抑止するうえで欠かせないのですが、韓国防衛は中国の伸長を抑止するという観点からは、あまり関係がない、というのでしょう。これはなかなかに重要な指摘です。
「岸田政権は理解していますか?」→「してないでしょうね」
また、次回予告の箇所で、鈴置氏は「韓国が日本に全力で抱き着いてくる」と予想しているシーンが出て来るのですが、その伏線はいくつかあります。動画の3:12~が、大変興味深いです。
大山氏が「日本政府・岸田政権は韓国の状況を理解していると思うか」と話を振ったところ、鈴置氏は短く、こう答えました。
「多分(理解)してないでしょうね」。
大変短いですが、含蓄に富んでいます。
鈴置氏といえば、菅義偉総理の時代、2021年7月16日付デイリー新潮『文在寅が菅首相をストーカーするのはなぜか 「北京五輪説」「米国圧力説」……やはり「監獄回避説」が有力』で、当時の文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が日韓首脳会談を欲していたことを巡り、こんな趣旨の指摘をしています。
「日本政府が求めている国際法違反状態の是正を含めた日韓諸懸案の解決を巡り、その『是正』なしで日本が首脳会談に応じるのは難しい。だが菅首相が降板し、脇の甘い人が首相になれば、そうした状況も変わるかもしれない」。
この「脇の甘い人」が岸田首相を指しているのかはわかりませんが、そう考えたら非常にスッキリと説明がつく場面が、その後いくつもありました。
とくに岸田首相自身は韓国による自称元徴用工問題の解決策(※解決になっていない!)の発表を受け、当日の記者会見で韓国側による約束破りを懸念する声に対し、「仮定の御質問には答えません」として、説明から逃げました(首相官邸ウェブサイト『旧朝鮮半島出身労働者問題についての会見』参照)。
鈴置氏の「脇が甘い」という表現は、まさに、岸田首相のインテリジェンスのなさ、プリンシプルの欠如、実務能力のなさにピッタリとフィットしているのです。
日本の将来に関心なら、是非とも視聴を!
いずれにせよ、このクオリティの動画が無料で視聴できるというのも凄い話です。朝鮮半島問題や経済安保、さらには日本の将来について高い関心をお持ちの方には、少なくともこれまでの3回の動画については是非とも視聴していただきたいと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
歴史上何度も蹂躙されているから中国が恐ろしいのだろう。
朝鮮通信使は江戸時代に12回やってきたが、中国への朝貢使節「燕京使」は明に700回、清に600回以上だそうだ。
どうしてもいま話題の環境整備とダブって見えてしまいます。あれも大変ながら、理不尽にも耐えさえすれば相場より給料での見返りは大きいという話らしいですから。
中国につくと色々大変そうですが、やはり見返りは多そうです。政変が起こっても、頼んでなくても軍隊だって貸してくれそうです。
見返りといえば、なぜ日本で自民党の支持率が落ちているかというと、まさに支持しても見返りが期待できない、ほっとくとますます中級以下の国民の生活が困窮していくからです。自民党は家賃の値上げ改定が原因で下野する(大家だって生活があるから値上げせざるを得ない)と見ています。ああなるとこうなるが分かってない総理なんだわ。
ブラック企業は、一部の人は年収4000万円とかある人もいますからね
支店長クラスでこれは、世界でも破格です。
潜水艦のくだりも秀逸でした。
鈴置氏の見解はずいぶん以前から一貫しているのですが、初めて聞いたひとたちからすると唖然とするような言説も多いのではないでしょうか。知らぬはア〇ばかり。