プーチン逮捕問題、来月のBRICS会合で再び浮上か
ウラジミル・プーチンは南アフリカで逮捕されるのか――。来月、「BRICS」サミットが南アフリカで開かれるそうですが、その南アフリカは国際刑事裁判所(ICC)加盟国でもあります。そうなると、プーチンが南アフリカに入国した瞬間、逮捕されるのか、という話題も出ているようですが、これに関し同国のラマポーザ大統領は明言を避けたようです。はたしていつまで逃げ切れるのでしょうか。
ICCとウラジミル・プーチン
ウクライナ戦争は、無法な外国侵略を禁じた国際法に抵触するという意味で、ロシアによる壮大な国際法違反という側面がありますが、それだけではありません。国際刑事裁判所(ICC)は今年3月、ロシアの大統領であるウラジミル・プーチンに対する逮捕状を発行しています。
罪状はウクライナの占領地域からの児童の不法な連行という戦争犯罪などで、ローマ規程第8条第2項第a号(vii)、第b号(viii)違反などが問われています。
以前の『ICC逮捕状受けオーストリア「プーチン逮捕」を明言』でも触れたとおり、ICC参加国は2023年4月時点で123ヵ国ですが(外務省『国際刑事裁判所(ICC)』参照)、加盟国に米国、中国、ロシア、インドなどは含まれていません。
ただ、ICCウェブサイトに掲載されている加盟国の地図(図表)を見ると、欧州諸国の大部分に加え、カナダ、南米諸国、豪州や、アフリカ、日本、モンゴル、イスラエルなど、加盟国は広範囲に広がっていることが確認できます。
図表 ICC加盟国
(【出所】ICCウェブサイト “Current under- and non-represented countries” )
これらの国をプーチンが訪れた場合、逮捕される可能性がある、ということです。
AFP「南アフリカ大統領、物理的会合開きたい」
こうしたなかで、こんな記事が目に付きました。
BRICS summit to be ‘physical’ despite arrest warrant for Putin: South Africa
―――2023/07/09 23:43付 サウスチャイナ・モーニングポストより【AFP配信】
リンク先は香港紙『サウスチャイナ・モーニングポスト』の記事ですが、配信したのはAFPです。
これによると、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領は日曜日、来月同国で予定されている「BRICSサミット」を巡って、その会合は「対面で開催される」と発言したそうです。
ただ、上記図表でも明らかなとおり、本来、南アフリカはICC加盟国であり、これについてAFPは「南アフリカはICC加盟国として、プーチンが同国に足を踏み入れた瞬間、その身柄を逮捕することが期待されている」、などとも指摘しています。
AFPによるとラマポーザ大統領はプーチンを逮捕する可能性があるかどうかについては言及せず、「BRICS会合はもう3年間、対面で実施されていない」としたうえで、今回は「物理的に会合を持ちたい思っている」と述べるにとどめたのだそうです。
いつまでも逃げ切れるのか
ただし、現地メディアの間では「プーチン逮捕問題」を回避するために、今回のBRICSサミットの会場を返上し、中国に譲ることを検討している、などとする噂が流れているとも報じているのだとか。
もっとも、今年はBRICS会合の問題を何とか回避できたとしても、G20議長国は今年12月1日にブラジルに引き継がれ、その翌年は南アフリカです。いずれ再び英国や米国でも開かれるでしょう。いつまでもプーチンが逃げ続けられるかは微妙であり、いずれロシアはG20から脱退を余儀なくされるのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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会計士さん、ちゃんと情報をチェックされていますか(大本営発表ではなく)。
BRICSのうち、中国とインドはロシアと蜜月関係にあります。
ブラジルは、先のG7でゼレンスキーに首脳会談をすっぽかされましたし、ブラジルの加盟しているCELAC(ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体)は、今月17日に予定されているEUとの共同会議へのゼレンスキーの参加を拒否しました。
南アフリカは、他のアフリカ6か国と共同でウクライナ紛争の和平仲介を提案しましたが、ウクライナに拒否されています。
G20でも、西側諸国は反ロシアですが、BRICSやCELACの加盟国、サウジ、トルコなどは、むしろ親ロシアです。
大本営発表やマスゴミ以外の情報にも耳を傾けてください。
貴方の言う情報ってチャンネル桜とかロシアフレンズのやつでしょ?フェイクの塊。
>チャンネル桜とかロシアフレンズのやつでしょ?
こっちのソースの方が「大本営発表」。
今の現実社会のフェイクニュース界で
実在するトップランナーである、
ロシアさん、朝日新聞さん、赤旗さんたちに混じって
今は存在しない戦前の大本営発表さんが
入っているのがとてもおもしろいと感じます。
南アフリカ共和国と聞くと、ICC加盟国のひとつというより、英連邦の有力構成国という方にまず考えが向かいます。この英連邦という存在、われわれ日本人には馴染みが薄いし、国際問題などで一致結束して動くというわけでもないから、ただの親睦組織みたいに捉えられがちですが、共通言語を用い、互いの人的、経済的、軍事諜報分野の結びつきには、実際には生半可な理解を超えるものがあるようです。
・世界の人口の約3分の1、世界の陸地の約4分の1を占め、2年毎に英連邦首脳会議を開催している。
・加盟国政府は、開発、民主主義、平和などの共通の目標に合意しており、その価値観と原則は、連邦憲章に示されている。
・英連邦の加盟国には(国際問題において)契約上の義務はないが、加盟国は政府首脳が定めた信念の声明に責任をもつ。
・英連邦の原則に執拗に違反する政府に対処する場合、経済制裁を課したり、不服従の加盟国を停止したりするなど、懲罰的な集団的措置を取ることができる。
(以上の各項目は、関根大助,日本安全保障戦略研究所 研究員による『「グローバル・ブリテン」とインド太平洋:似て非なる島国英国の動向から考える日本の戦略』より引用
https://www.spf.org/oceans/analysis_ja02/20220218_t.tml
構成国のほとんどは旧植民地国ですから、宗主国に対して昔の恨み辛みは当然あると思うのですが、現在までその枠組みに留まっているのは、それを帳消しにするほどのメリットがあってのことでしょう。現在の英連邦は、希望すれば歴史的経緯に関係なく加盟できるようで、近年に至っても英国に植民地化された歴史をもたないルワンダとモザンビークが、新規に加盟しています。
英国は、欧州諸国の中でもっとも強硬な姿勢で、ロシアに対峙しています。ここで南ア政府が、ICCの規約を踏みにじるようなことをやったところで、英連邦から即除名、なんてことにはならないと思いますが、英加豪NZなどなどの国々と顔を合わす場に出れば、相当にバツが悪い思いを味わわされるのは避けられないでしょう。
水面下でプーチンに「来ないで」と働きかけても、虚仮の一念で「どうしても行く」と突っ張られたら、何らかの理屈を付けてBRICS会議の開催地返上にもっていかざるを得ない気がします。
>>水面下でプーチンに「来ないで」と働きかけても、虚仮の一念で「どうしても行く」と突っ張られたら
国内の反乱を恐れて、自分の護衛費を倍増しているとか言われる程に小心、失礼、用心深い大統領閣下がわざわざ、護衛の薄くなる海外にノコノコ出掛けるとは思えないです。南アの杞憂でしょう。
さより様
確かにね。今国を離れたら、帰る先がなくなる可能性があるかも(笑)。
伊江太様
確かにそれはかなりの確率であり得ますね。