ヘイト問題を取材するならまず「桜ういろう事件」から
2019年の参院選で故・安倍晋三総理大臣の演説に対してヤジを飛ばすなどして北海道警に排除された人物に関する「共同通信ヘイト問題取材班」のツイートが炎上しているようです。選挙妨害を表現の自由だとする考え方自体も理解に苦しみますが、それ以上に驚くには、共同通信が「桜ういろう」問題を巡って、社会に対しきちんとした説明もしないままで、「ヘイト問題」を追いかけていることではないでしょうか。
ツイッターで手紙リレーが爆速化
世の中には、「徹底的に自分に甘く、他人に厳しい」、という態度を取る人がいます。
「新聞、テレビ、通信社などを中心とした大手マスメディア(マスコミ各社)などが、その典型例ではないか」。
当ウェブサイトではかねてより、そのような問題意識から、マスメディアを眺めてきました。
マスメディアといえば、かつては人々の「憧れ」の対象だったというフシもあるのですが、最近だとインターネットが発達し、「誰もが気軽に情報発信できる」という時代になってしまったためでしょうか、むしろマスメディアが一般国民から冷ややかな目を注がれるような事例も増えているように思えてなりません。
とくに、かつてであれば、新聞記事などの多くは、いったん配信されたら配信されっぱなしで、一般人がそれに疑問を感じたとしても、そうした疑問を広く世に問う手段はありませんでした。どうしてもそれをやりたければ、手間と費用と時間をかけて「手紙リレー」でもするしかなかったでしょう。
しかし、『ツイッターで「手紙リレー」による新聞社批判が爆速化』でも論じたとおり、現代社会では、いわゆる「手紙リレー」がほぼゼロコストで実施できます。ツイッターを含めたSNSなどが急速に発展し、機能もどんどんと拡充されているからです。
私たち一般人はスマホを片手に、メディアの報道を読んで、「あれ?これっておかしくない?」と思ったら、その場ですぐにツイッターに「この記事は変だ」と投稿すれば、ときと場合によっては数十件、数百件、いや、数千件、数万件の賛同が得られるのです。
共同通信の記事ツイートが「炎上」か
こうしたなか、本稿で紹介しておきたい事例が、共同通信が17日付で配信した、こんな記事です。
「やじ飛ばすことは表現の自由」 北海道警排除訴訟、原告が講演会
―――2023/06/17付 共同通信より
これは、2019年の参議院議員通常選挙で、安倍晋三総理大臣が街頭演説中、「やじを飛ばした」として北海道警に排除され、北海道に対し損害賠償を求めている人物(35)が函館市で講演し、「ヤジを飛ばすことは表現の自由で保障されているはずなのに、法律上の根拠がないまま排除された」と述べた、とするものです。
問題の人物の実名などについては記事原文でご確認ください。
この点、上記記事のリンクを読んでいただいても、読者コメントなどはありません。
しかし、ここでもっと興味深いのが、「共同通信ヘイト問題取材班」が発した、こんなツイートです。
「安倍辞めろ」と声を上げたところ、警察官に移動させられた。首に手をかけられそうになったと振り返り「何でだめなんですか」と問いただしたが説明はなかった。
「やじ飛ばすことは表現の自由」 北海道警排除訴訟、原告が講演会 | 2023/6/17 – 共同通信 https://t.co/kQYN7iyxuc
— 共同通信ヘイト問題取材班 (@kyodonohate) June 17, 2023
このツイートは6月17日午後10時10分に投稿されたのですが、19日午前9時半時点で66万回表示され、リツイート(RT)が1255件(うち引用RTが292件)、「いいね」が2182件のほか、数千件のコメントが寄せられているようです。
「やじを飛ばすこと自体が問題ではない」とする当然のコメント
一般に表示回数に対する「いいね」の数が少ないのは、ツイートが「炎上」している証拠でしょう。たとえば同じような表示回数でも「いいね」の数が1万件を超えているようなツイートも存在しているからです(たとえば次のツイート)。
はっきり言う人がいなさそうなので言います。
大声で国会の議事を妨害した東京新聞の望月記者の行為は、客観的な取材対象であるはずの国会の議事を歪め、議員らの対応を余儀なくさせている以上、サンゴに落書きして撮影する行為と変らない。客観性を著しく欠き、ジャーナリスト失格だ。厳正な処分を。— 石埼学 (@ishizakipampam) June 18, 2023
それはともかく、共同通信ヘイト問題取材班のツイートに戻ると、同ツイートに対するリプライのなかで高い評価を得ているものの多くは、非常に理路整然としています。たとえば、こんな趣旨のコメントです。
- やじを飛ばすこと自体が問題なのではなく、他の聴衆が選挙演説を聴けなくなるのが問題
- 表現の自由は尊重されるべきだが、路上でライブをやって良いというわけではないし、自宅で爆音で演奏し近所迷惑となっても良い、という話ではない
- 何をやっても「表現の自由」で許されるなら、気に入らない相手に暴力をふるっても「怒りの表現の自由」で許される、ということになる
- そもそも公職選挙法第225条(選挙の自由妨害罪)や第230条(多衆の選挙妨害罪)などで「選挙の自由を妨害してはならない」と定められている
さらに、「共同通信ヘイト問題取材班」というアカウント名に対し、「ヘイトをしているのはこの場合、どちらの側なのか」、という辛辣なツッコミも複数あり、これに関連し、山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士っぽい者が、こんなツイートを発信しているようです。
御社はまず、「桜ういろう」によるナザレンコ・アンドリーさんらへのヘイト問題を取材すべきだろう。 https://t.co/WojKhpfeAu
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) June 18, 2023
この「桜ういろう」は、漫画家の吉田戦車さんのキャラクターをツイッターのアイコンに(おそらくは無断で)使用し、ウクライナ人評論家のナザレンコ・アンドリーさんを含め、複数の人々に対し、誹謗中傷、個人情報の拡散などの不法行為を行っていた者です。
桜ういろう問題
『「桜ういろう」問題で開示命令:共同通信はどう出る?』などでも指摘したとおり、すでに複数のメディアに加え、この「桜ういろう」による誹謗中傷の被害者である「暇空茜」さんなどが「桜ういろう」を巡り、その実名に加えて「桜ういろう」が共同通信社の従業員であるという事実を公表しています。
したがって、「桜ういろう」が共同通信社のそれなりの責任あるポジションにいた人物であることはほぼ間違いありません。
しかし、この「桜ういろう」問題を巡る共同通信社の態度は不誠実のひとことに尽きます。
たとえば、『「桜ういろう」処分は軽すぎ?被害者は意味深ツイート』でも紹介したとおり、共同通信社が「桜ういろう」に対し、「始末書を書かせて厳重注意する」という、いわゆる「譴責処分」を下した、との報道もありました。
これが事実だとすれば、大変に社会を舐めた態度と言わざるを得ません。なぜなら、共同通信社のこの処分は甘すぎるうえに、方法も適切なものとはいえないからです。
報道が事実なのだとしたら、共同通信社は自社の従業員が勤務時間中などに社外の第三者に対し多大なる迷惑をかけたのですから、まずはその事実を公表したうえで関係者に対ししっかりと謝罪し、再発防止策を策定するなどすべきです。
また、本人がしでかしたことで、結果的に共同通信社にも風評損害が発生したわけですから、常識的に考えて、本人に対する処分も甘すぎます(通常の企業だと、従業員が不適切な行動を取れば、最悪の場合、懲戒解雇処分もあり得ます)。
それなのに、この「桜ういろう」問題を巡って、大変不思議なことに共同通信社は沈黙を守っています。共同通信は普段、一般企業などに対しては「根深い組織風土がある」などと舌鋒鋭く批判するわりに、自社の不祥事に関しては完全にダンマリだというのは、ずいぶんと都合が良い二重基準です。
いずれにせよ、今回の「共同通信ヘイト問題取材班」のツイートも、共同通信社自体の「根深い組織風土」そのものなのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
>「徹底的に自分に甘く、他人に厳しい」
日本共産党、社民党、脱糞民主党、れいわなんちゃら、ナドナド。
あと、極めつけは宏池会かな。徹底的に韓国に甘く、自国民には不必要なのに増税を強いる。
月並みな感想で何ですが、本当に日本の大メディアの
異様な特権三昧は1日も早く剥奪されてほしい。
ヤジの是非はさておいても、制止されてるのになお叫ぼうとする意味、価値がさっぱりわかりません。まぁこうして講演のタネになったわけですが。
安倍ヤメロといってハイと辞めるわけがなく、辞めさせたいのであれば汚いヤジを飛ばして聴衆(立ち止まって聞きいる人間なら支持寄りか支持を選択肢に残している人間だろうに)の反感を買うより、公平に見て賛同を得られるような「なぜ辞めさせるべきか」を改めて発信するなり、安倍総理より優れた人材を推して選挙で勝たせれば良いと思うのですがね。それが出来ないからこそ不正な手段に訴えるのでしょうけど。百歩譲って「反抗の表現」を聴衆に見せて啓蒙しているつもりなのかもしれませんが、それなら説得力や品格をもたせるべきですし。同志諸君への思想アピールという線も無いではないか……
現状が悪いのは団塊のせいといって団塊世代と思われる個人に向かって口撃し、NHK受信料を払っている善良なだけの人間に対して情弱と罵ってまわる匿名さんが居ましたが、アレも同じことで、なぜ説得すべき相手を敵として挑発して意味があると思うのか。先日のは「自己陶酔」が答えだったようですが。
>農民様
>同志諸君への思想アピールという線も無いではないか……
これが一番濃厚なのではないかと考えています。
先鋭化した集団に所属するものは結構一般から隔絶して、仲間うちで議論する時も、バランスを考えた穏健(真っ当)な意見は糾弾されるのが怖くて出来なくなるんじゃないかと(認知バイアスに近い状況だと思います)
こういう人は、一般にどう見られるかやどういう影響を生むかという全体を俯瞰視することは出来ず、ごく狭い所属集団での評判や仲間内の視線、もっと言えば理念に直進する英雄視された自分しか見えてないかもしれません
※私見ではこれは左右に限らず、政治や宗教やSNS、一部のごく狭い趣味集団など色々な場所で散見される事象ではないかと感じてたりします
小学生のころ選挙になると担任の教師から「選挙ポスターにいたずらしてはいけません」と厳しく言われた。
ヤジも演説に対するイタズラ。聞きたくなけりゃ去ればいいだけ。
他者の発信(演説)は妨害(野次)する…OK
自分の発信(野次)が妨害(規制)される…NG
…何故なのか()
新聞記者や通信社の左翼記者は、別に我々の代弁者でも聞きたいことを聞いてくれる者でもない。
単に、自分が聞きたいこと、言いたい主張を紙面やWEBで展開するだけの、小学校の学級委員に選挙でどうしても勝てない子供が、そのまま大人になったような者の集まりなのではないだろうか?
世間の常識がない、一言で表すとそういうこと? 最近はそう感じるようになった。
何物に於いても「表現の自由」が最優先されて保護されるのであれば、桜ういろうの件で一応謝罪の声明を共同通信名義で出すのもおかしいし、松戸市にて小学生殺害事件について、飛び込み取材をインターホン越しに拒否された一般国民の家屋を足蹴にした記者の行為についても謝るべきではなかったのは?
「報道特集」で内部告発者の保護を疎かにして退職&左遷に追いやった件、TBSは未だに当事者に謝罪してませんね。
コメント失礼します。
常日頃からアベガー!
野次の自由を認め警察を及び腰に
奈良県警の不作為
当日のSPも不作為
暗殺成功
奈良市役所が安倍総理の慰霊を踏み躙る
サヨクさんからすれば悲願が叶ったのだから、浮かれ続けるのは分かります。来月8日にサヨクさん側で何か記念式典でもやるでしょう。暗殺犯の世直し無罪とか改めてほざくかも知れません。
かつての電話等による脅迫での保守系イベント潰しをやり返された様に、これからはサヨクさんの集会全部が野次による妨害の危険に晒される。警察は助けられないならどうする?自力救済、私人が暴力を振るうしかない。結果、
「左右界隈は屑、野蛮人の集まりなんだな」
と日本人の多くが認識する。政治家も冷たい眼で観る。ビジネス保守の暴走を知っているのだから。
マスゴミの「俺様無罪」はいつもの事なので特に興味無いです。軽減税率や電波、記者クラブ等の特権簒奪を早く実現したいです。
“簒奪”?
「特権廃止」や「特権剥奪」ではなく”簒奪”??
…???
あー、たしかにそーゆー認識も当然アリですよね
あれから桜ういろう氏は全く音沙汰がないですね。
匿名でしか記事を書かせてもらえなくなったのか、それとも窓際族にでもされたのか?
どちらにせよ、恐らく出世コースからは外れたのでしょう。
共同通信としては非常に重い罰を下したつもりなのかも知れませんが、
当然世論はその程度で許してくれる訳もないので……
この件も未解決のままになりそうですね。
会社からの処分は常識的に見て軽すぎると思います。コンプライアンスとは何ぞや?と首を傾げざるを得ない。
普通は会社から冷遇されるようになったら自主的に辞めそうなものですが、こいつの場合被害者が複数いて民事の賠償の金額も結構なことになりそうなので、辞めるに辞められないかもw