「汚染水問題」来日の韓国議員と日韓議連が面会拒否か

韓国の野党議員らが日本にやってきて、福島県を視察する計画を立てているそうです。もっとも、これらの議員に対し、日韓議連側は面会を拒否する意向を示していると、韓国メディアが報道しました。日韓議連の会長が菅義偉総理に交代したことも影響しているのかどうかはわかりません。ただ、もっと重要なことは、「ともに民主党」が依然として韓国国会で多数を占めているという事実です。

汚染水問題

福島第一原発からのALPS処理水の海洋放出に先立ち、この処理水のことを韓国国内ではメディアなどが率先して、「汚染水」などと誤った用語で呼び、日本を批判しています。正直、「汚染水」と呼ぶ時点で、日本に対する明確な加害行為そのものでもあります。

もっとも、日本による処理水海洋放出を巡っては、現在、滞りなく手続が進行中です。国際原子力機関(IAEA)による、事実上の「お墨付き」も出たからです(『福島処理水IAEA検証完了受け韓国「徹底監視必要」』等参照)。

もちろん、日本政府は最後まで関係者や周辺国などに対し、処理水の海洋放出に関する説明を尽くす必要はあるのですが、それと同時に国際的に合理的な基準に準拠している限りにおいては、科学的根拠を欠いた「言いがかり」のようなものにまで、いちいち対処する必要などありません。

野党議員らが訪日へ?

ただ、こうした日本の姿勢に納得がいかないのでしょうか、なんとも驚く話題が出てきました。ここでは韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)の記事を紹介します。

韓国野党議員ら、汚染水問題でアポなし福島訪問を強行か…身内からも「日本の反韓感情を高めるだけ」

―――2023/04/03 15:38付 朝鮮日報日本語版より

朝鮮日報によると韓国の野党「ともに民主党」の議員らが2日、「汚染水」放流問題を巡り、直接福島を訪問する計画を発表したそうです。「ともに民主党」は、日韓首脳会談で福島県水産物の輸入問題が「議題にならなかった」とする韓国大統領室の説明などを巡り、「現地で直接状況を確認する」としているそうです。

ちなみに「日本を訪れる」と表明している議員は、「ともに民主党」の「福島汚染水放出阻止対応団」に所属する3人と「農漁民委員会」の1人で、今月6日から8日まで2泊3日の日程で福島県を訪問する方向で検討中、などとしていますが、朝鮮日報によると「ともに民主党」はこうコメントしたそうです。

  • 福島原発周辺の汚染は今も進んでいるそうだ。直接確認したい
  • 議員らが自分たちで計画を立てたが、党執行部も関連する計画を共有している

「汚染が進んでいる現場」を「直接確認する」とのことですが、放射線測定器でも持っていくつもりでしょうか?

しかも、この議員らは日本訪問初日に東電本社を訪れ、「原発汚染水」に関する資料を要求するほか、日韓議連所属議員らとも会談すると考えている、などとしています。

これについて朝鮮日報は、東京電力が「韓国政府ではなく野党議員からの要求」に応じる可能性はほぼない、などとしていますが、4人の議員らは「政府がやるべき役割をなぜ野党が日本まで行ってやらねばならないのか。われわれの方が逆にあきれている」、などとコメントしているのだそうです。

日韓議連は面会拒否か

こうしたなかで、同じく朝鮮日報には本日付でこんな記事が出ていました。

日韓議員連盟「共に民主議員とは面会しない」「日本に来ないでほしい」

―――2023/04/04 11:01付 朝鮮日報日本語版より

こちらの記事では「ある外交筋」の話として、日韓議連側は「ともに民主党議員らと面会するつもりは全くない」、「来ないでほしい」との立場を示している、と報じています。

ある外交筋が3日に伝えた。この外交筋は『日韓議員連盟の幹部に共に民主党議員らと面会する計画があるかなどを問い合わせたところ、共に民主党議員らと会いたい考えは全くなく、(彼らは)日本に来ないでほしいとの回答を受けた』と明らかにした」。

この報道が事実なのかどうかはよくわかりません。

ただ、これまでであれば面会に応じていたであろう日韓議連が韓国側と「面会拒否」をするというのは、なかなかに新鮮な話題です。日韓議連といえば額賀福志郎衆議院議員に代わり、菅義偉総理が会長に就任したばかりで、その菅総理といえば故・安倍晋三総理と並び、韓国に対し毅然とした態度をとった人物でもあります。

このあたり、岸田文雄・現首相が先月、日韓首脳会談に安易に応じてしまったことと比べると、非常に印象的でもあります。

また、ツイッター上では最近、「入国拒否」などのトレンドが発生しているようですが、「そもそもそのような外国人の入国を日本は認めるべきではない」、といった意見を持つ人が多いのかもしれません。

もっとも、韓国の国会では、この「ともに民主党」が依然として多数を占めている状況にありますし、昨年3月の大統領選で尹錫悦(いん・しゃくえつ)現大統領に僅差で負けた李在明(り・ざいめい)氏が、現在は「ともに民主党」の党代表にも就任しています。

野党代表は「汚染水問題を米韓首脳会談の正式議題へ」

こうしたなかで、その李在明氏が、「福島汚染水問題」を米韓首脳会談の正式な議題に格上げすべきだ、などと主張したそうです。

共に民主・李在明代表「日本の汚染水問題、韓米首脳会談の正式議題に格上げすべき」

―――2023/04/04 11:40付 朝鮮日報日本語版より

李在明氏は3日、済州島(さいしゅうとう)で開催された同党の最高委員会で、「済州は原発汚染水で最初に深刻に破壊される危機に直面している」、「それでも政府は事実上、袖手傍観している」と批判。そのうえで「韓米首脳会談の正式議題に格上げし、米国の前向きな考えを引き出すべきだ」と述べたそうです。

このあたり、『韓国政府「汚染水放出の検証続ける」→お好きにどうぞ』でも取り上げたとおり、日本の処理水海洋放出に伴い、現在は立方メートル当たり172ベクレルの韓国近海のトリチウム量が、172.001ベクレルに増える、という試算結果も出ています。

科学を無視して「汚染水」云々と叫ぶのは自由ですが、もしもこの李在明氏が僅差で大統領選を制していたとしたら、現在の日韓関係がどうなっていたのか、少し興味深いところでもあります。

というよりも、李在明氏ないし彼に似た主張をする人物が次回大統領選を制する可能性もそれなりに高いですし、今回、日本にやって来る予定の野党議員らが所属する「ともに民主党」も、もしかしたら来年の総選挙で再び勝利するかもしれません。

このように考えていくと、「尹錫悦政権で韓国は変わったのだ」、「日本は尹錫悦政権と手を取り、安心して関係改善を進めていくべきだ」、などと現時点で軽々しく断言するのは不適切でしょう。

なにより、自称元徴用工判決を巡る違法状態は解消されていません。

引き続き、私たちはその相手国が信頼に値するのかどうか、慎重に見極める必要があるという点については、何度でも強調しておく必要がありそうです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. KN より:

    なんの権限も持たない外国人が、日本国内で日本政府の見解と異なる政治主張をしようとしているので、面会拒否ではなく入国禁止でよかったのでは。この記事だと、与党の議員なら会ってやってもよいように聞こえる。

    1. 匿名 より:

      自分もそう感じました。「共に民主党関係者はお呼びでないが、与党関係者ならいい」と読めそうな書き方です。

  2. Masuo より:

    個人的には、こういう韓国の行いは大歓迎です。
    できるならもっと過激に、もっと強引に反日してくれると尚いいと思います。

    永遠に分かり合えないのだから、中途半端にすり寄られるよりも、関わらない口実をもっともっと提供してくれるほうがありがたい。

    返す返すも、李在明が大統領にならなくて残念。

    1. 名前 より:

      同感です。

  3. oinko より:

    韓国議員団の目的は、明らかに韓国内向け反日パフォーマンスだよね
    これまでの日韓議連は、こんな連中とも面会していたのか?と思うと眩暈がしてきた・・・

    そりゃ日本が舐められるわけだよ

  4. 世相マンボウ (#THE小西さんを立民党首に!) より:

    あれれ? 先週、
    日韓議連の立憲民主党議員は
    会いに来て拒否どころか
    訪韓してでも話に行くとの発言が
    半島メディアに掲載されて
    その蜜月太いパイプに
    注目が集まってましたよ

    https://news.yahoo.co.jp/articles/4020a2d4ba4b486059a76b4b0780877e35c15ea1

    1. 世相マンボウ* より:

      とかく半島や日本のオールドメディアは
      「韓流」というものを
      他国音楽文化の上のK-POPなる
      韓流整形腰振り踊りでのイメージ戦略
      ゴリ押しに注力なされてますが
      災害なくても有害物質垂れ流す
      低い技術の自国原発棚に上げて
      それより問題のない日本の処理水を
      「汚染水(笑)」とのレッテル張っての
      この恥ずかしい姿勢こそ
      まさに「韓流」の本質真骨頂だと感じます。

      こうした世界基準では
      みっともないことこのうえない「韓流」なのに
      それと深くコラボする
      中川正春を始めとする
      韓流政党立憲民主党日韓議連のめんめんと
      原発風評被害拡散活動家という
      みっともない立ち位置にすぎない
      韓流のお方さんたちには
      ほかのまともな国とは同じにできない
      正しい評価位置づけで接して上げる必要を感じます。

      1. だいごろう より:

        K-POPに関してはメディのゴリ押しも有るとは思いますが、AKB商法をグローバルに洗練させたような韓流ビジネスが上手くハマった面も大きいと思います。
        最新の音楽的流行を取り入れる、人気海外プロデューサーから楽曲提供を受ける、文化的トレンド(強い女性像など)を打ち出すなど、莫大な投資を行って王道を越えて覇道と言っても良いマーケティングでビジネスを成功させているようです。

        ポップミュージックには商業と芸術両方の側面が有り、商業の方に全振りしている姿勢は個人的に好みではありませんが、現在のK-POP人気が単なるゴリ押しだけではなく彼らなりの努力の結果である点を無視するのはフェアでは無いと思います。

        私自身もK-POPに詳しいわけではなく、情報源がテレビ番組だけではあるのですが。

        https://randomviews.net/archives/20544/

  5. 農民 より:

     まーたアメリカの顔に泥を塗って迷惑かけるのですか。自覚無いのだろうな……

    1. 匿名 より:

      どんどん泥を塗っていただき、アメリカに損切りを促してほしい。二度と日本に駄々っ子の世話を押し付けないようになるまで。

  6. クロワッサン より:

    まぁ、事実を無視して日本を非難しなきゃ朝鮮人韓国人らしくないですよね。

    事実を直視して日本を非難しない、そんな朝鮮人韓国人ならサッサと朝鮮人韓国人なんてものを捨てて人間になるでしょうし。

  7. 元地方銀行員 より:

    「済州は原発汚染水で最初に深刻に破壊される危機に直面している」

    南朝鮮は処理水放出後にトリチウム検出を行い「こんなに汚染された〜」と言うのでしょうね。
    でも、そのトリチウム、南朝鮮から排出されてますから〜〜〜、残念!

  8. どみそ より:

    竹島に上陸が確認されたものは 犯罪者です。
    犯罪者は入国拒絶で そのまま帰っていただきましょう。

  9. WindKnight.jp より:

    忙しい選挙戦の最中に来られても、どうしようもないよなぁ。
    直接、票に繋がらないことを避ける季節ですね。

    ま、最近は、日韓議連というだけでも、
    ネガティブな印象が付きまといますし。

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