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    Categories: 外交

自称元徴用工が「加害企業に代償を支払わせる」と宣言

代償を支払うことになるのはどちらの方でしょうか?

自称元徴用工判決のうち三菱重工の件から4年が経過しました。これについて韓国政府関係者は「解決」策について、「さらに絞られた」などと発言したのだそうですが、その内容を見るとまったく代わり映えがしません。相変わらず自分たちが加害者であるという事実から目を背けているからです。その一方、自称元徴用工側は「チャーハン工程」の継続を叫んだようです。

徴用工判決から4年

著者としてはうっかりしていましたが、昨日、つまり11月29日は、韓国の最高裁に相当する「大法院」が前月の新日鐵住金(現・日本製鉄)に対する判決に続き、三菱重工業に対しても、自称元徴用工への損害賠償を命じた判決から、ちょうど4年目の節目でした。

これらの判決に対する両社の発表については、現在でもそれぞれのウェブサイトにて確認可能です。

徴用工訴訟に関する韓国大法院の判決について

<略>「本判決は、日韓両国及びその国民の間の請求権に関する問題は『完全かつ最終的に解決された』とする日韓請求権・経済協力協定(1965年6月)及びこれに関する日本政府の見解に反するものであり、極めて遺憾です」<略>

―――2018/10/30付 新日鐵住金株式会社HPより

本日の韓国大法院の判決(2件)について

<略>「そもそも日韓両国及びその国民の間の請求権に関する問題は、日韓請求権協定(1965年6月)において、『完全かつ最終的に解決』され、いかなる主張もすることができないと定められております。<中略>日韓請求権協定及びこれに関する日本政府の見解並びに日本の確定判決に反するもので、極めて遺憾であります」<略>

―――2018/11/29付 三菱重工業株式会社HPより

両社の言い分どおり、韓国の司法府が下した最終判決は、1965年の日韓請求権協定に謳われている「完全かつ最終的な解決」とする文言に明確に抵触しており、いわば、韓国の司法府自身が国際法に違反する違法な判決を出した格好です。

加害者としての韓国

繰り返す!「韓国=加害者」である

また、韓国では自称元徴用工を「強制徴用被害者」ないし「強制動員被害者」などと呼ぶ一方、両社を含めた自称元徴用工訴訟の被告企業を「加害者」、あるいは「戦犯企業」などと呼ぶことが一般的ですが、こうした表現自体が大誤りです。

正しく述べるならば、「強制徴用被害者」と呼ばれる者たちの正体は自称元徴用工であり、この問題における加害者は自称元徴用工と韓国の司法府で、これに対して両社を含めた日本の被告企業は、いわば韓国の司法システムによっていわれなき損害を被っている「被害者」の立場なのです。

あるいは、韓国の「戦犯企業」という言葉に対抗するために、敢えて「被害企業」と呼んでも良いかもしれません。

韓国側の認識
  • 加害者…日本の戦犯企業
  • 被害者…強制徴用被害者
国際的に正しい認識
  • 加害者…自称元徴用工と韓国の司法府
  • 被害者…日本企業=被害企業

(【出所】著者作成)

この図式、しっかりと頭に入れておきましょう。そうでなければ、どこかの国の首相のように、「この問題は両国の協議で解決すべきだ」、などと寝ぼけたことを言い出しかねないからです。

当たり前の話ですが、韓国はれっきとした加害者ですから、加害者である韓国がウソをつくのをやめ、違法行為を直ちに停止したうえで日本に対して真摯に謝罪するのでなければ、問題は解決しません。その意味で、この問題は100%、韓国のみにかかっているのです。

余談ですが、どこかの国の外務省は、日韓諸懸案を巡ってその国の首相にせっせとウソの報告を上げ続けているようですが(『ウソつき外務省:「佐渡金山登録で米韓との関係悪化」』問う参照)、その意味で日本企業や日本国民にとっての「本当の敵」は、じつは韓国ではないのかもしれません。

「佐渡金山の世界遺産登録に動けば韓国や米国との関係が悪化する」。こういうウソを岸田首相に吹き込んでいたのは、やっぱり外務省だったようです。これは韓国観察者の鈴置高史氏が以前から指摘してきた問題点ですが、時事通信に今朝掲載された記事にも同じ趣旨の記載が含まれているのです。2022/07/29 17:46追記記事ジャンルが誤っていましたので修正しています。ウソつき外務省日本政府が佐渡金山の2023年におけるユネスコ世界文化遺産登録を断念したとする話題については、『佐渡金山世界遺産登録断念に「落胆」すべきでない理由』...
ウソつき外務省:「佐渡金山登録で米韓との関係悪化」 - 新宿会計士の政治経済評論

韓国自体が無法国家になった?

さて、こうした余談はとりあえず脇に置くとして、改めて考えておきたいのが、司法府の確定判決の意味です。

自称元徴用工判決問題自体、「韓国の国家権力の三権の一角たる司法府自身が国際法秩序に堂々と挑戦するような判決を出したと」、いうことを意味しますので、本来ならば、これは韓国が、それこそ「国を挙げて」取り消そうと努力しなければならない案件です。

もしもこの判決が強制執行された場合は、韓国自身が外国人投資家から、「外国企業が国際法の取り決めに反する判決により不当な損害を被ることがあり得る国」と認定されることになります。ありていにいえば、「無法国家」、ということです。

そして、もしも韓国自身が自国を「無法国家」だと認定されるのを避けたければ、2018年の判決については、全力で取り消さなければならないはずです。裏を返して言えば、韓国の政府や立法府がこの判決を取り消そうと努力しないこと自体が、暗に自分たちの国を「無法国家」だと認めているようなものです。

韓国外交部当局者「前より絞られた」

実際に、今年5月には文在寅(ぶん・ざいいん)前大統領が退任し、尹錫悦(いん・しゃくえつ)現大統領が就任したにも関わらず、この問題は「韓国自身が国際法を守る」という方向には進んでいません。

こうしたなか、ちょうど良い具合に、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)は29日の夜、こんな記事が出ていました。

徴用賠償問題解決策 「前より絞られた」=韓国外交部

―――2022.11.29 19:13付 聯合ニュース日本語版より

これによると、韓国政府・外交部当局者は29日、「日本による植民地時代に徴用された韓国人被害者への賠償問題」(※原文ママ)を巡り、「韓日間で(以前よりも)もう少し具体的な解決策について協議が行われている」と述べたのだそうです。

このあたり、以前の『日韓両国すれ違いは徴用工「問題解決」定義が違うから』でも指摘しましたが、自称元徴用工問題を巡っては、韓国国内では問題の「定義」自体がズレています。

韓国政府・外交部の当局者が、大法院の資産売却命令とは無関係に「解決」を模索し、自称元徴用工との対話を続ける、という方針を示したそうです。正直、「解決」の定義が異なっているため、ボタンを掛け違えたまま議論しても、解決策は出てきません。個人的な主観も交えて申し上げるなら、自称元徴用工問題はこのまま資産売却命令がズルズルと先送りされる、というのが、最も実現可能性が高いシナリオではないかと思う次第です。資産売却命令もなにも…そもそも売却不可能な資産ばかり8月19日以降、韓国メディアではしばしば、自称元徴...
日韓両国すれ違いは徴用工「問題解決」定義が違うから - 新宿会計士の政治経済評論

聯合ニュースの文章を読んでもわかるとおり、韓国ではこの問題を「日本による植民地時代に徴用された韓国人被害者への賠償問題」などと位置付けており、この時点で間違っていると言わざるを得ません。

ただ、ここで重要なのは、聯合ニュースが報じたこの外交当局者の発言です。

記事によるとこの当局者は、「現時点では特別な解決策と関連し、何を重点的に議論しているかについて話すのは難しい」としながらも、自称元徴用工問題の解決策を巡っては「前より絞られたのは事実」、などと述べたのだそうです。

この「前より絞られた」とは、以前の『自称元徴用工解決策は「1~2に絞られた」=韓国高官』でもとりあげた、自称元徴用工問題を巡る韓国政府高官による発言の「続報」のようなものでしょう。

またしても韓国側から、日韓諸懸案を巡って奇妙な発言が出てきました。自称元徴用工問題を巡っては「日韓の実務協議で解決策は1つから2つに絞られた」うえ、「強制動員と日本軍『慰安婦』問題、輸出規制、GSOMIAなど韓日懸案はすべてつながっている」としたうえで、自称元徴用工問題の解決を端緒にこれらの諸懸案の「一括妥結」を図る、というのです。自称元徴用工の解決策「1つか2つに絞られた」韓国メディア『ハンギョレ新聞』、『中央日報』(いずれも日本語版)は今朝、自称元徴用工問題を巡り、韓国大統領室関係者が「...
自称元徴用工解決策は「1~2に絞られた」=韓国高官 - 新宿会計士の政治経済評論

「韓国全額負担」でも解決にならない

この「絞られた案」について、聯合ニュースは、次のように述べています。

『絞られた案』は韓国の『日帝強制動員被害者支援財団』が両国の企業などから寄付金を募り賠償金を肩代わりする案が骨子になるとみられる」。

具体的には、財団などの第三者が債務者(この場合は三菱重工業や日本製鉄などの被害企業)の債務を引き受けるものの、債務者の損賠責任は残るという「併存的債務引受」なる方法なのだそうです。

ただし、この「併存的債務引受」を採用する場合にも、大きく2つの問題があるそうです。

聯合ニュースが報じるひとつめの問題は「債権者(この場合は自称元徴用工ら原告側)の同意が必要なのかどうか」という点で、これについては法的解釈が専門家の間でも異なっているのだそうです(逆に言えば、この方法自体、法的安定性に乏しい、ということでしょう)。

また、ふたつめの問題は、日本企業が(自称元徴用工らが求める)謝罪や寄付金の拠出に応じるかどうかで、聯合ニュースによると「日本はこれに呼応するという明確な態度を示していない」とし、「この溝を埋めるのがカギとなる」、と、勝手に決めつけています。

ただ、当ウェブサイトなりにいわせていただければ、この方式にはもうひとつ、深刻な問題点があります。

徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由』でも指摘しましたが、自称元徴用工問題の主要な構成要素は、「①韓国側がウソないし捏造に基づき」、「②日本に法的根拠のないことを要求している」という点にあるからです。

慰安婦財団という立派な前例があってだな…本稿は、ちょっとした思考実験です。自称元徴用工問題を韓国企業「だけ」が資金拠出する財団で解決させることは可能なのか――。結論からいえばそれは不可能です。なぜなら自称元徴用工への「補償問題」が片付いたとしても、韓国がありもしない問題を捏造して日本の名誉と尊厳を貶めている問題については、まったく解決しないからです。徴用工財団の顛末「韓国が全額負担する財団なら問題ないのでは?」昨日の『日韓が徴用工「肩代わり案」軸に年内決着目指す=共同』では、自称元徴用工問題を巡...
徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由 - 新宿会計士の政治経済評論

つまり、「併存的債務引受」だと、このうちの②の問題に対する答えにはなり得ますが(※ただし日本企業が1銭たりともカネを出さない、という限りにおいて、ですが)、残念ながら①の問題に対する解決策にはなっていないのです。

その意味で、万が一、日本の外務省がこの「併存的債務引受方式」で韓国側と交渉しているというのなら、この国の主権者たる日本国民から「恥を知れ!」「ふざけるのは大概にしろ!」などと罵声を浴びせられても文句はいえないでしょう。

それに、日本が「財団方式」で問題解決を図った際には、韓国に裏切られ、合意を勝手に破られたという実例があります。自称元慰安婦問題を巡り2015年12月に安倍晋三総理大臣が岸田外相(現・首相)に銘じて韓国側と取り交わした、日韓慰安婦合意です。

逆に言えば、慰安婦合意があるからこそ、韓国側とはいかなる財団方式であっても合意してはならないという教訓になっている、という言い方もできます。

もちろん、外務省のコリア・スクールの皆さんも優秀な方々でしょうから、「併存的債務引受」なる代物についても一蹴してくれているものと信じましょう。

判決を履行せよ

判決を通じて損害回復を図るのが筋

もっとも、ここで冒頭でも触れたとおり、そもそも「司法の判決」の重みについても改めて考えておく必要があります。

自称元徴用工判決自体は、日本の立場、あるいは世界の法治国家のスタンダードに照らせば、とうてい容認できないものであることについては議論はありません。

しかし、国際法的に違法な判決であったとしても、韓国という狭い国家のなかでは、いちおうは合法な判決ですので、自称元徴用工らは裁判で勝った以上、その裁判のシステムを使って自分たちの「損害」(?)を粛々と回復すべきなのです。

事実関係を確認しておくと、日本製鉄については自称元徴用工4名から、当時の為替レートで1人あたり約1000万円、三菱重工については広島の工場で働いていたと自称する5名の件では1人あたり800万円、「女子勤労挺身隊」5名の件では1人あたり1000~1500万円の、それぞれ損害賠償を命じられました。

そして、両社ともにこれらの損害賠償を履行していませんので、原告側としては、さっさと両社の資産を差し押さえ、換金する以外にありません。

個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」』でも述べたとおり、通常、裁判を行う際には、換金が容易な資産(著者自身の事例だと銀行預金口座とテナント入居中の商業用不動産物件)に対し、仮差押をかけるものです。

自称元徴用工問題の落としどころのひとつこそFOIP自称元徴用工訴訟を巡り、昨晩は「韓国の大法院(最高裁に相当)が三菱重工の資産差押命令に関する再抗告を棄却した」とする報道が流れていました。これ自体、正直、大した記事ではないのですが、そもそも論としてもうすぐ自称元徴用工判決から3年を迎えるため、少し個人的な「訴訟体験」も交えつつ、彼らの本当の狙いと日本政府のあるべき対応について探ってみたいと思います。要約 本気で訴訟を戦うつもりなら、売却が容易な資産を調べ上げ、最初から差押をするのが当然 非上...
個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」 - 新宿会計士の政治経済評論

それなのに、韓国側の自称元徴用工の動きは、あまりにも不自然です。

売却できない資産ばかり差し押さえている

彼らはいちおう、日本企業の資産の差し押さえを行ってはいるのですが、差し押さえられた資産は、三菱重工の場合は知的財産権(商標権や特許権)、日本製鉄や不二越の場合は合弁会社株式と、いずれも換金が著しく困難なものばかりだからです。

たとえば『民事執行手続で確認する知的財産権換金の「非現実性」』でも指摘しましたが、知的財産権の場合、強制売却ができないわけではないにせよ、財産権の評価には、高い専門性を持つ評価人を雇い、カネと時間をかける必要があるため、たかだか数千万円の賠償金目的では割に合いません。

著者自身、とある理由で民事執行法について調べてきたのですが、やはり知的財産権の強制執行というものは、かなり時間もコストもかかるため、現実的ではない、というのが暫定的な結論です。本稿では著者自身の実体験も踏まえつつ、民事執行法の規定などをもとに、不動産、金銭債権、動産、その他資産(とくに知的財産権)についての強制執行(売却命令)について概観しておきたいと思います。2022/08/19 12:07追記一部の端末で本文が表示されないというエラーがあったようでしたので、とりあえず記事の一部のリンクを削除して対応して...
民事執行手続で確認する知的財産権換金の「非現実性」 - 新宿会計士の政治経済評論

また、『非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい』などでも議論したとおり、合弁会社株式のような「非上場株式」の場合、そもそも株主としての権利の移転に発行会社の承認が必要ですし、売却するためには、やはりカネと時間をかけた評価手続が必要です。

数日前より、読者雑談記事などで議論されていたのが、「非上場会社の株式を差し押さえたとして、どうやってそれを売却することができるのか」、というものです。これについては以前、『非上場株式の売却を「時限爆弾」と呼ぶ韓国メディア』で、某隣国で日本企業の在韓資産が差し押さえられているという問題を巡って、「日本企業の資産が換金される可能性は低い」と述べましたが、「法に定められた手続をまったく守らない国」において、日本と同じ議論が成り立つのか、という点については、あらためて議論しておく価値がありそうです。...
非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい - 新宿会計士の政治経済評論

それを行わずに、わざわざ換金が難しい資産ばかり選んで差し押さえを行っている時点で、正直、原告側の代理人は本気で換金をするつもりがないことは明白でしょう。

そういえば、三菱重工の場合も、2021年の夏には金銭債権に対して差し押さえをかけようとしたものの、原告側が慌ててその差押えを撤回した、という「椿事」も発生しています(『【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」』等参照)。

本稿は、「速報」です。例の自称元徴用工判決に関し、金銭債権の差押を原告側が取り下げてしまったようなのです。ある意味では予想どおりでもあったのですが、とり急ぎ、ここでは韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の記事を紹介します。『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』で報告したとおり、自称元徴用工問題を巡り、韓国で原告側が金銭債権の差押に踏み切ったと発表したことは、個人的にはかなりの衝撃を受けました。これが事実なら、自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」からです。なぜなら、金銭債権の場合、...
【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」 - 新宿会計士の政治経済評論

これを撤回した理由は、表向きは「該当する金銭債権は三菱重工のものではなく、その連結子会社のものだった」というものですが、これも詭弁でしょう。

国際法違反の判決を下したくらいにアクロバティックな法解釈がまかり通る韓国のことですから、「法人格否認の法理」あたりを援用して、金銭債権の差し押さえを裁判所が認めてしまえば良かったのです。そうすれば、今ごろ三菱重工の資産(この場合は金銭債権)の現金化は完了していたでしょうに。

無慈悲なチャーハン理論

いずれにせよ、韓国の自称元徴用工側が現在行っている行動は、いわば、「現金化スルスル詐欺」のようなものであり、ネットスラングでいえば「限りなく細分化されるチャーハン工程」のようなものでしょう(『やっぱり逃げた大法院:資産現金化問題もチャーハン化』等参照)。

やはり彼らは、「チャーハンの工程を無制限に細分化すること」を選んだようです。韓国メディアの報道によれば、三菱重工の知的財産権の売却命令に対する再抗告を審理している大法院の判事が、判決を出さないまま退任するのだそうです。チャーハンは、待てど暮らせど出てきません。いい加減、客も店から出る時間ではないでしょうか。予想通り?「大法院判事は判決出さずに退任」=韓国紙ある意味では、まったく予想通りの結果となりました。自称元徴用工問題の一角を占める「資産現金化問題」を巡り、判断が先送りされたと報じられてい...
やっぱり逃げた大法院:資産現金化問題もチャーハン化 - 新宿会計士の政治経済評論

ここで、「チャーハン」とは、ネット上で自然発生した表現で、北朝鮮当局の「無慈悲な」報道発表をベースに加工した、次のような理論(?)のことです。

無慈悲なチャーハン理論
  • 緊急献立会議を実行した
  • チャーハンを作成するよう指示した
  • 食材を仕入れるよう指示した
  • 食材を仕入れる準備に入った
  • 食材の仕入れが完了し調理待機状態に突入した
  • 食材の下ごしらえを指示した
  • 鋼鉄の包丁がかつてない程の切れ味で食材を切り刻むだろうと発表した
  • 鋼鉄の包丁が待機状態に入ったと発表した
  • 食材の下ごしらえが終了したと発表した
  • 下ごしらえを終えた食材が待機状態に入った
  • 鋼鉄のフライパンを準備するよう指示した
  • 鋼鉄のフライパンのが待機状態に入った
  • チャーハンの調理を指示した
  • チャーハンの調理が可能な待機状態に突入した
  • 強力な火力で炒めるだろうと発表した
  • ガスコンロが待機状態に入った
  • お昼までに重大な決断をすると発表した
  • お昼のメニューがチャーハンに決定したと発表した
  • チャーハンを作ることが承認された
  • この世の誰も体験したことのない革命的食感のチャーハンになるだろう
  • 本物のチャーハンを味わうこととなるだろう
  • カレーライスの予定を白紙に戻す決定が下った
  • ガスコンロの元栓が総解放され、残されたのはチャーハンの調理だけだ
  • チャーハンの調理開始まで1分1秒の状態だ
  • すでに客には通告している

…。

本当にイライラしますし、「さっさと作れ」、という感想しか抱きません。手慣れた人であれば、チャーハンなどパパッと具材を中華鍋に投入し、ものの数分で出来上がるものだからです。数年、数十年もかけて調理するようなものではありません。

代償を払うのはどちらでしょうか?

こうしたなか、限りなく細分化されたチャーハン工程を巡っては、こんな報道も出て来ています。

日本企業の資産現金化 徴用被害者側が最高裁に命令確定求める=韓国

―――2022.11.29 16:49付 聯合ニュース日本語版より

聯合ニュースによると、自称元徴用工の支援団体らは29日、韓国の大法院前で記者会見を開き、「加害企業」(※原文ママ)の三菱重工の韓国内資産売却を巡る最終的な判断を巡って、裁判所に対し「先延ばししない」ように求めたのだそうです。

いちおう、記事のとおりにこの団体関係者の発言を取り上げておくと、こんな具合です。

三菱は十分な支払い能力があるにもかかわらず故意に裁判所の命令を無視している悪徳被告企業だ」。

こうした発言自体が三菱重工に対する名誉棄損であり、立派な不法行為を構成しています(※余談ですが、日本政府は今すぐ、この関係者らの日本への入国を禁止する措置を講じるべきでしょう)。

ただ、こんな会見が出てくるというのは、三菱重工側の再抗告を韓国の大法院が受理してからちょうど4ヵ月目にあたる8月19日までに「審理不続行」の決定を下さなかったことと、担当していた判事が退職してしまい、空席になっていた、という事情もあるのでしょう。

これについては今月25日に後任者が着任したため(『自称元徴用工問題「チャーハン工程」は再開されるのか』等参照)、一部コリアウォッチャー界隈では「またしてもチャーハン茶番劇が再開される」との期待が高まっているのです。

自称元徴用工問題で日本が韓国に譲歩するのかどうかという点は、日本国の有権者である私たち日本国民にとっては非常に気になる論点のひとつですが、これについて著者自身は「2つの理由」で楽観的な見通しを持っています。こうしたなか、韓国では無限に細分化された「チャーハン工程」が再び始まりつつあるようです。外務省という組織の問題点本稿は、今朝の『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』の付属論点のひとつです。というのも、「官僚・メディア・野党利権」の「腐敗トライアングル」の論点は、日本が抱える...
自称元徴用工問題「チャーハン工程」は再開されるのか - 新宿会計士の政治経済評論

このあたり、聯合ニュースによると、自称元徴用工のひとりは次のように主張したのだそうです。

われわれに何の過ちがあるのか。(加害)企業に代償を払わせる考えだ」。

「代償を支払う」ことになるのが日本企業なのか、それとも「大韓民国」という国家なのかという論点を別にすれば、珍しく、意見が合致した気がします。「瀬戸際外交大好き」という行動に照らし、本気でチャーハンが完成するとも思えませんが、それでも結局のところは「行き着くところに行き着く」のが最も手っ取り早いのです。

万が一、日本企業の資産売却が決定されてしまった場合には、安倍政権時代に官房長官だった菅義偉総理や、当時の河野太郎外相らが示していた、「日本企業に不当な不利益が生じた」ことに、見事に該当することになります。

当然、日本政府も事前の宣言通り、韓国に対する制裁に乗り出さざるを得ませんし、逆に、「韓国の国際法違反判決」と「これに対する日本政府の国際法に従った制裁」というかたちで、この問題は決着を見るのです(日韓関係自体がその後どうなるかは別として)。

したがって、この資産現金化決定の件については、(あまり期待しないで)気長に待ってみる価値はあるかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (19)

  • >もしもこの判決が強制執行された場合は、韓国自身が外国人投資家から、「外国企業が国際法の取り決めに反する判決により不当な損害を被ることがあり得る国」と認定されることになります。ありていにいえば、「無法国家」、ということです。

    ヘーベイ・スピリット号原油流出事故やローンスター事件を考えると、既に「無法国家」と見做されてても不思議ではないですね。

  • 現金化の決定もできないまま、年が明けても韓国政府と自称元徴用工のプロレスを延々と見せられることになるんだろうね。元々、被害者ではないことを自称元徴用工自身がわかっているから、切実さはないし、うまくいけば金がもらえると思って騒いでいるだけ。
    債務引受?併存的でも免責的でも、どちらでも無理無理。実行するつもりもない、ただのジャストアイデアだから。角度を変えてつぶやいてみて、日本政府の反応をちら見してみているだけ。こんな安いトリックに騙されちゃいけない。

    • もはや弁護士料が膨大で引くに引けないのでは?詐欺徴用工者達もその弁護士も。
      弁護士はお金が入れば良いので、どこの誰が金を出そうが構わないと思っているでしょうが。

    • そもそも何故、徴用工の問題を戦後70年以上経ってから騒ぎ始めたのか。それまで1965年の日韓請求権協定の合意に納得していたわけで。
      韓国は慰安婦問題と同タイミングで徴用工問題も上げておけば拗れることもなかった。
      単純に安倍晋三に慰安婦合意されて外交カードが無くなりそうだから徴用工問題をでっち上げただけだろうが。

    • あー韓国の方々の願望ですね。
      まあそれが実現すれば韓国は苦境から抜けられて嬉しいでしょうけど、日本の立場でそんなことしてあげなきゃいけない理由がどこにもない。
      そもそも、大統領が首脳会談を望んでも一切してもらえなかった状況と合致しません。

      日本は完全勝利まであと一歩というところまで韓国を追い詰めています。日本マスコミが実情を記事にしないために分かりにくいですが。

      年内に大統領訪日とか願望あるみたいですが、これも何か韓国が譲歩する条件込みで訪日検討みたいなリークが出て潰せるでしょう。ここ数ヶ月よく見られたパターン。

      この問題、例の判決を韓国の立法か行政措置で無効化して、日本に謝罪して、1965年の協定の遵守を改めて誓わないと解決しません。

      で、それが実現したとして日本が「してあげること」は何もありません。せいぜい、ことあるごとに首脳会談に応じてあげるくらいでしょうか。そもそも日本は韓国にお願いごとする必要はないのです。

      お願いごとが必要なのは常に韓国、まあ、せいぜい大統領自ら懇願しに来てください。まあ、他の懸案も全て韓国側だけのアクションで解決しないと、新たな援助とか無理ですけどね。

    • あ、削除されました(笑)。
      日本人(及びその他の国々)をど○いにして云々はまずかったですかね。

      今回当方が韓国人様の肩を持つのは単純で、コメントされている諸氏でなく「岸田文雄」がこうすると韓国人様は書いているからです。

      ターゲットが騙されるか否かを問われると当方は「岸田文雄が又(笑)騙される」事に一票入れるしかないのです(笑)。

      外交とは不利な前例を作られると「負け」です。

      国政の責任を持つ人間には一丁目一番地と思いますが、我が国の外相経験者たる総理大臣閣下にはそれが分かっていないのです。

      でないと「包摂的FOIP」に賛同しませんよ(笑)。

      徴用工判決文の法的根源は以下です。

      ・歴史的不法行為には時効はない。
      ・請求権の相互放棄は日本が「自発的に破棄・放棄した」

      前者はともあれ、彼らに残念ながら後者が未成立です。
      総ては後者の実績を作る為の行動です。
      キット害務省の役人や岸田文雄には
      「実は強制的にカネを取り立てたくないから看板代や換金しにくいモノを選んでいるのですよ。
      こっちの顔を立てて日本から自発的に払ってよ。ちょっとでいいからぁ」と言ってますよ(笑)。

      自発的に払えば後者の条件成立で日本終了。時効が無ければ大東亜戦争も白村江の戦いもみそくそ一緒に「韓国への日本からの歴史的不法行為」で括れるのです。寧ろ虚言で構成する徴用工事案よりも白村江の戦いで日本に戦争責任があることをよっぽど立証が容易と思います。

      年1割複利ならば延滞利息で千年以上の延滞金がつく後者は凄い金額ですね(笑)。日本が全額払えば(笑)韓国人全員が札束で下々のほっぺた叩いて遊んで暮らせますよ。一生。

      他国で泣くのはイギリスくらいでそれ以外の国は政治的権威の継続が短いので他人事(他国事?)です。

      ソレらを含みの韓国人様のコメントと思いますよ。

      「目標、岸田文雄!」

      もう褒めるしかないじゃないですか(笑)。

  • 検討工程、加速工程もお忘れなく。
    もっとも総加速師がぼちぼち棍棒を揮いそうですが、見習ってほしくないものです。

  • もし韓国政府が自棄を起こして「本当に現金化しちゃった」ら、どうなるのやら?

    日本と報復の応酬が始まり、日韓関係は破滅の危機に陥ります。
    当然それは株価や資金調達や通貨レートなど見えやすい指標で
    韓国が矢継ぎ早に血反吐を吐く羽目になります。ここまでは分かりやすい。

    でも、その後は?韓国人のメンタリティが
    「もう反日やめるー!飢え死に怖い怖い怖いー!」となるのか、
    「これも日本のせいコレモニホンノセイ」とさらにエスカレートしていくのか……?

    どうなるかは見てみたいのですが、いわゆる”難民爆弾”が発生しそうでもあるので
    好奇心だけで願望を抱いちゃダメですね……

    • アルコール中毒や薬物中毒の人とは、まともに付き合えません。
      中毒の人とお付き合いするためには、依存症から抜け出すプロセスが必ず要ります。

      依存症から抜け出すときに、最後の大暴れがあるかもしれません。
      でも、大暴れが嫌だから程々にアルコールや薬物を与え続けることは、何の解決にもなりません。
      なにより依存症の人のためになりません。

      韓国を締めてつけて、もし暴発したとしても、それは今の世代の我々の責任ではありませんよ。
      これまてまにアルコールや薬物を山ほど与え続けてきた我々の親父の世代の責任ですわ。

      バッカらしいですが、我々の責任はギリギリ締め付けて韓国が依存症から抜け出す手助けをすることだけですよ。

  • 韓国では「対日謝罪賠償要求の怠慢が違憲」なんですよね。
    国の成り立ちからしてお話にならないってことなのかと。

    ボトルネック(解決策)を絞るほどに息苦しそうです・・。

  • 李栄薫元ソウル大学教授はその著書『反日種族主義』のプロローグに於いて、韓国では「2014年だけで偽証罪で起訴された人は1400人」であり「誣告の件数は(日本に比べ)500倍」だと指摘しています。

    それぞれ人口比で計算すると前者は430倍、後者は1250倍に相当するとも述べています。また同年の保険金詐欺の総額は4兆5千億ウォンを超えるとも。

    なんだか数字が大きすぎて頭がクラクラしてきそうな話ではありますが、これこそが現在の韓国の実態なのだと考えるべきでしょう。このような国民性を考慮すれば、彼らの「証言」にどれだけ信憑性があるのか、むしろ物証、即ち当時の朝鮮国内で発行されていた新聞に掲載されていた慰安婦募集広告、或いは高額の預金通帳や給与支払い明細などを見るに、彼らの「証言」がどれだけ荒唐無稽な「偽証」であり、「誣告」であることがはっきりわかるというものです。

    韓国の法廷では「事実認定」を行わないものなのでしょうか。

    まずはこの素朴な疑問を韓国側に問うところかか始めないと、これらの諸問題は解決しないと考えております。

  • 韓国の憲法や軍隊、国民意識のどこを見ても、
    常識的に判断すれば「日本の敵国」ですよね・・・
    ならば安保も経済も、文化だって一定の距離を取る必要がある国なのに
    日本には おまえはスパイか?というくらい 韓国にべったり利益誘導する人がいます。
    結論
    徴用工が騒いでいる状況は むしろ日本にとって好都合です
    どんどん無理難題でゴネて欲しい

  • 聯合ニュース日本語版の記事の、
    >財団などの第三者が債務者の債務を引き受けるものの債務者の損害賠償責任は残る「併存的債務引受」が方法として挙がっているが、
    というとこだけど、この方式だと第三者からお金を貰ったあとも、債務者には損害賠償責任が残るから、さらにお金を要求できるようになるってことかな?
    ((੭ ᐕ))?

    だとすると、一回の判決で無限にお金が貰える画期的な方式なのです♪
    (*゚0゚*)スッゴッイ!

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