自称元徴用工解決策は「1~2に絞られた」=韓国高官

またしても韓国側から、日韓諸懸案を巡って奇妙な発言が出てきました。自称元徴用工問題を巡っては「日韓の実務協議で解決策は1つから2つに絞られた」うえ、「強制動員と日本軍『慰安婦』問題、輸出規制、GSOMIAなど韓日懸案はすべてつながっている」としたうえで、自称元徴用工問題の解決を端緒にこれらの諸懸案の「一括妥結」を図る、というのです。

自称元徴用工の解決策「1つか2つに絞られた」

韓国メディア『ハンギョレ新聞』、『中央日報』(いずれも日本語版)は今朝、自称元徴用工問題を巡り、韓国大統領室関係者が「日韓の実務協議で解決策は1つから2つに絞られた」と述べた、と報じました。

大統領室「強制動員解決策、韓日実務協議で一つから二つに絞られた」

―――2022-11-17 06:55付 ハンギョレ新聞日本語版より

韓国大統領室「里程標立てた…韓日徴用問題解決策1~2案に絞られる」

―――2022.11.17 06:59付 中央日報日本語版より

2つの記事のうち、内容が短いのはハンギョレ新聞の方です。

ハンギョレ新聞によると、金聖翰(きん・せいかん)国家安保室長は16日、龍山(りゅうざん)の大統領室で開かれた「東南アジア歴史決算ブリーフィング」の場で、「両国の最大懸案である強制動員賠償問題」(※原文ママ)を巡って、次のような認識を示したそうです。

「(日韓首脳は13日の首脳会談で)両国間の懸案を解決するための明確な意思を確認し、現在進めている両国間交渉に強い推進力を注入した」。

ちなみに中央日報の方の記事によれば、金聖翰氏は11日から16日までの6日間にわたる尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領の東南アジア歴訪に随行したそうですが、この発言は帰国当日、米韓、日米韓、日韓、中間首脳会談の成果を順に挙げたなかのひとつでしょう。

韓国大統領室高官「韓日懸案はすべてつながっている」

これについて言いたいことは多々あるのですが、ひとまず脇に置き、記事の続きを読んでいきましょう。

ハンギョレ新聞の方の記載によると、「韓国大統領室の高官」も記者団に対し、「強制動員賠償問題」の解決策に関する両首脳の話し合いで「隔たりがかなり埋められたから、早く解消できる案を模索し、問題の早期決着を図ろうというムードだった」と主張。

さらには「強制動員と日本軍『慰安婦』問題、輸出規制、GSOMIAなど韓日懸案はすべてつながっている」とし、「一括妥結を強調した」うえで、日韓ともに「ゴルディアスの結び目(誰も解決することができないと思われるような難題)」を「徴用(動員)問題から解いていこうという共感がある」、などと述べたそうです。

いろいろとツッコミどころが多々ありすぎて困ります。

たとえば自称元徴用工問題を巡って、韓国紙は「強制動員」(ハンギョレ新聞)ないしは「強制徴用」(中央日報)などの用語を使っていますが、これらはいずれも大きな誤りであり、そもそも自称元徴用工らが「強制動員」ないし「強制徴用」された物的証拠は存在しません。

というよりも、自称元徴用工問題自体、「韓国が『強制動員』ないし『強制徴用』というウソに基づき、日本の名誉を傷つけ、2018年の賠償判決で国際法に違反して日本企業に不当な損害を与えようとしているもの」と定義づけることができます。

したがって、ハンギョレ新聞が「強制動員」、中央日報が「強制徴用」といった用語を使うこと自体、すでに日本に対する立派な名誉棄損行為なのです。

諸懸案は「韓国側が」ひとつずつ丁寧に解決しなければならないもの

これに加えて「強制動員、慰安婦、輸出規制、GSOMIAなどの懸案はすべてつながっている」とする認識も明確な誤りです。なぜなら、日韓諸懸案はすべて韓国がひとつずつ丁寧に解きほぐさなければならない問題ばかりだからです。

たとえば自称元慰安婦問題も、「ウソや捏造に基づいて日本の名誉を傷つけ、日本に不当な損害を与えた」という意味では韓国による犯罪的な行為ですが、これ自体、一種の政治決着として2015年12月の慰安婦合意で問題が「最終的かつ不可逆的に」解決しており、この約束を勝手に破ったのは韓国です。

また、韓国メディアが「輸出規制」と呼ぶ、2019年7月に日本政府が講じた対韓輸出管理の厳格化・適正化措置も、その原因を作ったのは韓国です。「日韓間の信頼関係が著しく損なわれ」、「輸出管理を巡り不適切な事案が発生した」からです。

この対韓輸出管理適正化措置を自称元徴用工問題と勝手に関連付けたのは韓国政府ですし、また、これに対する報復措置としてGSOMIA(秘密軍事情報保護協定)を勝手に破棄すると宣言したのも韓国政府です。

さらにいえば、「韓国側が解決しなければならない懸案」は、ほかにも数多く残っています。竹島不法占拠問題もさることながら、旭日旗騒動、あるいは2018年12月に韓国海軍駆逐艦「広開土大王」が発生させた火器管制(FC)レーダー照射事件もその典型例でしょう。

日韓諸懸案は、韓国自身がこれらひとつひとつを丁寧に解きほぐし、「ウソをつかず誠実に」、「国際法や条約、国際合意に従って」解決していかなければならないのであって、間違っても尹錫悦氏のいう「グランドバーゲン」方式で解決できるものではありません。

その時点で、この大統領室高官とやらの発言は、正直、てんでお話にならない代物なのです。

岸田首相の発言は後退している

ただ、岸田首相の発言が最近、徐々に後退しているのは、たしかに気がかりです。

当ウェブサイトのコメント欄には最近、特定のコメント主から、「岸田文雄首相の日韓諸懸案に対するスタンスは何ら変わっていない」などと強弁する、ファクトもロジックも無視したコメントがしつこく寄せられていたことがあります(※ただし、当該コメントは別の点で著しく不適切なものであったため、現在は削除しています)。

しかし、『徴用工問題「両国の協議で」早期解決を図る=首脳会談』などでも指摘したとおり、日本政府の側も岸田首相に交代して以降、安倍晋三総理、あるいは菅義偉総理の時代と比べて、日韓諸懸案を巡る発言が徐々に後退していることは事実です。

これについてもう少し補足しておくならば、菅総理と岸田首相の発言を比べれば良いでしょう。菅総理は日韓関係を健全化するためのきかっけについては「韓国が作らなければならない」とする姿勢で一貫していました(『菅総理「日韓関係健全化のきっかけ要求」の本当の意味』等参照)。

実際、菅総理は2020年10月26日、第203回国会の所信表明演説で、日韓関係についてはこう述べています。

韓国は、極めて重要な隣国です。健全な日韓関係に戻すべく、我が国の一貫した立場に基づいて、適切な対応を強く求めていきます」。

ところが、岸田首相は就任後、少しずつ発言内容を変えているのです。

たとえば昨年の衆院選直後の昨年12月6日に行われた第207回国会の所信表明演説で、岸田首相は日韓関係について、次のように述べました。

重要な隣国である韓国には、我が国の一貫した立場に基づき、引き続き適切な対応を強く求めていきます」。

岸田首相のこの発言自体、菅総理のころの「健全な日韓関係に戻すべく」とする文言は抜け落ちていますが、それでも菅総理の発言と大きく変わるところはありません。

ところが、これが今年10月3日付で行われた第210回国会の所信表明演説だと、日韓関係については「我が国の一貫した立場に基づき」、「引き続き適切な対応を強く求める」が欠落し、「国交正常化以来~の基盤に基づき、」「韓国政府と緊密に意思疎通していく」に変わってしまっているのです。正確な表現は次の通りです。

韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国です。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、韓国政府と緊密に意思疎通していきます」。

やはり「基金案」を葬り去ったはずの安倍総理が暗殺されたため、これ幸いとばかりに「対韓売国派」が蠢動して岸田首相に余計な入れ知恵をしているのだとしたら、これは看過できない問題でしょう。

こうした事実関係を無視して「岸田首相や日本政府の立場はまったく変わっていない」などと言われても困惑するよりほかありません。

韓国側から解決策は出てこない

もっとも、自称元徴用工問題で果たして解決策が韓国側から出てくるのかは微妙です。

先ほど引用した中央日報の記事の内容に戻ると、大統領室高官は自称元徴用工問題を巡り、次のように述べたそうです。

両首脳とも強制徴用問題解決策と関連し非常に密度ある協議が進んでおり、進行状況に対ししっかり報告を受けているということを確認した。これは両国実務陣間で問題の解決策が1~2案に絞られているということ(だ)」。

この「1~2案」が何を意味するかはさだかではありませんが、これまでの報道等から邪推するに、おそらくは「韓国企業が韓国国内の財団に資金を拠出し、自称元徴用工の賠償に充てる」という案ではないでしょうか。

このあたり、この手の「基金」ないし「財団」が自称元徴用工問題の解決策となるのかといえば、そこは非常に微妙でしょう。

徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由』でも指摘したとおり、自称元徴用工問題は「日韓請求権協定違反」という要素だけでなく、「韓国によるウソに基づく日本に対する名誉棄損」という要素もあるからです。

問題はそれだけではありません。もしも「日本企業はカネを出さず、謝罪にも応じない」という案の場合だと、韓国側の世論が激高し、尹錫悦政権自体が持たない、という可能性も出てきます。

なにより、自称元慰安婦問題のときは、自称被害者と対峙したのは日本政府でしたので、日本政府がなんとか政治決着を図ることができたという側面があるのですが、これに対して自称元徴用工問題に関しては、自称被害者と対峙しているのが日本企業であるという事実を忘れてはなりません。

日本企業としても、自称被害者側に対し妙な妥協をすれば、株主代表訴訟を喰らうリスクがあるからです。この「民間企業独特のリスク」に対し、日本を売ろうとしている政治家、あるいは外務省の役人らはあまりにも無頓着ではないでしょうか。

ネット世論の時代に「売国妥結案」は通用しない

ところで、以前から何度か申し上げているとおり、著者自身は自称元徴用工問題を含めた日韓諸懸案を巡って、さほど悲観はしていません。

その最大の理由は、「世論」にあります。

著者自身の持論に基づけば、官僚機構やオールドメディアを中心とするごく少数の限られた者たちにより支配されてきた日本の世論は、インターネットの台頭により、現在、その少数支配が一気に崩壊し、解放されて自由化し、国民の手に戻り始めています。

ネットの台頭により市井の専門家らがみずからインターネットを使って情報発信を始めたことの影響もあり、官僚機構とオールドメディアが長年垂れ流してきたウソがバレはじめ、財務省が唱える「国の借金」論、NHKの受信料利権の不当性などが、次々と白日の下にさらされ始めたのです。

そういえば、ツイッター社で「キュレーションチーム」が解雇されたためか、ツイッター上では一部のメディアや活動家らの姿が消え、これに代わって「本当の世論」が表に出始めているように思えてなりません。

こうした見立てが正しければ、もしも外務省がいかに裏でコソコソと動いていたとしても、自称元徴用工問題を含めた日韓諸懸案で「日本の利益を韓国に売り飛ばす」という解決策については、ネット世論が絶対に許さないでしょうし、場合によっては対韓譲歩を画策した「個人」が特定されることもあるかもしれません。

なにより自民党も「機を見るに敏」な政党ですから、「有権者の圧倒的な支持」さえあれば、政治の力で霞が関を強制的に止めるのは簡単なことであるはず。

その意味では、これを読んでいただいた皆さまを含め、有権者のひとりひとりが意識を高め、「省益を重視するあまり、日本の国益を犠牲にする」という者たちの動きについては「絶対に許さない」という強い意志を持つことが大切なのです。

幸いにして官邸への意見自民党への意見は誰でも提出できますし、もしご地元選出の国会議員の方がツイッターなどのSNSアカウントをお持ちであれば、ダイレクトメッセージなどのかたちで彼らに意見を伝えても良いかもしれないでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、本記事を読んでくださっている読者の皆さまにも、改めて次の3点をお願い申し上げたいと思います。

  • 納得がいかない報道をする新聞を購読しない。
  • 納得がいかない報道をするテレビを視聴しない。
  • 選挙では必ず投票する。

これで日本が少しでも良くなれば嬉しいです。

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

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読者コメント一覧

  1. カオナシ より:

    岸田総理の日韓会談内容の情けなさに
    酒井良海上幕僚長は記者会見しました。

  2. 雪だんご より:

    はて……これはいつものパターンでは?

    韓国政府「あああああ、今回も何も日本から引き出せなかった……案の定野党からも
    国民からも叩かれている……ちくしょう、ただでさえ支持率が低いのに、ちくしょう!
    ……そうだ!成果があった事にしよう!もちろん日本側は全然協力しないだろうけど、
    ”後頭部を殴られた”事にしよう!正直に”何の成果もありませんでした”と言うより絶対良い!」

    これじゃありませんかね……?日本側では「なんで会いに行ったんだよ……
    なんか岸田首相、微妙に韓国に配慮してね?」と評判がよろしくなかった今回の会談ですが、
    韓国側では「なぜ日本に媚びたぁああああ!?」の怒号が行き交っているみたいですし。

    1. oinko より:

      韓国の発表は 都合の悪い時は必ず願望を混ぜてウソをつくのです
      だから これはウソでしょう
      そもそも韓国の発表をイチイチ信じていたら
      自衛隊哨戒機は危険な低空飛行をして 
      韓国海軍はレーダー照射などしていない事まで事実になります

  3. sey g より:

    一括で解決する方法はあるにはあります。
    韓国が嘘をつかず条約を守れば全て解決です。何故なら、諸問題全て韓国の嘘と条約破りが原因だから。

    話は変わりますが、舞台とかで台本をみて役を演じる時に、大事なのは台本に書いてある言葉ではなく、意思です。
    例えば同じ「バカ」という言葉でも、
    好きな人に言う「バカ」と上司が失敗した部下に言う「バカ」では 意味が違うし言い方もかわります。

    韓国の言う事の意思は全て「日本を楽に騙して金を手に入れる」です。
    この意志が変わらない限り、日本は韓国を丁寧な無視で大丈夫です。
    どうせ、力で無理矢理日本から金を手に入れる方法はないのだから。

    外交だから韓国に直接「もう日本が騙されることはないし、日本の譲歩がない」と言っても、韓国が騙せると認識すれば 韓国の行動は変わりません。

    もう日本は優しくないとみせつけねば、韓国の行動は変わりません。

  4. 韓国人 より:

    まーた日本の負けだな(笑)
    岸田は良くやった(爆笑)

    1. 攻撃型原潜#$%&〇X より:

      そーお、韓国が勝ったんだ。よかったね。

  5. 匿名 より:

    日本の政府、オールドメディア共に水面下で譲歩しようと画策しても
    韓国側の優秀な記者が記事でバラしてくれるのはありがたい事です。

  6. Naga より:

    岸田と林の最強売国コンビだからどうなることか。

  7. 匿名 より:

    ゴルディアスの結び目って、解かれたのではなく、アレクサンドロス大王によって一刀両断されたような…

  8. 元一般市民 より:

    滅多に立憲民主党に期待することは無いのですが・・・

    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA147U50U2A111C2000000/
    立憲民主党の安住淳国対委員長は日韓で懸案の元徴用工問題について「日本側が解決ずみというスタンスを変えたのか。首相に確認しないといけない」と述べた。

    是非、国会で追及してもらいたいものです。

  9. 伊江太 より:

    日韓諸懸案というゴルディアンノットのアレクサンダー式解決法。

    スパッと縁切り。
    お互い晴れてスッキリ。

    ゴルディアンノットに例えつつ
    「韓国大統領室の高官」は、なぜそう言わ(え)ぬ?(笑)

  10. 一之介 より:

    ほら言ったとおり
    岸田は2度あることは3度どころか何度でも騙される。
    こんなのを総理にした自民党、腹立たしいやら情けないやら悔しいやら。
    岸田とハニー林とポチ鈴木トリオが日本を崩壊させる。
    自民党もこれが終わりの始まりだと思いますね。

  11. んん より:

    物事の本質を見極める能力が欠如している岸田氏は
    悪手を指さないから続投ではなく
    決定的な悪手を指してしまう前に
    辞めていただきたいと願っています

  12. 農民 より:

     ルアー釣りやってると、ライン(ミチイト。通話アプリではない。)トラブルってのが一番ストレスでして。一度も輪をくぐったりしていないはずなのに異常に複雑な結び目ができているとかしばしば起きます。まだ弛くて解けそうなら少し時間を欠けて丁寧に解くのですが。
     固く締まって解けそうもない、時間も惜しい、となると、スパっと切ってしまいます。どうせ硬い結び目から解けたラインなんて傷んでいて、再トラブルの元ですしね。もったいないですが、ちょっと切ったくらいならまだ遠投できるくらいの余分はリールに巻いてあります。

     さてアレクサンドロス大王ならぬ韓国さんのリールにはどれほどラインが残っているでしょうか……おや切ったらもう投げられないくらいですか?でもそちらの都合なので頑張って解いてください、そこからすぐ切れちゃうと思いますけど。元通りに修復なんてできると思ってんの?あゴミはちゃんと自分で持ち帰れな?

  13. 甲茶が飲みたい より:

    今のところ、日本側から「解決案」などの話題は出ていなかったはずですので韓国側の願望ごり押し(=いつものアレ)でしかない感じですね。
    無論、日本側から韓国側に近い話が出てきたら困ったことになりますが……

  14. taku より:

     ユンソンニョル政権発足以降の日韓交渉は、今回で一段落でしょう。いわゆる徴用工問題の現時点での着地は難しいことを前提に、①旭日旗はためく観艦式への韓国の参加、②それに応えての3年ぶりの日韓首脳会談の実施、③日米韓での北朝鮮ミサイル情報のリアルタイム共有(実質GSOMIA復活?)という流れは、日本外交の一応の成果と評価して良い、と考えております。
     ただ当然韓国内では、それに対する水面下での不満があるのでしょう。ガス抜きとして、国家安保室長による徴用工解決間近発言や、国防部副報道官による「FCレーダー照射はなかった」発言があるのかもしれません。
    「外交の要諦は、51対49で勝っておきながら、49対51で負けた振りをすること」だそうです。とすれば、韓国側のこの種の発言は、「負け犬の遠吠え」と放置しても良いのかもしれません。
     ただそれには、日本国民の岸田首相に対する「この人なら国益を損ねない」という強い信頼があってこそ、成立するんですよね。「この人なら国益を損ね『かね』ない」と思われたら、持ちません。はてさて大丈夫かな。
     

    1. 農家の三男坊 より:

      >「外交の要諦は、51対49で勝っておきながら、49対51で負けた振りをすること」

      真面な政治家・外交官ならこの前提と意味は理解していると思いますが、
      幇間を外交と思っている間抜けな政治屋や似非外交官は、0:100のフレーミングでもこれをやるんですよ。

      >「負け犬の遠吠え」と放置しても良いのかもしれません。

      後に尾を引く明らかな嘘を放置することは ”49対51で負けた振り” ではありません。
      ポイントは後に尾を引くか否か・事実として残るか否かです。

      「FCレーダー照射はなかった」は、頭からどやし付けるべき嘘です。
      嘘を吐けばメンツを失う。そういう躾をするべきです。
      (本当のメンツというものを理解できるならですが)

      これは非韓三原則の外です。

      其れをやってこなかった結果が、今の日韓に横たわる問題の山です。

  15. 匿名 より:

    日韓関係に関する岸田総理の発言内容が後退していることは確かに気がかりであり、「安倍総理が暗殺されたため、これ幸いとばかりに「対韓売国派」が蠢動して岸田首相に余計な入れ知恵をしている」という可能性も十分考えられるのですが、自分はむしろ、これまで、対韓姿勢については安倍元総理のお目付けもあって、安倍元総理のやり方に従わざるを得なかった岸田総理が、安倍元総理が暗殺されたことで重しが外れ、対韓姿勢をどうするかについてはそもそも関心が薄れ、外務省が良きに計らってくれればいいとばかりに対応を事務方に一任して、岸田総理自身は全くグリップしていないのではないかという可能性の方を危惧しています。

    仮に外務省が韓国に対して甘く対応しようとしても、岸田総理がしっかり主体的に目配りしてチェックしていれば、対韓姿勢に関する岸田総理の発言がそうそう後退することはないのではないかと思いますが、岸田総理自身が対韓姿勢について関心を持っていなければ、外務省も好き勝手やるでしょうし、岸田総理がそれを咎めることもしなくなるでしょう。韓国に対して無用な譲歩をせず毅然と対応することを事務方に徹底させる必要性について、岸田総理はそもそも認識していないのかもしれません。

    韓国の報道では「日韓の実務協議で解決策は1つから2つに絞られた」と伝えられていますが、案外、日韓の外交の事務方サイドでは、こういう方向で話が進んじゃってるんじゃないかという悪い予感がしてなりません。

    1. 農家の三男坊 より:

      仰る通り、そんな危惧を政権移行チームが来日した頃から持っていました。
      そして、外務省の担当者はその無知無関心の丸投げの被害者と言う気もします。

      お手々繋いで仲良くが外交と信じる首相から”日韓関係を改善しろ”とだけ指示されたら
      なにをするか・・・

      相手が価値観を共有せず、
      約束を守らなくても、
      嘘を吐いても、
      ゴネれば日本が折れてくると学習していたら・・

  16. 迷王星 より:

    >このあたり、この手の「基金」ないし「財団」が自称元徴用工問題の解決策となるのかといえば、そこは非常に微妙でしょう。

    いえ,微妙なんてものじゃ無く,全く話にならない代物で日本政府は決して受け容れてはならない「解決」策であると私は考えます.

    仮にですが,日韓両政府や両国企業から出資を求めて立ち上げる基金・財団(以下,単に 財団 と略)方式が実際には日本政府・日本企業(以下,日本側 と略)が出資を拒否したまま財団が成立し運用を開始されることによって,結果的には日本側が1円も負担しない形で「解決」したととしても,そんな財団方式を日本が受け容れれば,日本側に対する請求権を認め日韓請求権協定に反している韓国大法院の判決を日本政府が公式に受け容れた(正当だと認めた)ことになる,即ち,日本政府が公式に日韓請求権協定がもはや無効と認めることになるからです.

    財団方式での解決を日本が受け容れるためには,最低でも,韓国政府に「日韓請求権協定によって日本側への請求は国際法的には既に無効なので,当財団への出資は全て韓国企業and/or韓国政府のみで行う」と公式に宣言させ,この宣言を日韓両政府で覚書として残す必要があります.

    そもそも,韓国政府を相手とする財団方式による「解決」が如何に当てにならず信頼に値しないかということは,文政権によって慰安婦(という名前の高級売春婦に関する)合意で日本政府が10億円もの大金を出捐して作った財団が一方的に解散され合意が実質的には破棄されてしまったという事実でも明らかです.

    >『徴用工「韓国が全額負担」でも問題解決にならない理由』でも指摘したとおり、自称元徴用工問題は「日韓請求権協定違反」という要素だけでなく、「韓国によるウソに基づく日本に対する名誉棄損」という要素もあるからです。

    名誉の問題も大切ですが,それ以前の問題として,大法院による日韓請求権協定を無視(することで同協定を無効化しようと)した判決に沿った形式上は日韓両政府・企業が自発的に出資する(が日本側による一斉の出資拒否が認められることで現実の金銭負担としては日本側はゼロとなる)「解決」策を,単に現実の金銭負担がゼロということで日本政府が認めてしまえば,今後,日本による朝鮮併合に対する慰謝料請求という原理的に全韓国民が(御先祖様の味わった苦痛に対する慰謝料という意味で)原告となれる請求と韓国大法院による日本側敗訴判決というの危険性を日本が許すことになるので,日本としては絶対にNGです.

    そもそも大法院が自称徴用工慰謝料裁判等で日本側の慰謝料支払いの義務を認める判決を出している根本的な原因は,韓国憲法が日本による併合を合法と認めていないことにあります.併合が不当で違法という立場だから,本来の合法的な併合下での元李氏朝鮮国民が日本国民としては合法な活動も全て違法で日本は彼らに慰謝料を支払うべし,という判決を下せるのです.

    従って,日本政府としては,最低でも韓国政府による公式の宣言(つまり大法院判決が実際には日韓請求権協定に照らして国際法上は無効だという公式宣言)がない限り,財団方式は絶対に受け容れてはなりません.

    仮に全ての韓国民が併合時代に生きていた彼らの御先祖様全てが違法な併合で味わった苦痛に対する慰謝料請求を日本に対してすれば(そして大法院がそれを認める判決を下せば),日本が請求される額は途方もない額(少なくとも数百兆円,例えば今の5千万人強居る韓国民1人当たり1千万円という判決が下れば総額5百兆円余り)に上ります.

    財団方式を日本政府が受容することは,将来の日本にとってそれほど危険な代物なのです.

    日韓基本条約の締結の際に,日韓併合の合法性を韓国にきちんと認めさせず有耶無耶にしておいたツケが顕在化しようとしているとも言えますが,かくなる上は,日本としては併合期に関する全ての対日請求は日韓請求権協定によって全て解決済という立場を死守することで,併合の違法性を根拠とする判決内容を全て拒否せねばなりません.

    さもなければ,我々の子供や孫たちが「違法な併合時の苦痛に関する慰謝料」という名前の数百兆円もの巨費を韓国に貢ぐために韓国の奴隷と化す未来が日本には待っています.

    1. 農家の三男坊 より:

      仰る通りですね。

      会計士様もその認識であったはずですが、変わったのかな?

  17. より:

    過去に多くの事例がありますが、韓国人は事実と願望との区別がつきません。なので、「こうだったらいいんだけどなぁ…」という内容を「こうである」として発表することも珍しくありません。今回もおそらくはその伝であろうと思われるので、放置しておいても問題はないだろうと思います。どうせ、日本側が満足する、あるいは満足しないまでもまあ仕方ないかと思える程度の提案ですら出てこないでしょうから。
    以前もコメントしたように思いますが、文在寅前大統領が根本的に破壊した日韓関係はすでに転回可能点を越えており、仮に尹錫悦大統領が十分に誠実かつ有能であろうと、もはや取り返しがつきません。信頼関係をゼロからどころか、大幅なマイナスから再建しなければなりませんので、彼の5年の任期では到底不可能でしょう。
    日本としては、最低限の外交儀礼遵守、そして一応万が一に備えての外交ルートの維持、それだけで十分です。首脳会談をするとかしないとか、それすらももはやどうでもいいことだと考えます。

    もっとも、昨今の情勢を踏まえ、日本としては、本当に韓国が経済破綻に陥った際、どのように対応するかは内々に検討を進めておいても良いかもしれませんね。例えば、10万人単位で「難民」が押し寄せたらどうするか、考えておくべきでしょう。

  18. 裏縦貫線 より:

    2案残ったとして、「日本はどちらを選ぶのか」という罠に嵌まらないように。
    マスコミ屋さんが国民に対しそういう雰囲気を仕掛けてこないか要注意です。

  19. クロワッサン より:

    日韓基本条約とその付随協約にて、日韓併合を国際法上違法とする解釈が韓国内で歴史的事実として通用するに当たり、日本が無関係であれば日本政府は関与しない事となったと考えると、「自称元徴用工問題を韓国政府・韓国企業・韓国民だけの基金案で解決する事にした」と韓国政府が日本政府に提示すれば、日本政府は『韓国側が日本とは無関係に、勝手にやっている事で、韓国の国内問題である』として傍観する事になるのかなぁ…と思うのですが、どうでしょうか?

    韓国の司法によって日本企業が巻き込まれましたが、韓国の行政又は立法で日本企業を除外すれば、韓国の国内問題だと認めるかは日本側の政治判断次第になるって解釈をするのかも。

    1. 農家の三男坊 より:

      これが詐欺師の手口なんですよね。

      関係ないと思って傍観していると、”知っていて反論しなかったのは認めたからだ”と難癖をつけてきます。事実を知らない外野はそれに騙される可能性があり、その外野が何の権限も影響も日本に持たなければ良いのですが、このグローバル時代にそんなことはありません。

      日韓併合ですから、日本が無関係と言うことはありません。

      その嘘を知った時点で、”誤りであり日本国は認めない。”を公式見解として出す必要があります。

  20. F & L より:

    「我が国の一貫した立場に基づき」
    「国交正常化以来の(略)の基盤に基づき」
    これは、どちらも「日本は日韓基本条約を守って韓国と関係を築いたし、これからも一貫して同じ立場で接している」というものです。
    言い方が変わっているだけで、中身は何も変わっていません。

    「引き続き適切な対応を強く求める」
    「韓国政府と緊密に意思疎通していく」
    これも、緊密な意思疎通とは、「約束を守れと言い続けますよ」という意味です。
    言い方が変わっているだけで、中身は何一つとして変わっていません。
    だから、所信表明演説以降である先日の日韓首脳会談で何ら事態は動いてないのです。

    そもそもにして、客観的事実とは温度や湿度のように何らかの指標があり、その指標を使うことで万人に同じ意味で通じるものです。
    対して、こんな発言が後退か前進かなんてものは指標が無い。だから、個人の主観でしか判断できないものです。
    なので、指標も持ち出さないこんな説明は「私は主観による印象で判断しました」という証拠でしかありません。
    なお、日韓首脳会談は「具体的な話の有無」という指標を使うことで「何も話は動いていない」という事実を導き出せます。

    あと、これも匿名氏に返した内容ですが。
    発言よりも行動の方が判断基準としては意味があります。
    どれだけ威勢の良いこと言おうが、行動が伴わなければ意味がありません。
    なので、何を言っていようが、何一つとして韓国に実益を与えていない(だから、韓国内は紛糾しっぱなし)実績の方から判断して、その分は岸田総理は信頼できるってものです。

    あと、反論されるのが怖いから、HNやIPでアク禁したりといった真似はされていないですよね?
    反論も説明もなく削除されるようなら、「つまりはそういうこと」として理解します。

    1. 農家の三男坊 より:

      >①「引き続き適切な対応を強く求める」
      >②「韓国政府と緊密に意思疎通していく」
      >③これも、緊密な意思疎通とは、「約束を守れと言い続けますよ」という意味です。
      >言い方が変わっているだけで、中身は何一つとして変わっていません。
      >④だから、所信表明演説以降である先日の日韓首脳会談で何ら事態は動いてないのです。

      ③の説明が無ければ①=②とは思いませんね。(特別な国語力が無ければ)
      ④も因果関係が不明で③を証明している事になりません。偶然という事もあります。

      そもそも①を②に言い換える理由は何か、何の説明もありません。そこが不振を招くのですよ

      1. F & L より:

        論点は「岸田総理の発言が後退しているのは事実と言えるか否か」です。
        対して、農家の三男坊氏の仰る話は「自分が言っている解釈のみが正しいと言えるか否か」です。
        論点がずれています。
        あと、結局は農家の三男坊氏の話も、主観でしか判断出来なかったというものになります。
        仮説や感想を語っているので。

        そして、言い換える理由に何か必要かというと、いらないでしょうそんなもの。
        むしろ、そんなものを内外に解説する方が、外交的には手札フルオープンで一利もありません。
        ただ、北朝鮮の動向や移り変わる世界情勢に伴って、中身は変えずに印象くらいは変えることはあっても不思議じゃないでしょう。

        1. 農家の三男坊 より:

          やはり、主観的と客観的の意味を議論しなければダメなのかな。

          F&Lさんの客観的の意味は狭すぎるのです。

          客観的とは普遍性を持っているか否かがポイントで、それを測る指標は、温度・湿度の様な物理指標だけでなく、言語・文化的な指標も含みます。

          >論点は「岸田総理の発言が後退しているのは事実と言えるか否か」です。

          論点は全くズレて居ません。
          ここからは国語力の話になってしまうのでしょうが
          >①「引き続き適切な対応を強く求める」
          >②「韓国政府と緊密に意思疎通していく」
          日本語的に①と②は同値ではなく”対韓要求という意味で”後退しています。

          これは主観ではなく客観的な事実です。(日本語が理解できれば)

          ①は日本国が韓国に対応を求める
             =問題解決に向けた適切な対応の主体はあくまでも韓国。
          ②は意思疎通をする
             =問題解決に向けた対応の主体が曖昧。

          このレベルは印象操作のレベルではありません。

          1. F & L より:

            その読み方は、局所的な解釈でのみ成立します。

            その前に国交正常化以来の云々とあるように、日韓基本条約に基づく日本がやれることはありません。
            責任の主体は韓国だと、この時点で決められているのです。

            その時点で、問題解決の責任は韓国側にしか無いものになります。
            その前提を無視しない限り、主体が曖昧とはならないのですよ。

            つまり、前後の文脈を合わせて読めば、農家の三男坊さんが説明される解釈にはならないのです。

          2. 農家の三男坊 より:

            >韓国は、国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国です。国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要があり、韓国政府と緊密に意思疎通していきます。

            に関して

            >国交正常化以来の云々とあるように、日韓基本条約に基づく日本がやれることはありません。

            これこそ、主観というものでしょう。

            国交正常化以来の云々 = 日韓基本条約に基づく日本

            と考える人がどれだけいるか(普遍性がどれだけあるか)

            官僚が”日韓基本条約に基づかない日本”を想定して書いていたら
            ボンクラな岸田首相がまた騙されないとは言えませんよ。

            ”日韓関係を健全な関係に戻し”も、前後の文脈でどうとでも取れる = 主観の入る余地充分。

            そうしておいて、気づかれない様にピースを一つ外せば、全く意味の変わる文章に仕上げたこと(=これをもって後退)が何を意味するか。要注目という事でしょう。

        2. 匿名 より:

          ファクトもロジックも無視する支離滅裂なコメント主にまともに相手をしてあげている農家の三男坊さんって凄いと思う。

      2. 匿名 より:

        農家の三男坊さんに全面的に同意。F&L氏の言い分は全く説明になっていない。

        ところで。。。あれ?F&Lさんってもしかして例の「ファクトとロジックを無視する人」?散々色んな人に論破されてたんじゃなかったっけ?

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