年賀状が廃れるのも時代の必然:新しい習慣も誕生か?
年賀状の当初発売枚数は毎年減り続けており、来年(令和5年=2023年)用の年賀はがきの当初発行枚数は16.4億枚に留まりました。これに関し、当ウェブサイトでの読者コメントを眺めていると、興味深いことに気付きました。年賀状が廃れるかわりに、親しい人とはウェブ挨拶ができるようになるのだとしたら、むしろ明治以前に戻るようなものなのかもしれません。
年賀状の枚数は減少の一途をたどる
先週の『来年用の「年賀はがき」当初発行枚数は2億枚近く減少』では、多くの方々にとって毎年恒例となっている年賀状の話題を取り上げました。日本郵便のウェブサイトの過年度プレスリリースなどをもとに、年賀状の発行枚数が年々減少しているとする点について、データで追いかけてみたのです。
改めて客観的事実として、旧・日本郵便時代の2003年分以降、来年分(つまり2023年分)の年賀はがきの当初発行枚数推移をグラフ化したものを紹介しておきます(図表)。
図表 年賀はがき・当初発行枚数の推移
(【出所】日本郵便ウェブサイト・過年度プレスリリース等を参考に著者作成)
これによると、当初発行枚数ベースでピークを付けたのは2004年用の44億4780万枚でしたが、その後はほぼ一本調子で発行枚数が減少を続けており、2007年用は40億枚の大台を割り込み、その10年後の2017年用で30億枚、そのわずか4年後の2021年用で20億枚をそれぞれ割り込んでいます。
とくに近年の減少が、なかなかに急ピッチです。
年賀状に関する読者コメントあれこれ
これについては読者コメント欄で、さまざまなご反応をいただきました。
はがきの発売枚数の減少を食い止めるためには「年賀はがきの懸賞の内容を充実させれば良いのではないか」、といったご意見もありましたし、また、「どうせ出すならできるだけ写真などを添えて近況を詳しく書くようにしている」、といった工夫をされている方もいらっしゃるようです。
これに加えて読者の方々の間でも、「年賀状辞退」のあいさつが増えている、といった報告もありましたし、なかには職場などで年賀状用の名簿が作られなくなってきて、上司、同僚などに年賀状を出すこと自体がなくなってきたのではないか、との指摘もいただいています。
ただ、高齢の恩師、親戚などについては、やはり今年も出し続けようと思っている、といった意見もあり、したがって、いきなり年賀状のやり取りが皆無になってしまうということもなさそうです。
したがって、今後は多くの人にとって、「新たに年賀状を出す」ということはあまりなく、基本的にはこれまで送っていた相手に継続的に年賀状を送り続けるものの、年賀状という習慣自体、徐々に廃れていくのではないでしょうか。
オンライン年賀とは?
こうしたなかで注目しておきたいのが、SNSやメール、LINEなどを通じた電子年賀状に加え、親しい人に対してはオンライン形式での年賀という形態も増えてくるのではないか、といったご指摘です。これもまったくそのとおりでしょう。
じっさい、現代社会だとZoom Meeting、Cisco WebEx、Microsoft Teamsなどのオンライン会議システムもありますし、iPhoneないしMacユーザー同士の方であれば、FaceTimeで通話することができます(ちなみに著者自身の会社ではこれらのすべてに対応しています)。
たとえば遠方に離れて暮らす兄弟や親戚と、家族ぐるみで年1回くらいはビデオで通話する、というのもアリでしょう。
とくに子供は1年で大きく成長するものですから、通話相手にお子さんがいらっしゃる場合、オンライン上で久しぶりに目にする甥っ子や姪っ子がどんどんと大きくなるのを見るのも楽しいですし、こちらに子どもがいる場合、相手に子どもの近況を見せるのは楽しいものかもしれません。
そうなると、逆にそのような相手とビデオ通話するなら、わざわざ年賀状を送る必要はなくなります。
そもそも年賀状自体が「略儀」
ここでハッと気づく点があるとしたら、そもそも年賀状自体、「年始の挨拶を欠礼する代わりの書面」、という性格があった、という説です。要するに、わざわざ相手の自宅などに足を運ぶ手間を省略するために、年賀の挨拶を手紙やはがきで済ませようとしたのが、今日の年賀状の起源だ、というものでしょう。
これについては諸説あるようですが、元旦(=元日の朝)に年賀状を配達するという習慣は、明治39年の「年賀特別郵便規則」の施行により制度として確立した、などとするものが定説のようです。
そういえば、現在でも職場などでの挨拶状では、たとえば人事異動の際に、「本来ならば直接お伺いしてご挨拶しなければならないところ、書面にて失礼申し上げます」、といった文言の書状を見かけることがありますが、これも「書面は本来、失礼だ」という認識が、日本人の潜在意識に存在している可能性を示唆しています。
年賀状自体がそもそも「略儀」の挨拶なのだとすれば、オンライン上で挨拶できるのならば、そもそもこの「略儀」の挨拶自体もなくなってしまって問題がない、という考え方も成り立ちます。つまり、IT、ネットの発達は、年賀状という「略儀」を消滅させる可能性があるのです。
もちろん、ウェブ会議はあくまでもウェブ会議であって、対面での挨拶とは異なりますが、それでも書状を取り交わすよりも、相手の顔を直接見て話せるという意味では、より「相手」を身近に感じられる手段ではないでしょうか。
紙そのもののやり取りは激減した
そんな著者自身も、年賀状をやり取りする枚数は減っていますし、これに加えて「さる事情」があり、再来年(つまり2024年以降)は年賀状の発送枚数がさらに減少する予定です(※この「さる事情」とやらについて、当ウェブサイトで報告するつもりはありませんが…)。
考えてみれば、この10年間で、「紙そのもの」をやり取りする機会は激減しました。
たとえば、消費税や法人税・個人所得税、法人の道府県民税・市町村民税・事業税などの申告書は、いまやe-TaxやeLTAXなどのシステムを使ってオンラインで完結しますし(※でもなぜか決算書を組み込むことはできません)、社会保険関係の資料も同様です。
さらには定期刊行物も徐々にオンライン上のサービスに移行し始めており、最近だと専門誌・業界紙もウェブで情報が提供されるようになりつつあります。
ただ、世の中のペーパーレス化が進んでいることは事実ですが、著者自身の感想を申し上げるならば、たかだか10~20枚くらいなら、やはり年1回くらいは年始の挨拶を兼ねて、近況を報告するはがきを送るくらいのことはやっても良いとは思っている次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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毎度、ばかばかしいお話しを。
郵便局:「年賀状を昭和レトロとして復活させよう。そのために、会社から年賀状を出す係のオジサン社員によびかけよう」
これって、笑い話ですよね。
思わず Youtube で帰るコールを検索して往時の思い出に浸りました。
1970年代初め、高校生のとき中央郵便局で年賀はがきを郵便番号ごとに仕分けするアルバイトをした。1日働いて日給(時給ではない)が750円くらいだった。
日本の文化なのだから、それなりに存続して欲しい。
でも、個人間の関係ですからね。 企業内でのそれは、大昔から疑問に思っていました。くだらないヤツに送るのは、止めた方が良いです。