ドイツを下した日本のサポーターがまたしてもゴミ拾い

サウジに倣って日本も本日が「国民の祝日」になる…のか?

「またしても」、日本のサッカーファンの行動が英国メディアに取り上げられました。FIFAワールドカップ・カタール大会で日本代表がドイツ代表に勝利した試合のあと、日本人サポーターらがゴミ袋を手にスタジアムの客席を清掃している様子が写真付きで詳しく報じられているのです。また、こうした行動に対する英国人のコメントも賞賛するものが圧倒的多数を占めているようです。

日本代表がドイツ代表を下す

サッカーファンの方々の間ではFIFAワールドカップ・カタール大会で日本代表がドイツ代表に2-1で勝利したことが話題になっていると思います。

いくつかのメディアの報道によれば、「森保一(もりやす・はじめ)監督の采配が功を奏した」、「日本代表のプレイは素晴らしかった」などとする論評もあり、また、ゴールを決めた堂安律、浅野拓磨両選手に対する賞賛の声なども見られます。

この点、著者自身は金融評論家であり、金融・外交・経済・国内政治・ハンバーガー・エクセルなどが専門分野ですが、残念ながらサッカー自体は専門分野ではなく、大変申し訳ないのですが、「足を使った球技」くらいの認識しかありません。

ただ、FIFAランキング24位の日本が同11位のドイツを破ったという快挙は素晴らしく、また、1993年にカタールで開かれた日本代表対イラク代表戦での敗退(いわゆる「ドーハの悲劇」)から約29年ぶりに起きた「ドーハの歓喜」にサッカーファンは沸いているようです。

しかも、森保監督自身、約30年前の「ドーハの悲劇」では選手としてかかわっていた人物でもあるため、この「因縁の地」で勝利を収めたというのは、感慨もひとしおでしょう。

ドイツ大使館が日本に祝意:イエローカードがゼロ

こうしたなかで、それ以上に興味深いのは、こんな話題です。

対戦相手のドイツ大使館は試合終了後、「フェアで熱い試合をありがとうございました」というツイートを発信。また、『東スポWEB』によると、今回の試合ではイエローカードがゼロ枚だったともしています。

イエローカードはゼロ! ドイツ大使館が「フェアで熱い試合をありがとうございました」

―――2022年11月24日 01:05付 東スポWEBより

この点、著者自身の持論ですが、スポーツは「ルールを守って最高のパフォーマンスを上げる」という点において、経営とそっくりだと考えています。イエローカードが1枚も出ない試合というのは、双方がそれだけフェアプレーに徹したということであり、勝った側も負けた側も賞賛に値するのです。

デイリーメール、再び「あの行動」を報じる

そして、それ以上に興味深いのが、英『デイリーメール・オンライン』が報じた、こんな記事ではないでしょうか。

Japan clean up on and OFF the pitch! Respectful supporters collect garbage after their side’s win over Germany – days after tidying up another World Cup stadium
  • Fans were seen armed with bottles and waste as they  stayed behind to clean
  • They also stayed behind after Qatar vs Ecuador on Sunday to clean up stadium
  • They went row to row collecting bottles and food wrappers left behind by fans
  • Japan won plaudits in 2018 for cleaning up the stands in Russia after matches

―――2022/11/23 18:15GMT付 デイリーメールオンラインより

日本人サポーターらによるゴミ拾いを英メディアが報じたとする話題は『W杯で日本人サポーターらがまたゴミ拾い=英メディア』でも取り上げたばかりです。

デイリーメールは「日本人サポーターらが自分たちに無関係なカタール・エクアドル戦に続き、今回の試合でもゴミ拾いをした」、「彼らは試合後に誰もいないスタジアムでゴミ拾いをした」、などとして日本人サポーターらの行動を詳しく報じています(カッコ内は意訳)。

  • All of the fans clutched numerous bags to collect the rubbish and weaved through each row to make sure the stadium was tidy.(これらのファンは一様に、ゴミを集めるための多数の袋を握りしめ、スタジアムを片付けるために各列を縫うように移動した。)
  • Another image showed security officials standing next to the supporters as they tidied up, with many of them appearing to smile.(別の映像によれば、片付けをするサポーターの横に警備員が立ち、多くのサポーターが笑顔を見せている。)
  • Footage also showed supporters waving and smiling as they cleaned up.(また、サポーターが手を振り、笑顔で片付けをしている姿も見られた。)
  • The supporters have garnered praise online for their actions, with one person tweeting: ‘2022: For the first time Japan defeated Germany in Group stage opener after being 1-0 down. ‘Also Japanese culture of cleaning and respecting people is really awesome. Long live Asian football.’(サポーターの行動に対してネット上では賞賛の声が上がっており、ある人は「2022年、グループステージ開幕戦のあとも日本がドイツを破った」「掃除すること、そして他人を尊重する日本の文化は本当に素晴らしい。アジアサッカー万歳」などとツイートしている。)

読者コメント欄も賞賛が圧倒的多数

これに対し、コメント欄では「こうした日本人サポーターの行動は世界に感銘を与えるための計算に過ぎない」、「実際に日本の街ではゴミが落ちている」、といった批判意見を書き込んでいる人もいるのですが、見たところ、こうした意見は少数派です。

現時点において高い評価が付されているコメントを並べていくと、こんな具合です。

  • What a better place the world would be if we all would be respectful to each other.(みんながお互いを尊重し合えば、世界はもっと良くなるはずだ。)
  • The rest of the world would do well to make notes.(世界のほかの国も見習うべきだ。)
  • The Japanese have a different mind set! Whilst I was there in 2019 for the Rugby, I left my phone on a bench and only realised about 10 minutes later!!! Went back and my phone was still there, even though there were plenty of people around.(日本人は考え方が違う。私が2019年にラグビーW杯で日本を訪れた際、携帯をベンチに置き忘れ、10分後に気づいて取りに戻ったら携帯はそこにあった。たくさんの人たちがそこにいたというのに。)
  • Respect is part of their way of life. It’s a great way to live. Japan is an awesome country to visit for so many reasons, low crime rate and pleasantness being two main ones.(尊重は彼らの生き方だ。素晴らしい生き方だ。犯罪率の低さ、快適さなどの数多くの理由から、日本は訪れるべき国のひとつだ。)
  • Excellent. A lot of people could learn from this.(素晴らしい。多くの人はこれから学ぶことができる。)

なかには「酔っぱらった英国人ファンが空き缶を放置するようなことがなければ、掃除をする必要はない」、などとするコメントもありましたが、このあたりはブリティッシュ・ジョークなのでしょうか?(さほどおもしろさを感じないのは残念ですが…。)

いずれにせよ、国際試合というものは、勝てばうれしいものですが、負けたとしてもフェアプレーの結果であれば恥じるべきものではありません。そして、試合後のサポーターの行動も重要です。

外国だと「試合結果に納得がいかず、サポーターが集団で暴れる」、「対戦相手国の代表が宿泊しているホテルの前で試合前日に大騒ぎして睡眠を妨害する」、「相手国の旗を損壊する」などの事例もあるようですが、こうした行動にはどうにも同意できません。

これに対し、今回の日本人サポーターらの行動は、逆の意味で世界の注目を集めたことは間違いなさそうです。

オマケ:祝日のはずでは…?

さて、ネット上ではサッカーの試合で日本がドイツに勝利したことを受け、「岸田文雄首相が本日にも、24日を祝日にするかどうかを検討する」、といった観測が出ているようです。というのも、その前日、サウジアラビアが優勝候補のひとつであるアルゼンチンに勝利したことを受け、急遽、23日が祝日になったからです。

快挙記念し23日は祝日 サウジ国王―W杯サッカー

―――2022年11月23日07時04分付 時事通信より

これを受け、なかには「【速報】岸田首相、サッカー日本代表のドイツ戦勝利を受け、国民の祝日の制定を検討へ」、「年内に方針を取りまとめる」、などとするウソ記事のヘッドラインなども出ていますが、残念ながら現時点までに本日が休みになることが決まったという話は、政府からは出ていません。

このあたり、本日中に衆参両院で緊急に法律が制定されるかどうかについては、引き続き事態を見守る価値はある…のでしょうか?

本文は以上です。

読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。

にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

このエントリーをはてなブックマークに追加    

読者コメント一覧

  1. 元一般市民 より:

    サポーターの行為も立派ですが、負けず劣らず代表も立派だった様です。

    https://twitter.com/FIFAcom/status/1595541243354042368
    11羽の折り鶴と「ありがとう」

    前回のWCで、ベルギーに逆転負けした後のロッカールームも話題になりましたが・・・さすがだなぁ。

    1. 匿名 より:

      ありがとうを英語じゃなくて日本語とアラビア語で書いてあるのがすごく素敵だと思う。

  2. わんわん より:

     さて サウジアラビアにならって「自主祝日」にした方いるのでしょうかね? w

  3. 引きこもり中年 より:

    日本サポーターも、勝ち試合の後のごみ拾いと、負け試合の後のごみ拾いとでは、気持ちが違ってくるでしょう。

  4. 同業者 より:

    まぁ法律や規則が大好きなドイツ人らしいですね。
    ルールとは、他者のみならず、自己を守ってくれるものですからね。

    1. 匿名 より:

      相手もフェアプレー精神がある国でよかった。
      そんなものを微塵も持ち合わせず、なんならそこにつけこんでラフプレーをガンガンかましてくる国が相手だと、ものすごく空しい気持ちなるもんなあ、どことは言わないけど。

  5. 土地家屋調査士 より:

    記事更新ありがとうございます。

    >スポーツは「ルールを守って最高のパフォーマンスを上げる」

    同意いたします。日本VSドイツ戦でイエローカードが無かったことは賞賛すべきことと思います。

    当方が愛好します卓球においても、エッジボール(卓球台の角に当たるボール)に関しては、審判が気づかなくても、対戦相手選手が認めて判定を訂正するのが国際的な暗黙のルールになっています。
    また、ネットイン、エッジボールの場合は対戦相手に謝罪するのが国際的マナーとなっています。
    とはいえ、卓球の用具とサービスに関するルールについてはグレーな部分があります。卓球用具の不正なパワーアップは当然に有利となり、サービスの回転を対戦相手に判らなくするのも勝利に繋がるからです。

    卓球界に根深く残るスピードグルーや補助剤(ブースター)問題 その全容を詳しく解説
    https://rallys.online/forplayers/whats-hojozai/

    卓球のボディハイドサーブ(身体で隠すサーブ)の現状と今後
    https://pp-physics.com/technic/hidden-service/

    W杯日本代表チームには、今後もフェアプレイでの好試合を期待します。

  6. サムライアベンジャー(「匿名」というHNは、在日コリアンの通名と同じ恥ずべき行為) より:

     韓国紙でも取り上げられていましたね。
     韓国とは何の関係もないので正直迷惑ですよね。

  7. sqsq より:

    自分たちが出したごみは自分たちで片づける。小学生の時からのしつけのたまもの。

  8. Naga より:

    勝っても負けて気分が悪くなる相手じゃなくてよかった。

  9. オタク歴40年の会社員です、よろしくお願いいたします より:

    別のオタク専門サイトでは、
    最初にゴミ拾い始めたのは韓国人と
    書き込みがありました、
    もう
    これだけでうんざりですが、
    言い負かされるオタク達も情けない。

    1. 世相マンボウ* より:

      >>別のオタク専門サイトでは、
      >>最初にゴミ拾い始めたのは韓国人 ?(笑)

      まあ、そういたウリジナル主張は
      パクリと並んでお隣の国技なので
      もっともらしいそれは見事なできばえです(笑)

      たぶんそのソースは、
      2014年サッカーw杯で
      日本のゴミ拾いが世界に称賛された際、
      韓流は韓流でも本国韓流ではなく
      日本にある 民団 の機関紙が
      ごみ拾いは韓国起源だとし更には
      ゴミを投げつけたのが日本人と言う記事を載せたもので
      しかし、日本のオタくに代わって
      Record Chinaに笑われちゃってます。

      https://www.recordchina.co.jp/b90191-s0-c60-d0054.html

      まあ、およそモロモロ韓流というものの
      典型的な事象なのでしょう(笑)

  10. 元ジェネラリスト より:

    渋谷の交差点、行儀がよくなってて。
    警察と民衆のコミュニケーションが成り立ってます。(笑)

  11. WindKnight.jp より:

    イエローカード、レッドカード無しで、ドイツと渡り合えたのは、凄い事ですね。
    ちょっと、山の頂上が見えてきた感じすらします。

    まあ、サッカーの強い国の経済は・・・というジンクスもあるようですが。

  12. namuny より:

    いいことをすればいいことがある
    お天道様が見てる
    人事を尽くして天命を待つ

    日本人の一種のアミニズム的な側面もあるような気がします。

※【重要】ご注意:他サイトの文章の転載は可能な限りお控えください。

やむを得ず他サイトの文章を引用する場合、引用率(引用する文字数の元サイトの文字数に対する比率)は10%以下にしてください。著作権侵害コメントにつきましては、発見次第、削除します。

※現在、ロシア語、中国語、韓国語などによる、ウィルスサイト・ポルノサイトなどへの誘導目的のスパムコメントが激増しており、その関係で、通常の読者コメントも誤って「スパム」に判定される事例が増えています。そのようなコメントは後刻、極力手作業で修正しています。コメントを入力後、反映されない場合でも、少し待ち頂けると幸いです。

※【重要】ご注意:人格攻撃等に関するコメントは禁止です。

当ウェブサイトのポリシーのページなどに再三示していますが、基本的に第三者の人格等を攻撃するようなコメントについては書き込まないでください。今後は警告なしに削除します。なお、コメントにつきましては、これらの注意点を踏まえたうえで、ご自由になさってください。また、コメントにあたって、メールアドレス、URLの入力は必要ありません(メールアドレスは開示されません)。ブログ、ツイッターアカウントなどをお持ちの方は、該当するURLを記載するなど、宣伝にもご活用ください。なお、原則として頂いたコメントには個別に返信いたしませんが、必ず目を通しておりますし、本文で取り上げることもございます。是非、お気軽なコメントを賜りますと幸いです。

サムライアベンジャー(「匿名」というHNは、在日コリアンの通名と同じ恥ずべき行為) へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました

自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。

【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました

日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。
関連記事・スポンサーリンク・広告